崩壊:アークナイツ   作:猪のような

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正直星核ハンター以外のスタレキャラも出そうと思ってる。


第三話 とんだクソゲーだ

 

 

 

「大陸…ハンター…」

 

「………?」

 

ドクターは周囲のオペレーター達が銀狼が大陸ハンターの一員だと判明した瞬間に動揺している様子を見て、疑問符を浮かべる。

 

「…ドクター、大陸ハンターというのは。この世界の各地で数々の大事件を引き起こしてきたテロリスト集団です。小規模ではありますが、決して油断していい存在ではありません」

 

「それに、銀狼か…」

 

「!ドーベルマンさん、知っているんですか?」

 

「ああ、彼女は数年前からシラクーザとクルビアを中心にハッキング事件を引き起こし続けた厄介な存在だ。聞けば、シラクーザに存在する殆どのマフィアは彼女の首を狙っているとか…」

 

「しかし、大陸ハンターとなると…カフカが関わっている事になる…となれば…」

 

「まぁまぁ、そこら辺も歩きながら話そうよ。私に答えられることなら出来るだけ話すからさ」

 

アーミヤ達が相談していると、銀狼はそう言ってある方向を見る。

 

「丁度、そっちの仲間も来たみたいだし?」

 

そう言うと複数の足音が響き、その場にロドスの隊員達が現れる。その先頭には…

 

「ニアールさん!」

 

「アーミヤ、無事か!?信号弾を見て走って来たが…敵は…?」

 

「敵は既に撤退しました。それとそちらにいる方は敵ではないと言いますか…」

 

「?」

 

「あ、カフカ?今大丈夫そ?ごめんごめん、結局ロドスに接触しちゃった。ちょっと予想外のエンカウントに遭ってさ〜一緒に行っていいよね?うん、オッケー」

 

アーミヤ達がニアールに状況を説明している間に銀狼はカフカに報告を入れていた。

 

「それでどうする、アーミヤ」

 

「…私は、信じても大丈夫だと思います。彼女はドクターを助け、そして結果的に皆さんを助けてくれました。あまり時間もありませんし、負傷したオペレーターの処置が出来る場所に一先ず移動しましょう」

 

「そうだな、今回は時間との戦いでもある。分かった、彼女との会話は任せる」

 

「はい。ステラさん、道中の彼女の監視を任せていいですか?」

 

「!分かった」

 

「話は終わり?じゃあ行こう」

 

こうして、銀狼とロドスは行動を共にする事になり、移動し始めたのだった。

 

「あんたが監視役?ふ〜ん…まぁいいや」

 

「…私の事、知ってるの?」

 

「まぁね」

 

移動中、銀狼とステラは会話をする。

 

「と言っても、話した事も無いし、カフカやサムから色々聞いただけだし」

 

「カフカ……カフカはどうして、私をロドスに置いていったの?」

 

「よく知らない。ただ間違いなく貴女の為になるとは言っていた」

 

「………」

 

(ケルシー先生が言っていた内容と同じだ…)

 

「自分の事を知りたいなら、私に聞くのはやめた方が良いよ。私はほぼ何も知らないから」

 

「……そっか」

 

そうこうしている内に、アーミヤ達は荒らされており、人がいなくなっている隠れた診療所に着いた。

 

オペレーター達やアーミヤ手当てされているのを銀狼とステラは壁際に並んで眺めている。

 

「……カフカは…」

 

「?」

 

「カフカは、ずっと貴女のことを気にしてた。少なくとも、私はそう思っている」

 

「………」

 

「私が知ってるのはそれだけ」

 

「…ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまり、大陸ハンターは秘密裏にロドスがチェルノボーグから脱出する為に動いていたと…?」

 

「そうそう。実際、今もカフカと刃が暴れ回ってレユニオンを掻き乱してる…まあ、そっちのドクターが記憶喪失、なんて予想外のイベントが起きてなきゃ、多分私が出る必要も無かったんだけど」

 

オペレーター達の応急処置が終わり、アーミヤ達は移動しながら銀狼に対して質問等を行っていた。

 

