ディケイドになったので、世界を巡ります   作:SoDate

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次の世界へ《 Re:2000 ⇒ Re:2022》

 ライオン型未確認との戦いから数日が経った頃、士はイオナと共に鏡月丸の艦橋にいた

 

「世界の均衡が正しい形に戻り始めてる?」

「うん、多分だけど士くんの倒したあの未確認がこの世界の均衡を崩してた原因だったんだと思う」

「そうなのか?」

「詳しいことはわからないけどね」

 

 士の問いに対してイオナは曖昧そうな笑みを浮かべると、端末を操作して未確認との戦闘映像を出す

 

「士くんたちが倒したあの未確認、倒した後に青白い炎を出しながら灰化したでしょ?」

「あぁ、確かにな」

「青白い炎を出しながら灰化をするのって、オルフェノクが倒された時と同じ現象だったんだ」

「……オルフェノク?」

「仮面ライダーファイズの世界に居る怪人だよ、一度死んだ生物が蘇るとオルフェノクになるの」

 

 オルフェノクという存在がどのようなものだったのかを聞いた士だったがあまりピンと来ていないような表情を浮かべていた

 

「それじゃあ、あの未確認がオルフェノクだったって事か?」

「あくまでも可能性の話だよ、オルフェノクは殺した人間をオルフェノクにする能力もあるらしいし。まぁ慣れるのは一握りとも聞くけど」

「へぇ……けど、世界の均衡が戻り始めてるなら俺たちがこの世界でやるべきことは終わりって事か?」

「そうだね、均衡が戻り始めてるしもう何日か経過を見て次の世界に向かおっか」

「わかった、それなら数日の間に挨拶回りでもしてくるか、イオナはイオナで世話になった人たちいるだろ」

「うん、そうしよっか」

 

 この世界に滞在するのもあと僅か、その時間をどう過ごすのかを考えながら。今日の所は解散になった

 

 

 

 

 

 更に翌日、イオナは警視庁の中にある未確認対策室へと足を運び、佐城刑事と話をしていた

 

「そうか、それじゃあ君たちはまた旅に?」

「はい、この世界での異変は解決したので、他の世界を回って異変を解決しないといけないので」

「……数日の出来事だったとは言え、寂しくなるな」

「そうですね、私たちもそれは同じです……けど」

「わかっているよ、この世界と同じような状況に置かれている世界があるんだろう?」

「はい、短い間でしたが……お世話になりました」

「こちらこそ、君たちが来てくれなかったら。もっと大事になっていただろうからね、ありがとう」

 

 そう言うと佐城刑事はイオナへと手を差し出し、彼女もそれを握り返した

 

 

 

 佐城刑事とイオナが話しているのと同時刻、士もまた、ユウスケと話をしていた

 

「じゃあ、お前らはもうすぐこの世界を?」

「あぁ、やることをやった以上。別世界の住人である俺たちが長居するのもアレだしな」

「そうか? 案外この世界はお前らの事を受け入れそうだけど……」

「それでもな。俺たちにはやらないといけないことがあって、わかってる限りだと巡る世界は20以上ある」

 

 そう言った士に対して、ユウスケは何も言葉を返さなかった。少しの沈黙の後、今度は士からユウスケに言葉を返す

 

「そう言えば、お前はこれからどうするか決まったのか?」

「いや、なーんも決まってない」

 

 その言葉を聞いた士は、なんとも言えない表情をユウスケに向けるが一方の彼はさわやかな表情を浮かべていた

 

「けど、一つだけやりたいことが出来たんだ」

「やりたいこと?」

「あぁ、俺は誰かの為に戦いたい。どこかで誰かの笑顔が曇ってるなら、その人の笑顔を取り戻す為に戦いたいんだ」

「……お前、もしかして」

 

 彼が何を言おうとしているのか、それを薄々察した士は厳しい視線でユウスケを見る。一方の彼もその視線を真正面から受け、士に頭を下げた

 

「頼む、俺もお前達と一緒に旅をさせてくれ」

「……それがどういう意味か、分かってるのか?」

「あぁ、わかってる」

「お前がこの世界からいなくなって、もしそれで未確認が出たらどうする? お前が居なかった所為でこの世界の誰かが死ぬかも知れないんだぞ?」

 

 士にそう問われたユウスケは、頭を上げると士と目を合わせ言葉を続ける

 

「大丈夫だ」

「何故、そう言える?」

「俺は信じてる、この世界の人達が、俺の信じる人たちは、そう簡単に負けないって」

「信じるてる……か、少し前まで焦ってた奴が言うセリフとは思えないな」

「それは、まぁそうだな」

 

 苦笑するユウスケにつられる形で、士も笑みを零した後、今度は士からユウスケへ言葉をかける

 

「明後日の午後だ」

「え?」

「明後日の午後まで待ってやる。だから……もしもお前が本気なら、家族とか、世話になった人たちにしっかり説明して、間に合ったら連れてってやる」

「言ったな?」

「あぁ、言った。イオナにも俺からそう伝えとく」

 

 そう言った2人は拳を合わせるとその場から離れる。

 

 

 

 その日の夜、士とイオナ、2人の送別会が行われた後、喫茶店の片付けをしている姉──ハルカとそれを手伝っている佐城刑事に対し、ユウスケは声をかける

 

「あの、2人とも」

「どうしたの?」

 

 片付けをしながらユウスケの言葉に返事をした姉を見た後、彼は深呼吸をした後、言葉を発した

 

「話したいことがあるんだ────」

 

 その言葉を聞き、片付けの手を止めたハルカを見てから、ユウスケは話を始める。これまで何があったのか、そして士たちと一緒に自分も世界を巡る旅に出たいという事

 

