暗黒錬金術師伝説6 暗黒!ソフィーのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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4、鉄拳

アトリエに戻った後。

 

回収してきた素材をコンテナに入れる。ジュリオさんは荷物を運んでくれただけで充分と判断して、手伝いはモニカとオスカーにやってもらった。なお、ジュリオさんはコルちゃんに頼まれて、荷物を何処かに持っていったようだった。後で袋だけ返してくれればそれでいい。

 

コンテナに荷物を入れて行くのをみて。

 

プラフタがごく当たり前の事をいう。

 

「そろそろ荷車の強化を考えますか?」

 

「お、いいね。 プラフタ、やっぱり前言っていたような、勝手に動く荷車にするの?」

 

「それもいいでしょうが、容積が足りていません。 二回りほど大きくした方が、今後は取り回しが良くなるでしょう」

 

幸いにも素材であれば。

 

有り余っている。

 

モニカは呆れていた。

 

「勝手に動く荷車? 錬金術はもう何でもありなのね」

 

「そうか? 魔術見てると、それくらいは出来そうな気がするけれどなあ」

 

オスカーは魔術が使えない。

 

適正が無いのだ。

 

錬金術同様、魔術も適正がものをいう技術だ。適正がないととことんものにならない。もっとも、魔族はどんなに適正が無くても、人間の平均以上には魔術を使えるらしいのだけれども。元々魔術をこの世界に持ち込んだのは魔族らしいので、これは仕方が無いとも言えるか。

 

その一方でオスカーは植物に対する豊富な識見を持ち、更に太ってはいるが非常に身軽に動き回れる。

 

この身体能力は大きな武器になる。

 

八百屋での仕事を見ていても、腕力は非常に強い事が分かるくらいで。事実野菜が満載された箱を運ぶのを、なんら苦にしていない。スコップで獣の頭を軽々かち割るわけである。

 

モニカに比べてオスカーが弱いかと聞けば。

 

キルヘン=ベルの自警団は、皆が悩む。

 

そういうレベルだ。

 

ただ、使えないものに詳しくないのは、仕方が無い所ではある。

 

「魔術でも似たような事は出来るけれど、錬金術ほど万能じゃあないわ。 もし出来るんなら、とっくにソフィーがやっているわよ」

 

「そうなのか?」

 

「モニカが使う神聖魔術と違って、あたしの使う魔術の方がどちらかと言えばそういうのには適しているね。 でも全自動荷車なんて代物は、多分あたしの力量じゃとてもじゃないけれど無理で、ヴァルガードさんレベルでも、作れはしてもメンテナンスに凄く手間を喰うはずだよ」

 

「そっか。 魔術も色々制約が多いんだな」

 

オスカーが言うには。

 

利用すれば、八百屋での作業が楽にならないか、というのである。

 

まあ気持ちは分からないでも無い。

 

八百屋の名物女将(※オスカーのお母さん)はまだまだ若々しいが。

 

それでも、彼女は子持ちで、四十路近いのである。

 

どうしてもガタが来始める年齢で。

 

仕事をさぼっているように見えるオスカーでも、力仕事をさぼることは無いし。それに関して相談されたこともある。

 

いずれにしても納品は終了。

 

二人は戻っていった。

 

鉱石をプラフタと確認。

 

かなり品質が良いようで、プラフタは喜んでいた。

 

「これはかなり良い銀が取れますね。 コルネリアの所で複製して貰うと良いでしょう」

 

「やっぱり、ナーセリーが滅びたのは痛いね。 あたしの代には復興させたい」

 

「私の時代にも、理不尽に滅ぼされる集落はたくさんありました。 ですがソフィー、貴方なら、きっと成し遂げられるはずですよ」

 

そうか。

 

それは良かった。

 

他にも良さそうなのが幾つかあったので、用途ごとに分類。増やしておいた方が良さそうなものを、コルちゃんの所に持ち込む。

 

その後は、手間暇掛けてインゴット造りだ。

 

そして、新しいレシピを作る。

 

二つほど、試してみたいものがあるのだ。

 

 

 

