受肉体、緑谷出久   作:助5103

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第十八話「“幼馴染”の緑谷出久君」

 

 

「待って出久く〜ん!」

 

 

「もー、遅いよヒミコちゃん!今日こそ一緒に帰るって約束でしょ?」

 

 

「えへへ、ごめんごめん。昨日夜更かししちゃって」

 

こんにちは!私はトガヒミコ!今も現役バリバリの女子中学生!幼馴染の緑谷出久君と朝の登校の為に張り切って走ってきたの!出久君はいつもこうやって私の為に毎日家の前で待っていてくれるのに、私は今もこうして遅刻しちゃってさすがの出久もカンカン…実はそれが楽しみで眠れなかったなんて言えないよ〜…!

 

「じゃ、今日も張り切って元気に行こ〜!」

 

「あ!ちょ、ちょっと待ってよ!」

 

 

なんだか今日はいい日になる予感がする!それはやっぱり、隣に出久君がいるからなのかな…?

 

 

 

「あ!」

 

「どうしたの?」

 

 

「まさかこんな所にヒーローコレクターズvol.4のガシャガシャがこんなスーパーの外の所にあるなんて…!」

 

出久君は目に留まった一台のガシャガシャに釘付けになった。もう、こうしてヒーローが大好きなのは子供の頃から変わらないんだから…でもそういう所も、ヒミコは好きなんだけどねっ♪

 

「ねぇ、ちょっとだけやってもいい?」

 

「も〜、一回だけだよ?」

 

 

「やった!じゃあちょっと待ってて!」

 

 

あんな嬉しそうな出久を見ちゃうとついつい許しちゃう。全く罪な男の子なんだから!

 

 

「お!」

 

「いいの出た?」

 

 

「どれも持ってます…はぁ、このシルバーエイジバージョンのオールマイトが欲しかったのになぁ〜」

 

「ざ、残念だね出久君…でももうそろそろいかないと」

 

 

「それなら私が持ってるわよ…」

 

 

後ろからそんな声がしたので私達が振り返った。その先には…!

 

 

「あ、貴方は…!?」

 

 

「おはようお二人とも…出久君、あなたの欲しかったものなら、私が持ってるわよ?」

 

 

才色兼備、成績優秀、スポーツ万能…全てにおいてトップの同級生でもある高田延子がそこにいたの…!

 

 

「え!?な、なんで、君が…?」

 

 

 

「フフフ…実はね、私も好きなの。」

 

「君もヒーロー好きなの!?」

 

 

「い、出久君…」

 

「いやぁ〜!こんな所で同じオールマイトファンがいるなんて思いもしなかったよ〜!それ、ここでゲットした奴なの?」

 

「勿論、よかったら何かと交換してくれれば喜んでこれを差し上げるわよ?あ、丁度その今持ってるプレゼントマイク(私服バージョン)とか欲しいかも…」

 

 

「こ、これで良かったら全然上げるよ!?本当にいいの?」

 

 

「ええ!」

 

 

むぐぐぐ〜!なんだか二人ともいい感じになっちゃってるんだけど〜…!?せっかくの出久君との時間が、こんな長身女に取られるなんて〜…!

それに、なんだかアイツ(高田)も満更じゃない顔してるし…!

 

「いや…もしかしたら…」

 

 

 

「ま、まさか…この女、出久を狙ってここに…!?」

 

 

どうりでこんなタイミングのいい時に現れるのね…!まさかここで私のライバルとなる人間に出会ってしまうとは!

 

 

 

「ふん!」

 

「!」

 

 

「ひ、ヒミコちゃん…!」

 

私は二人の間を切って前に出る。

 

「あら…貴方は、確か出久君の幼馴染の子よね?」

 

 

「そうだけど?それが何?」

 

 

「そんな怖い顔しないでよ〜?大丈夫…貴方から取ったりしないから…ね?」

 

 

「ムグググ…!!」

 

 

 

「な、何この空気…」

 

 

バチバチと私は飄々とする高田延子に睨みをきかせる。ふん、背が高いからって調子に乗らないでよね…!別に羨ましいなんて、いっこも思ってないんだからぁ!

