クトゥルフ神話リプレイ「知を孕む母よ」 作:東北のカーゴイル
二人は後ろから聞こえた声の持ち主を振り返った 。
そこには檻の中に入っているタヌキを発見した。「0005」と書かれたプレートが提げられた檻に狸が一匹入っており、じっと探索者を見つめている。
近くで見るとわかるのだが、腹が不自然に膨らんでいるようだ。
二人がそのタヌキのことをじまじまと見てると、急にタヌキがいった。
「おぉ?、ようやく僕のことに気がついたみたいだな。何回か声をかけたが、全く反応がなくても驚いたぜ。」
SAN値チェック0/1D2
西村SAN値83/19(成功SAN値変化なし)
少年はもの凄く驚いた。当たり前だ、動物とコミュニュケーションを取れるなんて聞いたことがない。とあるテレビ番組では動物の考えていることがわかったり、あるいは長いあいだ一緒に過ごしたペットならある程度、意思疎通ができるかもしれないが、そのまま普通に会話ができるなんてありえないだろう。
しかし、驚きはしたが明らかにこのおかしい実験室ならばありえるのかもしれないと考えひとまずは納得した。
そうこう彼がひたすら情報整理をしていると、、、
「うん?あぁそうだ、お前はススキ野の!お前もつかまってたんだな?」
「えっ、あなたは山奥の!?確かに随分前から見かけないと思っていたけど、こんなとこにいたんだ」
とタヌキがススキに気づいて声をかけ、ススキもタヌ霊に応じた。
(あれ、なんか二人が普通に会話してるんだけど知り合いなのk...いやあれタヌキじゃん。なんで普通に旧知の中で話してるんだ。)
そう彼が大きく混乱しているとタヌキと彼女がこちらのことに気づいた。彼女はタヌキの事を一瞬見て、それが頷くのを見て、彼に話した。
「....ごめんなさい。隠していた事があったの、もしかしたら今の発言でもしかしたら感づいたのかもしれないけど、...わ、私化けタヌキなの。ススキ野で暮らしていたら、急に襲われて気がついたらこの施設にいたの。」
彼女は少し感傷的にそして、なにかを恐れていそうに話していた。
「あのタヌキは自分の住む山のふもとに、大きなススキ野があってね。その辺りを縄張りにしているヤツだよ。人間に化けられる、いわゆる化けタヌキってやつだとは聞いていたけど、化けたとこは初めて見た。凄いなあ、自分はそういうのできないから」
タヌキはそう補足した。地域民謡などでそういう風な話はたまにあるが、まさか実在するとは思わなかった。案外民謡などは実在した事を多少脚色しているが、実在にあった事を話しているのかもしれないと彼は考えた。
...正直彼はかなり驚愕した。しかしそれと彼女の事と難も関係がない 。彼女が人間でないことには変わらないだろうが、彼女と一緒に探索するのは楽しい、情が湧いている。
「...正直凄く驚いたよ。言ってくれても良かったんだけどな、、、それにしてもススキさんはなんでタヌキだって秘密にしてたの」
「驚かせてしまうからね、実際に遭難した人を助けようとして酷く怖がらせてしまったこともあったの。騙してごめんなさい…」
彼女は申し訳なさそうに言っていた。
(まぁそうだろな、実際に森の中で急に野生動物が話しかけて来たら、だれでも困惑するだろうな。)
「あとタヌキと言うのを聞いて一つ気になった事が、あるんだけど、なんでタヌキに変化しないのかが気になってんだ。」
彼がそう聞くと彼女はこう返答した。
「え?でも人間の姿の方が手伝えることが多いと思うんだけど…」
(※タヌキ状態でも行動はできるが、技能の行使は出来なくなる。)
(いやまぁそうだろうな、普通に考えたらそうか。)
「まぁこれからも、一緒に探索頑張ろうな!」
そう彼が言うとタヌキが言った。
「そろそろ俺の状態も話していいか?」
そう言うと二人は笑い彼のほうを見た。