また、ホルストさん達を集めてお披露目回を行う。

 

今回は二つ同時である。

 

ホルストさん達は、喜んでいた。

 

この間、友愛のペルソナの納品が終わったのだが。自警団員全員に行き渡る数が準備できたのと。

 

コルちゃんがキメラビースト亜種の攻撃でほぼ無傷に済んだ頑強さが、自警団での検証でも実証され。

 

コレは使えると、非常に皆が喜んでいたところだ。

 

あたしが更に二つの品を投入となれば。

 

喜ぶのも無理は無いだろう。

 

今まで、成功例ばかりではなかった。

 

というか、プラフタに言われながら四苦八苦して。

 

どの道具も、実用に至るまでには、随分苦労したのだ。

 

実は今回の道具は。

 

どちらも滅茶苦茶に苦労した。

 

理由としては。

 

あたしがどちらかと言えば繊細な細工やら編み物やらについては、あまり得意ではない事が上げられる。

 

レシピを書けても。

 

実際に作れるかは話が別なのである。

 

まずはミトン状の手袋。

 

モニカはナックルガード付きの剣を使っているが。

 

言う間でも無くナックルガードはかさばるし、鞘の部分で邪魔になる。剣を腰に付けている時に、色々と不具合も生じる。

 

剣そのものも、重心が低くなるため。

 

使いづらくなる。

 

モニカも最初は手甲、いわゆるガントレットをつけて剣を振るっていたのだが。

 

彼女のパワーだと、ヨロイを着て、更にガントレットもつけて剣を振ると、重量でどうしても持ち味の早さを生かせなくなる。

 

元々彼女が神聖魔術に凝ったのは、その辺りのジレンマをどうにかしようとしたためで。

 

結果として、今の重装甲の騎士も舌を巻く頑強さが作り出されたのだが。

 

頑強だと遅くなる、というのでは。

 

高位の魔術を使う腕利きの匪賊や、強力なネームドの猛獣が相手になると、どうしても分が悪い。

 

堅くて早ければ最強である。

 

当たり前の話だ。

 

そこで、あたしは。

 

友愛のペルソナと同じ仕組みで。

 

手袋を作った。

 

手袋に意思を持たせるためには、手袋に顔を描かなければならないわけで。

 

これが大変だった。

 

木彫りの仮面に顔を描くのとは訳が違うのである。

 

編み物なんて殆どやった事がないあたしが。

 

自然界で取れる糸の一つとして知られる、大型の蜘蛛の糸をより合わせたものを購入し。

 

編み物が得意なお婆さんに教わりながら。

 

図面通りあみあみするのに、本当にもう二度とやりたくないほど手間が掛かってしまった。

 

糸を染料で染めるのは簡単だったのだけれど。

 

そういうわけで、実物を作り上げるのは、本当に大変で。

 

更にニスを使うわけにも行かず。

 

染料をどうやって糸に固定するか四苦八苦したあげく。

 

プラフタのアドバイスを受けて、染料を糸そのものに馴染ませ。

 

糸の色を変える事で、どうにか解決した。

 

これらの苦労は、結局二週間ほどの間に解決はしたのだが。

 

その間ずっと集中していたため。

 

殆ど眠れなかった。

 

時々プラフタに言われて無理矢理風呂に入れさせられたり。

 

見に来たモニカが絶句して、慌てて食事を口に突っ込まれたりとかしたが。

 

プラフタとモニカが、研究が手間取っているときは定期的に見に来た方が良いと言う意見で一致し。

 

難しいレシピを考えるときは事前に連絡するようにと、モニカにがみがみ言われて、ちょっと閉口してしまった。

 

ともあれ、である。

 

完成品として、指先が出るこのミトン状の手袋が出来た。

 

マイスターミトンとでも名付けるか。

 

モニカはさっそくつけてみて。

 

剣を握る。

 

羽のような軽さに加えて。

 

生半可な手甲を遙かに凌ぐ頑強さを併せ持つ。

 

モニカは大いに満足したようで。

 

普段使っているナックルガード付きの、刃が細い剣では無くて。

 

分厚い重い剣を試して。

 

