酔っ払い拾ったらロックに出会った。   作:西ローランドゴリラ

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57話

 

 放課後、今日はSTARRYでバイトなので喜多ちゃん、ひとりちゃんの二人と向かっていると、たまたま虹夏ちゃんも合流して、四人で向かうことになった。

 

「今日、リョウは休み?」

 

「うん、奴はまともに連勤できないからね」

 

「それは、俺にも刺さる言葉だ」

 

「湊くんは本業がうちじゃないから良いんだよ!むしろうちで働いてくれる日があるだけありがたいよ!」

 

 最近距離が近づいてきたとはいえ相変わらず虹夏ちゃんから俺への評価が高い。いや、オーチューバーとしてはそうなんだけど、STARRYの従業員としては文句言われてもいいと思うよ。

 

「そう言ってもらえると気が楽になるよ」

 

「お、FOLTより居心地が良くなったらこっちをメインに活動してくれてもいいんだよ?」

 

「FOLTに固定のファンもいるし、ずっとお世話になってきたし、なにより廣井姐さんがいるからホームはやっぱり変えられないかな」

 

「その廣井姐さんも最近はうちに入り浸ってるけどね……」

 

「活動はあくまでFOLTだから……」

 

 月に何度かワンマンであったり、対バンとしてFOLTでの活動は変えるつもりはないし、廣井姐さんもSTARRYにひとりちゃんの様子を見に来てるけど、活動はFOLTでのままだ。

 それに、虹夏ちゃんもSTARRYを有名にするのは自力でやりたいはずだから、この誘いも本気じゃないはず。

 

 前で喜多ちゃんとひとりちゃん、後ろで俺と虹夏ちゃん、自然と分かれて話しながら歩いているとあっという間にSTARRYについた。

 なぜかひとりちゃんが最後尾に来る。いい加減慣れなよ。

 

「おはようございます〜!あれ?店長たち何かの罰ゲームですか?」

 

「おねーちゃん何やってんの!?」

 

 喜多ちゃんが元気に挨拶して中に入るのに虹夏ちゃん、俺、ひとりちゃんと続いてるのだが、俺の陰に隠れてひとりちゃんはまだ何も見えてないようだ。

 俺はと言うと、制服姿の店長さんとPAさんに見惚れていた。

 

 なぜ制服姿なのかはわからないけど、ギャル系の着こなしをした店長さんはスタイルの良さと本人の美しさもあって、気の強そうな美人特有の触れ難い空気感まで含めてよく似合ってる。

 PAさんも、ブレザーをしっかりと着込んだ制服姿で清楚な雰囲気。

 それに加えて実はピアスがたくさんでスプタンのギャップ。この前の文学少女スタイルの時も思ったけど、ギャップ……エロいね。

 

 そして二人が制服を着てるというのに、何故か廣井姐さんだけがいつもと同じ服装だった。

 

「二人ともめちゃくちゃ似合ってます!素敵です!廣井姐さん!姐さんも着ましょうよ!」

 

「いや……私は……あんまり高校の時の事は思い出したくないというか……」

 

「なら制服姿で俺といい思い出作って上書きしましょう!」

 

「なんでそんな乗り気なのさあ」

 

「廣井姐さんの制服姿が見たい!」

 

 俺が駄々をこねてると、自分たちだけ着せられて喜多ちゃんに罰ゲーム扱いされたのに、一人だけノーダメージの廣井姐さんが許せないのか、店長さんとPAさんが一緒になって姐さんを煽ってくれる。

 店長さんは罰ゲーム扱いなんて失礼な事言った喜多ちゃんへの制裁を加えるのに忙しいのに、ありがたいことだ。

 

「ほら、廣井もさっさと着ろよ、湊のお願いだぞ」

 

「いや~~~~!何で私怒られてるんですか!?」

 

 誰も喜多ちゃんを助けようともしないまま、素早くPAさんが廣井姐さんのための制服を持ってきた。

 

「うげっ、私の高校の制服と似てる……」

 

「そうなんですか!?じゃあこれ!これ着てみせてください!」

 

「うへ〜、仕方ないなあ〜」

 

 不承不承、俺たちの圧におされ、廣井姐さんも着替えることになった。

 

