暗黒錬金術師伝説6 暗黒!ソフィーのアトリエ 作:dwwyakata@2024
キルヘン=ベルに戻ると。回収した資材の仕分けが行われていた。
石材などはそのまま防護壁用に運ばれて行く。現在、キルヘン=ベルでは二箇所で新しく防護壁の新築が始まっており。石材は幾らあっても足りていない。
また、金属類はロジーさんの所に。
貴金属や美術品はコルちゃんの所に回す。
一旦其処で引き取ってから。
需要があったら再配布する形だ。
また、よく分からないものに関しては。あたしとプラフタで引き取る。これに関しては、不満を口にする者はいない。
錬金術の破壊力の凄まじさは、この街に住んでいれば誰だって知っている。
訳が分からない道具を触って。
大爆発でもされたらと。
誰もが思うのだ。
思うに、あたしのアトリエも。
絶妙な立地にある。
街中でも無い。
かといって街から離れすぎてもいない。
これは恐らく、おばあちゃんがホルストさんたちと話しあった上で。
遠すぎず近すぎず。
そんな場所を選んだのだろう。
壊れた部品や、拉げた機械を調べていく。
プラフタによると、これらはかなりの高度から落下したらしく。
殆ど直せるものは無いそうだ。
ただ。どんな機械だったかは説明がつくという。
これらは便所の残骸だと言われて、流石に絶句したが。
どうやら汚物をそのまま浄化する仕組みが動いていたらしく。
更に地上に落下してからは、浄化どころか根絶の力に晒された。
もはや汚物など欠片も残っていないし、汚くも無いから心配するな。そう言われる。
何だかずれているなあと思うが。
まあ昔からそうだし、今更驚かない。
これらは厨房の残骸だと言われたものを見る。
炉に近い仕組みを使っていたようで。
金属板の上に置くだけで、ものを熱する仕組みになっていた様子だ。熱量も、マナから自動で得ていて。薪などは必要なかったらしい。
「私も、遺跡などで見た事があります。 昔にも、相応の腕の錬金術師はいた、ということです。 問題は技術が継承されなかった、という事ですね」
「技術の継承か……」
ただそれは。
錬金術だけの問題では無い。
この世界を安定させないと。
もっともっとだ。
邪神やドラゴンに蹂躙される度に、技術が消失していく。
それでは駄目なのだ。
「プラフタ」
「はい」
「賢者の石を作るよ」
「準備も整いましたし、良いでしょう。 私も可能な限り手伝います」
さあ。
戦いの時間だ。
これより世界の理に喧嘩を売る。
そしてそれが終わった後、決まる。
あたしが破壊神になるか。
世界を良い方向で変えるか。
どうにも、あたしは破壊神になりそうな気がするが。それもまた仕方が無いような気もする。
だが、いずれにしても。
何かしらの正当な理由があるのなら、それを聞かなければなるまい。
匪賊ではあるまいし、この世界をまがりなりにも維持しているのだ。不愉快な話ではあるが。
匪賊のように、その場で問答無用の消毒をして相手というわけでもあるまい。
嫌いだが。
ならば、話をしっかり確認し。
その上で決める。
賢者の石の作成を開始する。
目標期限は一月。
恐らく、今までのどんな強敵との戦いよりも。
激しい戦いになる筈だ。
そして全てが終わったとき。
恐らくあたしは。
人と呼べる存在なのか、怪しくなっているだろう。
それもまた運命。
あたしは材料を揃えると。
伝説の錬金術調合を、開始していた。
(続)
ソフィーが賢者の石の作成。
そして世界を現在裏から支配する存在、深淵のものとの対話を前提とした行動に出ます。
それは、文字通りの人理の超越に動く事を意味していました。
特に深淵の者との直接対話には大きな意味があります。
現在進行形で世界を変えている存在と。
過去からやっと此処まで世界を整えた存在が、直接ぶつかり合う時だからです。