【完結】私の抱っこするメチャカワすぎる赤ちゃんを見たラクサスが「責任は取る。結婚しよう」と栃狂いやがったけど。いや、お前の赤ちゃんじゃねえよ! 作:SUN'S
読んでくれて、ありがとうございました。
クリアと依頼に向かって数ヶ月。
ようやく夜泣きも治り、健やかに育っているクリアを連れて久しぶりにギルドまで帰ってきた。あの栃狂っていたラクサスも流石に時間を掛けて、自分のやってしまった愚かさに気が付いたはずだ。
「ただいま帰りましたー」
そう言って『妖精の尻尾』のドアを開ける。
そこにいたのは真っ白なタキシードとバラの花束を持ったラクサスだった。えっ、なに、こわい。あまりにも恐ろしい変貌を遂げたラクサスに対して、私は驚きよりもさきに恐怖を感じながらギルドに入る。
「フッ、待っていたぞ」
なんかキリッとした表情を作っているラクサスにドン引きつつ、ゲラゲラと爆笑するギルドのメンバーを見れば「外堀は埋まったぞ」というプラカードを掲げているのが見え、見えてしまった。
はあ、最悪だわ。
「お前とクリアのために準備したんだ、さあ」
ゆっくりと差し出されたラクサスの右手。昔は、子供の頃はいっつも仲良く遊んで私を引っ張ってくれたラクサスだけど。
流石にこれは怖いじゃんね。
そんなことを考えながらクリアを抱き締めて、くるりと後ろに振り返る。足の早さを加速する魔法を使用し、風除けの魔法も重ね掛けし、全速力の猛ダッシュで逃げる。
「絶対に逃がさん!」
「来るなばかぁーーーっ!!」
「おー!!」
どうして、こうなっちゃったの?とか私は悪いことしたのかな?なんて思いつつ、雷の速度で追いかけてきたラクサスの掴み攻撃を回避する。
どれだけ遊んだと思ってるんだ。
私とラクサスの追いかけっこを「捕まるか」「逃げきるか」で話し合っているメンバーの間を潜り抜け、なぜか邪魔してくる雷神衆を蹴散らす。
「ホントにラクサスのこと好きよね、あなたたち!」
そう私が叫ぶと雷神衆は照れ臭そうに視線を逸らし、あるいはツンデレっぽく頬を赤らめながら「ち、ちがうし!」なんて反論してくる。
そういうところも仲良しの秘訣なんだろうと私は思う。だから、この栃狂ったラクサスをなんとかしてほしい。そんなことを言いながらラクサスの猛攻を防ぐ。
「せめて指輪を受け取ってくれ!」
「なんでなのよ!?」
クリアを掲げるように抱き上げ、くるりと回転しながらラクサスの抱きつき攻撃を回避する。
「さすがに幼馴染みでもセクハラぁ!!」
まったくマスターのセクハラを真似るなんて、どういうつもりなのかしら。ただでさえクリアの教育に悪くなってるのに、あなたまで、そうなったらギルドをやめるしかないわね。
「ちゃんとクリアの責任は取る、結婚しよう!」
「だから、お前の赤ちゃんじゃねえよ!?」
そう叫びながら私は逃げる。