世界を救う人類の性   作:新グロモント

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17:地獄

 この世の地獄として名高いエイドス7。そこは、ネイティブ達の楽園となっていた。そこで暮らすネイティブ達は総じて知能が高いだけで無く、人間らしい振る舞いもしている。驚く事に通貨が流通している。その背景には、ダンナという人物が関係していた。

 

 道路や建物がドンドン補修されていき、人が住むのに十分な環境が整い始めた。これも全て変態技術者コンビのリリーとイベリスのお陰だ。ドローンにドローン製造工場を作らせて、製造されてたドローン達が各地に派遣されていく素晴らしい作業効率を叩き出す。

 

 その原材料となる鉄などをネイティブ達が集めてくる。その量に応じた金銭と温かい食事が提供されるようになっていた。衣服もドスケベ衣装が配られており、文化的な生活が営まれている。

 

 更に、外貨取得の努力も忘れていない。ネイティブ達との触れあいコーナー(意味深)も設営されている。世間一般で言う風俗街みたいな所だ。本日、地獄のような場所に外からのお客様が訪れた。

 

 彼女の名前は、イブ。

 

 アダムとかいう腹黒い男に助けられた人を疑う事を知らない優しいイブは、彼の指示に従いザイオンという地上に取り残された新人類が住む場所を目指していた。その道中でエイドス7の地獄を通過する必要がある。

 

「ねぇ、アダム。最初は、貴方の事を疑っていたけどごめんなさい。私が間違っていたわ」

 

『仕方ないさ。誰だって、見るまでこんな場所が存在するなんて信じないからな。一応、言っておくが、ここは非戦闘区域だ。ネイティブ達は自衛行動しか取らないから、絶対に手を出すなよ。手を出すと、厄介な奴が出てくる』

 

 第七空挺部隊の生き残りのイブ。アダムから、この地にネイティブと人類が共存している地があると聞かされていた。イブの知識では、そんなことはあるはずがないと思った。だが、それは完全に打ち砕かれる。

 

 そう、なぜなら、イブの目の前に同じ空挺部隊の生き残りだと思われる女性が一人居るからだ。

 

「厄介な奴とは、私の事か?アダム。ダンナ様からここの住人に手を出すなら武力制圧して構わないと言われている。安心しろ、お前が思っている疑問に少しは答えてやる。ついてこい」

 

『見つかるのが早かった。すまない、イブ。彼女は、レイヴン。君と同じ空挺部隊員さ。大事な事だから言っておくけど、彼女はイブと違って戦闘特化タイプだ。カスタマイズしているレベルも段違いだから、戦闘は避けてくれよ』

 

「えぇ、雰囲気からでも分かるわ、タキより強い。よろしくねレイヴン。私は、イブ」

 

 イブは、握手の手を出し出す。だが、レイヴンはその手を取ることはない。己と違って雰囲気が優しい。戦士タイプではないと感じ取る。男性が求める女性像とはこう言う物かと観察するだけに留まる。

 

 イブは、レイヴンについてネイティブ達が住む街中を進む。想像以上に発展している。それだけではなく、服を着ており、労働らしい事もしていた。これが本当に空挺部隊の仲間を死地に追いやったネイティブ達なのか彼女の心は整理がつかなかった。

 

『た、助けてくれーーー!! 無理だ、これ以上は許してくれ。俺が悪かった』

 

 ピンク色の看板があるお店から全裸の新人類男性が飛び出してきた。その顔は、恐怖で引きつっている。地上に残された人類を助けるために送り込まれてきたイブにとって見捨てられる状況ではなかった。

 

 男性を追いかける凶悪なネイティブを相手にブレードを構えようとした。だが、髪飾りのブレードを取り出す事はイブには出来ない。既に、レイヴンのブレードがイブの前髪を何本か切り落としていた。

 

 他にも、いつの間にか背後を取っていたアバドンさんがイブのクビをはね飛ばす準備を終えている。

 

