暗黒錬金術師伝説6 暗黒!ソフィーのアトリエ 作:dwwyakata@2024
アトミナとメクレットは、魔界から戦闘の様子を観戦していた。
キルヘン=ベルの動きからして、ドラゴン退治に向かう事は分かっていた。
そして、ソフィーとその護衛者達は成し遂げた。
ドラゴン狩りは、基本的に錬金術師と、錬金術の装備で身を固めた手練れが連携して、ようやく成し遂げられる。
邪神が相手になると更に厳しい。
だが彼らはやったのだ。
ソフィーの実力は、既に生半可な公認錬金術師を凌ぐとみて良い。
流石にまだまだ上がいるが。
あの砲撃などを見る限り。
単純な戦闘力に関しては、既に上位10名に食い込んでいるだろう。
とはいっても、それはあくまで、「普通の錬金術師」の話だが。
「上位次元からの干渉無しで、ドラゴンを相手に死者を出さぬとは、やりますね」
レンデルセスが呟く。
ティオグレン王の娘である彼女は、ケンタウルス族の中でも最も期待されている若手である。
最も期待されているヒト族には、激賞を送りたいのだろう。
獣人族の中でも特に力が強いケンタウルス族は、強さに誇りを持つ。
そして他者の強さも激賞する。
ソフィーの強さを認めた、という事だ。
ライバルと考えたのかも知れない。
アトミナは無言だが。
メクレットは咳払いした。
「そろそろ良いだろう。 ソフィーにノーライフキングを喰わせる。 その後に、接触するぞ」
「おお。 ついに計画を動かすのですね」
「頃合いでしょうしね。 あの様子だと、プラフタももう大体は思い出している筈。 近いうちに接触するわよ」
イフリータが沸き立っている。
ヒュペリオンが静かに頭を垂れている。
アルファは少し目を細めて、思惑がある様子だが。
いずれにしても、此方の寝首を掻くようなことは考えていないだろう。
計画が動く。
いよいよこの世界の是非を問う時が来たのだ。
現在さえないこの世界。
未来を吸い取ってでも現在を作るべきか。
否か。
プラフタは、ソフィーを見てどう結論するのか。
それを知りたい。
いずれにしても、はっきりしている事がある。
確認されるドラゴン。キルヘン=ベルからはかなり離れているが。荒野に突然出現した。
偶然観測されたものだが、今殺された個体の「代わり」に間違いない。
ふんと鼻を鳴らす。
この世界には未来がない。
今も、その結論には。
変わりが無い。
500年掛けて、世界に抗い続けた。
だが、それでも何も変わらない。
一人で戦い続けたのではない。
世界を変えようと考える多くの同志と共に歩み続けた。それでも世界は変わっていないのだ。
「アトミナ」
「うん?」
「もしも、プラフタがまだ僕達の話をはねつけるようだったら、どうする?」
「しっかり話し合う。 そういう約束でしょう」
その通りだ。
そして、それでもまだ駄目ならば。
終末の時は。
近づきつつある。
(続)
ドラゴンを仕留め、更に先に進めるようになったソフィー。
加速度的に強くなる彼女は、更に世界の真理に近付いていきます。
特にこの世界では、ドラゴンの素材は文字通り深淵への到達には必須のものです。
そもそもまず倒せないので、ほぼ知られてはいないのですが。