暗黒錬金術師伝説6 暗黒!ソフィーのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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ものの声が聞こえる。

そういったギフテッドを持つソフィーは、魔術師として若くして高い技量を持ち。辺境の街の守りを担っていました。

同じように植物の声が聞こえるギフテッドであるオスカー。剣士としてすぐれた力量を持つモニカと、三人で連んでいましたが。

モニカとは衝突する事も多く。

オスカーは二人の衝突を苦労してとめていることも多いのでした。


1、その本は

どうしても気は進まないが。

 

それでもやらなければならない。

 

実のところ、あたしはおばあちゃんの遺産もあるから、その気になれば死ぬまで寝て暮らすことだって出来る。

 

家族を養う、のおまけ付きでだ。

 

ただしその場合、キルヘン=ベルには錬金術師がいない状態が長く続くことになる。

 

それは基幹産業が存在しない事を意味し。

 

やがて人も経済も離れる。

 

そうなれば、安泰は終わる。

 

結局の所。

 

キルヘン=ベルの事以上に。

 

自分の事を考えて。

 

錬金術を勉強しなければならないのだ。

 

おばあちゃんが残してくれた基礎的な参考書を何冊も読んでいくが、どうしてもあまり頭に入ってこない。

 

雑念が多いと言うよりも。

 

どうしても拒否反応が出てしまうのだ。

 

この薬はこう作れ。

 

言われているとおりにやれば出来る。

 

だがそれ以上の質にはならない。

 

おばあちゃんは幾つものアレンジレシピを残していたが。非常に複雑な専門用語を連ねていて。

 

とてもではないが、今のあたしに理解出来るものではなかった。

 

「錬金術師か……」

 

今でこそ、世界にいる錬金術師は、明確に分かたれている。

 

それも、数百年くらい前は、それこそ有象無象の錬金術師が、それぞれ武装勢力に荷担して、好き勝手をしていたからで。

 

しかも質もバラバラ。

 

そのような状況では、山師が錬金術師を名乗ったり。

 

禁忌に簡単に手を染めたり。

 

色々と問題が多かった。

 

よく経緯は分からないのだけれど、その結果、錬金術師の質を絞る試験が何処かで始まったとかで。

 

少なくとも、各地にアトリエを構える錬金術師は。

 

相応の実力者が揃うようになった。

 

噂によると、邪神を撃退出来る錬金術師もいるとかで。

 

本当におばあちゃんのような驚天の実力を持つ者も、複数実在している、というわけだ。

 

だけれども、今のあたしは。

 

ソフィー=ノイエンミュラーは。

 

せいぜい出来てお薬を作る事くらい。

 

それもあまり多くの種類は作れない。

 

爆弾はまだ試したことが無い。

 

どうしても、やってみようという気になれないのだ。

 

だが、時間は容赦なく過ぎていく。

 

せめて、知識だけでも増やしておこう。

 

そう思って、おばあちゃんが集めた在庫の本を読んでいく。毎日が、そうして暮れていく中。

 

ある日。

 

あたしは、一冊の古い古い本を手に取った。

 

触ってみると、ほんのりと温かい。

 

錬金術によって、貴重な本を保存したり。或いは命を与えて、自動で動くようにする事があると言う話は聞いたことがある。

 

そういった本が野生化して、遺跡に来たヒトを襲うこともあるそうだけれども。

 

少なくとも、今の時点であたしの家にそういう本は無い筈だ。

 

しかし、何だろう。

 

この本からは、強い力を感じる。

 

力というか。

 

何というか、強烈な「声」が聞こえる気がするのだ。

 

あたしは結局の所、周囲から何か聞こえているだけなのだけれども。それが何なのかはよく分かっていない。

 

いずれにしても、この本からは手を離せない。

 

目を細める。

 

アトリエに他の人が来る事もあるから、いつでも笑顔を作れるようにはしているけれども。

 

