続・ポケモン廃人、知らん地方に転移した。【完結】 作:タク@DMP
『戦う気が無いってどういう事ですの?』
『危ないです!! そこをどいてください!!』
「……」
スマホロトムのメッセージ画面に『おかしいと思わない?』と彼女は打ち込んだ。
『ラプラスはあの大きな体を保つために、大量の餌が必要だよ。でも、そのためには深くて広い海を回遊する必要がある。わざわざこんな河口に居座る理由が無いんだ。しかも、こんな川、下ろうと思えばいつでも下れるよね』
『確かに……ケガをしている様子はありませんし、何故海へ戻らないのでしょう?』
加えて、今この間もラプラスは此方に攻撃してくる様子が無い。
ずっと何かを求めるかのように歌い続けているだけだ。耳栓をしているので、どのような鳴き声なのか彼女達は知る由も無いのだが──敵対心がない事だけは確かだ。
『油断させて騙し討ちをするため? 私、分からなくなってきましたわ……』
『いや、まどろっこしいよ。ボクらは今丸腰同然だ。襲ってくるならさっさと襲って来ればいいよね』
『確かに、様子がおかしいです。でも──辺りに”歌”が流れているのは確か。危険です!』
「……」
彼女は黙りこくると、ラプラスの方を見上げる。
子供には違いないが骸に眼玉を浮かべたかのような恐ろしい形相。
思わず此方も顔を背けてしまいたくなる。だが──じっ、とアルカはその顔を見つめた。
心なしか、小さいだけでなく瘦せているように見えた。体の表面にも無数の傷がつき、血が流れている。
(これは、ボクが決めた事だ。ボクはこの子を放っておけない)
『……何かあった時はボクを置いて逃げて』
「えっ」
「アルカ様!?」
アルカは──思い切って耳栓を外し、前に跳び出す。
当然それを見て二人はギョッとするわけで。
「ラプラス。付いて来てあげるよ。案内し──」
「ぷれしぃいいいいいいいいいいる」
鼓膜を震わせる悪魔の歌声。
それがアルカを襲った。彼女の意識は一瞬で刈り取られ、そのまま倒れ込んでしまう。
思わず駆け寄ろうとするレモンとミアだったが、そのままラプラスは器用にアルカの首根っこを口で掴むと、自分の背中に放るのだった。
「ッ……何やってるんですか、あの人!?」
思わずミアが叫ぶ。
しかし、ラプラスはそのまま河口を更に上っていく。
二人はそのままラプラスを追うことにした。万が一に備え、常にモンスターボールを構えながら、ではあるが。
(アルカさんを眠らせただけで、危害を加える様子が無い……私達を攻撃する様子も見せない……!?)
(腐った匂いがどんどん強くなっていきますの……この先に何が……?)
しかし、先に進むうちに霧もどんどん濃くなっていく。
そうしているうちにラプラスが泳ぐ速さはどんどん速くなっていき、2人はだんだん離されてしまうのだった。
※※※
強い腐臭を感じ、アルカは目を擦った。
どれ程寝ていたかは分からない。だが、目の前には大きく長い首。
自分があのラプラスの背中で寝かされていたことは分かった。
やはり推測通り、ラプラスは此方を捕食する為に攫ったわけではないらしい。
鼻を抑えながらアルカは起き上がり、ラプラスに問いかける。
「ねえ、君はボクをこんな所に連れてきて──」
「ぷれしぃいい……」
「ッ……!?」
アルカは目の前の光景に言葉を失った。
ラプラスがもう1匹、目の前で川を塞ぐようにして横たわっている。
大きさはアルカを連れてきた個体よりも大きく、これが成体のラプラスであることを察した。
しかし同時に、それがこの異常な腐臭の正体であることをアルカは悟り──思わず零す。
「……死んでる……」
(大体死後5日くらい? 腐臭の源は間違いなく……多分、この子の親から)
全身は傷塗れ。
縄張り争いか何かに敗れたのではないか、とアルカは推測する。
歯型が付いており、これもまた成体のラプラスと同じ程度のサイズだ。
ぎょろり、とした金色の目は天を仰いだまま白濁しており、完全に息絶えてしまっていることが嫌でも分かる。
「ぷれしぃいいいる……」
(ラプラスは賢いポケモンだ。人間を呼べば助けてくれると思ったのかもしれない)
この状況から──アルカはそう推測する。
現に、この子ラプラスが彼女を攻撃する様子は一切ない。
助けてほしい、と言わんばかりに切なく鳴くばかりだ。
思わず耳栓をもう一度付けた。また眠くなってしまいそうだったからだ。
(でも──まだ子供のラプラスは、力を使いこなせずに相手を眠らせる歌を歌ってしまっていた。あるいは、感情が高ぶって力が制御できなかった……?)