いつもと同じ速度で軽々振り回していた。

 

試験だから、強度も試す必要がある。

 

魔術を解除した後、獣人族の戦士であるタレントさんが来る。

 

彼女も剣を使う。

 

弓矢も使えるのだが、剣の方が性に合うそうだ。

 

なお、使うのは、ヒト族では扱いが難しいバスタードソードである。

 

腕力がヒト族より遙かに優れている獣人族は、女性でも重量武器を軽々と振り回せるものなのだ。

 

何度か軽くぶつけたあと。

 

気合いと共に、踏み込んでの一撃。

 

モニカは手甲で弾く様子で、訓練用とはいえ、バスタードソードの一撃を防いで見せる。

 

おおと声が上がった。

 

すぐにミトンを外して、状態を確認。

 

モニカの手は、綺麗なままだ。

 

打撲による内出血などもない。

 

モニカはまたミトンを付けると、剣を振るってみせる。剣捌きには、何ら問題が見受けられなかった。

 

「これはいいな。 良いガントレットになると凄まじい高値がつくし何より重いんだが、これを支給して貰えるなら言う事がない」

 

何人かのヒト族の戦士が言う。

 

重装備というのは、それだけ安全性を保障するが。相手が大型の獣の場合、プレートメイルなんて役にも立たないケースがある。

 

しかしながら、軽鎧だと、それこそ擦っただけで死ぬ、というような場合もある訳で。

 

装備の重量というものは、ジレンマを産む。

 

軽くて強い。

 

それが最強なのは、当然の話だ。

 

勿論このミトンは、あらゆる攻撃を防げる、というほどの性能は無いが。それでも、重くて剣捌きに影響が出てくるガントレットをつけるよりも。

 

軽くて頑強なこのミトンが、如何に優位かは、言う間でも無い。

 

ただ、不気味な顔が手袋に描かれているのは何とかならないかと言われたが。こればかりは心外である。

 

不気味では無いからだ。

 

ホルストさんが拍手してくれる。

 

「大変だったでしょう、コレを作るのは。 納品は出来ますか?」

 

「完成までは苦労しましたが、今はもうノウハウは確保できています」

 

「よろしい。 では、友愛のペルソナと同数、自警団員全員に行き渡る数を納品願います」

 

「……分かりました」

 

分かってはいた。そう言われることは。

 

あの編み物の苦労を考えると、ちょっとげんなりしたが。

 

幸い、この糸は、非常に伸縮性が優れている。

 

何人かいる魔族は流石にサイズを変えなければならないが。

 

それでも、それほど工夫は必要ないだろう。

 

続けて、もう一つ。

 

銀を主体にしたインゴットを加工して貰ったガントレットだ。

 

これは多少重いのだが。

 

それを覆せるほどの利点がある。

 

コルちゃんが、手甲を装備して、少し体を動かしてみる。

 

兎に角身軽なコルちゃんだが。

 

動きは阻害されていない。

 

ホルストさんに、様子を確認されて、答えるコルちゃん。

 

「軽いのです」

 

「でも手は自在に動かせないでしょう」

 

「そうですね、ものを持ったりは出来そうに無いのです」

 

その通り。

 

だが、コルちゃんは武器を振り回すタイプの戦士では無い。

 

これは戦闘時に。

 

グーに握っていれば、それでいいものなのだ。

 

仕込み手甲、とでもいうべきか。

 

コルちゃんがすばしっこく動き回る上に、身のこなしも優れている事は、既にキルヘン=ベルでも知られている。

 

だが、此処からだ。

 

丁度良い石材を準備して貰う。

 

それに向かって、コルちゃんは加速。

 

拳を叩き込む。

 

同時に、拳の上下から熱が放出され。

 

石材が粉砕される。

 

強烈な破砕音が。

 

周囲に響き渡った。

 

喚声が上がる。

 

「おお!」

 

「素晴らしい破壊力だ!」

 

誰よりも吃驚した様子のコルちゃんが、ぽかんとしたまま、へたり込んでいる中。

 

壊れた石材を、皆で大喜びでなで回している光景が、色々とほほえましい。

 

