転生村   作:もつ煮トリガー

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第40話:結

 魔物の群れの復活、そして支配。たった今目の前にあるその現実は、シュウたちを絶望へと叩き落す。

 

「万事休すって、こういうことだろ?そういえば前世(まえ)聞いた気がするなあ。」

 

 アイマに抑えられたまま、ローベンは顔を歪める。その言葉は、リーランから聞いたものだ。僅かに動揺するが、ローベンを放せば事態はより悪化する。アイマが抑えつける力はむしろ強まった。

 

「アイマ、お前はカンナとシュウだ。」

 

 その時そう言って現れたのは、ザックだった。ローベンの拘束を代わられたアイマは、言われた通りに未だ落下を続ける2人の元へ向かう。上へ目をやると、落下する2人のさらに上空に、まばゆい光が飛来した。

 

「待たせたな!!おいレオ!!そいつこっち飛ばせ!!!!」

 

 聞き覚えのあるどでかい声、それはホムラの声だった。芯の通った力強い声ははっきりと指示を伝えた。レオはホムラの方をきっと見て、セキと連携し球体の魔王を蹴り飛ばす。『眩耀の魔王』は抵抗しようと矢鱈に光線を放った。しかし、その全ては空中で屈折し、ホムラに引き込まれる。

 

「ありがとうトリア!!!」

 

 広がる波のように蘇りゆく魔物の群れを、武装都市ゴノトにてトリアはその目に映していた。その近くで倒れるカルジーナ、いるはずの見当たらないリーラン、全身に火傷を負ったシュウ。それらを含む諸々の要素を鑑みて、彼女は最適な判断を下した。乗っ取ったゴノトの保有する全兵装と、現状の魔力量で扱える魔術でホムラを支援する。

 

「《魔将級非活性動力式平面型断熱結界魔術》」

 

 トリアがその場の判断で組み立てた、より単純な平面型かつ機能の限定によって更に燃費を高めたこの魔術で現地にいる負傷者を保護し、ゴノトの長距離兵器を魔物の群れに向けて放つ。

 

 そしてホムラ。《炎神の加護(ブレス・オブ・イフリート)》によって自身に蓄積した火炎で、『眩耀の魔王』もろとも魔物の群れを焼き払う。

 

「《赫炎噴射(レッドフレア)》ァァ!!!!」

 

 兵器の着弾と共に放たれた圧倒的な火力が、魔物を塵も残さず、異界異能(アルシア)の支配ごと焼き尽くしていく。神の名を冠する異界異能(アルシア)にのみ許された、異界異能(アルシア)の影響を取り去る力。その圧倒的な力はカンナとシュウがアイマに支えられて着地するその瞬間までに、魔物たちと『眩耀の魔王』を塵も残さず消滅させた。

 

「ザック!!」

 

 ローベンを抑えるザックにシュウが駆け寄る。リムは《遊び人(プレイヤー)》のマップで魔物の群れに取りこぼしがないか確認し、リーランを見つけて治癒魔法を施した。カルジーナもホムラのエネルギーに当てられて目を覚まし、戦いは終わった。

 

 ローベンはとりあえずトリアの封印を受けてウルティマの隣に安置された。封印はまず解けないし、解けてもウルティマに瞬殺されるため脅威にはなり得ない。リーランは《不死》によって魂がこの世を離れることは無かったが、肉体は跡形もなく人の形を取り戻すには最短でも半年はかかるという。シュウは、《浄化の炎》を放つローベンに何もできなかったことを悔いている。

 

 一方、戦いに参加しなかったノットとビリーはどうしているかと言うと、通信魔法を受けたノットがそれに気づかなかったためまだ森林を彷徨っている。そして、それにザックが気づいたのは決着から1週間が経った頃だった。




決着ついた。ローベンはもう事件を起こさないでくれ。
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