『ありゃ、ザイオンの回収屋じゃないか。盗掘で捕まった口だな、ご愁傷様。安心しろ、イブ。エイドス7での人類の死亡率は、極めて低い。色々と、絞りつくされて飽きられたら解放される。その間、飯もでるし、簡単には死なないから安心しな』

 

 男日照りのネイティブ達にとって、ザイオンから来る屈強な回収屋達は獲物だった。レイヴンがダンナを食い散らかす動画が蔓延したお陰で、ネイティブ全体の性的欲求が爆発的に増えた。

 

「・・・・・・わかったわ。安全に見えたところだったけど、酷い街ね。レイヴン、貴方何者なの?私の背後を取っているネイティブとも知り合いみたいな雰囲気だわ。コロニーはこの事を知っているの?」

 

「私から詳しく教えるつもりは無い。ただ、ダンナ様がお前に一度会っておきたいというから連れて行くだけだ。その後は、直ぐにこの場を立ち去れ。お前のような女がいると、私の平和が乱れる」

 

 そして、イブは見てしまった。

 

 パンツ姿でエリートネイティブやアルファネイティブの背中を洗っている男性を。しかも、男性はそのまま笑顔でようこそエルダーネイティブが収める平和な街へと言い放つ。何度も、エルダーネイティブを強調する男性。

 

 イブは、この変態的な街を作り上げたエルダーネイティブに不信感を募らせた。

 

 

H月%日

 

 アダムとイブ。この名前に私はピンときた。こいつ等が絶対にこの世界の主役だと。だから私がどんなに邪魔をしても結果が変わらないと思っている。

 

 つまり、この変態的な街やネイティブ達のドスケベ衣装も全てエルダーネイティブが原因にしてやろうと思った。

 

 レイヴンさんがここに居るのもエルダーネイティブが原因。

 ネイティブ達が人間を性的に襲っているのもエルダーネイティブが原因。

 イベリスとリリーがド変態百合なのもエルダーネイティブが原因。

 カラさんがネイティブとズブズブの関係になってザイオンを追い出されたのもエルダーネイティブが原因。

 

 そして、私ことダンナがこの地で暮らしているのもエルダーネイティブが原因。

 

 途中でアダムが口を挟もうとしたが、此方には変態技術者がいる。遠隔操作のドローンに割り込むなど簡単だ。疑似音声でアダムになりすましてその通りだと肯定しておいた。

 

 イブさんには、タキさんの存在は聞かれなかったので黙っている。今、その横の部屋でお休み中だ。レイヴンさんに深手を負わされたのでまだ目覚める事はない。

 

 レイヴンさんと比べたら、イブさんは優しそうな雰囲気だなと思っていたら、夜に男ってこういうのが好きなんだろうとイブさんの雰囲気をまねてくれたよ。くっそ、これだから新人類は卑しい!! ありがとう。

 

 

Y月)日

 

 イブさんにも一泊して貰ったが、何やら顔が赤い。コッソリと周りに聞いてみたら、イベリスとリリー、私とレイヴン、この二組の部屋から聞こえる声が原因で困っていたそうだ。

 

 本来、防音完璧な構造だが、誰かが穴でも開けたんだろうか・・・・・・おぃ、お前等コッチを見ろ。特に百合二人組!! お前等、仲間を増やそうとするな。

 

 そんな事件もあったが、気を取り直してイブさんを送り出した。後から、アダムがお前等のせいでエルダーネイティブの株が暴落中だと文句をいわれた。だが、元々暴落している株なんだから、この際変わらない。

 

 そもそも、マッチポンプで信頼を得ようとしている魂胆が気にくわない。大体、崇高な目的なんだから話せば納得して協力してくれるかもしれないでしょう。私がレイヴンさんを説得したように。

 

 案外、話し合えばその場で合体もありえるぞ。

 

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