そしてもう一つ、このラプラスにとって不幸だったのは──まだ親が死んだ事を理解できていない点であった。
「ぷれしぃいいいいいいいいる」
振り返ったラプラスが悲しそうな声で鳴く。
助けて、と懇願しているようだった。だが、アルカにはどうしてやることも出来ない。
息絶えた命を生き返らせることなど誰にも出来はしないのだ。
「……ごめん、ラプラス。助けられない」
「しぃいる?」
「だってもう、君の親は……死んじゃってるんだ」
「しぃいいいる!! しぃいいいいいいいる!!」
「人間は確かに、君達に出来ない事が出来るよ。頼ろうと思ったのは賢かったね。でも……死んだ生き物は……人間の力でも、生き返らせられないんだ」
「ごめんね」と彼女が小さく呟いたのを聞いて──
「ぷれぃいおおおおおおおおおおおおおおおおるッ!!」
癇癪を起こしたのか、ラプラスは思いっきり前ヒレを水面に叩きつける。
その勢いでアルカは川の中へと落ちてしまった。這う這うで何とか岸にたどり着くが──振り返り、思わず息を呑む。
骸骨の中に明かりが灯ったかのような金色の目が光り、トラバサミのような牙がカチカチと鳴る。此処が深海でなくて良かった、と彼女は安堵する。
もしもそうだったならば、そのまま射竦められて捕食されていたかもしれない。
「落ち着いてラプラス!! ボクは君と戦いたくないっ!!」
「ぴいぃいい、ぷれしいいいいいいる!!」
咆哮し、ラプラスは技を放とうとする。
だが、口にしたためた水の塊は途中で掻き消え、そしてラプラスもぐったり、と首を垂れさせてしまうのだった。
思わずアルカは駆け寄る。
「っ……ダメだよ……君は技を撃つ力も無いんだ!! 歌が暴発していたのは、
「ぷれしぃいい……」
(この腐臭……ラプラスからだけじゃない)
今度はもう目をそらさない。
正面からアルカは、亡骸の方を見やる。
肉片がその口元に転がっている。全てのピースが繋がった。
「君は──お母さんの為に自分は一口も食べずに、獲物を取っていたんだね……」
「ぷれしぃいいいいいいい……」
「でも、君も食べなきゃ力が出ないよね……食べる? セビエ用の餌だけどさ」
アルカは鞄から、ポケモンフーズを取り出す。
しかし──すっく、と長い首が伸び、ラプラスは紙袋をひったくる。
そして、そのまま、もう動かない母親に向かってそれを運んでいく。
だが、当然亡骸が食べ物を口にすることは無い。フードが口元から零れ落ちるだけだ。
「……それ以上は君が危ない……!! 君のお母さんだって、君に生きていてほしくて命懸けで守ったんじゃないの!?」
「ぷれしおおおおおおおおる!!」
「ラプラスっ!!」
このままボールにラプラスを投げ入れてしまえば、全ては容易く終わる。
それほどまでにラプラスは弱っている。だが──それでは、無理矢理捕まえただけで、ラプラスの中で一生消えないしこりが残ってしまう。
それをアルカは良しとしない。
「どうすれば……このままじゃ、ラプラスが弱るばっかりだ……でも、親が死んだ子供をあやすなんて……」
アルカは膝から崩れ落ちる。
彼女には親が居ない。必死で自分を守ってくれたような肉親なんて居ない。
そんな自分が、これ以上ラプラスに踏み込んで良いのか、と懊悩する。
自分が何を言っても、ラプラスには響かないのではないか。
それならばいっそ、このまま納得のいくまでラプラスの好きにやらせた方が良いのではないか──と、そう考えた時だった。
──アルカちゃんって言うの? めんこい子だねぇ……。
──酷いケガじゃないか! どれ診てあげよう。
──大丈夫。此処にはアルカちゃんに酷い事をする人は居ないのよ。怖がらなくて良いのよ。
(違う。実の親は居ないけど……ボクには、居るじゃないか)
目を閉じる。
実の親は居ない。育ての親である義父からは酷い暴力を受け続けた。
