ここはアビドスとまだギリ電車がつながっているゲヘナ線の終着駅、砂漠の中に取り残されながらも執念で運用されている駅
日にちは約束通りの土曜日、時刻は約束から少し遅れた12:40
コンディションは上々だ。
「あ、来ましたね〜♧」
「おっそい!アンタ昼に来るなんて言っといてもう12時半すぎてんじゃない!なに待たせてんのよ!」
「いやぁちょっと人生という道に迷いましてな……」
駅までわざわざ来てくれたみんなに水分補給用に買ってきた冷たいペットボトル(熱伝導率が限りなくゼロに近い物質製のカバー付き)を手渡して遅れた訳を話して謝って、それ常套句じゃない!と髪を逆立てるセリカをちゅーる……ならぬ金で抑える。
「最初は工事現場の日雇いでしたが、今はミレニアムのメイドさんであります、まだ機密情報とかは流石に外様なので触れられない任務しか回してもらえませんが、ちゃんと立派にやっておりますよ」
「ん、メイドさん、画像とかは、ないの?」
「ん、どうぞ」
シロコのん、を自分のん、で返しながら『アビドス対策委員会』のグループトークに自分の写真を送信する、金曜日の夜、つまり直前にC&Cの5人で撮った写真だ。
「こっちの超ミニドスケベスカートの北半球大解放金髪碧眼白ハイソックスフェチメイドがアスナ先輩、こっちのオフゴールドの髪のフリルスカートの
みんなちゃんとメイドとしても仕事はできるであります」
「向こうでは大丈夫ですか?田舎出身だみたいな陰口を言われたりいじめられたりしてないですか?」
「ははは……いじめ……では無いでありますが、なにか……こう、えー……忙しいでありますな」
「うへえ〜……忙しいと気が滅入るよねぇ〜」
可愛らしい鯨のポーチを提げて清純派な白いワンピースを着たホシノが一番最後にノノミの後ろから出てくる、その気の抜けた声とは裏腹に目も醒めるような衝撃がオウカを貫いた。
「可愛い……」
「うへぇ!?」
「可愛い、とても、so good」
決して触れない、近寄らない、もちろん写真も撮らない、Yesロリータ、Noタッチは社会全体に普及している鉄則だ。
「だがそれでも……この可愛さは焼き付ける!」
目を皿のようにして、ノノミの腰に隠れるホシノをみつめるオウカと苦笑いするノノミとアヤネ
ん、と頷くシロコ。
「誰か止めてよぉ〜見えてないのに恥ずかしいよぉ〜」
「そ……それじゃぁ、みんなでお食事にいきましょうか!」
6人並んで、アビドスの無人街を歩いて抜ける
それだけで1時間くらいはかかりそうだが、アビドス地区の話を聞き出したりC&Cとしてセミナーやヴェリタスの依頼を受けた話やミレニアムの科学技術を話のネタに出したりと話題が沸いているうちにさっさと辿り着いてしまった、その店は。
「ここが、今回のイベント【オウカさん新人歓迎会・兼・留学壮行会】会場、柴関ラーメン、です!」
どうやら壮絶に長い紆余曲折と最終的には稼げた金額による年収バトルみたいなものを制してイベント名を決めたらしいアヤネが唱える
ちなみに他の案は
【うへ〜なんでも会だよぉ〜】と
【美少女水着団シークレットステージ♡】
【別にあんたなんてどうでも良いんだからね!】
【ん、みんなで一緒にご飯をたべよう】
他候補が終わっていると言わざるを得ない。
ノノミに耳打ちされたその内容に絶句していると、カウンターの奥から犬型の店主が話しかけてくる。
「お嬢ちゃん、新顔なんだって?」
「は、はい、アビドス高校2年、憂晴オウカであります、通う頻度は高くないと思うでありますが、どうぞよろしくお願いします」
「なんだそんな堅くなんなくて良いんだよ、なんたってウチはラーメン屋だからな、だれでもラーメン食う時くらい素の自分でいて良いもんだ」
「それは……ありがたいお言葉であります」
柴大将と呼ばれたその人物と話していると、ふと袖が引かれた、後ろを見ると、既にテーブル席に陣取っていたアビドス生達のなかで一番近い席にいたシロコがオウカの服の袖を掴んでいる。
「早く、注文を決めよう」
「わかりました、何かおすすめとかはありますか?」
「ん、おすすめなら」
「オススメなら柴関ラーメンね!ここのオリジナルの調合のスープとチャーシューが麺に良く絡んでとっても美味しいんだから!」
何か言おうとしたシロコの隣から身を乗り出してきたセリカが早口で勢いよくおすすめを良い切った
しかし見てきたどころか何度も聴いたようなPOPに書かれていそうな謳い文句はどこか……。
「セリカどの……まるで店員のようなPRでありますな」
