暗黒錬金術師伝説6 暗黒!ソフィーのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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2、神々の甘露

黄金樹の葉。

 

これはそう呼ばれる素材だと、プラフタは図鑑を出してきた。どうやらアトリエにある本は全て把握し。

 

そしてその内容についても。

 

何処にあるのかも。

 

もう完全に知り尽くしているようだった。

 

プラフタが出してきたのはかなり古い図鑑だ。

 

ページをめくると、確かにある。

 

更に言えば。

 

何となく、古い図鑑に載っている理由が分かった。

 

この素材。

 

本来この地域にあるものではない、ということだ。

 

図鑑を確認した所、此処からかなり東の地方。ラスティンの、ごく一部にある森林地帯などで見つかるか。

 

やはり強力な一部ネームド。それも植物系が持っている事があるか。

 

邪神が持っている事があると言う。

 

なるほど。

 

そうなると、今回は邪神が持っていたパターンか。

 

しかし、倒したら葉っぱになったようにも見えた。

 

それはどういうことなのか。

 

プラフタは咳払いする。

 

「実はこの素材については、自然のものとは考えられていません」

 

「グラビ石のような、超常の存在だと言う事?」

 

「恐らくは。 エレメンタルと呼ばれる下位の邪神を殺したときに、世界がその死を転換し、産み出したように私には見えました。 実際他の邪神を殺したときにも、似たような現象が起き、貴重な錬金術の素材を入手できた記憶があります」

 

「どういうことなんだろう」

 

作為的なものを感じる。

 

例えば、猛獣のネームドの毛皮などが、強力な武装にそのまま出来ると言うのなら、理にかなっている。

 

話も分かる。

 

だが、邪神の落としていった素材が。

 

強力な錬金術の素材になるというのは、少し腑に落ちない所がある。

 

いずれにしても、非常に強力な霊薬の素材になるという事なので。

 

コルちゃんの所に持ち込む。

 

朝一番。

 

コルちゃんは、忙しく売り物を並べていたが。

 

仕事をしているのは、コルちゃんでは無くて、数人のホムだった。

 

定住してきたホムが、雇われているのだ。どうやらホムは商人をしていない場合は、安全な街や発展している街を目指して移動する傾向があるらしく、ここしばらく魔族同様住人としてホムを見かける事が多くなっていた。恐らくコルちゃんも、家族捜しと並行して、同じ習性に従って動いていたのだろう。

 

前にコルちゃんがガンマ22さんを雇ったが。

 

あの後も増えるホムにコルちゃんが声を掛け。

 

此処で働かないかと促しているという。

 

コルネリア商会を、本格的に大きくするつもりになった、という事だ。

 

本人は素早く計算をしながら、在庫をチェックしていたが。

 

あたしが目の前に立つと。

 

びくりとして、此方を見上げた。

 

「コルちゃん、複製をお願いしたいんだけれど」

 

「はい、商品を見たいです」

 

「これ」

 

「……っ」

 

コルちゃんがそのまま卒倒しそうになるので、ひょいと襟首を掴んで転ぶのを止める。

 

まあ分かる。

 

竜の素材を見ても、真っ青になっていたのだ。

 

こんなものを見たら、この反応も不思議では無い。

 

「こ、こここ、これは……」

 

「本来この地方で取れる素材ではないそうだよ。 非常に強力な霊薬の素材になるらしいから、増やしてくれるかな」

 

「わ、わかりましたの、です。 ……一月ください」

 

「一月かあ……」

 

まあ今までも、強力な素材は複製に時間が掛かっていた。それだけ強力な品なのだと思えば、納得も出来る。

 

黄金の葉を渡した後は。

 

そのままカフェに。

 

準備は整った。

 

いよいよ水源に行きたい。

 

その話をするためだ。

 

カフェに入ると、少し柄が悪いのがいて。テスさんに絡んでいた。テスさんより頭一つ大きい男で、いかにも粗野で野蛮な雰囲気を全身から醸し出している。明らかに意図的な雰囲気作りだ。悪党に見せれば、相手は抵抗しない。そういう経験を持っているのだろう。今夜どうだとか、かなり強引な絡み方をしていた。途中まで苦笑いしていたテスさんだが。ホルストさんが頷くと。

