とある偶像の造形神   作:一般通過龍

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とある魔術の禁書目録に出てくる男キャラは何かしら上条さんのある側面を抜き出して特化させたり、IF上条だったりで上条さんの対比になるキャラが多いけど個人的にH・T・トリスメギストスは大分その色が濃い気がしますよね・・・。


現在の少年と過去の青年

「さあ、私、『造形神』埴安神袿姫を筆頭とした超絶者達と一緒に委ねられたこの世界を救済して、何一つ悲劇がない『しあわせな世界』を造り管理しましょう!」

 

 握手を求めるように、上条当麻に向けて差し伸ばされた埴安神袿姫の手を一瞬、見ながら。

 

少年は手からすぐに目を離すと、埴安神袿姫の美貌に見惚れないように意志を固めて、真っ直ぐに対象の目を見据えて、はっきりと答えた。

 

「断る」

 

埴安神袿姫の手は虚空に取り残されていた。

 

主人の傍に控えていた杖刀偶磨弓が上条当麻に向ける目線が厳しくなって威圧を感じさせて来たが、それに臆さずに上条当麻は救世主ヒーローという名の偶像として永劫不朽に世界に刻まれる権利を蹴りながら、こう続けた。

 

「埴安神袿姫、アンタが言っていることはオティヌスが最後の最後に見せた『しあわせな世界』や魔神僧正が俺に語ったことと何一つ変わらないように見えるよ」

 

「・・・・・?何故、断るのかしら?貴方好みとみんなと一緒に頑張るという過程や対話による解決があるから問題ないと思うけど?」

 

埴安神袿姫は、何故断るのか心底理解できないという表情をして首を傾げていた。

 

「例え、そうなる過程があっても俺にとっては同じだよ。上っ面だけをなぞれば、一変完璧に見えるけど、実際にやっているのは自分の定義を他人に押し付けているだけの、独裁政治の世界でしかない。衣食住が揃っているから檻の中は幸せでしょうと迫るのと何も変わっちゃいないんだ」

 

「確かに私が作る世界の行き着く先でありたどり着く目標にしている『しあわせな世界』は、運命さえも管理する究極の管理社会よ。でもディストピアにはさせないわ。ちゃんとした住民幸福度100%のユートピアにするから安心して」

 

何故?という感情を表情に浮かべていた埴安神袿姫だったが、上条当麻が反論を言うと聞き分けが悪い子供を相手にして困っている母親が浮かべる優しい笑顔になった。

 

確かに神様である埴安神袿姫は有象無象の独裁者が行ってきた独裁社会の運営をより上回る手腕を発揮し、独裁主義のメリットを完全に出すことで、人間達に恩恵をもたらすことが出来る存在と言えるだろう。

 

「どんな形であろうが平和というのは一定のレベルまで管理されて安定している社会でしか生まれない。それなら、より究極な平和を目指すのには徹底的な管理社会を造るしかないのは至極当然の答え。それが、この世界に生まれた私が色々な場所を見てきて、救済活動の対象にしていた世界と人間達に下した結論よ。あれだけ散々、悲劇を見てきた貴方なら分かると思うけど」

 

 

『橋架結社』。特にアリス=アナザーバイブルと埴安神袿姫の能力の無法さを体感したモノだから分かる。彼女達はあの魔神達に匹敵する強さを持っていて、無事に魔神が作る『しあわせな世界』を超える、完全に管理された『しあわせな世界』を築き上げることが出来るかもしれない。

 

渋谷の時に体を少し弄られて信者にされた影響か。魔神オティヌス戦で直にその目で見てきた、アルファからオメガまでの世界で人々の長い長い歴史の積み重ねを神の気紛れで崩されていく事態は、埴安神が管理する世界の元では発生しないと実際に思ってしまっている上条当麻だった。

 

 

分かっていても、目が眩む。

神とは人間に達成不可能な事象を解決出来る存在だ。

そういう存在が持つ絶大な力による『しあわせな世界』を提示させられて格の違いを見せつけられたら、少年の拙い自我は呆気なく押し流されてしまうだろう。

 

 