「えぇ!?何言ってるのよ!ちょっと前からここでバイトなんて……してないんだから!」
「なるほど、あくまでバイトはしてないでありますな?それなら良いでしょう、俺は
「私はとんこつ醤油〜」「いつものお醤油で」
「わたしは塩にします☆」「ん、私も柴関ラーメン」
「大将!柴関ラーメン2丁と塩を2丁、豚骨と普通の醤油を1丁ずつ!」
「あいよぉ!柴関2丁、塩2丁、豚骨醤油1丁、醤油を1一丁、オプションは!?」
「プレーンで」「……私はなしで」「野菜マシ脂マシでお願ぁい」「チャーシュー2倍と麺大盛、固めでお願いします♧」
「大将聞こえたぁ!?」
「ちゃんと確認してくれぇい!」
「豚骨醤油野菜マシ脂マシ!塩チャーシュー倍に固め大盛り!他はなし!」
「おうよ!」
「あまりにも店員であります……」
「みんな揃いましたね、では!」
「「「「「「乾杯!いただきます」」」」」」
アヤネが音頭を取り、全員で水杯を飲む
砂漠で水は貴重だが、ゲヘナの地下水脈は豊富なのでパイプラインで地下水を通せば水は賄えるのだ。
「んー……おいしい!」
「なるほど、家系でありますな、とんこつのコク、背脂を敢えて減らし、しっかりとした鰹出汁・昆布出汁と醤油自体の旨み、さらにとんこつの肉からの出汁、豚の甘味と旨みを他の出汁と醤油が深めて、綿のように舌の上でふんわり蕩けていく……」
「あっ、ホシノ先輩、そっちのニンニク取ってください」
「これ〜?はぁいどうぞ〜」
「ありがとうございます」
「……飲み物はドリンクバー形式でありますか、砂漠の熱と乾気による喉の乾きを潤すだけでなく、濃厚なとんこつでボケた舌をリセットし、これまたシャキシャキしたメンマや僅かに甘く歯応えの良いレタスを味わわせてくれる烏龍茶がニクい」
「ん、オウカ、さっきからグルメリポートみたい」
「あっ、失礼、シロコ殿は静かじゃないといけないタイプでございましたか?」
「ううん、違う、純粋に、気になっただけ」
「まぁこの辺は連邦にいたからから鍛えていたでありますから、向こうは多文化の
茶を飲み干して残りわずかとなった麺を引き揚げる箸に視線を注ぎながら答えるオウカ、連邦は忙しいが、忙しいだけではない
最高行政機関として各生徒達にもそれなりの格を求められるのだ。
「ご馳走様でした」
「おう!お粗末様!良い食いっぷりじゃねえか嬢ちゃん!」
「光栄であります」
柴関ラーメンを食べ終わり、みんなが食べ終わるのを待つオウカの、わずかな時の隙間に大将が話しかけてくる。
「ウチのラーメンはどうだった?」
「……旨かった、であります!」
「そうか、うまかったか!そりゃあ良かった!また食べに来い、歓迎してやるからよ!」
「ありがとうございます!」
言い終わると同時にシロコ、僅かに遅れてノノミが完食
すでに食べ終わっていたホシノ
そして7割分ほど食べ終わっているアヤネと、猫舌ゆえにかまだ半分は残っているセリカ。
「時間はまだありますし、あまり急ぐ必要はないでありますよ?」
「そんなこと言ってらんないでしょ!アンタ今日一日しか居ないんだから!
予定通り全部回るわよ!」
「…ほら、お茶であります、舌を焼かぬように適宜冷やすでございますよ」
「……ありがと」
この後食べ切るのにさらに10分を要した、なお、お支払いは店長の漢気で無料になった。
「それで、次何だっけ?」
「えっと次は……校舎に戻ってカラオケですね!カラオケマシン自体はもう準備済み、セットも済んでますからすぐですよ」
「♪〜(CV.小倉唯)」
あまりにも声の強い面々に採点機から表示される点数で打ちのめされるオウカであった。
たまにはこんな日常も、良いものだ。
初投稿です
ぶっちゃけ内容どうしよう
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ストーリー重視(このまま)
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はやく原作入れ(会長失踪)
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戦え……戦え…(戦闘重視)
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旅しろはよはよ(関係重視)
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消えてクレメンス(削除)