私が世界最高の情報屋!?   作:書人

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08 風紀:僕が誰だか分かったりするの?

 

ANAM:こんばんは

 

風紀:こんばんは

 

ANAM:風紀さんはチャット慣れしていないんですね

 

風紀:わかるんだ?

 

ANAM:チャット慣れしていない人は

ANAM:違和感みたいなのを感じるので

 

風紀:そう

風紀:それで良い店紹介して欲しいんだけど

 

ANAM:プロフィール確認しましたが

ANAM:『和食』が好きとの事なので

ANAM:ここなんかどうでしょうか?

 

『ANAMからメッセージが届いてます』

 

『和菓子屋『風花堂』:住所―――――並森町――――……』

 

風紀:君もここの食べたことあるんだ

 

ANAM:あれ?すでに食べたことありましたか?

 

『注意:個人情報が入っている可能性があります』

『このまま表示していいですか?Yes/No』

 

『情報の開示を『ANAM』に許可しました』

 

風紀:僕は並盛に住んでるからね

 

ANAM:本当ですか私もなんです

ANAM:並盛に住んでいる人と話すのは初めてですね

 

風紀:君も並盛に住んでいるんだ

 

ANAM:ひょっとしたら会ってるかもしれませんね

 

風紀:かもね

風紀:そういえばさ

 

ANAM:?

 

風紀:君の噂の中に

風紀:その人を見ただけで

風紀:どのユーザーなのか分かるってあるけど

風紀:本当?

 

ANAM:本当ですよ

ANAM:今の所10/10の正解率です

 

風紀:僕が誰だか分かったりするの?

 

ANAM:こちらだけがリアルを把握することが無いように

ANAM:許可が出ない限りは探りませんし

ANAM:探らない限り、私は貴方が誰か

ANAM:全く分からないので大丈夫ですよ

 

風紀:なら僕が誰か当ててみてよ。

 

ANAM:良いんですか?

 

風紀:別に構わないよ

 

 

 

「え……嘘っ!?」

 

『風紀』さんが誰であるかにたどり着いた時、私は危うくパソコンに頭をぶつけそうになった。

嬉しいような……。けど、それよりも驚きのほうが上回っていた。

 

 

 

ANAM:分かりました!凄くビックリです……。

 

風紀:分かったんだ……早かったね

 

ANAM:万が一もあるので答え合わせはこうしましょう

ANAM:月曜日に私が貴方に話しかけます

ANAM:合言葉は『初めまして』です

ANAM:もしも私が当てれたら

ANAM:美味しい和菓子屋さんを風紀さんが

ANAM:紹介するって言うのはどうですか?

 

風紀:わかった

風紀:もしも君が僕に話しかけることが出来たら

風紀:おまけに和菓子をご馳走してあげる

 

ANAM:本当ですか!?

 

 

 

 

そう……もしも本当に君が僕と分かったら。

けれど、君は僕に話しかけることができるの?

 

この町(並森)で恐れられている、並森中学風紀委員長『雲雀恭弥』に。

 

君は強いらしいね、だからそんなことが言えるのか。

……そうだったらいいけどね。

 

本当にこのサイトに来たのは偶々で、美味しい店を紹介してくれるという話しを草壁に聞いたからだった。

 

まさかANAMも並森に住んでるとは思わなかったよ。

僕の方には、ANAMに該当しそうな人間に心当たりは無い。

そもそも、僕の気を引く様な肉食動物がこの並盛に居るのだろうか?

 

肉食の皮を被った、草食動物か……。

それとも、草食の皮を被った、肉食動物か。

 

 

 

「草壁」

 

「へい」

 

「月曜日に『花風堂』の和菓子を二人分用意しておいてよ」

 

「はい……?」

 

その少年はニヤリと外を見て笑っていた。

 

 

 

 

 

早朝。まだ少し肌寒い頃。

 

「ちゃおっす」

 

「あっリボーン」

 

そう言って真奈は笑った。

 

「毎朝早くに起きて何をしてるんだ?」

 

本当はもっと早くに聞くつもりだったのだが、赤ん坊の身に朝早起きはこたえるのだ。実際にこうしている間もずっとまぶたが下りようとしている。

 

「うーん……運動?」

 

少し首を傾げてからマナはそう答えた。

 

「運動して自分の身体を動かしながら把握する。これは、小さい頃からずっとやってる事だから」

 

一見何所にでも居そうなこの少女は『人』のプロフェッショナルを名乗っているのだ。

 

「……にしても眠そうだね」

 

自分の演技など、すぐに見破られてしまった。

 

「まぁな、ここで見せてもらうぞ」

 

そういって俺は塀の上に座った。

聞き及んだ噂ばかりで、真奈がどれ位できるかこの目で見てないからな……。

 