だけど騙されるな。

オティヌスに見せられた『しあわせな世界』で絶望していた時に『総体』に言われたはずだ。一見全てが救われているように見える『しあわせな世界』だって歪なものなのだ、と。

ちっぽけな人間の武器は独占欲やわがままくらいのものしかないのかもしれないけど、でも、人間はそんなどうしようもないもののために命を架けられる生き物なんだっていう事を教えてくれた。

 

救われる命の数では埴安神袿姫の方が正義なのかもしれない。

だけど彼女の方法は、命以外の全てを剥奪して操り人形にしてしまう方法だ。

 

インデックスも、御坂美琴も、オティヌスも。あらゆる『人』の形態も問わず、誰も彼も。品種改良しすぎて人間の手なしでは生きられなくなった『しあわせ』な愛玩動物にするみたいなものだ。

 

だけど、上条当麻はそれを望んでいない。

 

そもそも、今の今まで歯を食いしばって、拳を握って、がむしゃらに走り続けてきたのは、変化をもたらしたかったのではない。

 

変わらない日々が欲しかった。

余計な悲劇なんか起きてほしくなかった。

当たり前の笑顔が当たり前にあって、妙な理不尽に何かを奪われなく、みんなで仲良くやっていけばそれで満足だった。

 

故に埴安神袿姫が言う管理された世界の平和は上条当麻の『当たり前』を根底から覆すものでしかない。

 

少年はインデックスや御坂美琴、オティヌスといった身近な人が愛玩用の動物に造り変えられることを望んでいない。

 

「『当たり前』を根底から造り変えるなんて・・・・。許せるか、そんなもの・・・・」

 

そう返事した瞬間に、上条当麻が発した言葉の何かのキーワードに反応したのか、埴安神袿姫は納得が行ったと思うと傍にいた杖刀偶磨弓に命令した。

 

「それじゃあ、どちらが納得するまで話し合いましょう。立ったままは辛いから、椅子を磨弓ちゃんに持ってこさせるね」

 

 

僧正の前例がある故に上条当麻は身構えていたが、その心配は無用に終わった。

相手の提案を蹴ったから、攻撃をしてくるのかと覚悟はしていたが埴安神袿姫が取った選択は意外にも会話だったのだ。

 

結局、話し合いは平行線で決着はつかなかったが。

 

超絶者達は一方通行、右方のフィアンマ、魔神オティヌス、僧正、上里翔流、アレイスター=クロウリー、大悪魔コロンゾン、アンナ=シュプレンゲル等の上条当麻が今まで相対してきた強敵達と比べたら、一層ずれて歪んでいるように見えるけど、『条件』や『設定』等の本人達にある特定のスイッチが入らなければ、なるべく暴力沙汰を避けようとして、対話による解決を求めてくる善性の集団だ。埴安神袿姫がその筆頭となる超絶者だろう。

 

「せっかくだから『当たり前』を大切にする上条当麻に神託アドバイスするわ。アンナ=シュプレンゲルの件はアラディアちゃんやH・T・トリスメギストスと話し合うのがオススメよ」

 

前提となる価値観が全く違う宇宙人と話しているようけど、あくまでもそれ・・だけだ。持っている巨大な力をすぐに行使しない分、出会ってきた強敵と比べたらこのへんはよりマシな部分と言える。

このまま粘り強く対話を続けたら、アンナ=シュプレンゲルに関する問題を含む解決の糸口が見えるかもしれない。

 

人の命を左右する会話、言葉は通じるのに話は通じない。根っこが分からないから超絶者というのはおっかないと考えていたが、これなら案外なんとかなるかもしれない。

 

そう、上条当麻は楽観的に考えていた。

 

 

 

「それにしてもあの人間、上条当麻はH・T・トリスメギストスに近しいと思わない?磨弓ちゃん」

 

「確かに彼が大切にする『当たり前』とH・T・トリスメギストス殿が大切にする『一般論』の性質は似ていますね。そして袿姫様。磨弓のアップデートの続きをよろしくお願いします」

 

「分かったわ。まず性能の変更と使える『救済条件』を削って『一般論』を軸にした『橋架結社』限定の『設定』に━━━」

 