あたしとしても。

 

大満足である。

 

仕込み手甲と言っても、別に武器だの何だのを仕込んでいるわけでは無い。

 

通常時、マナを周囲から吸収。

 

攻撃時、マナを圧縮。

 

熱変換して、エネルギーに変化させ。

 

それをぶつけているのだ。

 

銀はこの手の魔術とは相性が良く。

 

錬金術で、銀インゴットを、魔術を吸収しやすいように変化させ。

 

後はロジーさんに渡して、手甲にしてもらった。

 

勿論普通の銀だと強度に問題があるしすぐ錆びるので、錬金術で変質させてあり。なおかつ錬金術で変質させた鉄でコーティングし、錆びないようにもしてある。

 

「コルちゃん、手に衝撃は?」

 

「だ、だだ、大丈夫なのです。 この恐ろしい破壊は、本当に私が、やったのです?」

 

完全に目を回しているコルちゃんである。

 

実に可愛い。

 

モニカが手甲を外すと、ちっちゃいコルちゃんの手を確認。骨が折れている事も無いし、勿論傷も無い。

 

というか、あの拳の一撃。

 

素人丸出しだったのに。

 

この火力である。

 

そして腕に負担も掛かっていない。

 

「衝撃は熱に変換して上下に逃がすからね。 敵に押さえ込まれているような状況で使ったら丸焼きになっちゃうから気を付けてね。 後、マナを吸収するのに時間が掛かるから、基本一回の戦闘に一度しかつかえないよ。 今後は改良を考えているけれど。 火力を出す時には、此処が青くなっている時じゃないと駄目だよ。 マナが足りていないからね」

 

「……」

 

コルちゃんは青ざめて手甲を見ていたが。

 

しかし、これがあれば、自衛力が身につくと、ある程度割り切ったのだろう。頬を叩くと、自分用のを受け取って戻っていった。

 

ロジーさんも見に来ていたが。

 

やはりあの草食。

 

女より仕事が好きなのだ。

 

成し遂げた男の顔をして、手甲の破壊跡を見ていた。

 

まあロジーさんが加工してくれなければ、この手甲は作れなかったので。半分はロジーさんの功績であるのは確かだが。

 

「コレも素晴らしい。 経験の浅い戦士が、格上の相手に痛打を浴びせられる」

 

「だが、それほどの数はいらないな。 そもそも手甲で戦う戦士があまり多く無い」

 

ヴァルガードさんが見たのはテスさんだ。

 

彼女も少し眠そうにはしていたが。

 

此処に来ていた。

 

まあキルヘン=ベル恒例のお披露目会になっているので、手が空いている場合は出るのも仕方が無いか。

 

「CQC専門のテス用に作ってくれるか。 そのほかにも二セット。 これは後々、格闘戦をする戦士が出てきた時のために、ストックしておくためだ」

 

「分かりました」

 

「ホルスト、もう少し実験したいがいいか?」

 

「構いませんよ」

 

その場では、解散。

 

大体ヴァルガードさんの意図は分かったので、あたしは一度アトリエに戻り。予備に作っておいた手甲をコンテナから出すと。しばらく時間をおいて、夕方少し前に実験場に戻ってくる。

 

ヴァルガードさんは、モニカと一緒に待っていた。

 

「モニカ」

 

「はい」

 

モニカが、神聖魔術で防壁を展開する。

 

仕込み手甲はサイズをある程度調整可能なので、あたしにも使える。試作品はコルちゃんにプレゼントするつもりで最初から作っていたのだが。自分でも実験できないようなものを、他人にいきなり使わせるわけにはいかない。

 

当然散々岩だの何だのをぶん殴って、破壊力を確認してからお披露目会に出したのである。

 

防壁は敢えて斜めにしている。

 

意図は理解出来た。

 

だが、対策済みだ。

 

突貫。

 

仕込み手甲で、斜めにしている壁を殴る。

 

熱量が上下に放出されるが。

 

それは綺麗に流れて消える。

 

熱量を、相応に工夫して逃しているため。

 

自分に返ってこないようにしているのだ。

 

