百階層攻略後に日本に帰れる(かもしれない)ゲーム転移。 作:はめるん用
【名前】スカーレル
【クラス】アサシン
ロプト教団に所属するアサシン(ガチ)。遠眼鏡で観察してたらこっち見てニコニコ笑いながら手を振ってきたので堂々と観察することにした。さすがは本職、表通りのアサシン連中とは格が違う。
女神教団の暗部に所属していた暗殺者で、教団にとって邪魔になりそうだからとロプト教団の司祭に喧嘩を売ったら返り討ちにされたらしい。組織に離反した暗部なんて始末屋に狙われそうなものだが、女神教団はその辺りの意識がかなり低いそうだ。人々が自分たちに従うのは当たり前のことであり、裏切り者はその都度処刑すればいいぐらいにしか考えていないらしく、その道の人間にとっては小遣い稼ぎの場として有名なんだとか。セキュリティの意識と守備力がレベル1クラス無しの幻影兵並かよ。
ちなみに司祭の戦闘力については教えてくれなかった。世間話のついでに聞いただけで別に本気で探りを入れたいワケではなかったので笑い事で済まされたが、そうでない場合は間違いなく処理されていたことだろう。闇市の住人がその辺りを読み間違うことはないとは思うが。闇市の住人はな。
【名前】マルフィーサ
【クラス】神官
共和国の内乱から輸入された奴隷。それでも品性を失わない芯の強さは評価できるが、そのせいで正体がバレバレなのはどうなんだ? 子どもたちからお姫様みたいだと言われて「そんなことはないんだぜですわよ」と慌てている姿は微笑ましかったが。
大抵の場合、失ったり奪われたりしたヤツってのはそれを取り戻すために躍起になるものだが、このお嬢ちゃんはそうでもないらしい。敗北者としての矜持か、それとも王族としての誇りが民衆を巻き込むことを良しとしないのか。新政権から派遣されたであろう“草”が大人しく監視しているのもそれが理由だろう。反乱を起こした連中からも信用されているから安全に見逃されている、というのも変な話だ。
唯一の懸念材料は、共和国から逃げ出した王族がひとりとは限らないってことか。このお嬢ちゃんが王政復古を望まなくても、別の弟妹もそうだとは限らないからな。身分を隠して魔法学園の学生に、なんてことも充分あり得る。
【名前】ブラダマンテ
【クラス】ドラゴンマスター
共和国の内乱から輸入された奴隷。見た目は頭のお硬い騎士様だが中身は意外と柔軟な美人だ。飼い主である司祭よりもマルフィーサの護衛として側に控えていることのほうが多い。
若さ故の荒削りさが残る正統派の騎士。それ以上でもそれ以下でもない。追われた者だけでなく犯罪者も大勢いることを承知で闇市の住人として生きることを受け入れようとする姿勢は評価できる。主君への忠義と騎士の矜持をそのままに、清濁併せ呑む努力を惜しまないのは本人の真面目さが原因か。苦労も多いだろうが、そういうヤツには手助けをしてやろうとなるのが闇市の捻くれ者たちだったりするワケだ。
仮に雷神将の娘というネームバリューを利用するために接近する者がいれば、本人がそれを承諾しない限り闇市の住人たちは彼女の味方をするだろう。その前に司祭が確実に動くだろうし、そもそも共和国に保管されているというヘクトルの紋章石とアルマーズが本当に実在するのかって話になるが。
【名前】シルメリア
【クラス】ファルコンナイト
表通りのギルドからロプト教団にやってきた探索者。雑用係として不遇な扱いを受けていたらしい。それ以外に特筆するようなことはないと思う。
闇市では自分のステータスに見合った階層に繰り返し潜って稼ぐのが普通ということもあって、表通りよりも居心地がいいようだ。子どもたちにチヤホヤされてニヤニヤしている姿は少々不気味だが、それなりに苦労してきただろうし無害なら放置でいいだろう。なんか面白いお姉さんってことで気に入られているようだし。
【名前】レナス
【クラス】ファルコンナイト
表通りのギルドからロプト教団へ連れてこられた探索者。隷属の紋章を刻まれる前提で誘われたのにホイホイついてくるなんて正気の沙汰には思えないが、結果的に本人は満足している……のか?