「けど、実際は指揮も出来るみたいだし、無用な心配だったかもね」

 

「…アーミヤ、どう思う?」

 

「そう、ですね…理由はともかく、銀狼さんに助けられたらのは事実ですし…カフカさんには一回だけ会った事はあるのですが…悪い人では無いと思います。ステラさんをロドスに預けたのもカフカさんですし…」

 

「…ステラ、お前はどう思う?」

 

「私?」

 

「ああ、お前からカフカの事をどう思っているか聞きたい」

 

「殆ど憶えてないから直感的な意見になるけど…」

 

「構わない」

 

「じゃあ信頼していいと思う」

 

「…即決だな」

 

「ふむ…ステラにとってカフカという人間は、憶えていなくとも信頼できるほどの存在という事かもしれんな」 

 

「しかし、何故ロドスを助けるような真似をする?目的は何だ?」

 

「うーん…ま、ドクターが私たちにとって重要な存在だからってのが理由かな。詳しいことは私には分からない」

 

「…一先ず、大陸ハンターの皆さんのお陰で作戦が順調に進んでいるのは間違いありません。狙いが何であれ、脱出に協力してもらう分には問題無いかと」

 

「分かった…一つ聞きたいんだが、今はカフカに連絡は取れないのか?」

 

「出来ると思うけど、さっきの通信の時に暫く通信して来ないでって言われたから、余程緊急の事態じゃない限り連絡はしないよ」

 

「そうか…今ここにいる部隊以外のロドスの部隊の位置は分かるか?」

 

「それは分からない。街は滅茶苦茶に破壊されてるせいで入ってくる情報には限界がある。正直、もうあんまりアーツを使いたくないんだよね…」(もしもの時の為に最低四人はワープさせないといけないし)

 

「分かった、そろそろ合流地点に着く。Scoutの部隊が来ていればいいんだが…」

 

そうして空がどんよりとし始めて来た頃に、アーミヤ達は合流ポイントである郊外の広場にたどり着いた。

 

「やはりScoutの隊は来ていないのか……静かだな。ドクター、罠と思うか?」

 

「いや、ただ…」

 

「どうした?」

 

ドクターがPRTSの画面を見ていると、画面にはアーミヤ達の後方に熱源反応がある事を示していた。

 

「火災、でしょうか?」

 

「確かにそこら中で火の手が上がっているが…銀狼?」

 

銀狼は後方に熱源があるのが分かると、ホログラムの画面を操作し出した。

 

「───違う、アーツの熱だ、コレ」

 

「!本当か!?」

 

「間違い無い。早く広場に出た方が良い。熱の範囲が広がってる!!」

 

「ドクター…!」

 

「ニアール達が先導。後方を警戒しつつ前進」

 

「了解、急ぐぞ!」

 

ドクターが指示を出し、オペレーター達が動き出した瞬間、後方にあった建物が熱によって融解し、噴火の様に壁から炎が噴き出す。

 

「退避、退避!!」

 

炎はアーミヤ達に迫り、広場へと広がっていく。あっという間に広場の半分ほどが焦土と化し、その光景を見てアーミヤ達は息を呑む。

 

「このアーツは…!」

 

「資料で見るより厄介だ…!」

 

「レユニオンの暴君……」

 

「……タルラ…退路を確保しましょう。ドクター!応戦の隙を─」

 

アーミヤの言葉の途中で更に炎が放たれ、それは退路にあった建物に直撃し、倒壊させる。連続で放たれた強力な炎のアーツは、広場を一瞬で火の海にした。

 

「っ……カフカ、緊急事態なんだけど…カフカ…?」

 

銀狼は迷わずカフカに連絡を取った。しかし、ホログラムの画面からは返答が無い。

 

「こんな時に…!」

 

オペレーター達は広範囲に放たれた炎により混乱し、統制が乱れている。アーミヤも衝撃に巻き込まれたのか地面に倒れている。

 

「………」

 

