「お、シュウ。」
宴会場に戻ったシュウを真っ先に出迎えたのはザックだった。
「お前のやつ、今ビリーが温め直してるからちょっと待ってろ。あ、そのサラダ食っていいぞ。」
シュウはうん、と首を縦に振り自分の席に着く。カラフルなサラダを食べながら周りを見回すと、リーランと目が合った。彼はすぐに歩み寄ってきた。
「シュウ、いなかったけど何してたの?」
お腹減ってなくて、とウーナと話したことを伝える。話の中で一番驚いていたのはやはり、ウーナが
「いや、まあ俺も迷ったし、ウーナのあれだと知ってたら選んだかもだけどまあ、俺は
全然、は流石に嘘だが、それはシュウの様子からザックとリーランも察していた。そのうえで本人が後悔はないと言ったから、2人も特に口は出さないことにした。そのとき、部屋の奥の方で木製の何かが破壊される音がした。
「てめえ私の肉とったろおっさん!!」
「肉はみんなのだ!」
ノットとホムラが喧嘩していた。理由はまあ、叫んでいる内容意外にないだろう。
「なあ、あれどっちの方が強いんだ?」
ホムラ百元気そうだし、殺し合いになったりはしないだろうと思い、呑気に尋ねた。最初に答えたのはザックだった。
「どっちも力を溜め込むタイプだから今どうだかわからないが、多分ノットだろう。」
その回答に、少し離れて聞いていたメモリアが突っかかる。
「いや、確かにノットさんは強いですけど、ホムラの方が強いと思います。」
中々圧のある表情でそう言われたザックは、じゃあ見てみるかと落ち着いていた。
「溜め込むタイプってどんな感じなんですか?ホムラは炎を使ってたけど。」
質問をするシュウへすかさずリーランが返答する。
「ノットは従えてる魔物の持つ力を全て自分のものとして扱えるんだよ。《従属強化》って魔法知ってる?手下の魔力を借りれるやつ。あれの元だよ。」
簡潔な説明を披露したリーランへ被せるように、メモリアが説明を始める。
「ホムラは自分と自分に触れたものが、炎で焼けなくなる。さらに、受けた炎はホムラの
シュウはメモリアの説明も聞き遂げたが、それより喧嘩の状況が凄いことになっていた。ノットはどこから持ち出したのか鉞を携え、ホムラは全身から炎を噴き上げて取っ組み合っていた。壁は頑丈なようで傷一つついていないが、床はどんどん削れて2人は地面に深く潜っていく。思ったより激しい戦いになったことに驚いていると、そんなことは他所にビリーが美味しそうな食事を持ってきた。
「やあ主役!どこ行ってたんだ?このコロッケがちょっとしけっちまってな…まあ食え!あんなん放っといてほら。お前の武勇伝を聞かせてくれよ。」
ビリーに引き連れられて自分の席に戻ったシュウは、食べながらどんどんとローベンとの戦いについての話を引き出された。ビリーが聞き上手なもので、話に熱がこもっていくといつの間にかリムやモニ、リリーも聴きに来ていた。そうして、楽しい夜は更けていった。
転生村の面々が転生者でないシュウの活躍を祝っている中、転生村の西方トゥテルの王城で傷を癒す者がいた。
「やられちったなあ。」
再生しつつある腕を撫でながらそう呟くのは、転生村を襲ったローベンだった。シュウの《影鍼》によって受けた傷は表面上は治ったものの、内部は再生し切っておらずまだ痛んでいる。
「魔力操作か。そういえば、
練習しとけばよかったかもな、と心の中で呟く。だかま、それでも彼はこれからそうしようとは微塵も考えていなかった。彼は努力というとのがとことんできないのだ。
「せっかく取れた《魔剣使い》ももうなくなったし、どうしようかねえ…」
孤独な反省会でのぼせてしまったローベンは風呂を上がり、適当に端に寄せたトゥテルの王ストラテスの焦死体を眺め、呟いた。
「あ、いいこと思いついた。」
今度こそ食事会+αの構成になりました!
《
は休日なのでゆっくり書けるかと思いきや、ほぼ寝てて推敲する時間がほぼなかったです!ギリギリなのはいつも通りか。