だが──異世界から迷い込んだアルカを拾い、面倒を見てくれた老夫婦が居る。
この世界の事、そして今まで知らなかった事、何よりも人の温もりを教えてくれた人たちがいる。
そして、それを喪うことが、どれほど辛く苦しいかも知っている。
一緒に過ごした期間は僅か2年足らずだ。しかしそれでも、アルカにとっては──実の親のような存在だった。
※※※
「……なんで、優しくしてくれるんですか。見ず知らずの……ボクに」
温かい食事。
一緒に食卓を囲む相手。
そして、周りにはポケモン達。
何一つ不自由なく、そして満たされた空間。
痛みもなく、苦しみもない空間。
「困ってそうだったから。助けてほしそうだったから。何より、私が……放っておけないと思ったから。それだけじゃ不十分かしら?」
「……」
「そうだべ、食えい食えい、若いんだからもっと食わんといかんべ」
「……迷惑じゃないですか? ボク……何も出来ないです。何もお返し出来ないです」
「良いの良いの。貴女くらいの年の子にご飯を作ってあげるなんて、いつぶりかしらねえ」
「……」
「あれぇ、ばあさん、晩御飯はまだかいの!?」
「おじいさん、今食べてるでしょう?」
「……ふふっ」
きっと人の温もりを知ることが出来たのは、この老夫婦のおかげだ。
涙で目を滲ませながら、ごはんを掻きこむ。
自分を虐げない相手はいつぶりだろうか。自分を傷つけない相手はいつぶりだろうか。
きっと何か裏があるのではないか、と勘繰りもしたが、何時まで経っても何も起こりはしなかった。
「好きなだけ居て良いからね、アルカちゃん」
※※※
「──ごめんねぇ、アルカちゃん……面倒、見られる側になっちゃったねえ」
寝床でゴホゴホと咳き込む老婆の顔をアルカは濡れたおしぼりで拭いてやった。
かつて自分が風邪を引いた時、そうしてもらったように。
「良いんです。おばあちゃんとおじいちゃんには、お世話になりましたから。今度はボクにお返しさせてください。石商人の仕事で稼いだお金も、全部おばあちゃんのものですっ」
「それは受け取れないわね……」
「え? 何で──」
「だってもう、私には……使いきれないもの。おじいさんも居ないしねえ」
「……何で、そんな事言うんですか。おばあちゃんが居なくなったら、ボク、どうすれば良いんですか」
思わず言葉が漏れた。
いけないとは分かっていた。
心配事を残したまま、逝かせたくないとは分かっていた。
だが──それでもアルカは言葉にしなければやってられなかった。
生まれて初めて、自分に優しくしてくれた人。喪いたくない、離れたくないと思っていた人達だからだ。
「貴女が死んだら……ボクはまた、一人ぼっちだ……」
「アルカちゃん。貴女はひとりじゃないでしょう?」
「……っ」
「カブトちゃんに、ヘラクロスちゃんに、モトトカゲちゃんがいるでしょう……? 皆貴女の事大好きじゃないの。きっと、助けてくれる」
「嫌だ……嫌だよ……おばあちゃんと、お別れだなんて……」
布団を掴む。
ぽた、ぽたぽた、と雫が落ちてシーツに滲んだ。
「初めてだったんだ……こんなに、優しくしてくれる人……ボク、まだ何にも貴女達に返せてないよ……ッ!!」
「違うわよ、アルカちゃん……」
すっ、と老婆のしわだらけの腕がアルカに伸びた。
「貴女がね……ずぅっと元気でいてくれることがね、何よりのお返しなの。あの人もきっと、同じ事を考えてるわ」
「っ……元気で居られるわけない……貴女達が居なくなった後の世界なんて、考えたくない……!!」
「ねえ、アルカちゃん。サイゴクはね……とっても自然が厳しい場所。だけどね、人とポケモンの温かさも感じられる場所」
「っ……」
「私が居なくなっても……きっと助けてくれる人がいる事を……忘れないでね……」
「ごめんなさい……ごめんなさい……ワガママ言って……!! いけないって分かってるのに……困らせて、ごめんなさい……!!」
