(東方鬼形獣のエンディングの一つで襲いかかる吉弔八千慧を素手で迎え撃つ袿姫様の姿を見ながら)
「『旧き善きマリア殿』殿、袿姫様を連れてきました」
『橋架結社』の領事館の建物内に入るための入口の扉が勢いよく開かれたと思うと埴安神袿姫を背負った杖刀偶磨弓が上条達がいる庭園の位置に瞬間移動と思えるスピードで姿を現した。
「あ、袿姫だけでなく少女も背負って庭園を勢いよく走り回ってほしいですし!」
上条当麻の視力では埴安神袿姫を背負って、皆がいる目の前に超スピードで移動してきた杖刀偶磨弓の姿は視認できなかったが、アリスは視認できたのか自分も背負ってほしいと杖刀偶磨弓に迫ったのであった。
どうやら今のアリスはせんせいと一緒に領事館内の探検することより杖刀偶磨弓に背負って貰ってほしい気分になったらしい。
「あら、私がいなくてもなんとかなったじゃない」
上条当麻の目でもなんとか視認できるほど落とした速度で、杖刀偶磨弓に背負って貰い、庭園を走ってもらえることで喜んでいるアリスを微笑ましい目で見る埴安神袿姫を横目に上条当麻はH・T・トリスメギストスに学園都市を襲っているコタツシンドロームのことを聞いた。
「そういえば今、話題になっているコタツシンドロームという社会現象にアンタ達は関わっているか?」
「まぁ、我々『橋架結社』がコタツシンドロームという社会現象に関わっているか?という質問はある意味あっていますよ。渋谷で起きたアラディアに感化された群衆を上条当麻、貴方は見ましたよね。これは特定の超絶者がいるだけで発生するどうしようもない問題なのです。だが、一般的に考えたら強大な個の存在が民衆に影響を与えるのは当たり前のことでしょう。人類の歴史がそれを証明しています」
「だが同じような超絶者のアンタならこの社会現象の鎮め方は分かるはずだ。教えてくれ」
「安心してください。これは一過性の流行みたいなモノですから、コタツシンドロームと呼ばれた社会現象はすぐに収まりまって民衆は元に戻ると思います」
嘘は言ってないように真剣に話すH・T・トリスメギストスの言葉を聞いた上条当麻は安心したようにホッと息を吐いた。
そのように安心している上条当麻の元に埴安神袿姫が駆け寄ってきたと思うと衝撃的な告白をしてきた。
「そういえば上条当麻。私、埴安神袿姫という神様の配偶者になって『橋架結社』の超絶者入りしない?」
その日、橋架結社学園都市内領事館の空間ごと止まったと錯覚するほどの衝撃が発生して、実際に超絶者埴安神袿姫を除く全員の時間が止まった。
『旧き善きマリア』に命令された杖刀偶磨弓がアリスが帰ってきたと知らせて、急いで自分の主人を連れていくの少し前の時間帯の埴安神袿姫の部屋にて━━━━
(あの人間、上条当麻からは火属性の神格の匂いがした気がする・・・・。しかも私、埴安神と同じようにドラゴンを飼っている。その気になれば上条当麻の中にいるドラゴンは私がドラゴンを従えて戦えるように同じように戦える可能性は高い。そして渋谷の時に弄ったせいか、上条当麻の中にあるモノと自分の中にある何かが繋がったような気がする。磨弓ちゃんと私は繋がっているように、あちらも変な初夢を見た可能性がある。もしかしてあの人間は・・・・・)
FIVE_Over.Modelcase_”RAILGUN”.饕餮Verを造り終わった埴安神袿姫は作業用の椅子の上で有名なブロンズ像の彫刻作品の一つの考える人のポーズをしながら上条当麻のことで考えごとをしていた。
埴安神袿姫は色々な意味で上条当麻に対して興味が湧いて気になってくるのだ。特に上条当麻の中にあるモノに対して。
(あの人間、上条当麻の正体に関する考察は自分なりに考えて、色々出てきたけど、分からないことが多すぎる・・・・・。やっぱり直接ぶつかって確認した方が早いかしら?)