笑顔は作るのがそれなりに大変だし。

 

はあと一つ溜息。

 

そして本をめくろうとしたとき。

 

本が浮き上がった。

 

何が起きた。

 

やはりこれが、野生化した本なのか。強烈な「声」を感じたのは、それが故だったのだろうか。

 

あたしは思わず手を離し。

 

そして、威圧的な声を聞いた。

 

本なのにどうして喋っているのだろう。

 

それは良く分からないけれど。

 

兎に角その本は喋った。

 

だから、思わず声が漏れる。

 

「うわ!? 何?」

 

本は浮き上がると。

 

声がかなりはっきりしてきた。それは、間違いなく、あたしにも理解出来る言葉だった。

 

「……此処は何処ですか」

 

「本が喋ったあ!?」

 

「本……」

 

そう。

 

その本は困惑しているようだったが。

 

やがて名乗る。

 

プラフタと。そして、あたしも、自分の名前を名乗った。

 

 

 

驚くべき事に。

 

その本は、本では無いと言う。

 

錬金術師、それも体を失った成れの果て、だというのだ。

 

いずれにしても、プラフタなんて名前は聞いたことも無い。しかも相手は記憶を失っているらしい。名前以外は何一つ覚えていないというではないか。

 

本の姿をした錬金術師。

 

にわかには信じがたい話だが。

 

この本は喋るし。

 

何より宙に浮く。

 

ただし、錬金術以外の事は殆ど覚えていないという。

 

難しいレシピも。

 

ただ、おばあちゃんのレシピを読むだけでは、限界だと感じていたこともある。結局の所、他の人が書いた本だって同じだろう。

 

要するに、最初から本を読んで勉強するという手段には、無理が来ていた。

 

それはあたしも分かっていたのだ。

 

だから、別にそれをマイナスだとは、思わなかった。

 

「貴方は錬金術師なのですね、ソフィー」

 

「うん。 まだひよっこの駆け出しだけれどもね」

 

「そうやって自分の実力を客観的に評価できることは良いことです。 あまり詳しくは覚えていませんが、私は多寡が知れた実力を鼻に掛け、周囲に対して暴悪を振るう錬金術師を多く見てきたような気がします。 どうしてなのでしょう。 殆ど記憶はないのに、こればかりは鮮明に分かるのです」

 

「余程強烈な衝撃を受けたのかもね」

 

プラフタは丁寧すぎるほどの口調だけれども。

 

それでいながら、凄く厳しい事が何となく分かった。

 

ソフィーに対して、何というか。

 

見極めるようにしているというのか。

 

観察しているというのか。

 

それも容赦のない目で、だ。

 

この人は。

 

本当に本に宿った疑似生命体が、錬金術師を自称している、とかでなければ。恐らくは相当に自分にも他人にも厳しいヒトだったのだろう。

 

そうソフィーは思う。

 

「錬金術を実施してみてくれますか。 少しはアドバイスが出来るかもしれません」

 

「えっ。 人前で?」

 

「恥ずかしい事では無いと思いますが」

 

「ううん……」

 

気が進まない。

 

ただでさえ錬金術には苦手意識がある。それは自覚さえしている。ましてや、この本が、本当に遙か昔の錬金術師で。

 

しかも元人間だったとすると。

 

それは、相当な高レベル錬金術師だった、ということだろう。

 

本になるなんて、それこそ何があったのか。

 

どうしたら出来るのか。

 

高レベルの錬金術師になると、それこそ驚天の奇蹟を起こすと言うけれども。恐らくそういう次元の存在の筈で。

 

見られると、どんなだめ押しをされるか。

 

本は容赦なく言う。

 

「実際に生成物や錬金術の過程を見ない限り判断する事は出来ません。 見ると氷室も備えている様子。 簡単な薬一つでも、錬金術師の力量は判断できるものです。 早々に始めてください」

 