「……そっか」

「急に、無責任な事を言ってごめん。けど──」

「わかった」

「──え?」

 

 自分の言葉を遮る形で発せられた肯定の言葉を聞き、ユウスケは目を丸くする。そんな様子を見ていたハルカは彼の元まで近づくと、両手で頬を覆う

 

「それがユウスケのやりたいことなんでしょ?」

「……うん」

「なら、私は何も言わないよ。折角だから色んな世界を見て、色々な事を勉強してきなさい」

「……ありがとう」

「それで、私は賛成しちゃいましたけど、佐城刑事はどうですか?」

 

 片付けの手を止め、少し離れた所で2人の話を聞いていた佐城刑事はゆっくりとユウスケに近づき、雑に頭を撫でる

 

「わっ、ちょっ、何すんだよいきなり!?」

「急にそんなことを言い出した奴に対するお仕置きだ……全く、そう言うのはもっと早く言え」

「ごめん」

「だが、そうだな……ユウスケ」

 

 撫でる手を止めた佐城刑事は、真面目な表情でユウスケへと言葉を続けた

 

「この世界のことは心配するな」

「……最初から心配してないよ、佐城さん達がいるし」

「そうか、それなら良かった……だが、いつでも帰ってこい」

「わかってるよ」

 

 

 

 

 ~~~~

 

 

 

 

 

 そして更に時は進み、送別会から2日後。鏡月丸の艦橋にいた士は端末を操作するイオナに声をかける

 

「なぁ、次の世界ってやっぱりファイズの世界なのか?」

「ううん、次に行くのは別の世界だよ」

「そうなのか、すっかりファイズの世界に行くもんだと思ってたけど」

「実はね、大雑把には決められるけど完全にこの世界って決めるのは今のままじゃ無理なんだ」

 

 まさかの言葉を聞いた士は目を丸くしてイオナの方を見る

 

「そうなのか?」

「実はね、並行世界って言うのは無限に存在するからね。20までは絞れてもそこから更に更にって絞っていくとかなり時間はかかるの」

「それじゃあその世界が何なのかって」

「その世界に着く直前にならないとわからないね」

 

 間かかの事実が判明した士だったが、それに関しては自分に何が出来るかという問題ではない為、そう言うものかと飲み込んだ

 

「よし、これで準備完了。いつでも次の世界に行けるよ」

「了解、それじゃあ俺もそろそろ準備するか」

「……結局、来なかったね」

「まぁ、そう言うもんだろ。旅での出会いは一期一会だし。そろそろ出発しよう」

「そうだね……! ちょっと待って」

 

 イオナはそう言って端末を操作すると船外カメラを動かすと、こちらに向かって手を振っているユウスケの姿が見えた

 

「来たか」

「すぐに収納の準備をするね!」

「それじゃあ、俺はあいつの事を迎えに行ってくる」

 

 それから、ユウスケの事を船に乗せた士たちは、改めて艦橋に集合する

 

「はぇー、外見は普通の船のに中はこんな風になってるのか」

「近未来的だろ。それで、その荷物見ると許可は貰ったんだろ」

「あぁ、だから改めて頼む! 俺もお前達と一緒に行かせてくれ」

 

 その言葉を聞いた士は、イオナの方へと視線を向ける

 

「……どうする? 艦長」

「えっ? 私艦長だったの?」

「当たり前だろ、それでどうするんだ」

「決まってるでしょ、代永ユウスケくんの乗船を許可します。ようこそ、鏡月丸へ」

「よし! それじゃあ早速そっちの席座れ。行くぞ、次の世界に」

「あ、あぁ!」

 

 士に促される形で席にユウスケが席に座ったのを確認した士たちも席に着くと。イオナは備え付けの端末を操作する。エンジンを起動されて次の世界への航路を設定すると鏡月丸の前方に灰色のオーロラを纏ったトンネルが出現する

 

「それじゃあ、揺れるから酔わないようにね!」

「おう」

「えっ? 酔うってそんなにひどいのか、って────!!!!」

 

 困惑するユウスケの身体に急激なGがかかりはじめ、視界が歪む。二度目で多少その感覚に慣れた士と違い今回が初体験のユウスケは今まで体感したことのない奇妙な感覚を受け続けしばらくすると、感覚は徐々に元通りにな、やがて完全に収まる

 

「大丈夫か?」

「……逆に大丈夫に見えるか?」

「見えないな」

「あはは、やっぱり最初は慣れないよね」

 

 ダウンしているユウスケはひとまず置いておいて士はイオナへと近づく

 

「それで、ここは何の世界なんだ?」

「バレないように迷彩かけたり色々するから、ちょっと待ってね」

 

 イオナは端末を操作し始めた、少し時間が経ち多少回復したユウスケが自分たちの所までやってくると彼女の方もやることが一通り終わったらしく、外部のカメラをオンにしてモニターに外の様子を映す

 

「おぉ……」

「凄いな……」

 

 モニターに表示されたのはクウガの世界とは全く違う近未来的な光景、その中でもひときわ目を引くのは街の中央に聳え立つ巨大なビル。そんな光景に圧倒されつつも士はイオナに声をかける

 

「それで、ここは何の世界なんだ?」

「えっと、ここはね……ギーツの世界だよ」

 

 

Next World ⇒ GEATS





追記.
本作品を読んでいただきありがとうございます
 この度、作者の確認不足によりアンケート結果を反映する事が出来ず、申し訳ありません。
 今後はこのような事がないよう精進いたしますので、温かい目で見守っていただけると幸いです。
 今後とも、よろしくお願いいたします(2024/05/24)
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