…なんて、朝から嫌な予感を感じつつも私達は学校に向かいお昼休みまで時間を過ごし当然ながら私は一緒に食べる為に出久君の元へ向かったのだけれど、そこにはまたしても出久を狙いに近寄る高田の姿がそこにあった

 

「あーーっ!また貴方は出久君の所に!一体なんの用なんですか!?」

 

「ひ、ヒミコちゃん!」

 

「待ってよ、別にそんな悪い意味で来てくれた訳じゃないんだ。ただ彼女は…」

 

 

なんて、誰にでも優しいからそんな嘘を言っちゃうんだ。きっと、この高田延子とかいう長身の女は出久に下心を向けてスキンシップを計らおうとしている…(推測)でも絶対にそんな事させないんだから…!

当の本人なんて、そんな気さらさらないような顔を浮かべて私の方に近づいてきた

 

「あら、ヒミコちゃんっていうのね。どうも宜しくね♪」

 

 

「で、出久君に何しようしたの?」

 

 

「そんな大した用事じゃないわよ。ただ…」

 

 

 

「ちょっと緑谷君と一緒にお食事しようと思ってね」

 

 

「そ、そんな事っ!絶対許さないんだから!もう!出久君もこんな女に近寄っちゃ駄目だよ!?」

 

 

「ま、まぁまぁ…とにかく食べようよ。」

 

 

 

「…フフ」

 

 

私の言葉に対して不適な笑みを浮かべる。

 

 

「そうね、それなら私と一つ勝負しましょ?」

 

 

「し、勝負…?」

 

 

「ええ、簡単な話よ…放課後に家庭科室を借りて一つ料理を作るの」

 

 

「それでお互いに作ったものを緑谷君に食べて貰うわ」

 

 

「どちらか美味しかった方が緑谷君に相応しい相手が決まる…」

 

 

「あ、あの…僕この後部活「上等です!」

 

 

そういう事なら…私もいざという為にお料理の勉強もしっかりやってきたから、ここで勝って私の方が上だという事を思い知らせてやります…!

そして、私達は放課後各々のメニューをあらかじめ決めた後、家庭科室へと赴いた…

 

 

 

「あら、よく逃げなかったわね…」

 

 

「当たり前です。貴方に勝つ為に…とっておきのものを考えてきましたから!」

 

 

「あのー…出来れば早めにねー…」

 

 

 

ふっふっふ、私だって伊達に幼馴染やってる訳じゃないんだから…ここは出久君の好きなカツ丼で彼のハートを鷲掴み…いえ、握りしめてやるんだから…!

そして、各々用意した具材を取り出して早速調理を開始する。隣のキッチンを様子見するとどうやら高田延子が作るのは油淋鶏のようだ。

フン、やっぱりアイツ何も分かっていなんですね…そんな料理で出久君を虜に出来ると思っているんでしょうか?

 

 

「出来ました!」

 

「お、おお…」

 

 

予想通り出久君は私の出来上がった盛りに盛ったカツ丼に目を釘付けにして眺めていた。並の中学生であればこれくらいの量は簡単に平らげる…でも、今日は大盛りを超えた特盛…名付けて“チョーデカワイイスペシャルカツ丼”…ですね…!

 

 

「へー、カツ丼ね…中々やるのね貴方も」

 

 

同じく高田延子も自身の料理を出来上がったらしい。自分から勝負を仕掛けるだけあって人並みより出来るらしい。あの絶妙な焼き加減と食欲を向上させられるあの香ばしい匂い…ですが、私の方がきっと美味しい筈…!

 

 

「さあ!食べてみて!出久君!」

 

 

「うん、分かった…」

 

 

一つずつ小皿に分けて、出久君はまず私の方の料理から口に運んだ。その瞬間目を見開きその味に感嘆の声を上げる。

 

「お、美味しい…!」

 

「やったー!ねぇねぇ、どの辺が美味しい?」

 

 

「カツのこの衣と肉の食感の違い…サクサクとその中のフワッとした瞬間に感じるこのギャップ…」

 

 

「確かに多いけど、これならすぐ食べられそうな気がするね!」

 

 

「どーですか!見なさないこの出久の満面の笑顔を!降参するなら今のうちですよ!」

 