銀狼は、この場から遠く離れた…教えられた脱出ポイントに座標を設定した。自分とアーミヤ、ドクター、ステラが逃げられるように。

 

「アーミヤ!!」

 

ステラは倒れたアーミヤに駆け寄り、身体を揺さぶる。ゆっくり目を開けたアーミヤを起き上がらせると、声が響く。

 

「お前たち、真に我々の側に立つべきだった。感染者が何をした?無辜の人々が、何をした?」

 

ステラはアーミヤの前に立ち、スタンロッドを構える。

 

「お前たちに、何が出来る?口先だけの理想論者に、何が出来る?」

 

大量のレユニオン兵を引き連れ、アーミヤ達の前に立つレユニオンのリーダー、タルラはアーミヤとステラを見据える。

 

「ここまでだ。想いは誰にも届かない、甘い夢は叶わない。私が好む結末を、教えてやろう…」

 

そう言ってタルラはゆっくりと手を翳した。

 

「滅びよ」

 

「ステラさん、退がって!」

 

そう言った瞬間、熱がステラに迫り…黒いアーツの障壁がそれを阻んだ。

 

「アーミヤ…!」

 

アーミヤは既に立ち上がって両手を翳し、アーツを発動していた。

 

「させません…!私が、皆さんを守りますっ!!」

 

「──ほう」

 

「アーミヤ、やめろ!」

 

「ドーベルマンさん、早くっ…皆さんと一緒に…逃げてくださいっ!!」

 

「っ、お前を残していけと言うのかっ!?」

 

「一人では無理だっ、くっ…!」

 

「アーミヤダメだ、このままでは()()が…!」

 

「この身体が、砕けても、私はっ……!!」

 

「ちょっと、それは困るって!!」

 

銀狼がそう叫んだ瞬間、アーミヤが展開した障壁の前にワープゲートが現れ、炎を飲み込む。するとタルラの真上にもワープゲートが現れ…

 

「!」

 

ボォォォォォン!!

 

轟音が響き、タルラが炎に飲まれた。

 

「銀狼、さん…」

 

「貴女を逃がさないと後でカフカに怒られるの私なんだから!さっさと逃げるよ!!どうせあんなの…」

 

するとタルラを包んでいた爆炎が振り払われ、中から無傷のタルラが現れる。

 

「ふん…そうか、お前が…!」

 

タルラはアーミヤを睨みつけた。

 

「やっぱ自分のアーツじゃ無傷か…!」

 

「タルラへ一斉射撃。アーミヤの援護を」

 

ドクターの指示で狙撃オペレーター達が一斉にクロスボウの矢をタルラに放つが、直前で全て燃やされて防がれる。Aceが肉薄するがそれも片手で軽くあしらわれて吹き飛ばされる。

 

「無駄だよ、あんなの今の戦力じゃ勝てっこ無い…とんだクソゲーだ…」

 

「銀狼、アンタのアーツで私たちを逃せないの?」

 

「出来るならとっくにやってるよ。けど、全員遠くにワープさせる余力は無いし、そんな時間をタルラが与えてくれるとも思わない…!」

 

ステラからの問いに銀狼はそう答えると、タルラが止まっている内にドクターが撤退の指示を出すしかしそのタイミングで地上を何かが照らし、その場にいる全員が空を見上げると…

 

「───ほんっと最悪」

 

そう呟く銀狼の視界には落下してくる隕石群が映っていた。銀狼はその瞬間、アーツを発動した。目の前には負けイベのボス。空からは理不尽なステージギミック。銀狼はここがワープさせる最初で最後のチャンスと考えた。

 

(天災は最悪だけど、タルラも流石に迂闊には動けない筈。このタイミングで私とあの三人を転移させれば、間違いなく逃げ切れる。後でどんな恨み言を言われようと、この三人だけは絶対に生き残らせないといけない。だったら…)

 

そう言ってホログラム画面を操作して、自分と三人の座標と、脱出ポイントの座標を繋げる。周囲から悲鳴が響く中、銀狼は後はボタンを押せば転移するところまで操作を進めた。

 

(──コレで……っ?)

