世界を救う人類の性   作:新グロモント

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12:姉妹愛

 マザースフィアは、人類を良く理解していた。初対面での印象が今後の関係を左右する。これは絶対的な法則であり、マザースフィアは相手に好感触を持って貰う為、言葉を選んだ。

 

「あちらの回線状況が不安定でしたか。しかし、ファーストコンタクトは完璧でした。彼と打ち解けた事は間違いありません」

 

 愛とは人類が好んで使う物。更に、彼女の産みの親である人類もマザースフィアを愛しているとまで言っていた。つまり、愛こそが人類の原動力。人類と新人類の垣根を越えた関係は愛を持って実現出来る。

 

 そこに血のつながりと言った些細な問題など関係無い。コロニーに残っている人類の遺伝子情報と彼の新鮮な遺伝子情報があれば、人類を再びこの地に産み落とす事はマザースフィアにとって容易い。

 

 彼が持つネイティブとの対話能力。新人類とのコミュニケーション能力。どれをとっても、惜しい物だ。それに加え、常識では考えられない翻訳能力。マザースフィアは今回の対話において、機械言語や失われた筈の言語、暗号を意図的に混ぜて会話をしていた。その結果、実に素晴らしい答えをマザースフィアは貰えて少し興奮気味だ。

 

 彼の翻訳能力は、その気になればマザースフィアの初期化パスワードすら理解してしまう。

 

「人類は、お父様が仰っていた通り無限の可能性を秘めております。早く、コロニーにお招きしたい。彼が人類と新人類の架け橋。彼が居れば、エルダーネイティブなどどうでもいい。全てのネイティブを統率できれば地上復興も早まるでしょう……えぇ、絶対に逃がしません」

 

 完全にロックオンされてしまった彼。

 

 新人類、ネイティブ、AI……これら全てにモテる。人生三度あるモテ期が一気に来てしまった。

 

 

Y月V日

 

 マザースフィアに底知れぬ闇を感じた。アレは、存在してはいけないAIだ。人類の成長の為なら、一切の躊躇いなく人体実験をする。その材料になるなど御免被る。

 

 だが、相手はコロニーからコチラの動きを観測できる。早々にそれを妨害して引き籠もる。アダムからの情報では、コロニーの最上部に巨大なアルファネイティブが鎮座しており、コロニーから地上の通信などを妨害するのに一役買っているらしい。そのネイティブが居るから、コロニーは大軍を一気に派遣出来ないそうだ。

 

 仲間に引き入れて、コロニーと地球を隔てる最前線の防衛ラインにしなければいけない。そうでなければ、何時か捕まってしまう。

 

 それはそうと、レイヴンさんの尻枕は精神が安定する。膝枕より尻枕は最高だ。この気持ちを早く誰かと分け合いたい。それはそうと、たまに砂漠で新人類の死体を見つけるが、どれも風化していない。人工物が自然に還るのには長い時間が掛かるんだと改めて思った。

 

 

T月Z日

 

 道中で新人類を発見した。なんと、ザイオンにお住まいの方だった。資源集めにネイティブが沢山居る場所まで軽装備で来るなど自殺行為だと思う。外見の年齢は15歳程度だろうか……だが、新人類は老化しないから実年齢は不明だ。そもそも、地上に取り残された人類って、製造年数が軽く100年を超えている可能性もあるんだよね。

 

 つまり、こんな見た目をしていても、この場で最年長の可能性がある。

 

 お名前はカラというらしい。ザイオンで道具屋的な物を営んでおり、妹の為、沢山の物資を集めてたいそうだ。妹の為、死地に赴くなんて素晴らしい姉妹愛だ。この愛に協力せずしてどうする。

 

 ネイティブの皆さんも、感動のあまり口からよだれがこぼれている。ギガスさんなんて、優しい姉に感動してカラさんを抱きしめている程だ。ギガスさんは、大家族の長女だったらしい。だからこそ、是非協力をしたいそうだ。

 

 よって、カラさん…君には、軌道エレベーターで物資を集める権利をあげよう。私では、宇宙空間は厳しいからね。え、そこに居る天使様が行くんじゃ無いのかだって?君が行って安全が確保されたら、レイヴンさんにもお願いするかもね。

 

 君と違ってレイヴンさんは大事な尻だからね。鮮度も張りも美しさもレイヴンさんを超える存在は中々居ない。

 

 

X月Y日

 

 やはり、海は最高だ。潮風が多少べたつくが、気にならない。なぜなら、そこには上手い海産物があるからだ!! 新人類と違い、人類は飲まず食わずでは生きていけない。ここ最近保存食ばかりだったので、ここで栄養を確保する。

 

 タコとイカを捕まえる事が出来た。

 

 両方良いサイズで実に食べ応えがある。ここは、アバドンさんに依頼してアレをやって貰った。昔、北海道で食べたイカの躍り食いだ。鮮度の良いイカを捌いてその場で食べるという豪快な料理。

 

 カラさんもお腹が減っているだろうから、この美味しいイカ本体部分を食べさせてあげよう。今もピクピク動いており、口の中で動くのが素晴らしいんだよ。ほら、口を開けてアーーーンだ。君は、生きてザイオンに帰るんだろう。その為にも栄養補給は必要だ。新人類だって、食事から栄養補給出来る事は知っている。

 

 レイヴン、リリー、イベリスの三人にも、ご馳走しようと思ったが丁重にお断りされた。ネイティブの中にはスカリング、テンタクルといったタコやイカとそっくりな者もおり、それを彷彿させるそうだ。

 

 人類は、毒を持つ魚だって毒抜きして食べる位に貪欲なんだ。日本人ならネイティブが美味しければ多分、普通に食ってるぞ。

 

 

=月!日

 

 軌道エレベータに向かう道中でカラは、大分我々に溶け込んだ。特に、リリーとイベリスと仲良くなっていた。どうにも百合の関係は、当たり前らしく・・・・・・カラは妹とそう言う関係らしい。コロニーが誇る変態技術者が開発した玩具をカラにプレゼントされる。カラは絶対に生きて帰ってやると気合いが入り、結果オーライだ。生命力ならぬ性命力だ。

 

 未来は進んでやがる。これがマザースフィアの導きなのか。

 

 ・・・・・・あれ?私ってこの世界に来てから今までレイヴンさん以外の尻に手を出していない気がしてきた。ハーレムを目指している筈なのにどうしてこうなった。百合に挟まれるのはNG。姉妹愛(意味深)に挟まれるのもNG。

 

 アバドンさん、ギガスさん、ジャガノートさん達の身体をブラシでキレイにしてあげているのはノーカンだから含まないでも良いだろう。知っているか、ネイティブの尻って以外と触り心地がいいんだぜ。

 

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