上条当麻が部屋から出ていったのを確認した埴安神袿姫達は性能の『調整』作業の続きを開始した。

 

 

 


 

その昔。どこかの国に一人暮らしで過ごしていた、日本でいう高校生くらいの年齢の少年の人間の家にあるベランダの柵でボロボロになった一人の少女が干し布団のようにぐたっと干されていた。

 

「お腹が空いた・・・・。もう動けないかも・・・・。この少女の神様に何か料理を恵んでくれたら嬉しいわ・・・・」

 

それが後に超絶者H・T・トリスメギストスと名乗ることになる青年執事とあらゆる意味でイレギュラーな超絶者を超えた超絶者ともいえる埴安神袿姫という存在になる彼女の出会いだった。

 

「可もなく不可もなく、まあまあの味ね。一応合格点ということかしら。これが日本食だったら可になっていたわ。でも、見ず知らずの神様に料理を出してくれてありがとう」

 

自身を神様と名乗る変な居候の少女によって部屋の内装が日本風の部屋に造り変えられた挙句、少年は自身が作った料理を要約すると微妙という感想を言われても文句は言わなかった。

むしろ、ありがとうという感想を笑顔で少女に言われて嬉しかった。

 

「ボロボロになっていた理由?『黄金』を再興させる目的の為に貴様が必要なのだ〜や異端の存在は殺す等の理由で昼夜問わずに色々な人間や魔術師、組織等に追いかけ回されたのが理由よ。果てには聖人クラスの存在も来て、世界を敵に回してしまったのかと思ったわ。神様である以前に一人の女の子なのに、寄ってたかって多勢に無勢だ、いっけえするなんて一般的に考えて酷いと思わない?まあ、私という存在を狙ってきた全部の相手に一切反撃しないで逃げきって見せた実力があるからバランスは取れているけど」

 

介抱した甲斐なのか、それともご飯を食べた影響なのか、生きているのが不思議なくらいの怪我を負っていた状態からすぐに全回復した彼女は自分の事情を話してくれた。

どうやら造形術という不思議な能力や秘密にしている本人の出生等が関係しているらしい。

 

実際に彼女は年を取らないで、ずっと外見がある程度の年齢の女の子の姿に固定されているからその話に説得力があった。

 

「えっ!?すんなり私という不思議存在を受け入れたのに魔術オカルトがどういうモノなのかを詳しく知らない!?どういう存在なのか教えてあげるわ」

 

彼女から教えられた存在が敵になった現実を見据えて、自衛の為に少年が最初に覚えたのは単純な斬撃を飛ばす魔術だった。今のように変幻自在ともいえる豊富な属性の斬撃は飛ばせなかった。

 

仕込み杖にある刃から斬撃を飛ばすのはカッコいいわね。と彼女は言ってくれた。

 

「◯◯◯◯、ごめんなさい・・・・。私の存在のせいで貴方に迷惑をかけて・・・・」

 

特異性が高い存在を自らの掌中にするべく、彼女を狙ってきた自分達のことしか考えてない犯罪者集団とも呼べる自称黄金系魔術結社を相手にして死にかけた。幸い彼女は無事に守れたが心に傷を負わせてしまった。

 

「見て◯◯◯◯。世界は残酷よ。こんな幼い少女をここまでの状態に出来る人間がいるなんて、信じられない」

 

彼女と一緒に世界を点々とする逃避行を繰り広げている最中で、身も心もズタボロになっていて、何を食べて生きていたのか分からないくらいに荒みきっていたアリス=アナザーバイブルという少女を拾って保護した。

 

幸運にも世界を滅ぼせるアリス=アナザーバイブルとしての『力』の使い方をあまり知らないとはいえ、あのアリスの攻撃を彼女は真正面から受け止めて、泣きじゃくる子供をあやす母親のように優しく抱きしめていた。

 

「やっと落ち着いたみたい。この人間達はどうやら安心できる存在と認識してもらえたのかしら」

 