「へぇ…」

 

 

「じゃあ次は…」

 

 

次に、出久君は高田延子の料理に手を出す

 

 

 

「!!!」

 

 

「…ゴクリ」

 

 

「(ああは言ったけど、あの油淋鶏…ちょっと食べてみたい気もする…)」

 

 

「(一体どんな味なんだろ…)」

 

 

 

「お…」

 

「お?」

 

 

「美味しい!!美味し過ぎるよ!!」

 

 

 

「え、えぇ〜!?」

 

 

 

「美味しい!美味しい!美味しい!!」

 

 

 

「出久君が壊れた!?そんな美味しいの!?」

 

 

 

「それだけじゃないわ」

 

 

「そ、それだけじゃないって…何?」

 

 

「緑谷はこの後部活だから、それを踏まえてタンパク質・ビタミンK・セレンを多く取れる油淋鶏をチョイスしたの。タンパク質は筋肉を作るし血液や骨もいい栄養素なのよ?」

 

 

「た、確かに…そこまで考えてなかった…」

 

 

 

「フフフ…私の勝ちね」

 

 

「さぁ、後は緑谷君に選んでもらいましょう。どちらの方が良かったのか」

 

「うーん…」

 

 

「確かに、高田さんの気遣いというか…僕の為によく考えてくれたのは嬉しいかな」

 

「でも…」

 

 

「申し訳ないけれど、僕は…こっちの方を選ぶよ」

 

 

「え…!?」

 

 

「!」

 

そう言い出久くんは私の方を選んでくれた

 

「わ、私の…!?」

 

 

「うん。僕はこっちの方が美味しかったよ」

 

 

「…い…」

 

 

「出久君!!」

 

 

 

 

「…どうやら…私の負けみたいね」

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

「そう、私達は…生まれた頃から一緒でいつも遊んでいた幼馴染…」

 

 

「ごめんね出久君…私忘れてたみたい…」

 

 

「き、君は…」

 

 

「そう、私は貴方の幼馴染で中学までずっと一緒だったの!!」

 

 

「なんで私忘れてたんでしょうか…!」

 

「い、いやいやいや!!君の事なんか僕よく知らないよ!ていうか幼馴染じゃないよ!!?」

 

 

 

「あ…でも」

 

 

「実を言うと私の方が年上なんですけど…」

 

 

「それにしてもびっくり!出久君雄英に入学したんだね!どう?高校生活は…私がいないと寂しいよね。でも私今学校には入ってないの…」

 

 

「何勝手に話進めてんの!?だから君とは中学一緒じゃないし今日初めて会ったって!!」

 

 

「!」

 

 

「ここに、もうすぐ人が来るみたいだね…」

 

「ごめんね出久君。せっかく会えたけど…とりあえず今日はこれでお別れ。また会うから待っててね!」

 

「え…!ちょっと待っ…」

 

 

僕にまたがっていたトガヒミコはあっという間に姿を消した。

 

「緑谷君!」

 

 

その後にホークスが羽を広げて僕の方へとやってきた。

 

 

「これは…もしかして既に戦闘を終えたのかい?」

 

 

「ええ…でも正直ヴィランの動機やその理由がよく分からないんです。襲いかかってきたり急に僕のことを知っている風に話していたり…」

 

 

「こちらのモニターから緑谷君が何者かと交戦していた事は既に把握していたよ。これから他のヒーロー達も彼女の追跡に向かっているが、それにしてもこの逃げ足の早さは流石とも言えるね」

 

 

「それと、話していた…と言っていたけれど具体的にはどういう会話をしていたんだい?」

 

 

「……えーと」

 

「あの、変だと思われるかと思いますけど…」

 

 

「あの人…なんか僕の“幼馴染”…みたいです…」

 

 

正直な所、その時の僕からしても自分でも何を言ってるのか不思議でしょうがなかった。

 




察していた方もいましたがトガヒミコは東堂ポジとして登場しました。
ただブラザーと違ってトガの場合は“幼馴染”のシチュとして完全なる妄想で動いていきます。ちなみに高田ちゃんに関してはもう今後出てきません(無駄遣い)
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