とある偶像の造形神   作:一般通過龍

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ロストワードやとあるIFで推しキャラが大体揃った・・・。やったー!
あまりにも気分がよくて、今なら大悪魔の妨害を越えてダアトを踏破して叡智を獲得することができそうです!


女神ヘカテ=ヘケト

 

HsMCV−08『プレデターオクトパス』。

 

分類・次世代機動戦闘車。

 

乗員・四名(ただし乗員ゼロでの完全な外部リモート運転・ドローン化も可能)。

 

寸法・全長10メートル、全幅2・8メートル、全長3メートル(アンテナ等は除く)

 

重量・20トン(弾薬、燃料、人員、追加装甲等の重さは除く)。

 

最高速度・時速250キロ。

 

最大登坂傾斜・60度(ただし路面の水分や凍結など、コンディションによって変化)。

 

機関部・ディーンゼルエンジン+電動併用

 

駆動方式・四輪または八輪駆動に切り替え可能。また前後四つ単位で各々が独立可能。

 

索敵装置・対人/対空/対車両等多目的目標マイクロ波レーダー、光学映像からの顔認識及び設定オブジェクト検索、赤外線感知、音響探知、レーザー測距等。及び同種ロックオンを検出するカウンター装置群。

C41機能含む通信方式・中長距離地上無線通信、近中距離赤外線レーザー通信、近距離超音波通信、高速衛星通信等。これらは統合して前線通信拠点レベルと同等の水準を満たす。

 

武装・120ミリ戦車砲(各種砲弾、及び対地、対空飛行ドローン発射機として併用可)、40ミリ自動擲弾てきだん砲、12・7ミリ重機関銃等。

 

防御設備・多目的欺瞞スモーク発射筒、対ミサイル誤爆・迎撃用金属網投射機、被弾ダメージ減を目的とする自動姿勢傾斜プログラム等。

 

そんな特殊戦闘車両の中で上条達は『名も無き』魔神兼超絶者のヘカーティア・ラピスラズリを仲間に加えて、学園都市最大の繁華街の第十五学区に向かっていた。そこに『橋架結社』の情報が入っている、アンナ=シュプレンゲルが作ったIT企業のR&Cオカルティスクの魔術データベースがあるから。

 

「(なあ・・・・本当に連れていくのか?埴安神袿姫の関係者ということは、敵対している『橋架結社』の超絶者かもしれないだろ?)」

 

薄暗く狭い車内の中で失神状態から復活した上条はアンナ=シュプレンゲルに、上条当麻と愉快な仲間達の逃走劇に新たに加わった仲間の件で耳打ちしていた。

 

同じように車内にある席に座っているヘカーティア・ラピスラズリをちらちらと見ながら、小さな薔薇の悪女の耳に口を寄せて、こっそりと話す少年には誰もが見ても分かるくらいに怯えと恐怖の感情があった。

 

どうやら『魔神』という存在に刻みつけられた心的外傷トラウマの根は相当に深いようだ。

 

 

「(今の状況は猫の手でも借りたいくらいよ、愚鈍。魔神だろうが、わらわの知らない超絶者だろうが借りられる手は利用するのみよ)」

 

新たにできた心配性の生徒愚鈍の横でタブレット端末を弄りながら、『プレデターオクトパス』を操作する小さなアンナが、アラディアに馴れ馴れしく話しかけているヘカーティア・ラピスラズリを見ていた。

 

「魔術を司る女神という肩書きを持っている私としては、魔女達の女神アラディアという存在は後輩になるから、面倒を見にきたわよん。調子はどう?アラディアちゃん」

 

アラディアちゃん・・・呼びをして可愛がる超絶者が増えた。

 

「調子はいいわよ。守るべき魔女存在と一緒にいるから」

 

ヘカーティア・ラピスラズリという存在は埴安神袿姫と同じようにちゃん付けするのをやめてと言っても聞かないタイプだと一瞬で悟った魔女達の女神アラディアはなすがままに撫で撫でされて可愛がられていたのであった。

 

 

 

『超絶者』ヘカーティア・ラピスラズリ。元は人間達に本来の名前を忘れられた魔神。そしてギリシア神話のヘカテやエジプト神話の女神ヘケトと同一視されて、源流になったと思わしき神。

