ディケイドになったので、世界を巡ります   作:SoDate

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Re:2022 ギーツの世界〘5〙

 ディケイドライバーを手に持った士が鏡月丸の外まで出ると、船に照準を向けていたボウガンの矛先が一斉に士へ向く

 

「なんか、この世界来てから銃口向けられることが多いな──ッ!」

 

 放たれた矢を避けた士はディケイドライバーを腰に巻き、ライドブッカーからカードを取り出す

 

「変身!」

 

KAMEN RIDE

DECADE

 

 バックルを回転させると同時に、士はライドブッカーをガンモードへ変形させ、洗脳されたライダー達──GMライダーへ向けて引き金を引く。光弾が放たれると同時に、士の周囲に25の影が出現、重なり、色付くことで士はディケイドへ変身した

 ライダー達と対峙したディケイドは、ライドブッカーをガンモードからソードモードへ変形、構えるとGMライダーは一斉にディケイドへ向けて走り出す。ライドブッカーで放たれた矢を撃ち落としながら同じく接敵したディケイドは斬撃を放ち、ライダー達へダメージを与えていく

 

「はぁ!」

「────ッ」

 

 斬撃を受け、ダメージを負っている様子を見せるGMライダーだが、洗脳の効果が強いらしく怯むことなく攻撃を続ける。ライドブッカーを横薙ぎに振るい群がってくるライダー達を一気に吹き飛ばしたディケイドは、吹き飛ばされたGMライダーの隙間から自身へ向けて振り下ろされたゾンビブレイカーの刀身をライドブッカーで受け止める

 

「ッ!」

「────―!」

 

 無機質なマスクの複眼が妖しく光った目の前のライダーは、ゾンビブレイカーの鎖鋸を回転させ、ギャリギャリとライドブッカーを刀身を削っていく

 

「まずッ」

 

 徐々に削られていくライドブッカーを見た士は目の前にいるGMライダーの脇腹に蹴りを入れて距離を取らせ、背後に迫っていたもう1人のライダーへ斬撃を放ち、周囲に群がっていたライダー達を蹴散らすディケイドだが、未だ自身へ向けて矢を構えているGMライダー達の姿を見てマスクの奥でうんざりとした表情を浮かべる

 

「流石にベルトをぶっ壊す……って訳にはいかねぇよな、引っぺがすか?」

『士くん、聞こえる?』

 

 どうやって変身を解除させるのかを考えていたディケイドの元にイオナから通信が入る

 

「イオナ……っていうかこんな機能付いてたのかよ」

『今はそれ置いといて、それよりもベルトを剥がすのはやめた方がいいかも』

「どういうことだ──っと、あぶね!」

 

 迫りくるゾンビブレイカーの斬撃を避け、モンスターグローブによる拳を受け止めながらディケイドはイオナとの会話を続ける

 

「それで、ベルト剥がすのはやめた方が良いってどういう事だ?」

『士くんが戦ってるライダー達のマスクを解析したんだけど、マスクそのものにかなりのエネルギーが集中してるの』

「……それってつまり──!」

『下手に剥がしたり、無理やり変身解除させようとしたら自爆するかも知れない』

「じゃあどうすればいい!?」

『マスクの中央、そこに在る装置を破壊して!』

 

 イオナの言葉を受けたディケイドがGMライダーのマスクに目を向けるとマスクの中央に彼女が言っているであろう装置を確認した後、目の前のGMライダーへ蹴りを入れて距離を取り、ライドブッカーからカードを取り出す

 

「正確かつ確実に破壊するなら、これだな」

 

FORM RIDE

KUUGA PEGASUS

 

 ディケイドがカードを装填し、バックルを回転させるとベルト中央から緑の光が発せられ、ディケイドクウガ ペガサスフォームへと変身する。変身完了後、手に持っていたライドブッカーをガンモードへと変形させると瞬時にモーフィングパワーが発動し、ライドブッカーをペガサスボーガンへ変える