仮の拠点のベットで最初に出会った時とは随分、外見相応の落ち着いた笑顔でスヤスヤと寝ているアリスを見ている彼女は聖母のように優しい微笑みをしていた。青年はこの二人の笑顔を見て、世界を敵に回しても絶対に少女達を守ると誓った。

 

「私、神様に戻ってなって世界を徹底的に管理して救うことにするわ。そうしなきゃ、この世界は悲劇が溢れたままだから」

 

アリスや彼女狙いの魔術師達を自身が持つ特殊な力をフルに使い、全て無傷で返り討ちにしたが、周りにいる無関係な救済すべき優しい人間達が戦闘に巻き込まれたおかげで築き上げられた大きな死体の山の中心で全身を血に染めた彼女はそう宣言して涙を流して笑っていた。

 

自分は足手まといで何の彼女の役に立てなかったし、彼女達を守りきる力はないと自覚した。

 

自分と出会った時、いや、一人で活動していた時からずっとあんなに人殺しを忌避して、孤立無援でボランティア活動をして人々を救おうと駆け回っていた優しい神様といえる彼女を初めての殺人で手を血に染めて、その責任を背負わせてしまった結果、壊してしまった事実とそれを作ってしまった世の中の非情な現実を見てしまった青年の一般的な『当たり前』が折れてしまった日であった。

 

「◯◯◯◯。実は私はこの世界の■■■■■■■人間ではないの■■■別世界から■■■■■■転生してきた存在で、■■■■■■■■■■■みんなの祈りで生まれた複雑な事情がある神様なのよ」

 

彼女に意味が分からないその言葉を笑顔で言われた時は幻想的な星空で満ちている綺麗な夜の日だった。

 

「そして私は私を造り変えて、■■■■■■■■■■■自分を生み出した人間達が今も望んでいる理想の埴安神袿姫という偶像になることにするわ」

 

彼女が何を明かそうとしたのかは何故か聞こえなかったし、記憶できなかった。それでも記憶できた部分はかろうじてあった。しかし、今ではノイズがかかって記憶喪失にあったように思い出せない。

 

「もしも世界の救済活動に付き合う覚悟があるなら、私と一緒に地獄の底まで着いて来てくれる?」

 

 

だが、青年はそれ以外の言葉の意味は理解して行動した。

例え、それが善意で舗装された地獄へ通じる厳しい道だろうが彼女達に着いていくために、差し出された彼女の手を取って、青年は今までの自分を文字通り捨てて新しい『一般論』の価値観を軸にして生きていくことにしたのである。

 

自分という存在が主人のアリスや埴安神袿姫に着いていっている理由を一般的に考えたら、理不尽な脅威が蔓延るそんな世界で危なかっしい真似をする少女達を放っておくことは出来ないからもあったが、もう一つの理由が青年執事にはあった。

 

それは最初に彼女を初めて見た時から美しいと思って惚れてしまっていたから。

そんな単純な理由だった。

 

 

◇◇◇

 

 

「一般的に考えて超絶者アラディアと上条当麻。貴方達を一旦、ここで殺してしまった方が後腐れがない。消えろ、『橋架結社』と我が主人達の方向性に影響を与えようとしたおぞましき不正コントローラよ」

 

一月三日。H・T・トリスメギストスは同じ主人達に仕える従者の杖刀偶磨弓と一緒にアンナ=シュプレンゲル処刑の件を取り下げようと話し合いをしてきた上条当麻とアラディアの不意をついて、初手で『人域離脱』という切り札を切って、殺した。

 

 

『アンナ=シュプレンゲルを助ける『当たり前』の理由がなければ良いよ。これから作る』

 

散々引っかき回された学園都市や世界はアンナ=シュプレンゲルを絶対に許さないだろう。

そして多くの超絶者達が集まる『橋架結社』の方でも具体的に殺害する手段の構築を進めた。

しかし、鮮血と死の一択しかない決着を覆す為に上条当麻は抗う。

 

そんな上条にH・T・トリスメギストスは今は亡きかつての自分に近しい姿を見てしまった。

 

なるほど、なるほど、アリスや埴安神袿姫が上条当麻に反応するはずだ。

 

しかし目の前の少年に抱いている自分のこの感情はなんだ?怒り?嫉妬?正体が分からない。

 

上条当麻に関する情報を集めて取り入れる度に成功したIFもしもの自分として重ねてしまう。

 

『一方通行も、右方のフィアンマも、魔神オティヌスも、上里翔流も、アレイスターも、コロンゾンも、自分自身とだってそうだった。だから、足りないなら戦いながらでも相手を理解する』

 

彼女達とも無理矢理でも戦う事態になっていいから、理解者になるために積極的にこちらから行動してアプローチすればよかったのか?そしたら、彼女達の歪みを元に戻すことが出来たのか?