 

後は容赦しなかった。

 

テスさんはCQCの達人である。

 

瞬時にアホを制圧すると。

 

カフェから放り出した。

 

白目を剥いているアホを、自警団員が引きずっていく。

 

まあ牢屋に入れて、様子見だろう。

 

ひょっとすると匪賊の手下かも知れないので。

 

何人かいる魔術師が、頭の中身を覗いて、それで問題が無ければ多少の罰を与えておしまいだ。

 

また繰り返すようなら、キルヘン=ベルから追放である。

 

あたしがカウンターに着くと。

 

ホルストさんは何事もなかったかのように応じてくる。

 

「どうしましたか、ソフィー」

 

「素材が揃いましたので、いよいよ水源に出たいと思います」

 

「そうですか。 水源では、貴重な素材の入手が期待出来るのでしたね」

 

「あくまで期待出来る、ですが」

 

頷くと。

 

ホルストさんは、すぐに顔役を招集してくれる。

 

そして、前にも許可は出ていたこと。

 

邪神は片付いたこともあって。

 

すぐに結論は出た。

 

「それではソフィー、架橋工事に関して、現地での護衛をお願いします。 それと戻ってきてからで良いので、この間消耗した爆弾などの補充をお願いします」

 

「分かりました」

 

これについても。

 

現地で素材の質を見てからの方が良いだろう。

 

優れた素材を手に入れたら。

 

より強力な爆弾の素材に変える事が出来るかも知れない。

 

会議が終わると、カフェで架橋工事の知識を持つ男衆を選抜してくれる。あたしは、いつものメンバーに声を掛けると。

 

荷車を引いて、水源に向かう。

 

さて、此処からだ。

 

今度こそ、架橋を成功させ。

 

水源に入りたい。

 

三度目なのである。

 

それに、あの邪神を退けた後だ。

 

良い事があってもいい筈だ。

 

まあ、あたしは神には何も期待していないので。

 

常に最悪の事態には備えているが。

 

準備が整うまで一日。

 

東の街に到着するまで一日。

 

其処から北上し。

 

川沿いに進む。

 

数日進むと、この間架橋を断念した場所に出た。

 

旅人の道しるべを設置。

 

職人達を喚び出す。

 

異世界アトリエを経由して工事現場に来た職人達は、手をかざして見ていたが。やがて、長大なロープを取り出した。

 

川の向こうに渡してくれ、というのである。

 

複数のロープを引っ張り、川の向こう側に杭を打って結びつけた後、緩まないようにしっかり引っ張って固定する。

 

これは、基礎の向きを確定させるためだ。

 

測定器具を使って基礎の向きを決めた後。

 

あらかじめ用意してある石材を使って。

 

坂状になっている橋の基礎を作り始める職人達。

 

最初に地面に基礎を打ち。

 

それに固定して、石材を組み合わせていく。

 

その間にあたしは、必要な道具類を、プラフタと協力して向こう岸に輸送して行くのだが。

 

これがとても重くて難儀した。

 

空輸をもっと楽に出来るようにするには、拡張肉体を増やすか。

 

それとも、空輸用の道具を作るか。

 

そうだ。

 

魔術師の中でも、昔の古い一派は、箒に乗って空を飛ぶというのをやっていたとか聞いている。

 

ある程度力がついてくると魔術師は空を舞う事ができるようにはなるが。

 

しかしながら、当然速度や持ち運べる重量は力量に左右される。

 

今、あたしは拡張肉体七つ(八つ目は今作成中)で、信じられないほどの強化倍率を掛けているが。

 

それでも荷物の輸送にはこれだけ苦労している。

 

多分、他の錬金術師も。

 

それは同じなのではあるまいか。

 

空輸に特化した道具を造るのは。

 

今後無駄にはならないだろう。

 

考えつつも、石材の輸送は完了。

 