「違うのよ……私だってね。寂しいわ。アルカちゃんと会えなくなるって思うとね、いっとう胸が苦しいの」
ふふ、と穏やかな笑みを浮かべながら──老婆は言った。
「……だから……今この時が、何よりも大事なの。ワガママを叶えてあげることはできないけど……聞いてあげることなら、できるわ」
「嫌だよ……居なくなってほしくない……生きていてほしいよ……」
「うん……うん……ごめんねぇ……アルカちゃん……」
※※※
「……結局また、1人になっちゃった」
それから数日後。アルカは──誰もいなくなった家を後にした。
葬儀は親族の間で執り行われたが、最初から部外者でしかない彼女は、誰も知らないうちに、その家を去っていた。
涙を見られたくなかった。前髪の下はずっとぐしゃぐしゃだった。
そして、自分に言い聞かせるようにモンスターボールを握り締める。
ポケモンを捕まえること、心を通わせること。全部、あの老夫婦から教わったことだ。
(……いや、違う。カブト。ヘラクロス。モトトカゲ。ボクには……君達が居る。それだけでボクは……前を向いて生きていける)
取り壊しが決まった家を遠くから眺めながらアルカは──呟いた。
「さようなら。おじいちゃん、おばあちゃん」
※※※
「……ラプラス」
親の亡骸に縋り、餌を与えようとするラプラスに──アルカは近付き、その首に掌を重ねた。
「ぷれしぃぃぃぃ……!!」
「……ずっと一緒に居てほしかったんだよね。生きていて──欲しかったんだよね。だから──とても悔しいんだよね」
「ぷれしいいいい……」
「ボクも……そんな人がいるからさ。でもきっと……これだけは言える。君の親は、君に……元気で生きていてほしい、って思ってるよ」
カタカタ、と腰にぶら下げたボールの1つが揺れる。
それを見てアルカは頷いた。
「何か感じるの? ……うん。やっぱり君が適任なのかも」
彼女はボールを構え、そして投げる。
中から飛び出したのは──サニゴーンだった。
目の前に横たわる骸。その場に漂う只ならぬ空気。
自らが何をするべきかを察したのか、あるいはその場に漂う何かを感じ取ったのかは定かではない。
いずれにせよ、サニゴーンはゴーストタイプだ。生と死の境が最も曖昧なポケモンだ。
「キュゥオオオオオオン」
サニゴーンの霊体の枝から、ふつ、ふつふつ、と丸い泡のようなものが飛んで行く。
亡骸の上に、ぼんやりと青白い影のようなものが現れた。
現世と幽世。その狭間を彷徨う魂をサニゴーンが呼び寄せる力を持つのかは定かではない。
あるいは、この魂の方がサニゴーンへアプローチを仕掛けたかは定かではない。
腐臭の漂う河口に、この子供のものとは違う歌声が響き渡る。
すっく、とラプラスが首を上げ、それに応えるように、歌を歌う。
しばらく二匹の美しい歌が河口中に奏でられていた。
やがて歌が止む。
演奏は止まり、ラプラスは──親の亡骸に寄り添うように一度頭を下げると──アルカの方を向くのだった。
「ぷれしぃいいいいる……」
「キュゥオオオオオン」
「……お別れできたんだね」
頷いたラプラスは力無く首を垂れさせる。
つぅ、と涙の筋のようなものが金色の目からは流れていた。
※※※
──その後。
弱ったラプラスをボールに保護し、アルカは自力で川を下り、レモンとミアの二人と合流する事が出来たのだった。
霧は晴れており、何処までも空気は澄み渡っていた。
一連の事情を話した後、ミアは「……サニゴーンにそのような力があるとは」と不思議そうに言うのだった。
「どの図鑑の記述にもありません。死んだポケモンの魂を呼び戻すなんて」
「うーん、そうだね。ボクもサニゴーンにそういう力は無いと思う」
「どういうことでしょうか?」
「あの親もきっと、子供の事が気掛かりで
「……改めて子供と最期の別れをして、未練が無くなり……安らかに逝ったのでしょうか」