しかし一般的に考えて従者たる自分が主人の彼女達に牙を剥けるのはあり得ない。

 

そもそも彼女達に戻るべき原型は残っているのか?徹底的に改造が施されているんだぞ。

やる分だけ損で、理解してもどちらにとっても不幸になる結果が生まれるだけなのでは?

 

H・T・トリスメギストスはいぶかしみながら、四方八方から無数に迫りくる斬撃が付与された光という絶対不可避の攻撃で切断した結果、生み出された上条当麻の死体から離れた首を見てそう思った。

 

「ところで杖刀偶磨弓は、本当にこちらと同じ殺害派なのですか?」

 

普通の斬撃でアラディアを素早く切り捨てた杖刀偶磨弓に向かって、青年執事がこちら側殺害派なのかと尋ねた。

 

「ええ、救出派の袿姫様は知らなかったでしょうけど、実は私はトリスメギストス殿と同じ殺害派でした。最初は保留にしていましたが昨日の上条当麻の行動を見て、アレによって影響を受ける主人の袿姫様やアリス、『橋架結社』の超絶者達のことを『一般的』に考えたら殺害した方が得策だと思って。今日、行動することにしました」

 

どうやら彼女、杖刀偶磨弓は自分と似たような考えらしい。それとも高すぎる忠誠心故の暴走なのか?

 

『設定』を変更したから今もそうなのか分からないが、何故アリスや埴安神袿姫は杖刀偶磨弓という存在のベースとなる基本の超絶者に自分、H・T・トリスメギストスを選択して参考にしたのだろうか?

 

 


 

ばづんっと上条当麻の視界が再起動する━━━━。

 

『復活』で目が覚めた上条当麻の目の前にいたのは二人の超絶者だった。

 

「あなたはママ様の救済条件に合致した。それができるかどうかの時点で、すでにあなたと、及びアラディアの賭けは無事に終わっています。勿論、すぐに動けませんがアラディアも『復活』させました。故に、勝者は素直に恩恵を享受なさい。平たく言えば、アレらはママ様達が叩き潰す」

 

「嫌いじゃあないぜ、破滅確定の状況でも変わらないその強欲さ。アンナ=シュプレンゲルの処刑の件のことは変わらないけど、お前自身は私の『救済条件』に当てはまったから助けてやるよ」

 

その二人の人影の正体は旧き善きマリアと饕餮尤魔であった。

 

「すみません。H・T・トリスメギストス殿。救出派の超絶者達に気づかれても上条当麻達を救出できないように結界を貼っていたのに合流させてしまいました」

 

「やれやれ、奇跡の大盤振る舞いですか・・・・。アリスや袿姫様が気づく前にこの事態を終わらせましょう」

 

いつの間にか『橋架結社』領事館の屋根の上に移動していたのか。H・T・トリスメギストスと杖刀偶磨弓は上条当麻達を見下ろしていた。

 

そして、上条当麻の処遇を巡って二つの派閥に分かれた四人の超絶者達が領事館の庭園という戦場でぶつかった。




H・T・トリスメギストスと上条当麻。

二人共、世界との折り合いや一般的や当たり前等の言葉を使う普通の価値観を大事にする持ち主だったり、不幸な見ず知らずの誰かに出会って縁など無かったその相手をこそ助けたいと思う所とか、結構共通点が多いと思います。

救いたい存在を設定するにあたって一般論を当てはめるのも、何かあった上条さんが現実の前に折れて、それでも救いたいと思う気持ちが残ったらこうなる感があるからトリスメギストスは結構好きなキャラです。

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