ダンジョン=俺 作:あり
「……」
あれから特に何も無く、腹が減れば岩を齧り、苔を摘み。水分は摂らず何故か生きている不思議だが平穏で堕落した日々を過ごしていた。
時折出てくるこのゲーム的なウィンドウも気になるが、まぁ気にしない事にした。異世界があれば、そう言うウィンドウ的な物もあるだろう。と言うか、そこに突っ込んで仕舞えば、そもそもあの世の存在についても言及しなければいけなくなる。だから辞めた。
「自由気まま……」
今の俺は自由なのだろう。だけど、得て気付いた。いや実は俺は最初からうっすら無意識に気づいていた筈だ。これは自由なのか?真っ白なキャンパス一枚に自由に何でもして良いよって言われてもそれは本当に自由なのかと思う。
本当の自由と言うのは、何事にも縛られない事。そうか、俺は社会に縛られて、そこから解放されたと思ったら今度はあの世の言葉に縛られているのか。
じゃあダンジョンから抜け出そう。そう思ったのだが、身体は動かない。と言うか身体の感覚は前と変わらずと言った感じだ。俺の身体は無くなったのかもしれない。だが、前と同じく腹は減る。……人間以外の生物になったのか。
と思っていると、何やら辺りが騒がしくなった。どうやら、このダンジョンに誰か来た様だ。
「こんな所にダンジョンが出来てるなんて……」
「姫様、こんな小さなダンジョンには大した物も大したモンスターいる筈がありません。帰りましょう」
「ですが!ダンジョンが出来たという事は、ダンジョンコアがあると言う事。即ち、コアからモンスターが生まれ民が傷付く可能性があると言う事です。私達が、手を抜けば誰かが血を流すかもしれないのです。貴方はそれでも良いんですか?」
《侵入者を撃退しますか?》
二度目の感覚、脳に自動音声が直接響く様に流れた。一体お前は、何なんだ?
《私はダンジョンヘルパーです。別名ダンジョン訪問介護人とも言います。一ダンジョンに一体、ダンジョンが出来た時に生えるのが私です。基本的に
「俺のダンジョンだからか」
《いいえ。貴方
は?何を言ってるんだ?俺が、ダンジョン?いや、どういう事だ?
《パートナー様、悩んでいる時間はあまりありません。早く、撃退するかしないか決めないと攻略されますよ》
「攻略されると、どうなるんだ?」
《コアを破壊されて、あの世行きですね》
嘘だろ?もうあそこには戻りたく無い。いやだ。なら、どうすれば良いんだ。そう悩んでいると、ヘルパーの声が響く。
《絶対にコアを破壊されない方法が一つあります》
「それはなんだ」
《人類を絶滅させる事です》
悪魔の様な発言が、無機質な声で再生された。