 

今の彼女は地獄の女神ヘカテの名前の一つのヘカーティアと名乗っているが、そもそも地獄の女神ヘカテはギリシア神話出身の女神ではない。元々は別の土地で崇められていた女神なのだ。そんな神様が人間達によってギリシア神話に組み込まれた結果、我々が知るギリシア神話の女神ヘカテが誕生した。

 

シンクレティズム、日本風に言うと神仏習合が分かりやすいか。彼女という神は更にエジプト神話の三つの側面がある女神ヘケトと同一視されてしまった。神名が似ているという理由と出産と魔術師の女神という共通する側面を持っていた故に。

 

ある意味彼女という神様は、クロウリーズ・ハザードの英国襲撃に備えて、ローラ=スチュアートこと大悪魔コロンゾンが用意していた対アレイスター=クロウリー専用霊装。神威混淆ディバインミクスチャの仲間といえるだろう。

 

神の王には神の王を、冥府の支配者には冥府の支配者を。三つの側面がある女神には三つの側面がある女神を。

イシス=デメーテル、ラー=ゼウス、オシリス=ハデス、テフヌト=アルテミス。そして、一時期ヘカテ=ヘケトと呼称されていた、本来の神名をなくした彼女。

それはエジプト神話を理解できなかった西洋人が、ギリシア神話に対応させて解釈しようとした歴史に由来していた。

 

 

「ちなみに今の私は三相一体の概念を利用して存在を分割しているから、三分の一程度の実力しかないです。『本体』は《新天地》にいるから分霊といえば分かりやすいかしら?それに埴安神袿姫の行き着く先を見たいという理由もあって、彼女が所属している『橋架結社』とあまり敵対したくないという気分なので最低限しか戦いません。だから戦力としてはあまり期待しないほうがいいですわ」

 

アラディアを撫で撫ですることをやめたヘカーティア・ラピスラズリは青い髪を揺らしながら、唐突に上条当麻やアンナ=シュプレンゲルに話しかけた。

 

 

位相操作で別の『位相』世界に上条達を引きずり込んだ時は赤い髪をしていた彼女は元の世界に戻るときはいつの間にか帽子の上にある球体の色と髪色が変わっていた。

 

三相一体を利用した魔術を使うアラディアや薔薇の重鎮のアンナ=シュプレンゲルは言われるまでもなく、すぐに彼女の状態を見抜いたが、この後に及んでも魔術の知識に疎い上条は何故か帽子の上の球体と髪の色が変わったとしか思っていなかった。

 

少年が精々思ったのは彼女が付けている首輪にチェーンで繋がれている三種の球体のどれかの色に関連して髪色が変わるのか?くらいだった。

 

「それでも俺はヘカーティア・ラピスラズリ、アンタの存在はとても頼りになるよ」

 

弱体化に弱体化を重ねているとはいえ魔神という超越存在でしかも超絶者だ。本人には戦う気があまりないとはいえ、学園都市やアレイスター=クロウリーと異形なる一味達、『橋架結社』の敵対する超絶者達。これらを相手どることになっている上条にとっては心強い味方だった。

 

ちなみにヘカーティア・ラピスラズリに向けて、そう言った瞬間にアンナ=シュプレンゲルとアラディアが上条当麻に厳しい目線を向けてきた。その目線は自分達では頼りにならないのかという意味が込められていた。

 

 

『名も無き魔神』改め超絶者ヘカーティア・ラピスラズリ、ギリシア神話の女神ヘカテ、エジプト神話の女神ヘケト、三つの側面を持って三相一体こと三相女神を体現している彼女は自身のことを詳しく説明した結果、ようやく理解した上条当麻をにこにこと、かわいい生き物を見るような笑顔で見つめていた。

 

 

もしかしたら上条当麻はヘカーティア・ラピスラズリと始めて出会った時に魔神に関する出来事で作られたトラウマのせいで勢いよく失神したことで、彼女にそういう目線を向けられるようになったかもしれない。

 