「ええっ。 強引だなあ」

 

「貴方を見極めたいのです」

 

何だろう。

 

切実な何かを感じる。

 

だが、あたしとしても困るというのが本音で。

 

困っているところに。

 

ドアがノックされた。

 

何かの救いか。

 

そう思ったが。

 

ドアを開けてみると、いるのはモニカだった。

 

「ソフィー。 今良いかしら」

 

モニカは浮いている本を見ると。

 

反射的に剣に手を掛ける。

 

そういえば、彼女は周辺の治安確保のために、遠出も経験している筈だ。錬金術師が命を与え。野生化したあげく、人を襲うようになった本を見たことがあるのかも知れない。

 

「待って、モニカ。 この人?はプラフタ。 一応、危害を加えるつもりはないようだよ」

 

「プラフタ?」

 

「はじめまして。 貴方はモニカというのですか? 聞いての通り、私はプラフタ。 体を失った錬金術師です。 経緯は分かりませんが、今は本になっているようです」

 

「……そう」

 

モニカはしばし剣に手を掛け、戦闘態勢を取っていたが。

 

確かにあたしに本が危害を加える様子が無いことをみると。

 

剣から手を離した。

 

「はじめまして、という事は。 この街に来たのは初めてなのかしら、プラフタさん」

 

「いえ、恐らくずっとこの街に、正確にはこのアトリエにいたのだと思います。 何かしらの切っ掛けで目覚めたのでしょう」

 

「そう。 ならばソフィー、後でプラフタに街を案内してあげた方が良さそうね」

 

「そうだね」

 

ちょっと、と手招きすると。

 

モニカはプラフタを連れて外に出る。

 

何だろう。

 

よく分からないけれど。

 

あたしはその場に残された。

 

修羅場になるとは思えないけれど。どちらかといえば几帳面そうなプラフタと。委員長タイプの生真面目なモニカだ。

 

そんなに、衝突する事は無い。

 

そう思えた。

 

 

 

アトリエから出ると。

 

モニカは眼鏡を直す。

 

ソフィーには表情の変化を見せなかったが、実は結構驚いていた。動揺を表に出さないように結構苦労したのだ。

 

本の魔物と呼ばれる、錬金術師が命を与え、野生化して人を襲うようになった本との交戦経験は何度かある。いずれも魔術を使いこなして襲ってくる上、普通の本と見分けがつかない厄介な相手だった。本棚に潜んでいて、いきなり奇襲を受けた経験もある。こういった、擬態を使いこなす猛獣や魔物は本当に厄介なのだ。

 

だから心配したのだが。

 

ソフィーが普通に話しているという事は、大丈夫なのだろう。

 

だが、幾つか注意事項がある。

 

この街に来た人間には。

 

話しておかなければならない事があるのだ。

 

「どうしたのですか。 貴方はソフィーの親友のようですが」

 

「ごめんなさい、プラフタさん。 この街に来た人、特にソフィーと接触するヒトには、話しておかなければならない事があるから」

 

「プラフタでかまいません。 何か問題があるのですか」

 

「ありがとう。 それでだけれども、あの子の前で両親の話は絶対にしないで。 多分殺されるわよ」

 

ソフィーはあまり自覚していないが。

 

魔術の使い手としては非常に高い次元にある。

 

錬金術師としてはへっぽこかも知れないが。

 

元々の魔力が凄まじい次元で高く。

 

あの年にして、上級魔族ヴァルガードさんのお墨付きである。生半可な魔族では、ソフィーの足下にも及ばないという。

 

単に実戦経験が不足しているが。

 

それは彼女の精神が極めて不安定な事を皆が知っているため。

 

余程上手く使いこなせるようにならないと。

 

危なくて仕方が無いのである。

 

「殺されるとは、物騒ですね」

 