そして本人なりに深く考えた結果、超絶者埴安神袿姫は上条当麻に告白するという斜め上の行動を決断して取ることにしたのである。
『橋架結社』の新たな火種になる可能性も知らずに・・・・。
「上条当麻。私、埴安神袿姫という神様の配偶者になって『橋架結社』の超絶者入りしない?」
「・・・・・袿姫。どういう意味の言葉ですし?」
その言葉に反応したアリスがいつの間にか埴安神袿姫の目の前に移動していた。
ハッ!?と、上条は目を開けた。
慌てて首を何度も振って身を起こしていく。
それから今の今まで自分が芝生の地面に倒れていた事にようやく遅れて気づく。
(どうっ!?え、待って、いま、何が?一体何がッッッ!!!???)
持っているおじいちゃんスマホを見ると、時間が10分くらいに早送りされていた。
いいや。
いきなり埴安神袿姫に告白されるという衝撃的なイベントで皆の時が止まったと思うと、アリス=アナザーバイブル。彼女が低い声を放った直後、何が起きたのだ?
少なくとも上条の意識はどこかの時点でぶっ飛んでしまったようだが・・・・・。
見れば、だ。
H・T・トリスメギストス。
あれだけ超絶としていた青年執事は芝生の地面で尻餅をついていて、杖とかどっか離れた場所に転がっていた。一体どこから取り出したのか、パニックのあまり全く役に立たない救命胴衣を両手でぬいぐるみみたいにみっともなく抱き締めている。
『旧き善きマリア』は何故かこっちを見ようとしない。
ガタガタという震えと甘い香りが五感を刺激したかと思ったらいつの間にかいたアラディアがぎゅっとしがみついていた。どうやら出かけたアリスが上条当麻を連れて領事館に来たという情報を知って、庭園に出てきたら運悪くこの場面に遭遇してしまったらしい。
アリスを背負っていた杖刀偶磨弓と呼ばれた少女は頭部の部分にヒビが入っていて、精神的に脳が破壊されるといわれる言葉を物理的に体現しようとしていた。
インデックスやオティヌスは、アリスに気圧されてどこかにいった。この広い庭園だと、多分どっかの花壇か植え込みに体を突っ込んで全力で身を隠しているのだろう。
アリスの影響を受けずに普通に振る舞っていたのは埴安神袿姫だけだった。
「もう一回聞くので、どういう意味なのか説明してほしいのですし?」
少女は首を傾げたまま、いつもと同じ調子で呟く。
埴安神袿姫に向けるアリスの表情は自分の親が性行為をしている場面を見てショックを受けた純情な子供のように見えたし、自分が崇めている偶像の知りたくない一面を知った人間のように見えた。
「うーん、理由は色々あるけど。私、埴安神の夫の迦具土神と似た火属性を持つナニカが上条当麻の中にいる気配を感じたから気になって告白してみたのよ。アリスのせんせいを奪うはめになってごめんなさいね」
無表情で埴安神袿姫を見つめるアリスの体の影や周りから、いつの間にかフラミンゴのバット、ハリネズミ、グリフォン、処刑人、料理番等の怪物達が出現していく。
それに対抗するよう埴安神袿姫も同じように体と足元の周りからオオカミやオオワシ、カワウソ等の動物形埴輪、学園都市の高性能な無人兵器を再現した埴輪、剣や弓矢を持っている甲冑を着た武人埴輪達を笑顔で生み出していく。
気がつくと一体一体が上澄みの能力者や魔術師に匹敵する一種の神や怪物の類と呼べる偶像の軍勢がお互いにできていて、一触即発の戦争が始まる雰囲気が領事館の庭園内を漂っていった。
「坊や!その二人のどっちかに抱きつくんばい!アリスは分からないが埴安神袿姫にまだあると思わしき羞恥心という感情等を刺激すれば事は収まる!」
今から起こる事態の大変さを理解して『橋架結社』の領事館内から勇気を持って、背中にあるコウモリの翼からソニックブームが発生する程急いではためかせ、飛び出てきたボロニイサキュバスが上条当麻に事を収めるアドバイスを送った。
しがみついてたアラディアをそっと剥がすと、背後に巨大怪獣とも呼べる大きさの巨大なドラゴンや猫の影を薄っすらと浮かばせて、出現させようとした二人の間に割り込み、上条当麻は埴安神袿姫の方に抱きついた。