その後は、職人を運ぶ。

 

護衛については、あたし達で行うが。流石に気を張る。

 

何が出てくるか、まったく分からないから、である。

 

その間、旅人の道しるべからは、どんどん橋の素材を運んでこさせる。

 

例のグラビ石を混ぜてさび止めし、強化加工をしたインゴットである。

 

糸で組み合わせる所までは、他の職人にやって貰う。

 

何しろ事実上重さが存在しないので。

 

運ぶ時に他の人間を怪我させたりしないように気を付けて貰う(角も丸くしてあるが)事を考慮すれば。

 

後は其処まで心配はしなくても良い。

 

大量の金属板が積み上がっていくのが遠くに見える。

 

これは、数日がかりの工事になるなと思いながら。

 

基礎が組み上がるのを横目に。

 

周囲を警戒。

 

時々、此方を舌なめずりして見ている猛獣がいる。

 

キメラビーストでは無い。

 

多分熊か何かの仲間だろう。

 

荒野にいる熊よりも遙かに大きいが、ただ剣呑な殺気は感じない。森では猛獣は大人しくなるというのは、こういう場所でも適応される法則のようだ。

 

ただし今作業している場所は荒野だ。

 

こっちに出てきたら、躊躇無く襲いかかってくるだろうし、油断は禁物である。

 

基礎を造っている職人達も、視線には気付いているが。

 

あたし達が、あの邪神を倒した事は知っている様子だ。

 

対岸の方も、フリッツさん達が守ってくれている。

 

まあ心配はしなくて良いだろう。

 

プラフタは川の方を見張って、陸魚の強襲に備えているが。

 

どうやら陸魚が嫌がる臭いか何かを撒く薬草か何かを持ってきているらしく、今の時点で襲撃は無い。

 

オスカーに聞いて集めたのだろうか。

 

プラフタも、時々外にふらっと出ていくが。

 

そういうときに、自分なりの準備をしている、という事だ。

 

基礎工事が終わる。

 

ロープを確認。

 

基礎の向きがばっちりである事を確認した後。

 

職人達は、握手を求めて来た。

 

「護衛が完璧で助かった。 仕事に集中できたよ」

 

「いえ、此方こそ。 この技術が確立すれば、山中に孤立した村や、崩壊したインフラを素早く立て直せます」

 

「そうだな。 期待しているよ」

 

職人達を空輸。

 

さて、此処からだ。

 

つなぎ合わせた金属板の端を、基礎にくさびで固定する。実質重さが存在しないので、それで空中に浮いた不思議な橋が出来てしまう。その端に、固定が終わった金属板を順番に持っていって、縄で結んで固定する。

 

百歩超の距離があるが。

 

それも確実に埋まっていく。

 

本来なら、アーチ状の構造にしたり。

 

吊ったりと。

 

橋の重さそのものを支えるために、色々な工夫をしなければならないのだが。

 

この橋では、その必要さえもないのだ。

 

ただ、川の中では、エサが落ちてこないだろうかと、陸魚が虎視眈々と狙っているのが分かる。

 

プラフタは川のすれすれを飛び回りながら。

 

時々拡張肉体の巨大なこぶしを叩き込み、陸魚を追い払っていた。

 

作業を急ぐ。

 

適当な所まで作業が進んだら。

 

あたしは持ち込んだ金属接着剤を使って、結び目を固定していく。柔らかい金属をその場で変質させるのは色々大変だが。

 

それでも、実際にこの規模の橋を、通常の工法で此処に造ろうとしたら。

 

百倍の工期が必要になり、多くの死者を出していただろう。

 

ロープからずれていないことを確認しながら、金属板をつなげていく。

 

もう少し。

 

ぼやきながら作業をし。

 

職人達を護衛しながら、金属板を運ぶ。

 

結びつける作業は、日中だけに行う。

 

夜になると猛獣が活動を活発化させるし。

 

何よりも、陸魚が凶暴化する。

 

夕方を過ぎたタイミングで、一度工事現場から離れ。職人達はキルヘン=ベルに旅人の道しるべで帰らせる。

 

