酔っ払い拾ったらロックに出会った。   作:西ローランドゴリラ

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80話

 

 今日は結束バンドが路上ライブをやるということで見に来てほしいと言われたけれど、普通にSIDEROSの方に用事があったので断ってきた。

 

 今の結束バンドならどうせ心配ないのに不安そうだから、廣井姐さんを送ったのでメンタル面も問題ないはず。姐さんがいればだいたいなんでも解決してくれる。

 

 誘いを断ってまでSIDEROSに会いにきたのは、結束バンドのファン1号2号さんたちがその名に恥じない行動力により圧倒的な速度で動画編集を終え、動画を公開し、その内容でSIDEROSから呼び出しを食らったから。

 

 ヨヨコ先輩からはこの季節にプールは馬鹿じゃないのか?というお叱り、ふーちゃんとあくびちゃんからは自分たちも行きたいとおねだり、幽々ちゃんからは「サタン様は全てわかってます、次は私とあの夜の続きですよ〜」とガチで全部わかってそうなロインが来てた。

 

 俺とPAさん……アルちゃんは晴れて付き合う事になったけれど、アルちゃんは歳の差を気にしたり、関わる人や関わり方が限定されて俺の自由な表現を妨げてしまう事を気にしてた。

 というか俺の音の一ファンとして俺に自由であってほしいとまでいわれたので、自由にしていいなら好きな人全員と付き合う方を選ぶと言って、カラカラになるまで搾られる代わりにn股の許可を得た。

 

 というわけでスタジオの前まで来たところで、俺を待っていたかのようにちょうど出てきた幽々ちゃんに出会った。

 

「じゃ、告白をどうぞ」

 

「え?あ、好きです、付き合ってください」

 

「はい、喜んで」

 

 突然現れた幽々ちゃんに告白を求められて、なんの捻りもなく告白をしてOKをもらえた。

 俺が来るのも含めて、たぶん全部お見通しだったんだろう、サタン様すげぇ。

 

「疑問に先に答えておきますけど、霊感があってサタン様を信じて敬意を払って、恐れない。私には最初から湊さんしかいないので幸せにしてくださ〜い」

 

「うん、精一杯頑張るよ」

 

 腕を組んでスタジオの中へ向かう、早速二股クソ野郎になった。

 世間では三股以降に名前はつくけど、二股は刺されて死ぬので名前がないらしい。ここはなんとしてもヨヨコ先輩への告白も成功させないといけない。

 

 

 

 と、意気込んだのだが、結果は失敗に終わった。

 

「いい?私は一番じゃないと気が済まないの、湊のことは好きだけど何人もいる中の一人なんて絶対嫌!必ず私だけと付き合うって言わせてみせるから!」

 

「俺、ヨヨコ先輩のああいうところがやっぱり大好きなんだよね」

 

「知ってますよ〜、ヨヨコ先輩が強気な発言する時、湊さんいつも機嫌いいので〜」

 

「ベタベタしてないでちゃんと聞きなさいよ!なんで説教のために呼んだらこんな事になるのよ!」

 

「説教のためじゃなくてお願いのためっすよー」

 

「そうだよっ!私たちもグランピングしたいし、コテージでお菓子パーティーとかどうかな?湊くん?」

 

「幽々は湊さんと二人部屋もらえるなら賛成です〜」

 

「そんな事のために呼んでないわよ!泊まるとしても湊は私と同じ部屋よ!誰も湊に手を出させたりしないから!」

 

「俺が守られる側なんだ……皆が良いなら行きたいかな、グランピングの動画、結構数字良かったし……俺あんまり映ってないのに……」

 

「ああ、コメントしてる層も普段とちょっと違ったっすね」

 

「でもでも、そこから他の動画の再生数とかコメントも増えてたよー?」

 

 あくびちゃんとふーちゃんが割とちゃんとした分析をしてくれてて驚く、俺や1号2号さんは投稿してる側だから詳しい数字を見れるけど、二人はそういうの無しに頑張って情報を集めてきてる。

 純粋に、それが何故なのか気になった。

 

「なんでそんなに詳しいの?」

 

