久しぶりすぎて行動パターンを忘れてるぜー!(5/21時点)
目と目があってどれくらい経っただろうか?
ほんの僅かな時間だったが、私の脳内にこの娘の目が焼き付いて離れない。
あの人形のような、美しい目。
私の脳内に、瞳を刻みつけた。
「ラピ、どうした……誰よアンタ!?」
黄色の少女がこちらに振り向き、銃器をこちらに向ける。
「ちょっとアニス、待ってください! 相手は人間ですよ!」
青色の少女が止めようとするが、その前に黄色の少女の目に疑問が浮かんだように見えた。銃器の引き金に指を掛けながら、細かく動かしている。
どういう意図なのかわからないが、黄色の少女は私へ銃を突きつけるのを止めた。
しかし変わった銃だ……まるで私の持つ大砲を小さく、携行しやすいかつ連射が効くように改造したような……。
「……あんた何者?」
「何者? 私か……ああ、そうだ。私は」
ここに案内されたものだ、という前にアニスと呼ばれた少女が動いた。
ラピと呼ばれた少女の装備の一つから小さな銃を奪うと、私に向けて撃つ。
この子、私へ躊躇なく――!? 驚いた私だったが、咄嗟に右へ飛んで避けた。
銃の発砲音、そして私が居た背後に破壊音が鳴る。着弾地点と私を見比べながら、アニスは敵意むき出しの顔を浮かべた。
「アニス、何を」
「止めてくださいアニス! 何をしてるんですか!?」
「こいつ、人間じゃないわ」
アニスは私を一瞥しつつ、銃の残弾数を確認する。
「あたし、人間相手に撃てないはずなのに撃てたのよ。こいつ、人型のラプチャーか……ヘレティックよ!」
「うお!」
絶え間なく発砲してくるアニスに、私は驚きながらもコートの下から盾を取り出す。
湖の盾。青いガラスを皮膜した工芸の盾だ。一応盾なので銃弾は……そこそこ防げる。
チュイン、と盾の表面を擦って弾丸がこっちに飛んでくる。こいつっ!
「いい加減にしろ! 私はカフェ・スウィーティーに連れられてここに来た人間だ!」
「嘘吐け! ならなんで私はお前を撃てるんだ!」
「お前が撃ってるからだろ!?」
私たちは言い合いをしながらコマンドセンターの中を走り回る。止まれば殺されるから!
「うるさい! さっさと!」
「待ってくださいアニス」
「止めないでよネオン!」
次の銃弾を込めようとしたアニスを止めたのは、青色の少女。ネオンと呼ばれた娘だ。
アニスの銃を手で握り、次の射撃を阻止している。だが……銃身は熱いはずなのに、なぜ握れる。
ゆっくりとこっちを見たネオンは、私の足下から頭の先までゆっくりと観察してきた。
「まず、あなたに質問があります」
「あ、ああ、なんだ?」
どうやら戦闘は尋問に変わったみたいだな。よし、これで説明の機会ができたか。
「あなたのコートの下にある、銃を見せてください」
「え?」
「コートの下から、変わった火力の匂いがします。見せてください」
火力の匂いとはなんだ??
困惑してアニスを見たが、もう彼女は全ての気を削がれたのか銃を握る手から力を抜いた。ネオンの手をすり抜けて、銃を腰にしまう。
説明して欲しい、彼女は何を言ってる?
だが、まぁ……銃を見せてほしい、というのなら見せておこう。敵対行動は避けるべき、か??
私はコートの下から獣狩りの短銃を取り出し、ネオンに差し出した。
「こ、これのことか?」
私が差し出した短銃を、ネオンは受け取った。
両手で触り、角度を変えて観察している。
「……変わった銃ですね。弾丸には何を使っているんですか?」
「これだ」
私は腰鞄から水銀弾を一発取り出し、ネオンに渡した。
弾丸を観察しながら、ネオンは短銃と弾丸を交互に見て観察を続けていた。
「これは……なんですか? 弾頭に何を使ってるんです?」
「水銀だ。それと、私の血が混ざっている」
「水銀と、血?」
「ああ。ヤーナムにいた獣には普通の弾丸は通用しない。触媒となる水銀に獣狩りの狩人の血を混ぜ、弾丸として精製してある。血の性質に依存するものの、威力を高めてある」
ネオンは私の説明を聞いてから、もう一度弾丸と銃の観察を始めた。
「……これ、火薬には何を?」
「わからん。何も考えずに使ってた」
「口径はこれだけで? 他には?」
「私の持っている銃は全てその水銀弾に対応している。大砲も、散弾銃も、長銃も、二連装銃も、その水銀弾一種類あれば使える」
「大砲も?? 大砲もこの水銀弾で使える?」
「ああ、水銀弾を12発使えば一発撃てる」
「どういう原理ですか??」
「俺にもわからん」
「わからないものを使ってるんですか?」
「獣を狩れるなら問題はない。威力は十分にあるしな。私の血や装備を工夫して使えば、一回の戦闘で4回くらいは使える」
ネオンの質問に答えるものの、答えれば答えるほどネオンの眼鏡の奥の目が好奇心で染まっていく。
どうやらこの娘、銃が好きみたいだな。これで好感を持ってもらえればいいが。
考える私に、ネオンが銃と水銀弾を渡してくる。返してくれるみたいだな、これで大丈夫か。
コートの下と腰鞄に銃と水銀弾をしまう私に、ネオンは踵を返してアニスの隣に歩いて行った。
振り返ってこっちを見たネオンは、何故か私に銃を向けてくる。
えっ?!
「アニス、大変です。あの銃、アークで見たことがありません。ヤーナムなんて地名も聞いたことありません。見たことのない弾丸と火薬の奥の塩水の匂いがしました。未知の存在です、おそらくラプチャー関係です!!」
「止めなよネオン……私、もう戦う気が失せてるし……」
こ、この娘っ! 話が通じない類いの奴だったか!?
「待って。ネオン、アニス」
そこに、ラピと呼ばれた少女が声を掛けてきた。
彼女の瞳が、私の両目に注がれていた。
血い乾をぶっ○したぜぇ!!(5/31)
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