【完結】私の抱っこするメチャカワすぎる赤ちゃんを見たラクサスが「責任は取る。結婚しよう」と栃狂いやがったけど。いや、お前の赤ちゃんじゃねえよ! 作:SUN'S
「絶対に嫌だ!!」
そう言ってギルドの大扉を背負って立つラクサス。彼は私とクリアが外出する度、なにやら拒絶して駄々を捏ねるようになってしまった。
あまりにも悲惨すぎるラクサスの変貌に彼を慕っていた雷神衆は自棄酒ならぬ自棄クエストを繰り返しているというのをマスターに聞いている。
「ラクサス。ソコを退きなさい」
「退いたら(実家に)帰るんだろうが!?」
「あなたが何を言ってるのかは良くわからないけど。(マグノリアの借家に)帰るのは当たり前でしょう?」
私の言葉を聞いて更に暴れるラクサス。
よく、その体たらくで私のクリアの父親を名乗ろうと思えたわね。そんなことを考えながら無防備なラクサスの頭に頭突きを叩き込んで、そのままギルドを出る。
「相変わらず石頭…!」
ズキズキと痛みを訴える頭を押さえつつ、ギルドの出入り口で白目を剥いて失神しているラクサスを見下ろす。はあ、全く私が貴方と同じS級魔導士だからって、私のクリアに執着するのはダメなのよ?
そう気絶しているクセに私のスカートを掴んだまま離そうとしないラクサスに告げる。
「ちょっと離して」
「う?」
「ああ、何でもないからね」
私の腕の中で動くクリアを抱き上げ、なんとかラクサスの手を剥がす。まったく今のセクハラで訴えたら勝てるんじゃないかしら?
「グッ、離さんぞォ…!!」
「いや、離しなさいよッ!」
とうとう意識を取り戻した彼の身体を裏返し、そのまま股がって首と右足首を掴んで締め上げる。クリアは危ないからラクサスの目の前に座らせているけど。
野蛮な性格になったら、どうしよう。
「こ、殺す気かテメェ!」
「あら?知らないの、女の子のスカートを掴んだりするヤツは殺してもいいのよ!」
「ぐおおぉぉぉっ!?」
ギリギリッとえげつない音を響かせるラクサスの背骨を両足で押さえつけ、彼の身体がU字になるまで曲がるように全身全霊の魔力を込めて締め上げる。
「おーっ」
「クリアよ。よく見ておくんじゃぞ。あのゴリラのごとき腕力でラクサスを締め上げておるのがお前の母親じゃ」
「う!」
「マスター、余計な事を教えるな。私はまだクリアは赤ちゃんなんだから清楚で儚げなママを装えるはずなの!」と叫びながらラクサスの背骨を軋ませる。
「うぐおぉおおおっ!!」
「もう暴れないでよ、絞められないでしょ!?」
私の言葉にラクサスは無理やり首と足に力を込めて反抗する。どうして、私の帰宅を邪魔するの!?と文句を言いながら手の力が緩み、激しい轟音と共にラクサスの頭が地面にめり込んだ。
「………かえろ………」
「ばあー!」
マスターに抱っこしてもらっていたクリアを受け取り、本格的に気絶しているラクサスを遠回りで避けながら『妖精の尻尾』を出ていく。