百鬼夜行より連邦へ、弾丸を込めて   作:魚介(改)貧弱卿

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十六発目

「というわけでございます」

 

「つまり、証拠品も主犯も取り巻きも装備も、まとめて全部斬っちゃった、と」

「ううぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

 

 ノアが柔らかな甘い微笑みを浮かべ、ユウカが頭を抱える

一応文書という形で証拠はつかんでいるが、それにしても確たる物証、本人の自白といったものは抑えておきたかったのだろう。

 

「もぉぉぉ!おぉうぅかぁぁ!」

「……面目ないであります」

 

 センサーやらアクチュエーターやらが弾丸でズタズタにされたオートマタ、両断されて爆発、粉砕したガードメカ、結局コントロールルームから強制的に電源を切断して停止させたレーザー監視システム、無数に転がった某社の社員たち、後の証拠品押収によって回収され、身分や製造元、そして彼らの目的が明らかとなるだろうという見通しだが

やはり社員やボスの証言・自白を取る前に倒してしまったのは失態だったようだ。

 

「まぁ……いいわ、仕方ないし、結局ほとんどは綺麗に2つに斬られてるだけだもの、回線の再接続とかはちょっと手間だけど、乱雑に引きちぎられるよりは直しやすいし、ネル先輩が暴れるよりはよっほど綺麗よ

それに……あなたがそうしたってことは、それが必要と判断したってことでしょう?」

 

「……極めて何か……実力に対する信頼を感じます」

 

 なぜか信頼が厚いユウカ、彼女は好感度初期値だけでなく信用度の初期値もぶっ壊れているのだろうか?

 

「それはそれとして、任務報酬の話に移るわね

今回の任務では『可能な限り迅速に逃すことなく制圧すること』『その際邪魔なものがあったら破壊を許可する』『周囲に大被害を出さない』

この3点が重視されていたわ、証拠品の件は置いておいてもその点は完全に満たされていると判断し、今回ペナルティはなしとします」

 

「おっ……?」

 

「喜びなさい、満額振り込んでおくわ」

「よっしゃぁぁぁ!でございます!」

 

「2割はC&Cの返済積立金としてそっちに振り込み、残りはあなたの個人講座に報酬金として振り込むことにします、異論はあるかしら?」

「ありません、お願いします」

 

 C&Cの任務報酬は特殊作戦に従事するエージェントだけあってかなり高い、クレジットにして10万以上だ、

外の世界の中国人殺し屋が1人を殺して大体3万なあたり、3〜4倍の報酬を積まれていることになる

 ゴルゴ13や奪還屋(ゲットバッカーズ)は依頼が依頼なので数百万は取るが、そんな上物の依頼ばかりではないので、現実的にはこの辺が天井だろう。

 

「メイド服の修繕費3000円、武器のメンテナンス1回2000円、私個人の諸費用が月3万円と考えて

100000C(報酬)-(35000C(じぶんのしょうひ)+20000C(てすうりょう))=45000C

 

 目標の700万のうち4.5万、155分の1、0.7%ほどだが、確実な稼ぎだ。

 

「じゃあ次行ってきます」

 

 武器も任務中に強奪したものを正規のルートで売り捌き、貴重なパーツやブランド品であれば競売に掛けることにしている

なにせミレニアムの法では違法に収得された物品は正当な所有者がいないときに限り入手したものが所有者となることができるのであるからして、基本的に任務としては違法でしかない者の前にしか現れないC&Cという職場はつまり、任務内でなら何を奪っても法律上責任に問われないというフリーパスも同然なのだ。

 

 もちろん一般通過メイドとしても掃除や料理の依頼も受ける、割安だが平均1回5000円でメイドさんが家・部屋を徹底的にお掃除してくれるというのは結構受けが良いようだ

生徒だけでなく、学区内の住民の家や社屋、オフィスなども掃除することもある

もちろん料理を作ることもある、流石にあまりに多量に作る・時間がかかるなどの場合は代替案を挙げたりするが、

ヴェリタスのハレに教えてもらいながら自分でミレニアムウェブに新たにサイトを開設し、プロフィールなどある程度を公開、メイドとしてお掃除やお料理などのサービスを提供するお仕事をさせてもらっている。

 

「おっぱいプリンをメイドさんに作らせる変態がそこそこな数いたのはどう考えるべきか……」

 

 ちなみに5000円は成人男性1人暮らし、1K12畳のアパートの掃除

または食材等の提供無しの一食分の料理を想定した値段の基準であり、

ブランド品や特殊な扱いを必要とする物品・機械部品の清掃など時間や手間がかかるもの、あまりに酷く汚れていて清掃に業務用洗剤や器具・機械を必要とするものなどがあれば高くなり、逆にもともと綺麗な部屋や想定より狭い、物品が少ないなど好条件なら安くなる

 