何故、アリスの方ではなく埴安神袿姫の方に抱きついたのかを上条当麻に聞くと、多分こんな答えが返ってくるだろう。小さい女の子に思いきり抱きつくのはヤバいだろと。
「「!!??!?!!?」」
ボロニイサキュバスのアドバイスもあったとはいえ、いきなり上条当麻が埴安神袿姫に抱きつくという行動を起こしたおかげで、抱きつけられた袿姫もそれを見る羽目になったアリスも一時的に行動停止したが、すぐに復帰して戦闘を起こそうと動こうとした。
「これくらいのアクシデントでは止まらんかの!一か八かの賭けになるがコールドミストレスをアリスではなく埴安神袿姫を対象にして全力で放つんばい!」
「・・・・・・!?」
なんとアリス=アナザーバイブルに通用して、相性抜群に戦えるボロニイサキュバスの術式は同じ規格外の超絶者の埴安神袿姫にも通用したようだ。
だが、世界大戦を必ず発生させる核ミサイル発射用ボタンに等しい触れちゃいけないモノに触れたようで埴安神袿姫の雰囲気が禍々しく変わっていった。そして、同時に学園都市第十二学区を中心とした場所に大規模な地震が発生した。だが不思議なことに壊れた建物や人間の犠牲者は出なかった。
代わりに地面から出てきたのは高層ビルと同じくらいの大きさの土の腕だった。
「いかん。やらかしたかもしれんのう」
ボロニイサキュバスのコールドミストレスの術式で精神に干渉されたことで上条当麻に抱きしめられたことで発生した快の感情も含むあらゆる快の信号を苦痛や不快等の負の信号に置き換えられたように、今、この時、埴安神袿姫は和魂から荒魂に反転して荒ぶる神と呼べる存在になったのであった。
(そういえば埴安神こと波邇夜須毘売神は土を司る神様だった。つまり魔神僧正と同じことが出来てもおかしくはなかったな〜)
禍々しい雰囲気を撒き散らしながら、恐ろしいほどの無表情でこちらをじっと見ながら土の巨腕を出してきた埴安神袿姫という神様の荒魂の側面を見ながら、上条当麻は今も抱いている最中の埴安神の姿を魔神僧正に重ねて幻視してしまった。
その幻視のせいで神様だけど魔神ではない埴安神袿姫をつい、自身のトラウマ的な存在に重ねてしまったおかげで上条当麻は魔神に関するトラウマを再発してしまったが、恐怖心が一周して呑気になっているから精神に問題はないと言えるだろう。
無表情過ぎて顔のパーツがないように見えてしまうレベルまで来た埴安神袿姫の荒魂の側面が見せた圧は、かつてオティヌスが首領だった魔術結社グレムリンに所属していた黒小人マリアン=スリンゲナイヤーが持つ戦乱の剣やアリス=アナザーバイブルが撒き散らす恐怖や威圧とは別ベクトルの違う圧といえた。
それはあらゆる対象に神に対する恐怖の感情を強制的に持たせて、畏れ崇めさせる圧倒的な神威だった。それが神と人間が接触する際に起こる当たり前の法則の一つと言えるように埴安神の神の威光は世界を歪めて悲鳴を挙げさせていた。
上条当麻とアリス=アナザーバイブル、ボロニイサキュバス以外の人物は荒れ狂う神威の嵐に耐えきれずに気絶して意識を完全に失っていた。
ボロニイサキュバスは必死に苦しい顔を浮かべながら耐えていた。一方のアリスは埴安神袿姫の変化に対応するように、体内から、みち、みぢっ、という鈍い音を立てながらナニカに変化しようとしていた
荒魂と化した埴安神袿姫に同調して荒れ狂ったのは土だけではない。何処からともなく暴風が発生し、地面から水が勢いよく噴出し、何もないところから炎が発生してて災害の如く猛威を振るおうとした。
それは陶器の神様と呼ばれた側面を最大限に解釈して造った陶器の工程を再現する魔術なのだろうか。それとも偶像崇拝と偶像の理論という概念と魔術をこじつけレベルまで結びつけて応用し、四大属性に対応する赤・黄・青・緑という色彩がある自身の体と服を象徴武器に見立てて属性魔術を行使したのか。ただ単に埴安神という神様が持つ権能の一つなのか、どれが今、埴安神袿姫が起こしている現象の絡繰の正体なのだろうか?それとも、これはお得意の造形術の一つの術技に過ぎないとも言えるのか。