 少しして着替えてきた廣井姐さんは、店長さんによって三つ編みおさげにされ、テンションが目に見えて下がっていた。

 

「なんか……こんな姿見せてごめんなさい……」

 

「姐さんかわいいですよ!こんなかわいい子いたら俺ならほっとかないね」

 

「いや……学生時代、周りからはめちゃくちゃほっとかれたんだ……」

 

「見る目が無い奴しかいなかったんですね~」

 

「いや今のこいつを考えたら関わらないのは見る目あったろ」

 

 店長さんの言葉で廣井姐さんがそうだよね、私なんてとお酒が入ってない時の暗い性格が顔を出してきた。本格的に学生服が苦手みたいだ。とりあえず、写真を撮ってしまおう。

 

「廣井姐さん、とりあえず一緒に写真撮りましょ!せっかく可愛い恰好してるんですから」

 

「咲良ちゃん、向こうで撮っておいで……10代のフレッシュさにはかなわないよ。化粧もしてないのにあの透明感だよ、あの子たち……」

 

 廣井姐さんの言葉の流れ弾を受けて店長さんとPAさんも涙を流してる。皆美人なのに。

 

「でも、俺が魅力を感じるのは皆さんなので関係ないですね」

 

 なんとか機嫌を取って、廣井姐さん、PAさん、店長さんとツーショットを撮らせてもらって満足する。

 

「ねぇねぇ湊くん、私とは撮らないの?」

 

「そういえば私とも写真撮ったことないわよね?」

 

「え、うん、二人はいいかな」

 

 虹夏ちゃんと喜多ちゃんの制服姿なんて、別に珍しくもないし撮る理由もないんだけど、俺の言葉で二人がお怒りになった。

 

「そういえばSIDEROSの子たちはショート動画に出てたりライブのゲストで出たりしてたけど、私たちって出してもらったことも出てもらったこともなかったよね?」

 

「私たちとは一緒にやりたくないし、データに残したくないとでも言う気かしら?咲良湊」

 

「俺のホームはあくまでFOLTでヨヨコ先輩とは前からこんな感じだし、他意はないよ……あと喜多ちゃんフルネームで呼ぶのやめよ、怖いから」

 

「喜多ちゃん!ぼっちちゃん!奴を確保ー!」

 

 喜多ちゃんが白目の部分を黒くして凄いスピードで俺を捕まえる。力で振りほどこうとした頃には追いついたひとりちゃんが可愛らしい力で抱きしめてきてて、振り回すのが心配になって動けなくなった。

 

「さ、撮るよ〜」

 

 虹夏ちゃんによって撮られた写真は、喜多ちゃんはしっかりといつもの可愛い顔に戻って、ひとりちゃんは写真を嫌がってか俺に抱きついて顔を半分隠して、虹夏ちゃんはいつもの笑顔、そして俺はどう見ても引き攣った顔。

 

 喜びを示せと脅され、スマホの待ち受けにする事でなんとか許された。

 俺の中での扱いが大人組に負けたのが乙女的にむかついたみたいで虹夏ちゃんと喜多ちゃんは怖かったけれど、ひとりちゃん的には逆に俺の待ち受けに自分が映ってるのが落ち着かなかったみたいで、二人に隠れてこっそりと待受をPAさんとのツーショットに変えるとニコニコしてくれた。

 

 その後も大人組に絡もうとすると、虹夏ちゃんと喜多ちゃんの反応がちょっと怖かったので、ひとりちゃんに癒された。




お礼です!

⭐︎10をくださったなのまてりある。様、Naru 50様、Lotus0727様、ゆきのおはな様

⭐︎9をくださったかんぴょう様、レシア・ディスオーダー様、夜空様、新宿邪ンヌ様、二分様

⭐︎8をくださったegurumanie様、フイ様、yoshi10203040様

感想をくださったはにワ様、なまこな様、田中読者様

皆様ありがとうございます!

前回、評価をつけてくださる方がすくなかったので、供給を求めてる人のほとんどに届いたと思ったら今回はたくさんの方に評価いただいててビビり散らかしてます。
本当にありがとうございます、今後も妄想を文字に整理するくらいの気持ちですが続けてくのでよろしくお願いします。

皆様に幸あれ!
具体的にはスーパーの唐揚げで優勝するくらいの幸あれ!
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