「あの子の家族はおばあさましかいないの。 この街の繁栄を作った偉大な錬金術師だったヒトよ。 その子供、つまりあの子の父親は筋金入りのろくでなしで、あの子を殺す寸前まで虐待したあげく、匪賊と連んで多くの人を殺したわ。 最後には処刑されたのだけれど、その事であの子は大きな傷を心に受けているの。 一度、旅人があの子をそれでからかったとき、本気で殺しかけて、止めるのに大変だったわ」

 

モニカは見せる。

 

本気になったソフィーから貰った魔術の一撃で出来た傷。

 

右腕が無くなるところだった。

 

モニカが全力で防御魔術を展開して、それでもである。

 

半殺しにされた旅人は、恐怖で心が壊れてしまい。

 

しばらくソフィーも、危なくて外には出せなかった。

 

「分かりました。 悲しい話ですね」

 

「ソフィーは今でこそおっちょこちょいで半人前の錬金術師というところに「落ち着いた」のよ。 あの子の錬金術師としての素質がどうなのかは私には正直よく分からないのだけれど、とにかく不用意な発言だけには気を付けて。 あの子が本気でキレたら、多分この街が半壊するくらいじゃすまないだろうから」

 

「……心しておきます」

 

プラフタは本として浮きながらだが。

 

真摯に話を聞いてくれた。

 

ほっとする。

 

ソフィーがブチ切れるときは、スイッチが入るようにして、いきなり切り替わるのだ。あっと思った時にはもう遅い。誰にも止められなくなる。

 

前に暴走したのは三年前だったが。

 

その時はまだ止められた。

 

今度はどうなるか知れたものではない。ソフィーの魔力はあの時とは比べものにならないほどに上がっている。モニカだって研鑽しているが、それを凌いでいる可能性が高いからだ。

 

この街の人間が、ソフィーをからかったり。犯罪者の娘呼ばわりしないのは。ソフィーのおばあさまが有能な錬金術師で、皆の恩人だから、というだけではない。

 

ソフィーがバケモノレベルの魔術師で。

 

本気で怒らせたら、街が消し飛ぶからだ。

 

かといって、此処を離れても他が良いとはとても言えない。

 

誰でも知っている。

 

世界は荒野が拡がり。

 

無法者と多くの猛獣が住み着き。

 

中にはドラゴンや邪神さえもが、人里の近くで猛威を振るっている。

 

そういう世界である以上。

 

安易に街を離れるわけにはいかないのだ。

 

アトリエに戻る。

 

ベットに腰掛けて、足をぶらぶらさせていたソフィーに、アドバイスする。錬金術師としての現状の力を見せたら、プラフタにこの街を案内してあげたらどうか、と。

 

ソフィーもそれには乗り気のようで。

 

プラフタも興味を示したようだった。

 

一礼して、一旦アトリエを出る。

 

あのプラフタというヒト。

 

錬金術師だと名乗っていたが。

 

まあ事実そうなのだろう。

 

本になる、何てこと。

 

余程の錬金術師でもなければ不可能だ。

 

錬金術が驚天の御技で、文字通り神々の使う技術だと言う事くらいは、モニカだって知っている。

 

だとすれば。

 

何かの切っ掛けで、本になる事くらいは起きてもおかしくない。

 

嘆息すると。

 

報告のために自警団の事務所に足を運ぶことにする。

 

自警団は十名ほどだが。

 

いずれも実戦経験者で。

 

ヴァルガードさんを一として、優れた使い手ばかりだ。

 

その内の半数ほどは、ソフィーのおばあさまの仲間として、彼方此方で戦いを繰り広げた歴戦の勇士。

 

モニカも彼らに剣を習い。

 

そして学問さえも習った。

 

傭兵として各地を渡り歩いていたが。

 

此処に落ち着いた者もいる。

 

そういう人の中には、複数の言葉を使いこなせる例もあって。

 

案外頭が良かったりもするのだ。

 

主要なメンバーは集まっていたが。

 