あたし達はそのままキャンプ。

 

橋の状態がおかしくなっていないかを確認しつつ。

 

細かい作業については、ちまちまとあたし達だけでやった。

 

フリッツさんが来る。

 

職人達を帰してから、コルちゃんを連れて偵察に行っていたらしい。その結果、幾つか分かったそうだ。

 

「明らかにこの辺りの猛獣が凶暴化している。 以前より質が上がっているな」

 

「ふむ、どういうことでしょうか」

 

「わからんな。 私も傭兵を続けて三十年以上だが、それでも邪神との戦いはこの間が初めてだし、君の護衛をするようになってから今まで見たことも無い聞いた事も無いような敵と戦う事も増えてきた。 まさかドラゴンを倒せるとも思わなかったさ」

 

「……」

 

プラフタを見るが。

 

彼女は腕組みする。

 

「邪神を倒した影響はあるかも知れません。 あまり気にはしていませんでしたが、噂にはありました。 私が邪神を倒した場所で、猛獣が強くなるケースがあると」

 

「そうなると、邪神は死んだ後も牙を剥く、と言うわけか。 しかもその内復活するとなると、本当に迷惑極まりないな」

 

「恐らくですが、人間に敵意はあるとしても、この世界の自然を司っている存在なのである事に間違いは無いのでしょう。 復活しなくなったら、それはそれで困るのではないでしょうか」

 

「面倒すぎる」

 

ぼやいたのはレオンさんだ。

 

レオンさんは、不意にあたしの採寸を始める。

 

まあ別に良いけれど。

 

「何ですか?」

 

「せっかくだから、戦闘でも使える強力な新しい服が欲しくない? ソフィーちゃん」

 

「はあ、まあ」

 

あたしが使っている錬金術師の正装は、おばあちゃんが譲ってくれたものだ。

 

戦闘にも採取にも、邪魔になったことがない実用的なデザインで。

 

当然思い入れもある。

 

何回か成長に合わせて採寸を続けて。

 

何着かある服も、直しながら使っているのである。

 

今更新しいデザインというのも、何というか気が進まないが。

 

レオンさんの防具作りの腕前は確かだ。

 

任せてしまうのも、有りかも知れない。

 

ましてや、あの邪神の上位次元からの攻撃を間近で見た後だ。

 

どんな強力な防具でも欲しい。

 

それは素直な言葉である。

 

「それで、どうしてあたしに。 前線組の方が良さそうな気もしますけれど」

 

「ちょっと試してみたいことがあって」

 

「あたしを実験台にするつもりですか?」

 

「うん」

 

はっきり言う人だ。

 

呆れたが、まあ良いだろう。

 

あたしは錬金術師だが、前線で戦う事も多いから、手傷を受けることもその分多い。だからこそ、何かしらの実験的要素を含む強力な装備であったら、是非使って見たいというのはある。

 

レオンさんの事だ。

 

多分無茶はしないだろう。

 

かなり夜も更けてきたので。

 

キャンプの守りを三交代で決めて。

 

そのまま各自仮眠を取る。

 

予定される工期は三日。

 

その間、橋は。

 

何があっても守りきらなければならない。

 

 

 

二日目は何事もなく過ぎたが。

 

三日目で問題が発生した。

 

最後のインゴットが、サイズが合わないのだ。

 

しかもこのインゴット、非常に強力な素材である。

 

滅多な事では壊れない。

 

多分フリッツさんやジュリオさんが本気で切ろうとしても、剣にダメージが行くことだろう。

 

また石材には、くさびを打つ位置が決まっている。

 

困ったことに、この位置がほんの少しだけ、微妙にずれてしまっているのだ。

 

原因は聞かれなくても分かる。

 

途中での、インゴットの結び目だ。

 

これだけの数のインゴットを使うのである。

 

結び目によって生じる誤差を、どうしても計算しきれなかったのは仕方が無い。

 

「さてどうするね」

 

「……」

 

橋そのものは渡れる。

 

