百階層攻略後に日本に帰れる(かもしれない)ゲーム転移。   作:はめるん用

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 おかわり(リヤンフレチェ、レークスハスタ、バシリコス)もあるぞ!

 たぶん全部お出ししたらアンナさんがヘルシングとかドリフターズとかのデフォルメギャグフェイスで歯ぎしりしたり「コパァッ」って吐血したりする。


☆外伝☆仮面は噛めーん(ルーチェ級激うまギャグ)

「おはようございます教主様。本日もとってもお買い得でございますね!」

 

「挨拶ぐらいもう少し頑張りたまえよ」

 

「本日の商品は王国魔法学園より追放された貴族階級の女子生徒でございます。金と権力に目が眩み下手を打った両親が政治闘争で敗北したことで豚のエサにされるところだったものを買い取りました」

 

「ハイハイよかろうよかろう。どうせ私が購入を渋れば人間扱いすら怪しいところへ流れていくことになるのだろう?」

 

「本音を申し上げますと、今回ばかりは望み薄かとも考えておりました。表の騒動に関わる話でございますから、もちろん先に管理会には話を通してはおりますが……」

 

 表と直接関わるときは相談する、という約束してたからな。ただ奴隷として購入するだけならともかく、このタイミングで魔法学園からの追放者、しかも貴族階級の女の子となれば謀の匂いがすると疑われても反論できん。

 

 

「ちなみにお値段のほうはこれぐらいで」

 

「どんどん遠慮が無くなってくるな?」

 

「後先考えずの安売りは長期的に考えた場合デメリットしかございませんので。あとはまぁ……本人が自身の容姿が優れていることを自覚しており、購入者の愛玩動物になることも覚悟しておりますので、自然とこの値段になりました。ちなみに騎兵学科に所属していたとのことですので、神竜の塔の攻略にも使い道はあるかと」

 

「ソードナイトとして基本的な戦い方は学んでいるつもりだよ。もちろん魔法の指輪や杖も簡単な物であれば問題ない。夜のお相手に関しては、申し訳ないけれどボクはそちらは全くの素人なものでね。じっくりゆっくり優しく教えてくれると嬉しいな、マスター」

 

「ふむ、緊張はしていないようだな。結構なことだ。仲介人から私のことを聞いていたのかね?」

 

「もちろんそれもあるけれど、学生とはいえボクだって社交界に何度も顔を出す機会があったからね。貴方は謙って媚びるよりも自然体を好む人物なのは雰囲気でわかるさ。……気分的な問題として、目上の男性にこんな口調で話しかけるのはちょっと抵抗があるのが本音だけれど」

 

 

 ふーん。なかなか優秀そうではあるじゃん。

 

 

 でもなぁ〜、どうせなら男が欲しかったな〜。そりゃ俺だって健全な男だし可愛い女の子も美人な女の子も好きだけどさぁ、何事にもバランスってもんがあるんだよ。ただでさえロプト教団の幹部は女性率が高いのに、また増えるとなると男たちの肩身が狭くなってしまうじゃないか。

 あと単純に護衛役として暴力的なオーラが似合う人材が欲しい。味方への牽制はこの前の暴走竜帝のときに切った手札でもう充分だけど、戦闘力を隠したい外向けにもわかりやすく強者アピールしたい。見るからに強そうな奴を背後に控えさせたローブ姿の危険人物、暴力以外に取り柄がない自分としてはこうした見栄も必要だろう。

 

 烈火に登場したロイド・ライナス兄弟レベルなんて贅沢は言わないけれど、せめて封印のゴンザレスとか風花雪月のラファエルぐらい見た目でわかりやすく強そうな奴隷が欲しい。どっかの国から無実の罪で追放された死刑執行人とか流れてこないかな? 注文したらお取り寄せもしてくれそうだが、それと引き換えに誕生する勘違いはとんでもないことになるかも。

 

 ま、無い物ねだりしてもしゃーない。これも運命と思って有効活用しよう。ちょうど学園に関わりある人材が欲しかったところだし。

 