全員では無い。

 

だが皆の頭となっているヴァルガードさんがいるので。

 

モニカは先に起きたことを話しておく。

 

頭に鋭い一対の角を持ち。

 

常にソフィーのおばあさまが作ったという強力で巨大な槍を手にしているヴァルガードさんは。青黒い肌を持つ上級魔族だ。歴戦の勇者らしく、左の翼に大きな傷跡があり、其処が変色している。

 

昔ソフィーのおばあさまと一緒に、下級の邪神を倒した時。

 

相手につけられた傷らしい。

 

凄まじい戦いだったと。何度か聞かされた。

 

そして、いずれモニカも、そういった相手と戦わなければならないかも知れないとも。

 

話をすると。

 

腕組みしたヴァルガードさんはうなり。

 

しばしして言った。

 

「あいつは、錬金術に関する本を集める趣味があったからな。 何歳になっても貪欲に錬金術に没頭し、他人のレシピには常に興味を持っていた。 どんな本でも集めまくっていたから、その中にあったのだろう」

 

「そうなると、流れ流れて偶然にソフィーの所に辿り着いたと」

 

「恐らくはな。 ソフィーが図抜けた魔力の持ち主だから、触ったところで反応したのかも知れん」

 

「いずれにしても、しばらくは監視が必要ですね」

 

見解は一致する。

 

プラフタは特に邪悪な存在には見えなかったが、モニカだってまだ青二才と呼ばれる年だ。

 

人間は自分の邪悪を兎に角巧妙に偽装する。

 

外面だけ良い人間は、まったく信用に値しないが。

 

その外面だけ良い人間は、相手の心に滑り込んでくる。

 

真の邪悪と呼べるその手の輩を。

 

見抜くのは、とても難しいのだ。

 

「この間の巡回で、この辺りの猛獣は一掃した。 しばらくは特に問題もないだろうし、モニカ。 お前がソフィーの護衛についてくれるか」

 

「構わないのですか」

 

「ソフィーが錬金術師として大成するのはこの街にとっても良い事だし、何より差し迫った危険という点でもソフィーから目を離すわけにはいかない。 あの子はこの街の繁栄を約束する存在であると同時に、爆弾でもある」

 

頷く。

 

幼なじみだからこそ分かる。

 

ソフィーが此処まで精神を立て直すのに、どれだけ苦労したか。

 

そして今も導火線付きの爆弾も同然で。

 

爆発したらどれだけの惨禍が起きるか。

 

あのプラフタという本が、それにどんな変化を起こすか。注意深く見守らなければならない。

 

場合によっては。

 

斬る必要が。

 

生じるかも知れない。

 

だが、それは最終手段だ。

 

このご時世である。

 

モニカだって人を斬った。何人も。

 

匪賊に対して情けを掛ける余裕は無い。

 

相手は此方を殺し犯すつもりで襲いかかってくる。捕らえられでもしたら、あらゆる陵辱を受けたあげくに殺される。

 

それが嫌なら、強くなるしか無い。

 

この世の理がそうである以上。

 

モニカも剣から手を離すわけにはいかないし。

 

ソフィーという究極の劇物を、この街は活用して行かなければならないのだ。

 

任されたモニカは、若干気が重いながらも。

 

少なくともオスカーには話しておくことにする。

 

オスカーはもう少し痩せてくれれば。

 

それと、変なことを時々言わなければ。

 

ごく普通にもてると思うのだが。

 

ともあれ、大事な親友には間違いない。

 

自分の肩を何度か叩くと。

 

モニカは眼鏡を外し。目を拭って。

 

そして歩き始める。

 

今頃。ソフィーはあの本と、何を話しているのだろう。

 

いずれにしても、親友でさえ利用しないと生きていけないのがこの世界。

 

誰がこんな世界にしてしまったのかは分からないが。

 

それでも、生きていかなければならないのが、つらいところだった。

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