百階層攻略後に日本に帰れる(かもしれない)ゲーム転移。   作:はめるん用

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☆とある盗賊のメモ・その1☆

 

【名前】??? 

 

【クラス】司祭

 

 最近闇市の端っこのところに住み着いた黒いローブの司祭だ。奴隷を従えて神竜の塔を探索しているようだが、奴隷の扱い方がやたら丁寧で品質の良い装備を持たせ食事もまともに与えている。なんなら、表通りでこき使われている奴隷のほうがよっぽど悲惨だろう。

 世間の常識にところどころ疎い部分があるが、本人もそれをちゃんと自覚しているため地域との交流で問題は起きていない。塔の探索をしていないときなどは子どもたちの相手もしてくれているようだ。ちなみに子どもたちが確認したところ、フードで顔を隠しているのは『趣味』らしい。

 稀少な紋章を持っているようで、神竜の塔を攻略するためにかなり潤沢な物資を持ち込んでいると思われる。住人の治療のために杖や傷薬を惜しげもなく使ってくれるのは良いのだが、女神教団ほか王族などが管理を独占しているはずの、死者でなければ治療できるとまで言われているランクAの杖『リカバー』まで所持していたことから闇市管理会は「警戒するべきだけど下手なことしたらヤバそう」と頭を抱えているらしい。

 

 

【名前】アストラ

 

【クラス】傭兵

 

 司祭の所持品である奴隷のひとり。真面目で礼儀正しく育ちの良さが垣間見える、闇市では珍しいタイプの好青年だな。ただし、素直すぎて別の意味で住人たちから警戒されている。彼の前で迂闊に冗談を言ってはいけないってのが共通認識だ。

 素性については一応『不明』という扱いなのだが、会話の中で(本人的にはたぶん無意識に)奴隷となる前の話が出てくるせいで闇市の住人たちは正体についてだいたい知ってるのが笑えるな。帝国に関する噂話は英雄王の街の闇市まで届いてくるが、帝国の第一皇子が国内の視察中に賊に襲撃されて殺されたという話とは無関係ということにしておこう。

 

 

【名前】リカール

 

【クラス】アーチャー

 

 司祭の所持品である奴隷のひとり。軽めの言動とは裏腹に、鋭い視線で周囲を観察している曲者……なのだが、オレたち闇市の人間にとっては孫が一生懸命背伸びしているようなものさ。もちろん本人には内緒にしておいてやる。経験が足りないのか、環境が温かったのかはわからんがな。

 どうやら皇国の事実上の支配者である豪商『貪欲な金の蛇』の関係者らしい。もっとも、当主やその一族と違い売買に対する姿勢が誠実であることから血縁者の可能性は低いだろう。値段以下の価値の品物は遠慮なく値切ってくるが、確かな品質の商品を買い叩くような行為は商人や職人に対する侮辱と考えているようだし、そんな感性を持ってるヤツがあの商会で長生きできるとは思えんしな。

 

 

【名前】アルバ

 

【クラス】魔道士

 

 司祭の所持品である奴隷のひとり。可愛らしい外見から一部の紳士淑女がいつも見守っている。蒸し風呂屋で一緒になると気まずいランキングにおいても無事トップ10入りを果たしたのも納得だな。なお、暫定1位は最近教会を拠点としている僧侶だとか。男同士、なにを気にしてるんだか。

 奴隷落ちした際にステータスを剥奪されたにもかかわらず魔法の武器レベルがぐんぐん成長している。あの司祭が丁寧に育てているのもあるだろうが、おそらくは王国の魔法学園から流れてきた元学生だろう。上流階級のお坊ちゃまお嬢ちゃまのご機嫌を損ねた平民が学園から追放されるって話は別に珍しくない。だからこそ命の恩人、かつ魔導の師匠である司祭を尊敬しているのだろう。なんとなくそれ以上の、怪しい色気を含んだ視線を向けている気もするが、触らぬ神に祟りなし、ってな。

 

 

【名前】グラナ

 

【クラス】ブリガンド

 

 司祭の所持品以下略。いつも気怠げな雰囲気を垂れ流しているが、武器を手放して歩いているところは一度も見たことがない。いまの状況を前向きに受け止めているのか、司祭の護衛的な立ち位置で待機していることが多い。

 女神教団に対する忌避感を全く隠そうとしない。豊穣を司る地母神ミラそのものを否定しているワケではないようだが、信徒や神殿騎士、神官など……とにかく女神教団に関わる人間や話題を嫌っているようだ。裏を返せば本人も女神教団となんらかの関係があると喧伝しているようなものだが、連中を嫌っていることが伝わるなら邪推されても構わないのだろう。まさに筋金入りというヤツだ。

 

 

【名前】アンリ

 

【クラス】剣士

 

 司祭の所持品以下略。恐ろしく燃費が悪いことで闇市でも有名になっている。こいつだけ隷属の紋章以外にもなにか呪いのようなモノでもかかっているのではないだろうか? 医者かダークマージあたりに診察してもらったほうがいいと思う。

 常に腹ペコで愛想良しで見た目も美人の分類であることから住人たちからも好意的に受け止められているが、いまのところ司祭が率いるクランの中では一番危険な人間だ。司祭が所有する物資を狙った間抜けが何人かカラスの餌として下ごしらえされている。極端な話、身内は命を盾にしても守るが、気に入らない相手は殺しても構わないと考えているかもしれない。ま、闇市で盗みを働いて終わるのならそれは自業自得ってのが常識だがな。