だが、間違いなくいえるのはかつて創造世界にある法則を利用して純粋属性の魔術を使った大悪魔コロンゾンと同じような、ただの人間には到達できない別世界の法則を持った純粋な四大属性を使った術技だった。
神罰の対象は自分にコールドミストレスを放ったボロニイサキュバスでなく上条当麻、ただ一人。
一人の人間に対し、世界を簡単に壊し造り変えれるくらいのオーバーキルとしかいいようがない神による攻撃が無言で行われようとした瞬間、
「もういっちょ!更にコールドミストレスじゃ。渋谷でのアラディア戦を活かして新しく造った不快や痛みを快楽に変える逆バージョンばい!」
「・・・・・・・ッ〜〜!?」
ボロニイサキュバスの追撃のコールドミストレスによって埴安神袿姫が現在進行系で無尽蔵に溜めていたあらゆる不快や苦痛、怒り等の負の信号を急に快の信号に変えられたことで、埴安神袿姫が一人の人間に向かって起こしかけた災害とも呼べる現象の攻撃は鎮められた。
さっきまでの圧倒的な神威をまき散らす無敵の神様ぶりはどこへ行ったのやら。自分を抱きしめていた上条当麻を両手の掌で押すように乙女っぽく突き飛ばすと、ずざざ、と埴安神袿姫は力なく後ろへ下がった。
いや、それすら失敗して膝が不規則に揺れて、埴安神袿姫の体が庭園に倒れていく。正座を横に崩したような弱々しい姿になった埴安神袿姫は手足を震わせて、頬を染めて息を吐いていた。
「その・・・・大丈夫か?」
「心配してくれてありがたいけど、この様子が大丈夫だと思う?」
心配して声をかけて、手を差し伸ばした上条当麻の手を握って勢いよく立ち上がった埴安神袿姫は、また無表情になったと思うと立ち上がるために握った手とは反対側の手で握りこぶしを作ると渾身のアッパーカットを放ち、上条当麻を天高くまで吹き飛ばした。
ちなみに埴安神袿姫のパンチと同時に発生した衝撃波は何故か学園都市の人工衛星という名の衛星兵器がある宇宙空間まで届いて影響を与えて、一時的に機能停止させたという。
「袿姫、大丈夫ですし?」
「大丈夫よ・・・・アリス。さっきの話は保留か無かったことにするから安心して」
死の運命を乗り越えて新しい年を迎えた上条当麻。新年早々、早くも死にかけるはめになってしまった。だが、その代わりに世界の危機の一つは無事に潰すことに成功した。
この二次創作ではさりげなくいくつかの超絶者達が強化されています。
これから上条当麻=ハディート説を前提とした変速カバラ式創作ブリッジ連結作業をこれから開始します。
テレマ教に出てくるハディートという上条当麻の正体疑惑の神格は火属性だ。これは日本神話の迦具土神と同じ属性だ。
書によっては埴安神は火の神様の迦具土と結婚したという記述があったりする。
ハディートの番になるヌイト神と埴安神はある共通点がある。埴安神袿姫は星の形をした弾幕を放ってヌイト神を表す星空の如き弾幕を作ることとヌイト神を象徴する色は埴安神袿姫の髪色のような青色ということだ。
禁書世界では火と水の混線も起こっているが、これも神秘思想の基本的概念である「火=男」(陽,男根)、「水=女」(陰,女陰)という解釈と一致する。
テレマの神秘的公式においてハディートないしはマスターテリオンが男性的な火であり、ヌイトないしはベイバロンが女性的な水、つまり水と火の混合に象徴される。
埴安神は基本は土の神だが意外に火や水、風に関係がある神様で、埴安神袿姫の元ネタの神様に波邇夜須毘古神という男性神格がいる。つまり水と火が混合している。
上条当麻は右腕を切ったら龍がたくさん生えてくる。
埴安神は龍達を生んだ神様でもある。
よって 上条当麻=ハディート=迦具土神、埴安神=ヌイト神である
証明完了ですし!
これにて変速カバラ式創作ブリッジ連結作業を終了します。