ただし、片側しか固定していない現状。

 

強い力が横から加わると、多分あまり良い事が起きない。

 

勿論強固に固定はしているが。

 

それでも、あまり考えたくは無い。

 

かといって、結び目は残りわずかである。上手く調整しても、この微妙な誤差を修正は出来ないだろう。

 

接着剤を使うのが少し早かったか。

 

腕組みしているあたし。

 

プラフタは何も言わない。

 

解決は、あたしだけにさせるつもりだろう。

 

まああたしとしても。

 

今回はプラフタに助けを求めないで、自力で解決したい。

 

「仕方が無い。 最後のインゴットを調整します」

 

「今から作って来るのかね」

 

「はい」

 

このインゴットは、腐るほど造ったのだ。

 

最後の一つをちょいちょいと調整するくらいは、それほど難しくない。

 

最後にくっつける筈だったインゴットを取り外すと。

 

旅人の道しるべを使って、キルヘン=ベルに戻る。

 

このインゴットはまた別の機会に使えば良いだろう。

 

コンテナに入れると。

 

予備の素材を出してきて。

 

採寸しながら、インゴットを調整する。

 

まあ三刻もあれば作る事が出来るはずだ。

 

しばらく無心にハンマーを振るう。

 

今回は何がまずかったのか。

 

少し考えて、ああと思い当たる。

 

恐らく、最後の分のインゴットは、最初からこうやって、調整する事を前提に造っておけば良かったのだ。

 

街に橋を架けたときは。

 

橋が短かったから、誤差などは殆ど無視出来たが。

 

今回は橋の規模が違う。

 

そして測量用の道具などは、この規模に対応出来るものが現在は存在しない。機械技術士に頼んでも、無理だろう。

 

修正したインゴットを作り上げ。

 

現地に持っていく。

 

まずい事に、既に日が落ち始めていた。

 

ラストスパートだ。

 

あと一日延びてしまうと。

 

それだけ事故が起きる確率が格段に上がる。

 

インゴットをセット。

 

丁度良い感触だ。

 

くさびを打ち込んで貰うのと並行して、結び目を造る。

 

そして残った結び目全てに、金属接着剤を流し込み、中和剤を使って変質させる。

 

これで、形だけでも、橋は完成した。

 

おおと、職人達が声を上げる。

 

橋の上をスキップして渡っても、小揺るぎさえしない。

 

後は、橋の両脇に手すりをつけ。

 

更に橋の下などをチェックする作業が残っているが。

 

それはあたし達でやる。

 

一度キルヘン=ベルに戻る。モニカにホルストさんへの報告は頼んで。あたしは職人達と握手した。

 

「有難うございました。 あの橋は、後進の錬金術師にとっても、希望の橋になるでしょう。 各地の孤立した街や村も、インフラを迅速に回復できる希望になる筈です」

 

「此方こそすげえもの見せてもらって、触らせて貰って感激だ。 ありがとうな」

 

これから酒でもどうかと聞かれたが、あたしはまだ飲める年では無い。

 

どういうわけか、厳格に酒を飲める年については決められていて。

 

破ると結構な仕置きが待っている。

 

それを告げると、また一つ驚かれた。

 

「酒を飲める年でもないのに、あんな凄い錬金術を使ってるのか」

 

「師匠が良いんですよ」

 

「そっか。 そうだよなあ」

 

職人達はプラフタとも握手して。

 

その後はわいわいと帰って行った。

 

さて、後は此方での仕事だ。

 

翌日からは、手すりをつけ。

 

インゴットの間の隙間を埋め。

 

床に砂利を撒いて、金属接着剤で固定。

 

これで完成だ。

 

傍目から見ると、どうして安定しているかさっぱり理解出来ない橋。しかしながら10000年の時に耐え。そして風が吹こうが波がぶつかろうがびくともしない。

 

メンテナンスを欠かさず、基礎さえ崩れなければ。

 

どれだけの年月にも耐え抜く。

 

そんな橋の完成である。

 

これで、水源に赴ける。

 

いよいよここからが本番だ。

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