「ふん!」
レオはその丸太のような脚蹴りで結界を破らんとする魔王を叩き落とす。魔王は七色の光線によって迎撃するが、レオの魔力放出によって掻き消された。そして放出された余りある膨大な魔力はそのまま転生村へと迫った。
「俺の出番!」
すぐさまセキが飛び出し、《
「セキくん!これじゃ結界も…」
結界への負荷に気づいたリーランが警告し、セキはすぐさまそれに応える。
「わかってます!"タマ"!!"対象限定"、"レオの魔力"!!」
放たれた宣言に従い、タマと呼ばれた黒い球はレオの魔力に引き寄せる対象を絞る。対象の絞られた引力は力を増し、より激しくレオの魔力を吸い込む。完成した超高密度の魔力の塊に、蹴り飛ばされた魔王が触れる。魔力でできた魔王の肉体は、より高密度の魔力へ触れた傍から制御を失い分解されていく。しかし、魔王というのはそう簡単に打ち倒せるものではない。分解が始まった直後、魔王は自らを光の粒子へと分解し、四方へと飛び散る。
「やべ!タマ!"対象追加"、"敵"!!」
《
「ふん!!」
レオは背負っていた大剣を投げた。魔力を込めて。もちろん大剣は一瞬で壊れた。どんな物体だろうとレオの魔力に耐えられるはずがない。だが圧倒的な腕力で投擲された大剣は、崩れ去る一瞬のうちに"タマ"へと到達した。"その瞬間、"タマ"の持つ魔力量は直径2mの容量を超え、光速をも取り込む引力を放ち始めた。
「キュリキュリキュリキュリキュリ」
軋むような音を立て、魔王は魔力の塊となった“タマ”へと吸い込まれていく。既に粒子にまでなった魔王はそれ以上分解されることはなかったが、その動きは止まり、次第に高密度の魔力と混じり合いながら実体化されていく。
「セキ」
レオが呼ぶ。
「了解。“対象追加”、“俺とレオ”!」
引力の対象となった2人は、急速に魔王へと接近する。
「《
「《
2人は今それぞれの持てる最大威力の拳を、上下から全力で叩き込む。弾け飛ぶほどの魔力圧と押し潰れるほどの引力の狭間で、魔王は消滅した。そのままレオはセキを抱えて着地した。
「倒せましたね。魔王。」
セキは安堵し、体の汚れを払いながら言った。
「ああ。だが、今のは発達途上の魔王だったようだ。できあがっていた《灰燼の魔王》は俺が100殴っても砕けなかった。」
おお、と感嘆を漏らすセキだったが、すぐにリーランが駆けてきた。
「レオ、
その頃、シュウはローベンと対等に渡り合いながら順調に手札を割っていた。ローベンは手数と出力で圧倒的に勝るものの、複数の
「手加減してくださいよ先輩!!」
「したら殺すだろ。」
これまでローベンが使用した
「殺害が条件…?」
シュウは考えながらついそう零した。ローベンは表情を変えなかったが、その瞬間だけ攻撃の精度と足取りが僅かに揺らいだ。それを、シュウは見逃さなかった。
「正解か?」
「チッ…勘がいいなあ…!!」
そのとき、巨大な羽音が2人の頭上へと迫った。その主は紅竜だった。
「ハアァァァァァァァァ!!!!!!」
けたたましい叫び声とともに、その紅竜はローベンへと一直線に突進する。砂煙が静まったとき、現れたのは青筋を立てた魔獣おじさん、ノットだった。
「きたぞ。」
シュウを奮い立たせるのに、複雑な言葉はいらなかった。
16時投稿の安心感が凄まじい…(今日は書き終わったの11時前だけど)
ちなみに僕は筋トレほとんどしてないです。次回水曜です。