 ちなみにこれまでで一番安かったのは、『メイドさんが掃除・料理をしている姿を撮影したい』という事で事前に万全な掃除を終え、食材や調理器具やらの準備も済ませてから家に招いたとある生徒の依頼、掃除・料理ともに最低額1000C×2で報酬金2000Cである。

 

「バニーとか着てない分マシでございますな、さぁ……行きましょう」

 

 取り敢えずオンラインショップパーツショップに比較的状態のいい鹵獲品の銃の部品をまとめて送りつけて査定を依頼、メイド業の依頼をWEBで確認しながら某10秒チャージゼリーを3秒でチャージし、ここからそう遠くない位置に時間が今日・午後の依頼があったことを思い出す。

 

 ちょっと焼けたり切れたりしてしまっているメイド服を予備の3着目に交換、屋根上から道を無視してダッシュ・パルクールで向かう

アーケードの天井を駆け抜け、横断歩道を眼下に過ごして向かいのビルの壁を蹴り、空中回転しながらエアコンの室外機を躱し、非常階段の柵を握って勢いを止め、さらに上昇に転じる

階段の内側に転がり込むと同時に手を離して室内に。

 

「Ubermaid頼んだかたー」

 

「あ……その……私です!」

「どうも、メイドのオウカと申します、本日はよろしくお願いします」

 

 ビルの4階、その一室の中にいた数人の中で一人、内気なのかちょっと躊躇った様子だが、応えてくれた銀髪の少女の手を取るオウカはシームレスに淑女の一礼(カーテシー)

 

「本日はあなたのメイドとしてお仕えさせていただきます、どうぞなんなりとご命令を……お嬢様」

 

「「「………キャーーー!!」」」

 

 どうやらお嬢様はお喜びなようなので、しばらく収まるまで待ってみよう。

 

「…………」

 

 カーテシーを解き、髪を整え直すオウカだが、黄色い悲鳴と質問の嵐が激しく、一向に収まる様子を見せないため、諦めて静止する。

 

「あの、お嬢様……お仕事のご指示をいただけますか?」

「あっ……はい!その、えっと、部屋の掃除と、私たちの夕ご飯の準備をお願いします!

あの、メニューは……紅茶と合うものが良いです」

 

「では、そうですね……数は3人分としても紅茶と合うとなるとお菓子や果実の類が多いと思いますので、あまりしっかりとした『夕食』には向かないかと、

その、ステーキやムニエルのような一般的な夕食は紅茶は……」

 

 トリニティ生は毎日毎食紅茶をガバガバ飲むのだがそれにしたってお菓子やケーキを食事と言い切るわけではない、紅茶はお茶として別で飲むのだ。

 

「なら、魚料理がいいです、私、自販機で魚料理を出す研究をしてるんですけど、どうしても冷凍後の鮮度を保てないんです、なので一度ちゃんとした魚料理を作る工程を観察したくて」

 

「なるほど、承知いたしました、お嬢様

では、僭越ながら提案させていただきますが、お嬢様もご一緒に買い出しからする、というのは如何でしょうか

調理工程だけでなく、たとえば魚の選び方から加工の技術、冷凍にもその技法、考えの及ばないような相互関係がどこかにあるかもしれません」

 

「おー……」

「いいじゃん!行って来なよユユ!」

 

 ユユと呼ばれた少女、依頼主のお嬢様は隣の少女に背を押されて私のもとに飛び込んでくる。

 

「わっ!ごめんなさい!」

「いいえ、謝る必要はございません、今の時間からなら……お昼のタイムセールに間に合いますので、少々急ぎましょうか」

 

「はい!」

 

 少女と共に歩き出し、マーケットへ向かうその道中。

 

「メイドさんは、何故メイドさんをしているんですか?」

「『わたくし』はメイドとしての仕事にも誇りを持っています、人が生きる以上必要な食事、人が過ごす以上必要な掃除、人が暮らす以上必要な洗濯、どれも大切なことです

一括りに家事と呼ばれるそれらに携わることができること、それは重要で、特別な仕事だと考えています

だって、それは人が生活する、その基盤にふれる事ですから、壊さないように丁寧に、傷つけないように優しく

そうする事ができる事は、私にとって大切なことです」

 

 もちろん、全て嘘、金さえ取れれば他のことには拘泥しない

金さえ取れるなら闇組織を壊滅させて強奪するのも、人の家を掃除するのも、服の下の肢体を晒すのも、あるいは機密情報を切り売りするのも構いはしない

だが、それでも、人の笑顔を見るのは悪い気はしないのは事実だ。

ぶっちゃけ内容どうしよう

  • ストーリー重視(このまま)
  • はやく原作入れ(会長失踪)
  • 戦え……戦え…(戦闘重視)
  • 旅しろはよはよ(関係重視)
  • 消えてクレメンス(削除)
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