「そうであってほしいよね」
「何だか夢のようなお話でしたわ……」
「あくまでも憶測さ。真相は分からないけどね。でもラプラスは……自分の意思で、親の亡骸から離れた」
ポケモンセンターの回復ポッドでピカピカと点滅しているボールを見ながら、アルカは「ボクがやったことは差し出がましかったかもだけどね」と付け加える。
結局の所、縄張り争いに敗れる個体が現れるのは自然の摂理であり、残された子供に干渉したのが果たして正しい事だったのか──とアルカは悩む。
だが、全ては終わったことだ。結果から言えば、ラプラスは親と別れを済ませ、あの河口を離れる決意をした。
そしてその切っ掛けとなったアルカが取るべき正しい選択は一つしかない。
「こうして手を差し伸べた以上は……この子の残り一生はボクが責任を持つよ」
「……少し見直しました。アルカさんの事」
「何さ。今までちょっと軽く見てたみたいな言い方」
「ええ、ロクでなしの酒飲みだと思ってました」
「それはごめんなさい」
「……私、アルカ様の他の人には感じられないものを感じる力や、ポケモンの心に寄り添う姿勢に感銘を受けましたわ! 戦わずして、あのラプラスを従えるだなんて!」
「そうですね。ポケモンに好かれる才能……あるいはポケモンの気持ちに寄り添える才能。得難いものだと思います」
「……うん」
故に──アルカは考えてしまった。
3日後は、間違いなく激しい戦闘になる。
今のままならば自分はラプラスを連れていくことになるだろう。
だが、親を喪ったばかりのラプラスを、激しい戦闘に連れていくのがどうも気が咎めるのだった。
ポケモンは海を渡る手段にはなるだろう。しかし何処までいっても生き物なのだ。道具ではないのである。
(今から海を渡るポケモン、もう一度考え直す? いや、でも……流石に時間が無いよなあ……)
※※※
──その頃。マーニャ近海にて。
「ごぼ、ごぼごぼごぼごぼ(ところでラズ、此処は何処だろうね?)」
「ごぼ!! ごぼごぼごごご……ごぼ?(知るか!! あー、エラい目に遭った……うん?)」
彼らは海の中を漂っていた。
流れに流され、今自分たちが何処にいるかも把握していない状態である。
そんな彼らの視線の先、海の底から──金色に輝く目がちかちかと次々に現れる。
思わずシャインはライトを照射した。
──金色の目と、トラバサミのような歯を生やした巨大な首長竜がくっきりと映る。しかも2匹。それがぷかぷかと深海から浮上してくる。
「ごぼっ!! ごぼごぼごぼ!!(ヒエッ!! マーニャのラプラス……!!)」
「ごぼっ……ごぼぼごぼごぼごぼぼ(フッ……此処は私の美しさに免じて見逃して貰えないだろうか?)」
「ごぼごぼごぼーッ!!(言っとる場合かーッ!!)」
「ぷれしおおおおおおおおおおおおおおる!!」
「ぷれしいいいいいいいいいいいいいいる!!」
海中でも音は響く。
二匹の咆哮が、馬鹿と変態を捉えた。
逃げるしかあるまい。疾く、疾く。
二度と素潜りなどやらない、と決意したラズと──「いやあスリリングだったね!! これが素潜りの醍醐味か!!」と”次”も意気込むシャインであった。懲りるということを知らんのか。
作者の作風に期待するものは?(良ければ感想欄でも教えて下さい)
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ラブコメ、純愛
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戦闘シーン
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シリアス、曇らせ
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ギャグ、コメディ