スリザリンをイメージアップしたい。できなきゃマズい   作:がん・ばる男

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2話 ダイアゴン横丁

 

「やあ!久しぶりだなアンタレス!調子はどうだい?」

 

 こう仲良さげに話しかけてくれるのは俺の従兄弟であり、純血の名家マルフォイ家の長男ドラコ・マルフォイ。実際仲は良い。最高の親友といっても過言はない。

 

「やぁドラコ!久しぶり、会いたかったよ!」

 

「フフ、さてアンタレス君。早速ダイアゴン横丁に行こうではないか」

 

「そうね。ドラコ、あなたもフルーパウダーの準備をなさい。まずはグリンゴッツに行って、そのあとには杖をオリバンダーで調達しましょう。」

 

 どうやらとうとう杖を手に入れられるらしい。今までは先祖のおさがりで練習していたから大分、いやとてもうれしい。

 

「オリバンダーに!父上、母上!早く行きましょう!」

 

「おいおい、俺を置いてくつもりじゃないだろうな、ドラコ?」

 

「もちろんそんなつもりはないとも!じゃあ僕が一番乗りだ!」

 

「まったく、すまないなアンタレス君。私はドラコがどこかへ行ってしまう前に合流しなくてはならない。お先に失礼するよ」

 

「フフ、さぁアンタレス。あなたの番ですよ」

 

「ありがとうございます、ナルシッサおば様。ではお先に」

 

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「…なーんてカッコつけたものの、咳き込んでフルーパウダーの移動をミスるとは…俺はアホか…」

 

 実際マジにアホでヤバいやらかしだ。自分でいうのも何だが、俺はブラック家最後の男子。先祖が敵を作りまくったのを加味して考えれば、正体がばれた時のことを想像しやすいだろう。早いとこマルフォイズに合流したいが…

 

「まぁ、まずはグリンゴッツに行くと言っていたし、合流できるだろう」

 

 遅くなったが、俺の容姿について語らねばならない。黒髪に灰色の目。細身で同世代の子より高い身長。屋敷に残されていた写真を見るに、レギュラス・アークタルス・ブラックのに似ている。そして今日の俺の格好は真っ黒の貴族の着るような(あながち間違ってはいないが)高級感あふれる服とローブ。そして誇り高き純血の証である家紋が刻まれたカフスが袖口につけられている。そんな俺が一人で歩いてるのってまぁ、浮くよね。

 

「おい、あのお坊ちゃん(・・・・・)は何者だ?」

 

「シッ!やめとけ、関わり合いに成ったら面倒だ。ほっとけよ」

 

「ねぇ見て!彼、とってもハンサムじゃない?」

 

「本当ね!新入生かしら?」

 

「「「チッ」」」

 

「…はぁ。」

 

 なんで男子に舌打ちされにゃいかんのだ。まぁ俺も前世ではよくやっていたが。これがイケメンの辛さか…!

 

「おい!お前さん、なんで生きとる!?まさかハリーを狙っているのか?そうはさせんぞ!」

 

 この時俺は、事態がものすごく面倒になったことを悟った。なぜならそこにはひげ面の大男と、何が何だかわからないような顔をしたメガネの少年がいたからだ。

 

「…何のことでしょう。僕にはハリーという名前の知り合いなどいませんが」

 

「誤魔化そうったってそうはいかねぇ!そうだろうが!え?レギュラス・ブラック!!」

 

 …まじでなんなんだこのポンコツ森番は。ハリーポッターの物語を読んでいるときは特に感じなかったが、スリザリン視点になるとここまで神経を逆なでする人間はいないだろう。特に今難癖をつけられている俺はブチ切れて良さそうなもんだ。

 

「…僕はレギュラス・ブラックではない。あなたは見ず知らずの人間に、開口一番怒鳴りつけることが良い事だと思っているのですか?」

 

 …やっべぇイライラして思ってた50倍くらい強い言い方しちゃったよ!よりによってハリーの信頼厚いハグリッドに!