 

「! いらん音まで拾うな……この姿」

 

 ペガサスフォームへと変身した瞬間、ディケイドに変身している士が感じたのは異常なまでに研ぎ澄まされた感覚。拾いたい音以外の雑音まで聞き取ってしまう事に顔をしかめつつペガサスボウガンの弓を引き、狙いを定めると────

 

「そこだ!」

 

 ────引き金を引く

 放たれた一射はディケイドクウガへ攻撃を仕掛けようとしていたGMライダーをすり抜け、一番後ろで彼の事を狙っていたGMライダーのマスクを射抜く

 マスクを射抜かれたGMライダーはマスクから煙を発するとバチバチと言う音と共に変身が解除される。それを確認したディケイドクウガは再度ペガサスボウガンの弓を引き、GMライダー達を狙撃していく

 

「──あぶねッ!?」

 

 少しずつ、それでも確実にGMライダーを処理しながら、強化された感覚に頼って近接戦を仕掛けてくる2人のGMライダーをいなす。普段以上に集中力を要する戦闘によって士は自分の体力が想像以上に消耗している事を実感し始める

 

「思った以上に疲れるな、これ」

 

 身体に疲労を感じながらも少しずつGMライダー達の数を減らし続け、最後に残ったモンスターとゾンビのアーマーを纏ったライダー達のマスクを撃ち抜く。瞬間、2人の変身も解除され、それを確認したディケイドクウガもバックルからカードを引き抜いて変身を解除する

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 表情から疲労を見せた士はその場に座り込むと周りに倒れているライダーの変身者たち、その中でも見知った顔であるイチカとウィンの2人へ目を向ける

 

「……こっちでも、なんかヤバそうなことが起きてるみたいだな」

「士くん大丈夫!?」

 

 自分が留守にしている間の現代で何があったのか、士がそれを考えようとしていると船から降りてきたイオナが近づいてくる

 

「あぁ、だいぶ疲れたけど問題ない」

「良かった……」

「それより、こいつらは大丈夫なのか?」

「うん、さっきまで船で確認してたけど全員、問題はなさそう」

 

 問題はないというイオナの言葉を聞いた士はひとまず気を失っている彼らの事を横に置いて、自分の頬を軽く叩いてから立ち上がる

 

「イオナ、こいつらの看病任せた」

「それは良いけど、士くんは?」

「元の目標通り、デザイアコーポレーションに行ってくる」

「……大丈夫なの?」

「あぁ、多少の疲れはあるが問題ない、それじゃ────「ちょっと、待って……」

 

 士の言葉を遮るように、倒れていたイオナが声をかける。それを聞いた2人が視線を向けると、先ほどまで気を失っていたイオナとウィンがボロボロの身体を何とか動して身体を起こす。それを見たイオナは慌てた様子で2人の元へ近づき、傷の具合を確認し始めた

 

「……ひとまず船に戻ろう」

 

 流石にここで手当てをさせるわけにはいかないと思った士はそう言うと、イオナと協力して気を失った変身者たちを船の医務室まで運んで行った

 

 

 

 

「それで、一体何があったんだ?」

「確かデザイアコーポレーションに向かったんだよね」

 

 変身者たちの処置後、士とイオナの2人は改めて彼女たちから話を聞くと、ベッドの上のウィンが身体を士たちの方へ向き直る

 

「あぁ……何事もなく終わると思ったんだが、そんなことはなかった」

 

 ウィンはそう言うと、デザイアコーポレーションに向かってからの事を話し始めた

 

 

 

 

 

 時は遡り、士が現代に戻ってくる少し前。デザイアコーポレーションへとやってきたユウスケたちは受付を済ませ、エレベーターに乗り込む

 

「それにしても凄いな、これがデザイアコーポレーションか」

「ウチの世界で一番デカい会社だからね」

「参加者のサポートから装備の作成まで、全部やってるらしいからな。地下に巨大工場を隠してるんじゃないかって噂まであるくらいだし」

 