しかしまあ、上条当麻を劇症型サンジェルマンウィルスで病院送りにしたアンナ=シュプレンゲルと十二月三一日の渋谷で上条当麻を何回もブチ殺しまくったアラディア、オティヌスや埴安神袿姫と同じような神様。

学園都市と『橋架結社』とアレイスター=クロウリー達の三つの勢力に追われる身になっているとはいえ、このメンバーと一緒に行動することになるとは人生は摩訶不思議なモノである。

 

 

 

 


 

 

「ただいまっと・・・・。皆は元気か・・・あらっ?」

 

《新天地》から『橋架結社』の領事館に無事に帰還した埴安神袿姫が最初に見た人物は放心状態のアリスだった。

 

気まずいわね・・・。私が《新天地》に行っている間になにかあったのかしら?

 

見れば周りの超絶者達もアリスを遠ざけているようだ。

アリスの機嫌が悪い日はいくつも見てきたが、これがいつものアリスとは違う状況なのは、はっきりと分かった。

 

「H・T・トリスメギストス、どうしてこうなったのか教えてくれる?」

 

埴安神袿姫はアリス=アナザーバイブルの近くにいた青年執事に自分がいない間に何があったのかを説明を求めた。

 

「はい、袿姫様。実は━━━━」

 

H・T・トリスメギストスは嘘や誤魔化しをせずにありのままに埴安神袿姫に経緯を伝えた。例え、それが自分のもう一人の主人の機嫌を損ねて、与えられる罰の結果で自身が本当の意味で死ぬことになっても。

 

 

「うんうん。私達のことを思って、自分なりの善意で行動したのは認めるわ。貴方はそういう超絶者ということを知っていたから。だが、磨弓ちゃんも内心そう思って行動するとは・・・・。こういう展開になることを読めなかった私は、人間達の上に立って導く神様としてはまだまだ未熟ね」

 

だが青年執事に予想していた罰はこなかった。

埴安神袿姫は自分より身長があるH・T・トリスメギストスに近づいて少し見上げたと思うとその場にいなかった私にも罪があるから責めないわよ。という発言をした。それだけだった。

 

「貴方が罰を望むならそういう神様として振る舞うわ。なにか不満や文句、望みがあったら言ってちょうだい?」

 

そう笑顔で言った後、埴安神袿姫という偶像のアップデートをしなきゃ。と独り言を呟いて遠ざかっていく彼女の後ろ姿を青年執事は見ることしか出来なかった。

 

時間が経つごとにどんどん彼女との距離が遠くなっていく気がする。より機械的に、非人間的に、人間達にそう在れと祈られて、望まれた通りに、世界を救う理想的な神様になるためのレールを彼女、埴安神袿姫は突き進んでいく。

 

アリスもそうだが『一般的』に考えて、彼女をそのまま放っておいた挙げ句に世界中の負担を勝手に背負わせて、一人で管理させてもいいのか?

 

自問自答しながら青年執事は一刻も早く薔薇の聖者を復活させなければと決心した。

 

 

「今から私、埴安神袿姫が『橋架結社』全体の指揮をとります。アンナ=シュプレンゲルの件は基本は殺害。これは確定事項です。だけど、相手が降伏してきたら生命だけはとらない温情を見せろとムト=テーベと杖刀偶磨弓に伝えなさい。そして、二人だけで任務は確実に遂行可能だと私は睨んでいるけど、アンナ=シュプレンゲルの『処罰』に加わりたい人がいたらご自由に加わっていいわよ。領事館関連の問題に関しては、戦争になれば確実に私達が学園都市に勝てると思うけど、無駄な虐殺はしたくはないし、『存在意義』や『設定』に反する超絶者もいるから居着くのを止めて儀式をする場所に全員で移動しましょう。後、『あちら側』で仲良くなった『魔神』を連れて帰ってきてしまったから、見つけてしまったらあまり刺激しないでね」

 

そんな風に悩んでいるH・T・トリスメギストスを余所に埴安神袿姫は超絶者達に次々と命令を下していくのであった。

 

 




女神ヘカテことヘカーティアをエジプト神話の女神ヘケトと習合させました。
理由は同一視する情報があるのとイシスやオシリス、ホルスに関連がある魔術の女神だったので。
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