『ドイツニュルンベルク市で大学生を中心とする生化学グループが一斉検挙される事態について新情報が入りました。まずおさらいすると彼らは人間の遺伝子を操作して水分50%以下の人類を創る目的で実験器具の購入、配備を進めていて学園都市からの善意かつ非公式な協力もあって検挙されましたが噂によると検挙される前に既に人間を創った形跡があって誰かが持ち出した形跡があると言われている模様です。』
『やはり、これはやはりですね。これはですね。由々しき事態なのですよ。クローン人間の人権を認めるのは簡単ですが、そうすることでコーディネートした理想の人間を製造する側の心理的なハードルも下がったと勘違いさせてしまう。つまり生命の価値、人権の価値が低くなるのと同義ですよ。下手したらトランスヒューマニズムこと超人間主義、またの名をテクノ人間主義による創作みたいなディストピアが未来に発生するかもしれません』
偶像とはなんだろうか?
木・石・土・金属等の素材で作った像か?
神の像や仏の像のことか?
漢語で偶像を表す人形のことか?ヘブライ語で言う石や木を彫って切り取る行為を指す動詞のことか?それとも古代メソポタミア文明の人々が神々を身近な存在として考え人間の姿にしたことか?
ユダヤ教キリスト教では偶像崇拝は禁止されているがそれでも偶像を作って崇拝する人々がいた。用途は布教や自分の信仰を捧げる分かりやすい対象等色々あるが分かりやすい象徴(イコン)がそういう人達に必要だったからだ。
それはそれとして偶像(idol)が生じてアイドルという言葉になったように今でも偶像と偶像崇拝という概念は広く広まって続いている。
これは誰だって憧れの存在という偶像を大なり小なり崇めて信仰している証明と言えるだろう。たとえ対象が自分自身でも。
これは色々な人々を救済せんとした超絶者達の物語に紛れ込んだ、同じように人々を救済せんとする偶像の神様の話である
時代や文明から丸ごと切り取られた深い深い熱帯雨林の中。ある小国の領土にあるかもしれない水没したスタジアムの中央に浮かぶ秘密基地染みた豪華客船の中で四人の人影がお茶会をしていた。
皆に紅茶を入れている人物は一人は黒髪に燕尾服で時代がかった黒の外套をしている陰鬱な印象をした青年執事のH・T・トリスメギストス。
「皆様、紅茶が出来ました」
「H・T・トリスメギストスの紅茶はいつも美味しいのですし!」
トリスメギストスが出したその紅茶を飲み終わったと思うと絵本の中に出てくる童話の少女みたいな存在のアリス=アナザーバイブルは残りの二人の人物にじゃれついた。
「うーん。袿姫はいつも通りの安らぐ抱き心地で、杖刀偶磨弓はいつもと違うけど抱き心地がとてもいいのですし!」
アリスの言葉からどうやら二人はアリスに懐かれて好かれているということを察することが出来るだろう。
アリスにじゃれつかれた杖刀偶磨弓と呼ばれた古代日本の埴輪の意匠を組み込まれた鎧を着た少女は困った顔をして自分を造ったもう一人の主人を見たが諦めなさいという主人の表情を見て大人しく主人と一緒にアリスになすがままにじゃれつかせることにした。
アリスのじゃれつきと遊びにH・T・トリスメギストスも付き合わされてしばらくした後、アリスに袿姫と呼ばれた女性がお茶会の席から外して動いた。
「行くのですか?袿姫様?」
席を外した袿姫にトリスメギストスが確認するようにアリスと同じようにもう一人の主人に話しかけるような話し方をした。
「ええ、救済対象がいるのもあるけど今、起こっている騒動を止めるためもあるからね。世界を救うという目的で集まった仲間同士なのに上条当麻殺害派と救出派に分かれて殺し合う羽目になるとか馬鹿らしいわね。私がその場にいたらアリスとアンナ=シュプレンゲルの件をすぐに解決出来たかもしれないのに・・・その場に居合わせなくてごめんなさいね」
「まあ、貴方様は『橋架結社』に所属するメンバーの中では誰よりも人々を救済せんと世界中を飛び回って行動しているからその場に居合わせなくても仕方ありません。でも話し合いなんかする暇はないわと言い行動する前にもっと皆と話し合いしてほしいのですが・・・そして一般的には私には貴方様の行動を止める権利はありません。行ってらっしゃいませ」
トリスメギストスが袿姫に送り出しの言葉を出すのと同時に
「袿姫が皆を仲良くしてくるのとせんせいを無事に連れて来るのを少女は期待して応援しているのですし!」
とアリスが袿姫に応援エールを出した。
「行くわよ。磨弓ちゃん」
「はい。袿姫様」
磨弓と呼ばれた袿姫の従者の少女が同じく席を立ったと思うと両方とも拠点の豪華客船の中から瞬く間に消えた。
二人が目指し、向かうのは上条当麻を巡って救出派と殺害派に分かれたあらゆる冤罪被害者の名誉回復を目指す女悪魔のボロニイサキュバスと『旧き善きマリア』と夜と月を支配する『魔女達の女神』アラディアの計三人の『橋架結社』の超絶者がいる日本の首都東京にある渋谷。
とある魔術の禁書目録のSSには科学サイド所属のオリ主と物語が多いのは分かるけど、少ない魔術サイドの物語に黄金系オリ主もいるのに、超絶者という二次創作に便利で美味しい設定を活かした超絶者オリ主がいないのはおかしいと思って描きました。