「さあお祝いだよ!」
強制的に招集された住人たちの食事会が始まった。相変わらずホムラは誰よりも早く手を付け初めている。リリーやメモリア、レオがそれに続く。次々と食べ始める皆を見て、シュウは隣に座るウーナへ申し訳なさそうに言った。
「あの、俺今食えない…」
するとウーナはまだ自分が一口も手を付けていないのにも関わらず、席を立って出口の方へ歩いて行った。ウーナが手招きをするので着いていき扉の外に出ると、そこには満天に広がる星空があった。
「え、今昼じゃ…」
困惑してシュウはウーナの方に目をやると、彼は天を仰いで星を見ていた。しばらくすると、ウーナが呟き始めた。
「ここは、転生村から遠く離れた、裏側。ここは、夜なんだ。」
そう言ってウーナは少し儚げな表情でその場に座り込む。時差というものの存在は、シュウも知っている。だが、昼が夜になるほどの距離をあれだけの人数で移動したというのは、にわかには信じがたいことだった。何気なくそれをやってしまうウーナは、やはり強力な他の転生者たちとも一線を画す存在なのだと実感した。
「いや、確かに夜にしてほしいとは言ったけどそういうことじゃない。」
「あ、ばれたか。」
シュウのツッコミに、とぼけた顔をしてウーナはそう答えた。
「まあ、お腹が空いてないんだったらこの綺麗な星空を一緒に眺めてようよ。星座って知ってる?」
シュウは暢気に話すウーナの隣へ座り、会話に付き合うことにした。
「知らない。ああ、でも、あれが北の星だ。あれは知ってる。」
「そうなんだ。僕は知らない。」
「知らないのか。」
沈黙が流れる。
「そうだ。僕の前世か
ウーナが再び話し始めた。シュウにとってはどれも気になる話だった。悩んだが、少し考えて
「じゃあ話すね。僕の
「神っていうのはどういうのだ?ソラとか?」
トゥテルが反宗教国家であったため神についてよく知らないシュウはそう問いた。ソラというのは、そんなシュウでも知っているほど有名な世界的に信仰される『太陽の神』だ。そうそう、とウーナは答え始める。
「ソラもそうだよ。神って言っちゃえば超凄い魔物みたいなものでさ、違うところがあるなら存在自体が高次元な…まあ、凄いんだよ。あ、今ソラ降ろすから見てて。」
反応する隙も与えずウーナはすぐさま立ち上がりシュウから少しだけ距離をとる。目を瞑り、背筋を伸ばし、深呼吸。すると、ウーナの頭上に光の輪が半分表れた。その瞬間シュウは、体をすり抜けるような魔力の流れを全身に感じた。
「妙な感じだ。その頭のはなんだ?」
「これは、どのくらい神の力が降りてるか見えるやつ。今は半分くらいだから、ソラの力が半分ここにあるってことになるね。凄いでしょ。」
自慢げにそういったが、シュウはいまいちピンと来ない様子だった。ウーナは少し頭を捻り、今度は空高くまで舞い上がっていった。シュウはそれをぼんやりと目で追っていたが、次の瞬間、空に小さな光の球が現れた。
「シュウ!ちょっとだけ違う方見てて!!」
ウーナの声が聞こえ目を逸らした次の瞬間、空は急に日が昇ったかのように明るくなった。目を細めながら空を見ると、ウーナがいた辺りに太陽に似た光球があった。すぐに光球は小さくなり、ウーナがゆっくりと降りてきた。
「どう?凄いでしょ。」
シュウは静かに頷いた。
「でも、あれはまだソラの力の1万分の1にも満たない小さな力なんだ。まあ、こんなもんよ。」
シュウはドヤ顔でそう言うウーナに拍手を送った。規模が大きすぎて理解ができなかったが、とにかく凄いというのはよく分かった。
「さて、シュウ。」
おもむろに、ウーナが少し浮いてシュウに目線を合わせる。
「これからが僕が今日やりたかった1番のことだ。」
どんどんと話を進めていくウーナに絶妙についていけていないシュウだが、無情にもウーナは止まってはくれない。
「そんな僕が、村長として、フーリを守った君のために、贈り物をしよう。今から言う3つから1つ、選びなさい。1つ目、私自身の神格を用いて君に
今度はあまり悩まず、3つ目を選んだ。自分は
「ところで、もし
「僕と同じのあげたよ。」
後悔はない。はずだ。
あれ、食事会どこいった。