授業中に寝て起きたら山田リョウになってたんだが 作:くるぽん
1、
ある日の午後。
午後の授業はだるい。
化学の先生の声を聴いていたら眠くなってきた。
……ぐぅ。
いつの間にか、眠りに落ちてしまった。
「……ダ。おい、ヤマダ」
「んぅ?」
がばっと飛び起きる。
やべっ、寝てたか。
顔を上げると、そこには、まったく見知らぬ先生がいた。
あれ?
化学の犬養先生は?
「まったく、少しはまじめに授業を聞きなさい」
見知らぬ教師が、俺の頭をこついた。
カランっと、中身のなさそうな音がした。
??
どういうことだ?
まだ寝ぼけてるのか?
頭にはてなマークを浮かべていると、隣の席の女子が、俺の肩をつついてきた。
「だから寝るなって言ったのに」
小声でそんなことを言う。
俺は、目を見張った。
すごく可愛い女の子だ。
え?
誰、この子。
っていうか、俺の隣の席の女子って、確かすげー地味な子だったような。
イメチェン?
いやいや、骨格自体変わってるよね。
見とれていると、女の子が頬を赤くした。
「も、もぅっ、どうしたのリョウ。今日なんか変だよ? じっと見つめてくるし」
声も可愛い……ってそうじゃない。
リョウ?
俺の名前は要だ。
リョウじゃないぞ。
呆然とその子を見つめていると。
「も、もぉ、だからこっち見すぎだってばぁ!」
照れたように赤くなりながら、無理やり俺の頭をグリンっと黒板のほうへ向けた。
またカランっと頭の中がすっからかんな音が鳴った。
※
疑問符だらけながらも、一応授業をやり過ごす。
なんか教科書まで違ってるんだが。
チャイムが鳴り、化学の授業が終わった。
休み時間だ。
俺は立ち上がった。
「あ、ちょっとリョウ?」
隣の席の女の子が何か言ってるような気がしたが、何はともあれ、教室を出る。
「なんだこりゃ」
そこに広がっていたのは、見知らぬ廊下だ。
俺が通っている高校と、違う。
どうなっているんだ?
ふと気になって、俺はトイレへと向かう。
確かめたくなったのだ、この俺が、俺自身なのかということを。
隣の席の女の子は俺のことをリョウと呼んだ。
もしかして、リョウってやつに転生したのか!?
廊下の角を曲がり、目についた男子トイレに……入ろうとしたところで、羽交い絞めにされた。
「ちょ、ちょっとちょっとちょっと、リョウ!? なにしてんの!?」
羽交い絞めにしてきたのはさっきの隣の席の女の子だ。
や、柔らかくて華奢な体が俺に密着してる。
なんてご褒美なんだ!
「そっち男子トイレだよ!?」
女の子が、慌てた表情でそんなことを教えてくれる。
いや、そんなことはわかってるんだけど。
「えっと、だからどうしたの?」
声を出してみて、違和感。
俺の声って、こんなにか細かったっけ?
なんか、女の子の声みたいな……。
「いやいやいや、どうしたのもこうしたのもないでしょ? リョウ、女の子なんだから!」
へ?
女の子!?
ばっと俺は、自分の体を見る。
履いているのは、スカート。
胸もある。
「え?」
自分を指さす。
「ほら、こっち」
隣の席の女の子が手を引っ張って、俺を女子トイレへ。
鏡の前に立たされた。
「まだ寝ぼけてるの? 変な夢でも見た?」
鏡に映っている俺……というかリョウは、目鼻立ちの整ったクールな感じの美少女だった。
ゆるく続けていきたいと思います。