「……ギリギリ見えないかもよ?」

 

「?」

 

「今日はお客さん(リボーン)も居るし、少し飛ばそうかな」

 

小さくそう呟いて笑う。

 

「リボーンこっち来て」

 

そう言って真奈は両腕を広げた。

そこに飛びこんだ俺を、きっちり抱きこんで家から出る。

 

「レオン、落ちない様に私の腕の中に入らないとダメだよ?」

 

その言葉でレオンが俺の肩から降りて俺の横に収まる。

一体この少女は何をしようとしているのか。

 

「それじゃあ、行くよ?」

 

ーその走りは風を切るようだった。

 

銃弾の軌跡を見ることが出来る俺ですら、景色が伸びて見える。確かに、レオンが俺の肩に乗っていたら飛ばされていたかもしれない。

今日は帽子をかぶっていなくて良かった。

 

そしてあっという間に家へ戻った。一分も経っていないのでは無いだろうか?

 

「はい、終わり」

 

「もう終わりか?」

 

「うん。今日は結構思いっきり走ったしね。一応、体力は残しておきたいし」

 

「すごい早さだったな、アレが全速力か?」

 

「リミッターをはずしたらもう少しは上げれるし、一瞬の速度だけならもっと上げれるよ。普通に走る時の最高速度はアレ位かな」

 

そう言って笑う彼女の底はまだ見えそうに無かった。

 

「ただし3分が限界だけどね、逃げれればいいし」

 

コレだけの速さなら、そこらへんのマフィアは完全に撒ける。

 

「真奈、今度俺と軽く戦うぞ(やるぞ)

 

「いいよ?ただし今週の土日ね」

 

「分かったぞ」

 

 

 

 

 

「今日は真奈、早く出るのね」

 

「うん!少し用事があるから!!」

「いってきまーす!!」

 

そういって少女は元気良く家から飛び出した。

 

 

 

 

 

今日がANAMと約束した月曜日だった。

 

サイトのルールを守って、ANAMが並森に住んでいる事は、サイトを紹介してきた草壁にも話していない。

 

そして、今日会うことも。

 

この土日に考えたが、新たに分かった事は余り無かった。

並中生である確立が高いこと。これは『月曜日』を指定してきたからだ。もしも僕の正体が分かっているのなら、月曜日は学校に居ることも分かっているはずである。

それを見越した上でなら相手も並中生ということだろう。

 

その中でも『風紀委員』と言う事はまず無い。僕が彼女とチャットをしていたあの時間は全員見回りに行かせていたからだ。

 

サイトに『大体毎日15:00~20:00まで居ます』と書いてあった。

三時は学校が終わってすぐに帰った位の時間だし、毎日と言う時点で部活に入っている事はまず無い。

そして教職員も業務中のためあり得ない。

 

サイトに上がっている情報から、調べさせようかとも考えたが。それでは、せっかくの楽しみが無くなってしまうので止めた。

 

……誰か来た。

 

ふと気配がしたので校門のほうを見る。

まだ殆ど誰も来ていないだろう時間帯にも関わらず、一人の生徒が登校していた。

 

たしか……『沢田真奈』。

 

彼女の名前は成績優秀者として良く聞く。

逆に言えばそれだけで、余り興味も湧きそうにない存在だったが、制服もきちんと着ているしこうして朝早く来ている点に関しては関心だ。

 

ふと目が合った。

 

あっちは驚いている。

まぁ、そうだろう。恐れられている風紀委員長(ぼく)と目が合ったから。

 

しかし、その後の行動が他の生徒達とは違った。早歩きでその場をそそくさと逃げるような事はしなかった。

 

じっとこちらを見ている。

 

「……何?」

 

じっと見られているのにイラついて、彼女を一睨みした。

なのに何故か彼女は満面の笑みを見せる。

その不可解な行動に眉をひそめた。

 

「初めまして」

 

「!?」

 

その言葉は今日会うはずの『ANAM』との合言葉

 

「ここなら監視カメラも無いし、今は誰も居ないかな」

 

軽く首を振って見回してからそう呟くと、綺麗なお辞儀をした。

 

「改めまして、風紀委員長・雲雀先輩こと『風紀さん』」

 

なるほど、アタリらしい。

 

「『ANAM』こと1年A組沢田真奈です」

 

屋上で昼寝をする時のひだまりと同じ、暖かさを感じるその笑顔は不快ではなかった。

 




雲雀さん何所行ったの苦情はもれなく受け付けていません。


お久しぶりです。
大分間の開いた更新ですが、まだ見てくれている人がいるなら嬉しいです。
こんな感じで亀更新ですが、おつきあい頂ければと思います。
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