 

 

【名前】ディナダン

 

【クラス】ソードナイト

 

 表通りで悪い大人にカモにされた哀れな少年。調べた限り特別な背後関係は無し。夢破れて逃げ帰る人間が多い中、ちゃっかり中級職になれてることを考えると幸運なのか不幸なのか本人も判断に困ることだろう。

 パラディンを目指す特訓の一環として鍛冶屋の仕事を手伝っている。器用なのもそうだが、やはり一生懸命なところが職人たちに気に入られたようだ。村に戻ったときに武器の手入れを自分で管理できるように、という理由も可愛がられている原因か。実際、試しに鋼の剣の手入れを頼んでみたが、納得して代金を支払おうと思える出来栄えだった。ありゃ村に戻ると決まったら親方連中に抱えきれないほどの土産を持たせられることになるかもな。

 

 

【名前】パーシバル

 

【クラス】アクスナイト

 

 表通りでカモられた少女。女にしては珍しく力の成長率が高いこと以外に変わったところは無い。強いてなにか言うのであれば、同じ斧が得意なグラナの影響を受け始めていることぐらいか。

 将来はグレートナイトにクラスチェンジすることを目標としているだけあって、薪割りなどの力仕事を好んで引き受けている。村で親の仕事を手伝っているうちにやり方を覚えたとのことで、普通にオレより巧い。今度コツを教えてもらおう。他には、食うための狩りを知っている……人は生きるために命を奪わなければならないことを知っているためか、三人組の中では一番闇市の汚い部分をそういうモノとして冷静に見ているようだ。

 

 

【名前】ユーウェイン

 

【クラス】僧侶

 

 カモられ三人組の少年。生きたいという欲望に忠実な言動のわりに、なかなか根性があり責任感があり結局は周囲のノリに流されやすいようだ。しかし世の中こういうヤツほど長生きするものだし、死ぬことに物分りが良すぎるよりは評価できる。

 命の危険がある神竜の塔探索よりはマシなのか、闇市での治療活動にも積極的な姿勢で参加しているようだな。武器レベルのためとはいえ、ライブの杖を使った治療は住人にとってありがたいものだ。頑張ればそれだけ戦力となり、司祭からは重宝されて余計に神竜の塔へ連行される頻度が高まるのが皮肉だな。誰か新しく杖役が加入したらしばらく闇市管理会に貸してくれんものかな? 

 

 

【名前】デルムッド

 

【クラス】ロイヤルナイト

 

 アストラを追いかけて自ら隷属の紋章を受け入れた帝国の騎士。当たり前だが、仲介人を通さず直接支配下に置いたことでステータスは剥奪されていない。ま、あの司祭ならそんなことしなくても並大抵のレベルとステータスでは相手にならんだろうが。

 本人は一切身の上話はしていないハズなのに帝国騎士団の嚮導騎士であることが知られている。仮にもガーズリーダーだった男が地位も名誉も捨てて闇市で奴隷になる理由はあまり考えないほうが良さそうだ。そのために管理会も司祭に厄介な奴隷を安く押し売りしたワケだしな。そもそも、表向きには第一皇子の行方不明の責任を取り自害したことになっているのだから、ここにいる爺さんはただ槍を振り回すのが得意な何処にでもいる探索者だろう。

 

 

【名前】アーリィ

 

【クラス】ペガサスナイト

 

 表通りのギルドに登録している探索者クランから派遣されたスパイらしき女。聞くところによると一瞬で嘘を見抜かれたのだとか。脅迫されて隷属の紋章を刻まれたが、やはりステータスは剥奪されていない。

 力が伸び悩んだことで古巣ではメンバーから見下されていたようだ。別にこの女に限った話ではなく、表のギルドに登録している探索者クランではなにも珍しいことではない。役立たずをひとり連れて行くだけで半数が死ぬことになるのが神竜の塔攻略だからな。司祭から魔法武器を託されてからは高い魔力を活かして獅子奮迅の活躍をしているようで、古巣への興味は完璧に失せたようだ。ちなみにその探索者クランは、あの荷物運びですら攻略できるなら第15階層も噂ほど大したことはないなと今度挑戦するらしい。ご愁傷さま、とだけ言っておこう。

 

 

【名前】ルカ

 

【クラス】斥候

 

 商隊と傭兵団を兼任するキャラバン『藍玉の剣』と一緒に英雄王の街にやってきたメイドのようなナニか。メイド服の機能性に慣れたら普通の服を着るのが面倒になったそうな。その気持ちはわからないこともない。

 リカールの実妹。やはり貪欲な金の蛇と関わりがあるようだが、兄貴同様商売に対する姿勢は誠実。いつか兄貴のほうが商売を始めたときに備えて色々勉強しているようだ。それにしたって闇市の流通なんか調べたところで表の商売にどれだけ役に立つのやら。やはり素人にはわからないような価値があるのだろうか? 悪巧みをしているワケでもなく、コソコソと嗅ぎ回るような真似はせず頭を下げて教えを請う姿勢から住人からも管理会からも特に問題視はされていない。

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