 

「ふん!じゃあお前さんは何モンなんだ!え?誰が見たってレギュラス・ブラックじゃねぇか!」

 

「…良いでしょう。僕はアンタレス・デネブ・ブラック。レギュラス・ブラックは僕の従兄弟叔父にあたる。似ていて不思議はないでしょうね。そして、貴方は?」

 

「俺はルビウス・ハグリッドだ。…お前さんが最後のブラックか。スリザリンの貴族が何の用だ、え?屋敷に閉じこもっとらんでええのか?」

 

「ちょ、ちょっとハグリッド!やめてよ!あの子は僕に何もしてないじゃないか!」

 

 おっと思わぬ援軍だ。でもそれは火にガソリンを注ぐだけの様な…

 

「いいやハリー!こいつらブラック家はな、お前さんの「そこまでにしてもらおうか、ハグリッド」っ!ルシウス・マルフォイ…!」

 

 ナイス!ナイスだルシウスおじさん!とっととこっからトンズラここうぜ!

 

「貴方はいつもそうだ。証拠もないのに偏見と思い込みだけで暴力的な一面を表に出す。私の甥に、一体何の用だ?」

 

「ふん!ブラックにもマルフォイにも用なんざねぇ!さ、行くぞハリー!」

 

 …俺この後でイメージアップ図るの?まじで?

 

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「まったく、かの御仁は困ったものだ。ドラコも、謂われない差別を受けたらすぐに言いなさい。理事会を通して抗議する」

 

「えぇ、二人とも気を付けておきなさい。さ、オリバンダーに着きました。杖を見に行きましょう」

 

 

「おや、マルフォイ様。今日はそちらのご子息の杖を?」

 

「ああ。それとこちらの私の甥にも、杖を頼む」

 

「ほう、甥御様というと、ブラック様ですかな?」

 

「はい。アンタレス・ブラックと申します。お目にかかれて光栄です、オリバンダー翁」

 

「ホホホ…ブラック様とあろうお方にそういっていただけるとは…さて、マルフォイ様、ブラック様。杖腕はどちらですかな?」

 

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「ウーム、この杖もダメとなると…少々お待ちを」

 

「アンタレス、君まだ杖が見つからないのかい?」

 

「そうみたいだ。どうやら僕は杖に好かれてるわけじゃないらしい」

 

「そんなことはありませんよ、アンタレス。ここで見つからずとも、必ずあなたの杖を探し出して見せます。そうでしょう、ルシウス、ドラコ」

 

「ナルシッサおばさん…」

 

「あぁ、もちろんだ。我が甥がふさわしい杖を持たないなど、あってはならない」

 

「僕だって、杖ナシのアンタレスと勝負したって面白くない。だから、絶対に見つけてみせるさ」

 

「ルシウスおじさん、ドラコ…」

 

 …あぁ。温かいなぁ。両親のいない俺にここまでしてくれる彼らに、俺はこの大恩を返せるだろうか。助け出せるだろうか。 …いや、絶対に返さなくてはならない。俺はこの人たちを闇に包まれた運命から必ず助け出して見せると、今、決めた(・・・)

 

「お待たせいたしました、ブラック様。この杖は黒檀、25センチ。硬く、しならない。決意を以て生きる、信念を突き通す魔法使いにピッタリ。さ、どうぞお試しください」

 

 この杖は不思議と手に馴染む。今なら、俺はイメージ通りに行く気がする…

そう思って俺は杖を半円を描くように振った。すると、

 

「おお!これは!」

 

 天井には一面の陰りもない青空が映し出され、床には草原が広がっていた。そして部屋の真ん中には、一頭の艶やかな黒ヒョウと、それに寄り添う三匹の白金のワシミミズクが仲睦まじそうに、身を寄せ合っていた。





 本作ではレギュラスがティモシー・シャラメの容姿をしているものとします。ティモシー演じるレギュラス、かっこいいよねぇ。
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