暗黒錬金術師伝説6 暗黒!ソフィーのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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4、あたしに出来る事

匪賊の潜んでいる洞窟に爆弾を放り込み、皆殺しにし。

 

中に残っていた、被害者の遺骨を埋葬する。

 

匪賊の方は砕いて適当にまとめて埋める。

 

土地の栄養は足りているはずなのだ。

 

それなのに、錬金術師が活性化しないと、ロクに作物も生えない。だから何の足しにもならないけれど。

 

それでもやっておくだけマシだろう。

 

スカベンジャーに人間の味を覚えさせるのもまずいからだ。

 

匪賊の中にも強いのはいるらしいが。

 

今の時点で、この近辺にそういうのはいない。

 

というか、昔は匪賊の中には〇〇王とか名乗るような凶悪な組織力を持った者達がいたそうなのだが。

 

現在は、ほぼ見かけなくなったようだ。

 

基本的に小粒だし。

 

大型化するといつの間にか潰されてしまう。

 

だからあたしでも対処できていると言える。

 

フリッツさんレベルの実力者が匪賊に雇われていた場合。

 

被害は正直洒落にならないだろう。

 

東の街に戻ると。

 

タレントさん達、支援物資の輸送隊が来ていた。

 

後は、任せても大丈夫だろう。

 

フリッツさんがコルちゃんと残るというので、後はお願いする。計算はコルちゃんが。交渉はフリッツさんが主体に、タレントさん達が立ち会って行うらしい。物資を引き渡した後、最貧民25人を引き受けて、そして戻るのだが。まあそれに関しては、来た面子の戦力を考えると充分だ。あたしが残る事も無いだろう。

 

ジュリオさんは、しばらく匪賊の警戒を兼ねて、残ると言う事なので。

 

モニカとオスカーと。それにハロルさんとレオンさんとで。戻る事にする。

 

帰路は急ぐこともない。

 

ただ、帰ってから。

 

本格的に、ホルストさんに、東の街の緑化計画について、具申しようとは思っていた。

 

「オスカー、緑化作業は後どれくらい掛かりそう?」

 

「え? そうだな。 おいらの見立てだと、二月くらいで、手を入れなくても勝手に育ってくれるようになる筈だと思うぜ」

 

「二月か……」

 

あの痩せた畑。

 

今回、匪賊を消毒するついでに、獣を少し狩って持ち帰ったが。

 

それでも焼け石に水だろう。

 

東の街が疲弊している事実に変わりは無い。

 

またネームドが押しかけてくるかも知れないし。

 

キルヘン=ベルの物資だって無限じゃない。

 

今回の緑化計画が進展すれば、相当に潜在力は上がるけれども。

 

東の街を放棄して、住民が全員移り住むとか言い出す可能性も出てくる。それでは本末転倒だ。

 

此方としてはナーセリーを復興したいとも考えている状況。

 

つまり人間の版図をこれ以上減らしたくない。

 

というか、例えばあたしがいなくなっても。

 

持ちこたえられるくらいの状態にまで、持っていきたいのだ。

 

おばあちゃんがそうしたように。

 

「その後、東の街の緑化をしたいと思っていてね」

 

「そっか。 ソフィーも優しいところがあるんだな」

 

「……」

 

んなわけあるか。

 

そう言いたいところだが。

 

敢えて黙っておく。

 

そも、東の街は人類にとっての拠点の一つ。無くなると困る。そういう戦略的な判断からだ。

 

だけれども、あの状態では、長く持ちこたえるのは無理。

 

やはり緑化を急がなければならないだろう。

 

周囲にいるネームドもまだ決して少なくない。

 

遠征して、今度はこっちからどんどん処理していきたい。

 

だがそれには移動速度が問題だ。

 

どうにかして上げる方法は無いか。

 

荷車を一瞥する。

 

この子は追従してくるから良い。

 

だが、皆の足を速くする方法でもないだろうか。

 

あるかも知れない。

 

考えながら、帰路を行き。

 

特に危険もなくキルヘン=ベルに到着。

 

途中で狩った獣の肉や毛皮を納品するついでに。カフェで話をする。そうすると、ホルストさんは頷いた。

 

「良い考えですね。 ミゲル氏と調整は私の方でやりましょう。 ただ、ソフィー。 貴方も分かっているとおり、まずはキルヘン=ベルの安定が最優先です」

 

「はい。 それは勿論」

 

「まだ東の街には苦しい思いをして貰う事になりますね。 しかし、貴方のおかげで、キルヘン=ベルは既に最盛期の活気を取り戻しています。 少しずつ、可能な事を進めていきましょう」

 

頷くと、アトリエに戻る。

 

プラフタには、最初にこの本達がとても有用だったことを説明。

 

そして、聞いてみた。

 

「早く移動出来る手段は無いかな」

 

「……幾つかあります。 そして今の貴方なら、実現できるかも知れません」

 

「うふふ」

 

そうか、出来るかもしれないか。

 

ならばやってみるのも良いだろう。

 

さっそくあたしはプラフタに話を聞く。

 

出来る事は。

 

確実に増え。

 

広がりつつある。

 

 

 

(続)




有益なものも危険なものも作りながら、更に成長を続けるソフィー。

プラフタも危険視はしていますが、それ以上にこの世界の状況がよろしくないのです。

その力は、既に実の所。

大半の錬金術師を、とうに凌いでいます。
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