 

そこで銀狼は見た、隕石が迫る中、両手を上げ、アーツを展開しようとしているアーミヤの姿を見た。

 

(マジで言ってる?天災から仲間を守るつもり?さっきあんな無茶したばっかりなのに…)

 

その姿を見て銀狼はボタンを押そうとする指を止めた。そしてふと考える。

 

(───つまんない)

 

そんな感情がほんの少しだけ芽生える。銀狼はその瞬間、世界がゆっくり流れているような感覚になっていた。

 

(つまんない、つまんないつまんないつまんない!!この任務最初からずっと思ってだけどつまんな過ぎ!!全然面白く無い!!)

 

そう、何気に銀狼はずっと我慢していた。人生をゲーム感覚でやっている彼女にとって任務とはクエスト攻略のような物。何時もなら楽しめるのだが、今回はあまり楽しめていなかった。湧き上がったその感情はどんどん膨れ上がってくる。

 

(なんか楽しめる雰囲気じゃないし、道中特に何にも無かったし!それで最後は負けイベだし!!ホンッと嫌になる!!ああもう知らない、何が三人は絶対逃すだ私らしくも無い、大体、負けイベを無理矢理勝って攻略するのは…!!)

 

「ゲーマーの嗜みでしょ!!」

 

そう叫んだ瞬間、銀狼は転移させるホログラム画面を破棄して、新たなホログラム画面を出し、高速で手を動かして操作する。

 

「皆さん、私の側から、離れないで…っ!?」

 

アーミヤが叫びながらアーツで隕石を防ごうとした瞬間、落ちて来る隕石をワープゲートが飲み込んだ。広場に、アーミヤ達に落ちてくる隕石だけを的確にキャッチしていく。

 

「銀狼、さん……!?」

 

アーミヤは銀狼の方を見ると、銀狼は息遣いを荒くしながらも操作を続けていた。アーミヤは驚く、それは銀狼の苦しそうな姿にでも無く、彼女のアーツの凄さにでも無い。

 

「はあっ、はあっ、はあっ、ふふっ…!」

 

その状況で彼女から伝わってくる、楽しいという感情に。アーミヤが困惑しているとタルラ達がいる方から悲鳴が響き、そちらに目を向けると、タルラは自分を守る事だけにアーツを使用しており、他のレユニオン兵達は天災に巻き込まれていた。

 

「仲間を、見殺しにするなんて…!」

 

すると天災のピークが過ぎ去り、隕石の降る頻度が落ちてきた。

 

「はあっ、はあっ…うぐっ…」

 

「銀狼…!」

 

銀狼が体勢を崩しそうになり、咄嗟にステラが支える。銀狼は苦しそうな表情を浮かべてタルラの方を見る。

 

「はっ、この、クソボスめ…」

 

そう言って操作していた画面を見て震えながら腕を上げ、そして画面に映るボタンに指を向ける。

 

「コレでも、喰らえ…!」

 

そう言ってタップした瞬間、タルラの周囲をぐるりと囲むようにワープゲートが一気に現れる。

 

「っ!?」

 

先ほどまで何にも反応しなかったタルラも僅かに反応するそしてその瞬間…

 

ドゴォォォォォォォン!!

 

ワープゲートから一斉に隕石が飛び出し、タルラが居た地点で大爆発が起きた。

 

「…凄い…っ!銀狼!?」

 

ステラが目の前の光景に驚愕した瞬間、支えていた銀狼の身体が急に重くなったのを感じて慌てて抱き抱えると、銀狼は苦しそうにしたまま気を失っていた。アーミヤも銀狼に目を向けようとした瞬間、正面から火球が真っ直ぐ飛んでくる。

 

「アーミヤ!」

 

Aceが前に出て盾でそれを防ぐ。そして火球が飛んで来た目の前の煙の中から…

 

「………」

 

タルラはゆっくりと歩いて現れた。ほんの少し負傷したように感じるが、発せられる圧は先程までと全く変わらなかった。

 

「化け物めっ…!退くぞ、走れ!!」

 