「仲介人、提示した値段の50倍支払う代わりにいくつか用意してもらいたい物がある」

 

「……伺いましょう」

 

「この娘が新設される予定の『英雄学園』に学生探索者として潜り込むために必要なもの全て。できれば人の流動が激しい現段階で実行したいところだが、無理なら多少もたついてもかまわない」

 

「承知いたしました。えぇ、えぇ。お得意様からのリクエストでございますから、もちろん誠心誠意全力で対応させていただきますとも」

 

 周回プレイヤーに許された最強の暴力! これで渋るようなら無言で金貨の袋を山盛りに積み重ねてやろうと思っていたが、素直に引き受けてくれた助かった。

 

「ふぅん? いったいマスターはボクになにをお望みなのか、少しだけワクワクしちゃうね。個人的な希望としては、もう優等生の仮面を被り続けるのは退屈しているのだけど 」

 

「残念だが優等生の仮面はまだ棄てさせるワケにはいかんよ。これからお前には英雄を演じてもらうことになる。それには後輩たちを導く優しい先輩という仮面も必要だろう?」

 

 ついでに物理的にも仮面を装備してもらうことになるけどな。キャラクターの見た目を変化させてくれるコスチューム系アイテム『シリウスの仮面』で素顔を隠しながら生活して貰うことになる。

 当たり前のようにその他大勢扱いされる平民ならまだしも、さすがに社交界とやらを知る貴族はそこも対策しないとアカンでしょ。顔の上半分を隠すだけでもそれなりに効果はあるだろう。なーに、宇宙世紀で活躍してた赤いノースリーブのサングラスおじさんだって雑な変装で乗り切ってたしヘーキヘーキ! 

 

 

 ◯▢◯▢ー

 

 

「これが永続強化アイテムによるステータス上昇……ね。不思議な感覚だ、確認できる数値は高いのに強くなっている実感が全然ないや」

 

 ソードナイトとして幸運以外のステータスが上限に達しているパラメーターを眺めながら、新たにシリウスの名を与えられた少女がそんなことを呟く。

 

 実際の戦闘経験を無視してステータスだけを強化したときに本人の感覚とどれだけの誤差が生まれるのか、それを修正することは可能なのかという実験。

 仮に失敗しても隷属の紋章を利用してステータスを剥奪し、クラス無しのレベル1から丁寧に育てる。最初は渋っていたロプト教団のメンバーも、教主からこう説明されたことでひとまず納得して協力してくれることになった。

 

 主人が奴隷に事情を説明して説得する、というのも変な話だが……それがロプト教団の在り方ならば新参者が口を出すことではない。奴隷とは人の形をした道具であると教えられて育ったシリウスにとっては異常な光景だとしても、今日からは自分もその一員となるのだから。

 

(各国が容易に学生たちを切り捨てられないようにするための偽りの英雄譚を紡ぐ。普通に考えたら成功する見込みなんて欠片ほどにも無い計画だけれど、それを可能にするだけのモノをロプト教団は持っている)

 

 潤沢な資金と豊富な物資。充分なバックアップの中で神竜の塔に挑むメンバーたちは皆自分など比較にならないほど強い。

 年下の、それも辺境の村に生まれて満足な教育を受ける機会など無かったはずのディナダンでさえも、戦いの巧さでは自分より遥か先にいる。おかげでステータスが高いだけでは自惚れることすらできなかった。

 

 

「キシャァァッ!!」

 

「おっと、ボクをご指名かい? いいとも、是非ともお相手願うよ。1秒でも早く……マスターから渡された新しい剣を使いこなせるようになりたいからね」

 

 

 パワーレベリングなる戦法を行うと言われて連れてこられたのは、探索者の壁と言われている第15階層……どころではない。人類の壁と言われていた第30階層よりもさらに先、第34階層という学生では想像すらできない未知の領域。

 そんなフロアに出現するパラディンの幻影兵など、本来であれば逆立ちをしても立ち向かえる相手ではないのだろう。単純なステータスはもちろんのこと、学生の訓練では体験したことのない本物の殺気をぶつけられて平然としていられる学生がどれほどいるだろうか? 