自分を平凡だと思い込んでいるメンタル強者。難しいことを考えるのが苦手で他者に選択を委ねているようなところがあるが、流れに身を任せたまま第30階層を突破している時点で平凡ではないだろう。ロプト教団の司祭から敵を倒せと命令されれば、相手が格上だとしても“命令されたのだから倒せるだろう”ぐらいのノリで倒すタイプだ。戦いにおいて迷わない、惑わないってのはとんでもないアドバンテージなんだが……本人がそれに気づく日はこないかもしれんな。
【名前】フォニム
【クラス】吟遊詩人?
貴族街で貴婦人の我が儘に振り回されて奴隷に落とされた哀れな吟遊詩人。大陸各地を巡っていただけあり、楽器の腕前はなかなかのものだ。各地の神話や伝承にも詳しい。
油断ならない、というよりは信用ならない男だ。明確な悪意は感じないが、周囲を見渡す視線に含まれた色合いがムカつく。あれは自然に自分を格上の存在として位置付け、それ以外の人間は平等に格下の存在として扱って当然と思っていやがる。もしかしたら、それが当たり前過ぎて無自覚で見下している可能性のほうが高いな。ヘンテコな言葉遣いに関しては……俗世に紛れるためにあとから身につけたせいで歪になった、ってところか?
とはいえ、コイツだけを観察していれば変わり者の吟遊詩人という程度の認識で終わっていただろう。ロプト教団に購入されたのが悪かったな。意図的に胡散臭い立ち振舞いを楽しみながら、俗物的な悪ふざけにもノリノリの司祭と見比べると嘘の臭いが強すぎる。ヤツはヤツでもう少し設定を意識して行動しろと思うことが多いが。仮にも教団の教主の立場にある最高司祭を自称するなら、人前でウドンのスープにライスをブチ込んで音立ててかき込んでんじゃねーよと言いたい。美味いのはわかるけど。
【名前】ヴォルド
【クラス】スナイパー
王国の貴族から無事闇市の住人へと転落したお坊ちゃん。魔法学園の生徒だったが、隷属の紋章を刻まれたことで自主的に退学したようだ。その潔さは嫌いじゃない。鉄格子に囲まれても現実を認められず喚いている負け犬よりは何倍も立派だな。
ロプト教団としてはコイツの実家を利用する意図はないようだ。純粋に射手として望まれたことについては本人もそれなりに思うところがあるのかもしれない。貴族の産まれというだけで色眼鏡で見られることも多いだろうし。あの性格じゃあ絶対に認めないだろうが、リカールから弓の扱いを教わっているときもイキイキとした表情をしている。ありゃ違う意味で普通の貴族の生活には戻れないだろう。ご愁傷さま、そしておめでとうと言っておこう。
【名前】ジャーリー
【クラス】ソーサラー
見た目はガキ、言動もガキ、だが恐らく実年齢はそれ以上。闇魔法の暴走で急激に老化する、なんて話も聞いたことがあるし、もしかしたら若返りの呪いでもかかった練達の闇魔道士かもしれない。それはそれで危険人物扱いだな。笑い事でも、ヤバい方向でも。
フォニムと同じように格付けを終えた目をしている……のだが、向こうと違ってこっちの視線は“長女が弟や妹の面倒を見てやっている”といった緩い色合いに近いな。侮っている、という意味ではそこまで違わない気もするが、そのへんの男と女の差を理屈で考えるなら『母性』とするのが適切だろうか? あの見た目を相手に母性を求めるヤツとか変態にしてもレベルが高いな。権力者の中にはそういう拗らせ方をしている連中もいるらしいが。
第30階層を攻略してから見たことがない魔法の指輪を装備している。興味はあるが、本能が関わるべきではないと強く訴えてくるので見なかったことにするのが正解だな。噂じゃあドラゴンナイトの騎竜とは違う本物の竜と戦ったらしいし、案外アレが伝説の神器だったりしてな。