「そりゃあグランピングを勝ち取るためっす!水着姿を晒す覚悟もしてるっすよ!」

 

「プレゼン資料と、いつもより多めにお菓子を用意してます!」

 

「ふーちゃんのお菓子!グランピング行こ行こ!スケジュール確認して送るから都合の良い日教えて!」

 

「ちなみにお菓子は幽々の勧めでブラウニーもありますよ〜」

 

「やった!俺あれ好きなんだよね!」

 

「知ってます〜」

 

 言ってないのにね、幽々ちゃんが知っててももう何も驚かない。

 

「なんであんたたちの話だけうまくまとまってるのよ!いい?絶対よ?絶対湊は私と同じ部屋で寝るのよ?」

 

「ヨヨコお姉ちゃん過保護すぎっすよ、そんなんじゃ嫌われるっす」

 

「そうだよ〜、せっかく幽々ちゃんとカップルで行くんだから二人の時間を作ってあげないと」

 

「湊が他で彼女作ってるのもまだ受け入れてないのに、幽々と付き合うのまで受け入れられるはずないでしょ!二股なのよ!?」

 

「私は受け入れてます〜」

 

「ほら、本人が受け入れてますし〜」

 

「ロックンローラーなんだからこんなもんじゃないっすか?なんなら将来失敗したら自分も湊さんと付き合いたいっす」

 

「ごめん、あくびちゃんのことは好きだけど、まだそんな風に思えないというか……でも一緒に音楽してたいから、何かあっても力は貸すよ」

 

「なんでそこは誠実なのよ!誰でもいいわけじゃないって分かってるから余計に混乱する!」

 

 いくら俺がヨヨコ先輩の事が好きとはいえ、幽々ちゃんと違って特別な理由もないし、男なんて選びたい放題な先輩に俺を選んでもらうのは大変そうだ。

 

 先輩は俺に先輩だけを見てほしい、俺は好きな人皆とずっと一緒にいたいし、他の人に先輩を取られたくない。

 つまりこれは先輩と俺の勝負だ。

 

「先輩、俺もっと先輩に好きになってもらえるように頑張ります!」

 

「私だって、もっと私のことを好きにさせてみせるわ!」

 

「「じゃあ」」

 

 先輩としっかり目が合うと、放つ言葉も揃ってくる。

 

「勝負ですね」「勝負ね」

 

 

 この瞬間、明確に勝負が始まった。

 だがそんな熱い空気は長続きせずに、腕をひっぱられる。

 

「ヨヨコ先輩もいいですけど、この場にいる彼女を大事にしないとダメですよ〜」

 

「わ!ごめん幽々ちゃん!どうしよう!色んな人を好きになるの、すっげー大変!」

 

「だからちゃんと一人に絞りなさいよ!」

 

「でも皆好き!」

 

「それでも!選ぶの!普通は!」

 

「いやー、自分たちは応援してるっすよ、普通じゃないからこそ咲良湊って感じっす」

 

「そうですよー、実際湊くんの音、一段と良くなってたじゃないですかー」

 

「あー!もうめんどくさい!甘やかさないで!湊の教育に悪いから!」

 

 そう言って俺を抱きしめて皆から隠そうとするヨヨコ先輩の腕で首が締まり、相変わらずタップしても意味が伝わらない先輩のせいで薄れゆく意識の中、やっぱりこんなにも俺の事を考えてくれる先輩が好きでたまらなくって、抱きしめた。

 

 

 

 ちなみに、湊以外の誰から見てもヨヨコはチョロくて変な男に引っかかりそうなので、何股であろうと全力で湊を推す体制になっていることは、当人たちだけが知らない。





リョウの誕生日、間に合わず!
たぶん湊くんからリョウの誕生日は当日以外で普通に飯奢るかなんかで、プレゼント何贈ればいいかわからないし考えるの放棄する


お礼です!

⭐︎9をくださったさこした様、ティアナ000782様

感想をくださったなまこな様、田中読者様

皆様ありがとうございます!
皆様に幸あれ!
具体的には使うなって書かれてるポストに郵便局が重要書類を入れて困るなんて事がないように……皆様の無事を祈ります。
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