「なるほど、斜めに攻撃を防ぐのは基本だが、対策済みか」

 

「はい。 これでもあたしも実戦経験者なので」

 

「凄い火力ね……」

 

モニカが壁を解除。

 

魔術で作った鉄壁には。

 

ひびが入っていた。

 

コルちゃんの腕力だと無理だっただろうけれど。

 

あたしが使えばこの通りだ。

 

ちなみに熱量は、手甲が判断して、分散して放出するようにしている。こうすることで、敵の動きを見ながら、手甲が危険ではないよう熱量の放出角度を調整してくれるのである。

 

「確か機械にパイルバンカーというものがあるそうだが、それに近い発想だな」

 

「そんなものがあるんですか」

 

「大きな都市だと、機械技術者が多いからな。 昔から過酷なこの世界だ。 どうにか乗り切ろうと、皆工夫している、という事だ」

 

ヴァルガードさんはいう。

 

これはいい装備だが。

 

まだ機械で実現できる範囲だと。

 

そして機械では。

 

この荒野の世界を、救う事が出来ない。少なくとも、今まで出来る目処は立っていない。

 

魔術でも同じ。魔族の中にも、この荒野の世界を救おうとしている者は多いらしい。だが、どうにもならないのが現状なのだ。

 

だからこそ、頑張って欲しいと。

 

神の御技を再現できる錬金術師であるあたしに。

 

「頼むぞ、ソフィー」

 

「はい」

 

アトリエに戻る。

 

プラフタも試験は見ていたが。いち早く戻って、お婆ちゃんのレシピを読んでいたのだ。彼女はあたしに気付くと。

 

さっそく、思いついたレシピを書くように頼んでくる。

 

記憶を戻したい。

 

その欲求も、かなり強くなってきている、という事なのだろう。

 

レシピを書き込む。

 

しばしして、プラフタは言う。

 

「……どうやら私は、最貧民として、比翼の友とも言えるものと、幼い頃はずっと彷徨っていたようです。 たまたま手に入れた錬金術の本が無ければ、きっとのたれ死んでいたでしょう」

 

「今でも改善していないね、この世界」

 

「ええ。 しかし情勢は当時より明らかに落ち着いています。 二大国による統治は、当時では考えられませんでした。 あの頃は、匪賊そのものといえるような、周囲からの略奪で生計を立てている国家も存在していましたから」

 

それは酷い。

 

とはいっても、ドラゴンや邪神が襲撃してきた場合、そんな国家を助けようという国などないだろう。

 

それにしても、だ。

 

ここ数百年、二大国が安定して統治をしていると聞いている。

 

それでもどうにもならないほど世界情勢が酷いのだが。

 

しかし、どうも妙だ。

 

プラフタは恐らく500年ほど前から来た、という事だが。

 

それ以降、どうしてこうも政治情勢ばかり安定している。

 

ドラゴンや邪神に対する対応も早くなっている様子だと、プラフタは言っていたが。

 

混沌だけが続いていたら、そうなっていただろうか。

 

作為的な何かを感じる。

 

いずれにしても、今は出来る事をやるだけだ。

 

キルヘン=ベル発展の噂は流れているらしく、またこの間十五人ほど住人が増えた。このまま行けば、今年中にはお婆ちゃんがいた頃の最盛期に匹敵するほど人が増える、という事である。

 

その後は、ナーセリーの復興を本格的に視野に入れ。

 

その時には、あたしも錬金術の腕前を、もっと上げていないと話にならないだろう。

 

「さあ、もっと勉強を進めていきましょう。 時間が流れるのは、想像以上に早いですよ」

 

今回の新しいレシピも、プラフタから40点しか貰えなかった。

 

まだまだ先は遠い。

 

あたしは頷くと。

 

座学をするべく。プラフタの前に座った。

 

 

 

(続)




加速度的に力をつけていくソフィー。

元々過酷な環境にいることもあって、作る道具は殺意が高かったり、或いは実践的であるものが多いです。

プラフタは真面目にソフィーに教鞭をつけます。

プラフタも分かっているのです。このままの世界ではいけないことは……
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