 イチカとウィンの言葉を聞いたユウスケがへぇーと言葉を漏らしていると、エレベーターの階層表示を見ていたエイトが口を開く

 

「そろそろ、エレベーター着くみたいだよ」

「それなら、いっちょ気合い入れないと」

 

 そう言ったユウスケは軽く背筋を伸ばして姿勢を整えた直後、ボーンと言う音と共にエレベーターが停止し扉が開く。3人はそのままエレベーターを降りて廊下を進み、社長室と書かれた扉をノックする

 

『……どうぞ』

「失礼します」

 

 4人の中でウィンが代表して扉を開けて入り、それに続く形でユウスケたちも部屋の中へと入り、扉を閉める。僅かな沈黙の後、ゆっくりと口を開いたのは社長室に座った人物だった

 

「初めまして、ですね。異なる世界からの来訪者……私がこの会社の社長、据石 仁(すえいし ひとし) だ」

「代永ユウスケです」

「代永くん、か。君たちの事情は事前に説明を受けている、この世界の異変を調査しているんだったね」

「はい、世界の均衡が崩れたことでそれぞれの世界に起こってる異変。それを解決して世界の均衡を元に戻すために俺たちは動いてるんです……社長は、何か心当たりはありませんか?」

 

 ユウスケの言葉を聞いた据石は、しばし考えこむような仕草を見せた後、言葉を返す

 

「すまないが、心当たりはないな。何分この世界は、ジャマトと言う脅威に脅かされている」

「……そうですか」

「本当にすまないね……そうだユウスケくん、少し話を変えてしまって申し訳ないが君はこの世界をどう思う?」

 

 あまりにも唐突な質問を聞いたユウスケ……否、ユウスケ以外の部屋にいる全員が怪訝な表情を浮かべる

 

「……この世界を、ですか」

「あぁ、せっかく違う世界から来た人物が居るんだ。後学の為にも世界の印象を聞いておきたくてね」

 

 一瞬、どうするかを考えたユウスケだったが、ここで変にぼかすのもどうかと考え正直に答える事にする

 

「……俺から見ると、少し歪に見えます」

「ほう、歪ですか」

「はい、俺の世界だと未確認……こっちで言うジャマトみたいな存在の脅威にさらされてました。そう言う意味だとこっちの世界と同じです……けど、少なくとも俺たちは、命を懸けて戦ってる人たちを娯楽にしようなんて考え付かなかった。だからエイトたち──この世界の仮面ライダーが命を懸けて戦ってる場面をそこに住んでる人たちが娯楽として受け入れてるのが、どうしても歪に見えてしまって」

 

 それを聞いた据石は納得したような表情を見せ、言葉を発する

 

「成る程、世界が違うが故の認識の違い……ですね」

「……ですよね」

「えぇ、貴方の世界では脅威は脅威として認識し、私たちの世界では脅威を娯楽に昇華している。それが貴方にとっての違和感になってしまっているのでしょう」

 

 そう言うと据石はゆっくりと立ち上がると、近くに置いてあったミッションボックスを手に取ると、ユウスケの元へやってくると、ボックスを開いて中に入ったデザイアドライバーとIDコアを差し出してくる

 

「どうですか? この世界の異常が見つかるまで、貴方もデザイアグランプリに参加してみるというのは」

「……せっかくのお誘いですけど、やめておきます」

「ほう、それは何故?」

「俺には、俺の力がありますから」

「……それもそうですね」

 

 ユウスケの回答がわかっていたかのような様子を見せた据石は、手に持っていたミッションボックスを近くに置き、彼らの方へ顔を向けることなく言葉を続ける

 

「そう言えば、ユウスケくん。君はディケイドと言うライダーを知っていますか?」

「……知ってますけど」

「彼は、今どこに?」

「何処に行くのか訊く前に別行動になっちゃったので、詳しくはわからないです」

「……そうですか、つまり奴は今、この世界に居ないと」

「えっ?」

 