 

 いまのシリウスとて、ステータスが強化されているとはいえ戦闘経験は学生のそれである。恐怖を感じないワケがない。だがそれ以上の昂揚感に満たされているが故に、怯えることも竦むこともなく正面から立ち向かっていった。

 

 

 

 

 勝負は一瞬。

 

 幻影兵が鋼の剣を振り下ろす。

 

 それをシリウスは真っ向から打ち合う──のではなく、絡め取るように受け流した。

 

 微かな金属音が奏でられ、幻影兵の鎧と兜の隙間に切っ先が吸い込まれていく。

 

 

 必殺の一撃。

 

 ふたりの騎兵が交差したあとには、霧となって消えていく幻影兵の頭部だけが取り残されていた。

 

 

 

 

「……ハハッ、これは確かに英雄の遺産として説得力があるかもしれないね。これでレプリカだというのなら、本物はいったいどれだけ凄いのかな?」

 

 いまの勝利は偶然ではない。

 

 単純に武器の威力が高いこと。強化アイテムによる底上げとアクセサリーの効果で自身の剣の武器レベルがAになっていること。装備するだけでステータスの技にプラス10ポイントが加算されること。あるいはキルソードやキラーランスのように必殺を狙いやすい工夫が施されているのかもしれない。

 それら全てが噛み合った結果なのだろう、剣を交えた瞬間からシリウスには幻影兵の首を刎ねるために必要な動きを完全に理解できていた。あとは頭の中にうかんだビジョンに逆らわぬよう動くだけの簡単な作業でしかなかった。言ってしまえば、教主より託された神器のレプリカに導かれるままに動いただけのこと。

 

 

 もしも。

 

 もしも、ほかのレプリカにも同じような不思議な力が宿っていたとしたら?

 

 

 自分は教主から神器の危険性を教えられ、レプリカとはいえ決して己を見失うようなことがないよう強く意志を保つようにと警告されていた。勝利に酔い痴れることなくこの剣が危険な代物だということを理解できるのは、予め釘を刺されていたからこそ。

 

(それでも、格上であるはずのパラディンを前にしても高ぶりを抑えきれなかった。なら、なにも知らずにレプリカを手にしてしまった子たちならどうなる? ……都合よく利用する、という意味ではマスターの期待通りの働きをしてくれるのかもしれないけど)

 

 学生探索者たちの価値を高める。そこに彼らの無事を願う気持ちがあるのも嘘ではないらしいが、真なる目的は神竜の塔の攻略を活性化させるための手段でしかない。

 できることはしてやるが、それで死んだらそれがそいつの運命だというスタンスをロプト教団の教主は隠そうともしていないのだ。もう少し正確に表現するのであれば、その人物の立ち位置次第で態度が大きく違う。仮に学生探索者の中から死者が出たとしても、彼はそれを特に気にすることはないだろう。少なくとも表向きには。

 

 

「いや、いまはボクも他人の心配をしている場合じゃないな。少しぐらい失敗しても見捨てられるようなことはなさそうだし、折角の機会なんだ……ボクも英雄譚とやらに参加する役者として、存分に舞台を楽しまないと損だよね」

 

 それは権力を維持するための道具として消費される、貴族の娘など政略結婚に利用されるだけで人生が終わると思っていた少女にとってあまりにも魅力的な状況であった。

 正体不明の組織に属し歴史を裏から思い通りに操る道化のひとりにして学生探索者たちを英雄へと導くパスファインダーという配役。人間扱いすら諦めるしかない状況から救われたことも含めれば、シリウスが教主の計画を積極的に実行する理由などいくらでもある。

 

(もっとも、そのためにはボク自身がレプリカの扱いを理解する必要があるのだけれど。フフッ、いつの日にか本物を手にするまで……これからよろしく頼むよ? ボクの魔剣ミストルティン)




 プレイヤー視点だと銀の槍を装備したお助けパラディンを学園モノ風味にアレンジした色物枠の女の先輩。
 但しステータス画面を開くと予備の装備のところにヤベェ名前の剣があって2度見するヤツ。
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