Aceがタルラの攻撃を受け止めつつ、オペレーター達は倒壊した建物の隙間から撤退していく。すると隕石の一つが負傷者とそれを担架を運んでいるオペレーター達の近くに落下した。

 

「大丈夫か!?くそ、担架が壊れてる!」

 

「ドクター、銀狼をお願い。Guardは負傷したオペレーターを運んで、私はそっちの二人を運ぶ!」

 

Guardが一人背負い、ステラは銀狼をドクターに預けた両肩に残りの二人を担ぐ。

 

「Aceさんも早く…!」

 

「俺はお前たちが撤退してから向かう。早く行けっ!心配するな、すぐ追い付く!」

 

「…了解した、アーミヤ行くぞ!」

 

ドーベルマンがアーミヤの手を引いて撤退する。建物を抜け、先導していたニアールと合流する。

 

「Aceは!?」

 

「タルラを止めて…」

 

すると建物の隙間が崩壊し、道が塞がる。Aceが向こう側に取り残されてしまった

 

「だめ、ダメです!Aceさん!」

 

『聞こえるか?』

 

「Aceさん、今、道を開きます!」

 

『待て!どの道、誰かが足止めしてコイツをこの場に留まらせなきゃならん。俺が時間を稼ぐ、その内にお前たちは脱出ポイントに向かえ』

 

「そんな、そんなのダメです!!Aceさんも一緒に、ロドスに帰るんです!」

 

『…アーミヤ、ドーベルマン。今何を優先すべきか、考えろ。だろ?頼む』

 

「……」

 

「そんな…」

 

「──うっ…ぐっ…!」

 

Aceを見捨てなければならない状況になり、アーミヤが苦悶の表情を浮かべると、銀狼が呻き声を上げながら目覚める。

 

「銀狼、大丈夫か?」

 

「…ドクター、状況は…?」

 

「Aceが広場に…」

 

「銀狼、お前のアーツで広場にいるAceを脱出ポイントまでワープする事は出来るか?」

 

「……無理、その距離のワープは、もう使えない…広場からここまでの転移が…関の山…」

 

「…そうか…」

 

最後の望みも絶たれ、ドーベルマンがアーミヤに進むように言おうとした瞬間…

 

『銀狼?聞こえる?』

 

女性の声が響き、銀狼は咄嗟にドクターの腕の中でホログラム画面を出す。

 

「カフカ…」

 

「!」

 

『あら、随分苦しそうね?なんて、茶化すのはやめましょう。そっちはどう?』

 

「タルラにエンカウントしたし、天災もあったけど…三人は無事…けど、油断は出来ない…」

 

『そう。ごめんなさいね、さっきまでしつこいサルカズの刀術師に追われていて大変だったのよ。天災の混乱に紛れて漸く撒けたのよ。刃ちゃんも結局あのウェンディゴに遭遇したみたいね』

 

「カフカ、今何処にいる?」

 

『中枢区画よ』

 

「何でそんなとこに…!」

 

『安心して銀狼…もう、手は打ってあるわ』

 

「……まさか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タルラはAceに火を放ち続けていると、上空から隕石が一つ迫ってくるのを感じる。それを気にせずにAceを注視していると…

 

「…っ!?」

 

その隕石から、明らかな()()を感じ、咄嗟にその場から飛び退くと、それは凄まじい速度でタルラが居た場所に衝突した。タルラは気付く、それが隕石などでは無く…

 

『──レユニオンのリーダー、タルラ』

 

自身の敵対者であるという事に。

 

『ここからは、私が相手をします』

 

「…貴様は…」

 

タルラとAceの間に降り立った存在は、全身を銀色の鎧で覆い、炎を身に纏っていた。その存在の名は…

 

『作戦、開始』

 

大陸ハンター、サム。烈火の如く燃え盛る銀の騎士が、タルラの前に立ちはだかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「サム…何であなたが…」

 

『カフカから連絡を受け、飛んで来ました。銀狼、私の後方にいる方をワープさせてください。ここは私が引き受けます』

 

