歓迎会の翌日、バイトは休みなのだが結束バンドはアー写を撮るらしく、意見が欲しいのと撮影係としてリョウから呼ばれて俺もSTARRYに来ていた。
「え〜、皆さんに今日集まってもらったのは理由があります!アー写を撮ろう!」
「アーティスト写真の事ですか……?」
「そうそう!4人揃ったし暇なうちに撮っておこうかなと!」
「あっこの前のライブの時はどうしたんですか……?」
「あ〜、前ライブに出る為に撮った写真はあるけど……ほら、喜多ちゃん逃げちゃったから……」
虹夏さんが出したアー写には元気な虹夏さんとアンニュイな雰囲気のリョウ、二人のツーショットの横に集合写真に欠席した人が入れられる丸枠の中に喜多さんという、酷いものだった。
「「こんな酷いアー写初めて見た……」」
どこで撮るかという話を虹夏さん主体で進めていく中、俺を誘った張本人が全くの無言なため横を見る。
真っ青な顔をして冷や汗をかいて、微動だにしない。
「雑草、食ったのか」
「ごめんなさい」
「この前貸したお金はどうした」
「ハードオプで消えた」
「それは……仕方ないか」
「さすがハードオプの案件動画持ち、優しい」
演奏できる楽器の幅が広いから、『ハードオプにある楽器だけで演奏、バンドメンバー全部俺』を投稿したところプチバズりして、以来は案件として全国各地の楽器在庫が増えてきたハードオプで演奏させていただいている。
ありがたいことに俺が使ったことに価値があると、ファンが買ってくれ売れ行きも良くなるらしい。
「いいこと思いついた、湊、お金ください」
「リョウ、さすがにこれ以上貸して返せるのか?」
フルフルとリョウが首を振る。
「私の楽器、湊なら好きに使っていい、だからレンタル料ください」
そう言ってリョウが差し出した部屋の写真には高級品から生産終了したレア物などが大量にあった。
「まじかよ!こんなにあんの!?」
「しかも売買してラインナップが更新される」
「乗った!これで動画撮影のネタが増える!」
リョウといつものように硬い握手を交わす、すると動いたのがしんどかったのか呻いてトイレへと向かった。
あ、虹夏さんに捕まってアー写に使う良さげな壁の説明に使われてる。さすがにトイレに行かせてやってくれ。
「よーし!じゃあアー写撮影にれっつごー!」
虹夏さんの号令で外へ出る。
撮影係として同行したけど、喜多さん光に当てられた後藤さんが倒れて痙攣した、すごい、怖。
「青春コンプレックス発動……」
「後藤さんどうしたの、死なないで!」
「私が……私が下北沢のツチノコです……」
「後藤さんが変な事言ってるわ!」
「いつもこんなんだよ」
顔面崩壊する後藤さんに泣く喜多さん、冷めた虹夏さんに思わず声を出して笑ってしまう。
「後藤さんめっちゃ面白いね、虹夏さんのツッコミも最高」
「もー、ぼっちちゃんのせいで湊くんに笑われちゃったじゃん」
「えへへ……面白いですか?ありがとうございます」
「聞いてないし……」
ダメだ、一度ツボに入ると笑ってしまう、個人的に虹夏さんの冷めたツッコミがツボすぎる。
「ツボっちゃってる咲良くんは置いといて、アー写どうします?」
「湊くんを置いとける喜多ちゃんは大物だよ、あ、雑用で呼んでるリョウも大概か」
「キャー!それって私とリョウ先輩が大物でお似合いってことですか!?褒めすぎですよ〜」
「もう、いいや……アー写のこと考えよ」
「有識者が言っていた……OPでジャンプするアニメは神アニメ……と」
虹夏さんのツッコミで笑から抜け出せない俺、いつも通りらしいけどやばい後藤さん、暴走した喜多さんを諦めて虹夏さんがアー写に考えを戻すと、ようやく復活してきたリョウがまともな意見を出す。
全員が落ち着いてからジャンプして写真を撮った。
後藤さんのパンツが見えている。リテイクだ。
「後藤さんが目を瞑ってるからもう一回で」
「「はーい!」」
喜多さんと虹夏さんが返事をくれ、残り二人も頷いてくれる。
今度は半目だが後藤さんのパンツはしっかり隠れた。
「おっけー!撮れましたー」
「バンド感に青春っぽさがプラスされたね!」
「写真のデータほしい」
「あ、咲良くんて編集とかできるのよね?一枚目と私はどっちが映りが良いかしら」
喜多さんが何気なく写真をスライドする、すると出てきたのはパンツの見えた後藤さんの写真。しまった、先に消しておけばよかった。
「あ……無価値なものを映してすみません……消してください」
「ぼっちちゃんが謝るんだ……」
「無価値なんかじゃないよ、後藤さんも可愛いし需要はあるよ。PAさんに見られたくないから遠慮なく消させてもらうけど」
後藤さんの目の前でちゃんと消去しておく。
「あ、ありがとうございます……」
「私がおかしいのかしら?なんで高校生の男女でパンツが見えたのにこんなに淡々としてるの?」
「ま、まあとにかく人気バンドの夢にまた一歩近づいた!結束バンド、これから本格始動だよ!」
虹夏さんが場を仕切り直してくれる。
「夏までに曲つくって(未定)ライブ!(未定)デモCD配布(未定)今冬ファーストミニアルバムリリース(未定)、下北沢発祥のエモエモなエモロックバンドになる予定!」
「確定情報が何一つないですね!」
喜多さんがツッコむけど、これはこれでいいと思う。
「これから確定させてけばいいよ、売れるまでの段階をちゃんと考えてて虹夏さんはすごいよ」
「そうだよね!ありがとう湊くん!」
「そ、そういうものなの?でも咲良くんて音楽に関してはポジティブすぎるというか、ポジ狂ってるし……」
「ポジ狂ってるってなんだよ、とりあえずこれからの活動頑張って、俺は行くとこあるから帰るね」
みんなもキリがいいからと解散するらしく、お別れを言って解散した。
駅のホームでこれから向かうとイライザさんにロインを送る。
一緒に見る約束をしていたアニメの話数が溜まって来たらしい。行ったらたぶんジャズセッションもするし、家にも遅くなるとロインを入れておいた。
今回もお礼させていただきます。
感想へのお礼もはじめてできるのでハッピーハッピーです。
⭐︎9に上げてくださったユラリア様
⭐︎9をつけてくださった上に感想も書いてくれたR-01様
⭐︎9をつけてくださったおじおじ3様、REeee様、蟻延 飾様、
⭐︎1をつけてくださったごまくま様
感想をくださったはろはろ衛星様
本当にありがとうございます。
⭐︎9の方と1の方を同列に並べるのは失礼かもしれませんが、前にも申した通り、解釈違いを起こしただけのぼざろ好きな仲間と認識しておりますのでご容赦ください。
ユラリア様は最初期に評価をくださった方で、そういった方に評価を上げていただけるのは感慨深いものがありました。
ぼざろという素晴らしい原作ありきの二次創作ではございますが、今後ともどうぞよろしくお願いします。
最後に、皆さんに今日も幸あれ
具体的には昔好きだった曲をなんとなく思い出して聞くと、やっぱりめちゃくちゃ好きで当時の思い出に浸って少し幸せになるくらいの幸あれ