 瞬間、ユウスケと彼の後ろにいたエイトたちは吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。突如として自分たちを襲った謎の現象で頭を混乱させながらも、ユウスケはなんとか立ち上がり、こちらへ冷たい表情を浮かべている据石へ警戒の視線を向ける

 

「……成る程、随分と頑丈ですね」

「社長、いやアンタは一体……」

「そうですね、強いて言うならこの世界の創造主……でしょうか」

「創造主?」

「えぇ、世界を作り替え。私の思い描く世界を生み出した……ですから、間違ってはいないでしょう?」

 

 その言葉を聞いたユウスケが何か言葉を発するよりも先に、なんとか身体を起こしたエイトが据石の方を真っすぐ見て言葉を発した

 

「……つまり、貴方はデザ神、って事ですか?」

「デザ神などと言う凡庸な言葉で私を括らないで貰いたい。私は仮初ではなく、正真正銘の神……なんですから」

 

 パチンと、彼が指を鳴らすと部屋全体が赤い光に包まれ、空間が作り変えられていく、ビルの社長室は黒一色のアリーナのような空間へ変わり続くように無数のGMライダーが転送されてくる

 

「! これは────」

「GMライダー? 社長、貴方は一体……」

 

「本来であれば、このような事をするつもりはありませんでした……ですがユウスケくん、貴方がディケイドの関係者であれば話は別だ、奴は私の世界には邪魔な存在だ。だから消します、奴も、奴の仲間である貴方もね」

 

【ZILLION DRIVER】

 

 据石はジリオンドライバーを腰に装着し、サイドホルダーのスイッチを押す

 

GEATS TRIAL】

 

「変身」

 

【IMITATION】

【GOD Is Absolute Power    VANITY GEATS

 

 ドライバーにセキュリティカードをスキャンすると、据石の身体は変質し、ヴァニティギーツへの変身を完了する。目の前に現れたライダーが自分にとって明確な敵であると認識したユウスケはすぐにアークルを出現させ、変身をしようとする

 

「変し────ぐぁッ!」

「────!」

 

 だが、ユウスケが変身するよりも早く襲い掛かって来たGMライダー達が彼と、隣で呆然としていたエイトの身体を拘束し、地面に叩きつける

 

「この世界を私の世界として存在させ続ける為、不確定要素にはご退場願いましょう」

 

 その言葉を最後に、ユウスケとエイトは意識を失った

 

 

 

 

 

「とまぁ、覚えてるのはこれくらいだな、2人が気絶してから俺たちが動くよりも早く勝手にドライバー巻かれてあのマスクで洗脳されちまった」

「……なぁ、お前が見たのって本当にギーツなんだな?」

「あぁ、間違いねぇよ。運営のベルトを使ってたが……ありゃ間違いなくギーツだ」

「……なら、間違いないな」

 

 ウィンの言葉を聞いた士は、今デザイアコーポレーションの社長を務めている人物が過去で戦ったあの仮面ライダーと同じ存在であると確信する

 

「さてと、それじゃあ行ってくる」

「行くって、お前まさか」

「あぁ、デザイアコーポレーションに殴り込みだ……それに、この世界で何をすべきかもはっきりしたしな」

 

 そう言った士は、椅子から立ち上がって医務室から出ていこうとする。そんな彼の事を見ていたウィンは最後に一つだけ、質問をする

 

「何をすべきかわかったって……アンタ一体、何をする気だ」

「決まってるだろ、俺は……この世界をぶっ壊す」

 

 その言葉を最後に、士は医務室から出て行った




 更新、大分遅れてしまいました
 完全に私事ではありますが若干スランプに陥ってるっぽいですが、ネタが尽きたわけではないのでご安心を、そして毎度のことながら駆け足気味になってます。本当に申し訳ない
 よかったら、アンケートに答えて頂けるとありがたいです

【期間:2024/10/27 まで】Next⇒

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