「…分かった」

 

銀狼は画面を操作して、Aceを近くに転移させる。

 

「Aceさん…!」

 

「…まさか助かるなんてな…大陸ハンターには暫く頭が上がらないな、これは…」

 

「無事で良かった、銀狼、感謝する…銀狼…?」

 

「…また気を失ってしまった…行こう、彼女の仲間が足止めしている内に」

 

「ああ、隊列を組め!前進するぞ!」

 

アーミヤ達は広場から響いてくる激しい戦闘音を聞きながらその場を離れ、やがてその音は遠ざかり、聞こえなくなっていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、アーミヤ達はWに遭遇したが、Wは直ぐに引いていった。そうして輸送機が脱出ポイントに到着し、後は乗ってチェルノボーグから逃げるだけなのだが…

 

「銀狼、どうする?」

 

「えっと…流石に放っておけませんし、連れて帰るしか…」

 

気を失っている銀狼をロドスに連れて行くかどうかの話を他のオペレーター達が輸送機に乗っていく内にステラやアーミヤがしていると…

 

「!何か近付いて来る。凄い速さだ」

 

「何?」

 

ドクターのPRTSが偵察機が近付いて来る存在を発見する。アーミヤ達が警戒していると、目の前現れたのは…

 

「良かった、間に合ったわね」

 

「………」

 

「…カフカ、さん」

 

カフカと刃だった。

 

「久しぶりね、アーミヤ。やっぱりあの頃より大きくなっているわね」

 

アーミヤはカフカの事をあまり知らない。しかし、唯一カフカと会った日の事をアーミヤは鮮明に憶えている。カフカはドクターの腕の中に居る銀狼に目を向ける。

 

「その子、返してもらえるかしら?」

 

「それは…」

 

「…ドクター、銀狼さんを渡してください」

 

「!アーミヤ、良いのか?」

 

「今回は大陸ハンターの皆さんのお陰でここまで来られました。こちらも誠意を見せるべきです」

 

「…そうだな、分かった」

 

「話が早くて助かるわ。それじゃあ、銀狼を引き取る前に…」

 

カフカはアーミヤ達に近付くとステラに目を向ける。

 

「久しぶりね」

 

「カフカ…」

 

「私の事は憶えているのね。嬉しいわ…聞きたいことがあるのは分かっているけれど、貴女達は一刻も早くこの都市から離れないといけない。そうよね?」

 

「…うん」

 

「良い子ね…渡したい物があったのよ」

 

そう言うと、カフカは武器をステラに差し出す。ステラは目を見開き、少し腕を震わせながら受け取る。アーミヤ達も、その武器を見て驚いていた。その武器は…

 

「Scout、の……」

 

「そんな…」

 

「…ごめんなさい、ソレとこの手紙しか回収出来なかったわ。手紙はドクターに宛てた物よ」

 

そう言ってステラにScoutの武器と手紙を渡したカフカは、ドクターに近寄り、銀狼を受け取る。

 

「用件は済んだわ、私達もコレで失礼するわね。行くわよ刃ちゃん」

 

「……待って!」

 

淡々とそう言ってドクター達に背を向けてその場を去ろうとするカフカを、ステラが呼び止める。

 

「…何かしら?」

 

「…また、会える?」

 

「───ええ、そう遠くない内にね」

 

そう言ってカフカは再び歩き始めた。

 

「ステラさん…」

 

「…行こう、アーミヤ。大丈夫、カフカとは次会った時に、話すから…」

 

そう言ってステラは輸送機に乗り込み、アーミヤ達もそれに続いた。全員を乗せた輸送機は上昇し、チェルノボーグから離れて行った…こうして、ドクター救出作戦は終わりを迎えたのであった。

 

 

 

 

 

 




Scoutさんを生存させるかはマジで悩んだ。出来る限りハッピーエンドにしたいのはそうだけど、あんまご都合主義展開にすると逆に面白く無いかなって…え?フロストノヴァは生きてて欲しい?……分かる。けどめっちゃ悩むんだよなぁ…
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