カルジーナのピンチに駆けつけたのは、最初に転生村へ帰ったリム、村にいたリーランとアイマにカルジーナの下から帰還したシュウ、レオ、カンナ、セキ。その中で最初に動いたのは、筋肉で思考したレオだった。爆発的な踏み込みから発生する圧倒的な威力の体当たりは躱されてなおローベンの右腕を粉砕した。
「うわ危ねぇっ!!」
ローベンはぶらりと落ちる腕をもう片方の腕で抑えながら飛び退き、レオの方をよく観察する。
「あんたは…『灰燼の魔王』を倒したレオか?」
「うん。だから何だ。」
レオはすかさず追撃を放つが、今度は見えない壁に阻まれた。魔力を纏っていないとはいえ、レオの拳撃はそうそう受け止められるものではない。その強度は分厚い鋼鉄に匹敵する。
「《浄化の炎》…!!」
青い炎が高速で地を這い皆の視界を塞ぐ。状況の危険性を真っ先に理解したのはシュウだった。即座に魔力を抑え、立ち上る炎の中へ突っ込む。皮膚が焼けるが、一直線にローベンを目指す。
「はは、バレた?」
明るく笑うローベンの足に、シュウは練魔石の腕輪を伸ばし絡みつける。そのとき、『眩耀の魔王』スピニテが光線によってシュウを狙った。しかしそれはシュウに届く前に弾かれた。
「着弾までのラグがほぼ無い。楽だな。」
立ち塞がったのはリムだった。無数の光線を漏れ無くジャストガードで打ち消し、スピニテを相手取る。充分に距離を詰めれば光速移動すらも発動前に潰せると、直前に彼は言っていた。シュウはリムを信頼して視線をローベンに戻し、腕輪の操作に集中する。
「《影鍼・練魔》!!」
掛け声とともに、練魔石の腕輪を通しローベンの体内へ魔力を潜り込ませる。が、今度はローベンの《浄化の炎》により、攻撃へ変化する前に消滅し、さらに絡みつけた腕輪自体も蒼炎によって千切れてしまった。
「あっ。」
ローベンの持つ隠蔽系の
「まずい。」
シュウは思考を巡らせる。《貫く矢》は間に合わない。腕輪も千切られ再度伸ばすには時間がかかる。思考を更に巡らせるが、答えには辿り着かない。その時、煌めく火焔の中から飛び出したのはリーランだった。リーランはローベンの首を掴まえて左腕を捻り地面に押さえつける。《浄化の炎》の発生源であるローベンに直接触れたリーランの肉体は高速で焦げて崩壊していく。ローベンはさらに《毒の聖杯》によって神経毒を分泌した。筋肉は焼かれ、神経が侵されリーランの拘束が急速に弱まっていく。
「抑えててリーラン。」
窮地に続いて現れたのは、アイマだった。蒼炎の無い上空に浮くアイマは黒炎を全身から放ち、それはまっすぐ下へと堕ちて蒼炎を圧し潰す。
「何だぁ!?」
黒炎は勢いを増して蒼炎を飲み込み、すぐにリーランとローベンに到達した。黒炎によってリーランの回復魔法は増幅し、再びローベンを強く抑えつける。
「行くぜ"タマ"ァ!!"対象限定"、"炎"と"レオの魔力"と"敵"!!」
蒼炎が弱まったところで、セキが《
「レオさんやっちゃってください!!」
小物じみた掛け声だが、情報伝達に問題はない。
「いくぞ。」
《
「《
瞬間、当たりは閃光に包まれた。レオの放った魔力によって生じる圧力が範囲内のあらゆる物質を強烈に熱しプラズマ化させたのだ。当然、ローベンもそうなった。はずだった。
「《不死》、貰ったよ。死なないけど、死ぬほど痛いんだな。」
リーランはローベンに触られないよう全身を高熱と斬撃に強い繊維でできたスーツで覆っていた。《
「リーランは、生きてるのか…!」
シュウがそう睨むと、ローベンは眉を落として首を横に振った。シュウが怒りに震えたその時、ふと遠くから地鳴りのような音が聞こえた。
「来たな。俺の援軍だ。」
ローベンは不敵に笑った。
ピンチが続くよ。週3投稿復帰して次は月曜です。