瀬人VSキサラ~時空を超える記憶~【完結後、後日談ぼちぼち執筆】   作:生徒会副長

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今回のルール
・基本的には遊戯王新マスタールール2019
・LP8000、手札5枚スタート、先行ドロー無し
・カードプールと禁止制限は2019年10月に準拠


TURN1《青眼の精霊龍》

キサラLP8000

≪VS≫

ドッペルゲンガーLP8000

 

 ディスクの自動決定により、先行はキサラから。

 

「私のターン。手札から『伝説の白石』を捨てることで、『ワン・フォー・ワン』を発動! その効果で、レベル1チューナー『青き眼の乙女』をデッキから特殊召喚!」

 

 白石も乙女も、かつてキサラの身から零れ落ちたカードであり、『青眼の白龍』と所縁ある特殊効果を備えている。まずは『伝説の白石』が墓地に送られたときの強制効果で『青眼の白龍』が早速キサラの手札に加わった。

 

青き眼の乙女/攻0(デッキ→場)

青眼の白龍(デッキ→手札)

キサラ/手札5→3→4枚

 

「へぇ……まさかあの海馬瀬人がブルーアイズを貸すとはな。もしかして3枚とも借りてきたのか?」

「3枚目を拝む前に貴方が負ける可能性もありますけどね。2枚目はすぐお見せしますよ。レベル1の『伝説の白石』を墓地から除外し、レベル1の『青き眼の乙女』を対象に取ることで 、『モンスター・スロット』を発動!」

 

 キサラの背後にスロットマシーンが出現。スロット左列と中央にはレベルを示す星が1つずつ出ている。今からドローすることで右列のスロットが止まり、同じレベル──今回ならレベル1──がズラリと揃えばドローカードを特殊召喚出来る。しかしキサラの狙いはそこではない。

 

「『モンスター・スロット』の対象となった『青き眼の乙女』の効果をチェーン発動! デッキから出でよ──『青眼の白龍』!!」

 

青眼の白龍/攻3000(デッキ→場)

伝説の白石→除外

 

 『モンスター・スロット』の効果によるドローカードは、罠カード『パワー・ウォール』。スロットマシーンは寂しげに止まり、特殊召喚も出来ないが、ドローカードはそのまま手札に加わる。

 

「1ターン目からブルーアイズを出してきたか。しかもまだ通常召喚してないな?」

「今からしますし、私のデッキの力は白き龍だけではありません! チューナーモンスター『青き眼の賢士』を通常召喚!」

 

 『青き眼の乙女』に端を発する「青き眼」シリーズの魔法使い族、それがもうひとつのデッキ・キーパーツだった。キサラの故郷の思い出を原典とし、白き龍や「青き眼」一族同士での共闘を可能にする能力を備えている。

 

「『青き眼の賢士』召喚成功時の効果! デッキからレベル1の光属性チューナー、『エフェクト・ヴェーラー』を手札に加えます!」

 

 これで場には、青年と少女でチューナーが2体。

 

「青き眼の乙女と賢士で、連続リンク召喚! 『リンクリボー』を経由し──リンク2、『水晶機巧-ハリファイバー』!!」

 

水晶機巧-ハリファイバー/攻1500

 

 水晶の翼を持つ、小さな等身と高くはない攻撃力に反して、無限大の可能性を秘めた強力なリンクモンスターの召喚に成功した。

 

「リンク召喚成功時の効果発動! デッキからレベル3以下のチューナーを特殊召喚します!」

 

 ハリファイバーの翼が輝き、デッキから新たなモンスターを呼ぶシグナルとなる。

──その身体と翼を砕け散らせながら。

 

「えっ?」

「悪いがその効果に、俺の手札に潜む妖怪、『幽鬼うさぎ』をチェーンさせてもらったぜ。」

 

 なるほど確かに、ハリファイバーの崩壊の中心には、呪符が刺さった跡がある。しかしハリファイバーは破壊されつつも最期にその効果を遺した。

 

「ハリファイバーは失いましたが、その効果は使わせて貰います! デッキからレベル1チューナー『太古の白石』を特殊召喚!」

 

水晶機巧-ハリファイバー(破壊)

太古の白石/守500(デッキ→場)

ドッペルゲンガー/手札5枚→4枚

幽鬼うさぎ(ドッペルの手札→墓地)

 

「そして、レベル8のブルーアイズに、レベル1の『太古の白石』をチューニング!」

 

 キサラが場に居る2体から繋いだのはシンクロ召喚。集いし星の数は9つ。

 

「天と地を司る精霊の力を、青き眼に宿せ! シンクロ召喚!『青眼の精霊龍』!!」

 

青眼の白龍(シンクロ素材)

太古の白石(シンクロ素材)

 

青眼の精霊龍/守3000

 

 迸るエネルギーが金の爪や棘として顕れ、原典たる『青眼の白龍』より雄大な翼を広げる──。

 

「これがブルーアイズの進化と未来の1つです!」

「天地を司る、ねぇ……。『天』空からのペンデュラム召喚をはじめとする複数体同時召喚を封じ、墓『地』で発動する効果を1ターンに1度無効にする守備力3000とは、厄介なもんを呼んでくれやがったな」

 

 ドッペルゲンガーは冗談ではなく本当に嫌そうな顔をするが、キサラのターンはまだ終わっていない。

 

「カードを2枚セットして。墓地に眠る『太古の白石』には効果が2つあります。1つ目の効果を発動し、墓地からブルーアイズの龍族を回収します。」

 

 キサラが回収するのは、シンクロ素材になった『青眼の白龍』だ。

 

キサラ/手札4枚→2枚→3枚/伏せ2枚

 

「エンドフェイズに入り、2つ目の効果を発動です。墓地に送られたターンのエンドフェイズに、デッキからブルーアイズの龍族を特殊召喚します。」

「3枚目の『青眼の白龍』のお出ましか?」

「まぁそれも面白そうですが……。私が喚ぶのは『青眼の白龍』の聖なる影──。出でよ、『白き霊龍』!」

 

白き霊龍/攻2500(デッキ→場)

 

 影というだけあって、攻守は実体より500ずつ低い上にその身は透けており、所々鋭利なはずの部分が丸くなってしまっている。だが『影』を捉えようとすれば手札の『実体』へとサクリファイス・エスケープ出来る点は、『実体』側にはない器用さである。

 かくしてキサラは、サクリファイス・エスケープ出来る最上級モンスターが2体、『エフェクト・ヴェーラー』『青眼の精霊龍』と伏せカードによる妨害付きで先行ターン終了である。

 

キサラLP8000/手札3枚/伏せ2枚

青眼の精霊龍/守3000

白き霊龍/攻2500

 


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