時刻は翌朝の午前6時半、ギリギリ常識的な時間にユウカへとモーニングコールを飛ばすオウカ。
「おはようございます、早瀬さん」
「ユウカでいいわ、それよりずいぶん早かったわね?レディーススーツタイプとはいえ、慣れないうちは着るのには少し時間掛かるものだと思っていたのだけれど」
6時40分頃、ユウカが鍵を開けに来たときには、昨日の夜に空けてもらった部屋に置いてあったミレニアムの制服に袖を通して扉の前で待っていたオウカに僅かに驚きの表情になるのだった。
「いえ、時間は掛かりました、単純に朝5時に起きただけです」
「5時!?」
普段なら7時になっても寝ていたいとぐずるオウカだが、転入につぐ留学と長時間移動で疲労していたこともあり19時という異例な時間にベッドに入ったこと、ベッドサイドに置いてあった詩集を読んでいたら異様なほどに眠気を催す代物だったこと、ミレニアムのベッドが『快適な睡眠』をテーマとした数年前のミレニアム生の研究成果だったことが重なった結果、十分な睡眠と快適な目覚めを経て凄まじい早起きになってしまったのである。
「流石に5時に連絡されても迷惑でしょう?なので支度と荷解きを先にやって居ましたので、時間的な余裕がありました」
「っ……すぅ〜……」
突然深呼吸するユウカ、大声でも出すのかと身構えたオウカだったが、そんなことはなく。
「良い子だわ〜……」
どうやらセミナー就任後の色々忙しい時期にやらかしを重ねたり迷惑を振りまいたりするアレな生徒達と比較してほっこりしていたようだ。
「どこの世界にも問題児というものはいるでありますが、俺はそうはなりたくないでありますな」
「それは本当に大事な心がけよ、絶対に忘れないでね」
管理者側に入ったことでよーくわかったわ、と新一年生や聞き分けのない同級生、そして言うことを聞かない上級生達に振り回された苦労を思い出しながら笑顔で告げる彼女の瞳は笑っていなかった
「それじゃあ今日は
「……まぁ……ある程度は……」
これでも前年の全キヴォトス統一学力テストの国語では全問正解の全国一位、理科では99点で全国千位くらいであるが、数学となると80点ほどで全国一万何千位とがくっと順位が下がってしまう、そのため数学にはあまり自信がないと素直に伝えることにする。
「数学は苦手であります」
「そんな!数学は絶対裏切らないわ、数学の勉強ならこんど個人的に教えてあげる、私はこれでも2年次学年末テストも満点なんだから!」
「そ、そろそろ行きましょう」
するとやけに機嫌のいいユウカが数学を激推ししてきたので若干げんなりしながら部屋を離れて生徒会室へ繋がる道を進むうちに話題も変わってくる。
「後を引き継ぐことになるノアは白いロングヘアで私より少し背が高い、紫色の瞳の子、前にも言ったけどセミナーで書記をしていて、なんでも記憶できるの
リオ会長は長身で切れ長の赤い目と長い黒髪に、なによりスタイルがスゴいわ、それと去年庶務を務めていた菅原先輩から新しく推薦されてきたコユキっていう子はピンクの髪と十字の虹彩、元気のある可愛い子よ」
ノンストップで話し続けるユウカはセミナーのメンバーを紹介しきると
ようやく勢いを落ち着かせる。
「ほかにも何人もいるけれど、主にセミナーと言えば私を含めたこの4人を指す場合が多いわ」
「なるほど、ユウカは頼れる仲間があるでありますな」
その言葉を聞いたとき、一瞬オウカへと視線を向けてから俯くユウカ、アビドス高校は砂漠化により生徒がいなくなって廃校寸前であるという事実を思い出したのだろう。
「あっ……そうね、私たちセミナー以外にも、ノアが部活動とかを紹介してくれるわ、所属する場所は自由だけれど、どこに所属するかはしっかり考えて決めてね」
「承りました」
そしてたどり着いた扉をユウカの学生証で開けると、その部屋にあったデスクに座っていた
「よく来てくれたわね、私はミレニアムサイエンススクール生徒会長、調月リオよ」
「おはようございます、アビドス高等学校より留学に参りました、憂晴オウカと申します」
「それでは憂晴さん、これが貴女の学生証になります、もうユウカから聞いていると思うけれど、ミレニアムサイエンススクールはほとんど全てのドアがこの学生証で開閉する物になっているから、常に携帯してちょうだい、スマートフォンと連動して自分の学生証の位置座標を特定するアプリも学内無線LANから無料ダウンロードできる物があるから活用してちょうだい
貴女の学校生活がより良いものになるように、祈っているわ」
「よろしく、お願いいたします」
学生証を受け取ると、ちょうど背後の扉から入って来たのだろう、背中に広がる白髪と細身に反した大型の
「初めまして、私は生塩ノア、セミナーで書記を務めています」
「あっ、ノア!ちょうどよかったわ、私はもう行かなきゃいけないから、案内お願いね?」
書類をまとめて部屋を抜けていくユウカを左目で追いながらノアに向けて挨拶を返し、そしてノアに牽かれて部屋を出る。
「初めまして、ミレニアムサイエンススクールへ留学中の憂晴オウカです、本日はよろしくお願いします」
「はい、それでは、学内と各部活の案内及び説明を行いますね、ついて来てください」
「はい」
「セミナーの話はユウカちゃんからどれくらい聞きましたか?」
「調月会長、生塩書記、早瀬会計、それと庶務がいるとか、なにやら問題児に振り回されているとか忙しいとか無駄遣いが多い生徒がいるとかなんとか」
「うふふっ、ユウカちゃんったら業務内容より愚痴の方が多くなっちゃってるじゃないですか
でもまぁ……予算配分とかを決める会議はまさに踊っていましたから、そのあたりが印象に残ってるんでしょうね」
クスクスと上品に笑う彼女と共にエスカレーターやムービングサイドウォーク(空港などにある動く歩道)で移動して、部活棟に向かう。
「まず紹介するのはエンジニア部、機械技術で名を馳せているミレニアムの、ある意味では象徴とも言える部活動です、まぁ、たまに騒ぎを起こしてしまうこともありますが」
扉を開けると、そこには広大な部屋と、その中の大半を占める機械部品の数々が立ち並んでいる。
「おや、お客さんかな?」
「留学生の案内中、です」
「おお、では君が留学生か、話は聞いているよ、私は白石ウタハ、エンジニア部の部長を務めさせてもらっているよ」
「よろしくお願いします」
スパナを握っていた薄紫の髪と
「ところで君、ロマンに理解はあるかな?超合金ロボは?宇宙戦艦は?」
「うん!大好きさ!であります!」
「よろしい」
反射的に答えたオウカと、いい笑顔を見せるウタハであった。
「他の部員は今は出払っているが、この部屋にあるものは自由に見ていって構わない、ただし……自爆機能を内蔵しているものもあるから、触らないようにしたまえ」
「わかりました、本日は顔見せと紹介ですので、また今度正式に伺わせていただきます」
扉の裏で巻き込まれないように退避しているノアを横目に見て、逃げる判断を下したオウカだったが、一歩遅かったようだ。
「君が機械いじりをやったことが無いから不安だ、というのなら心配はいらない、私たちだってたった数年前までは碌なことをしていなかったのだから、1年もあれば立派な技術者になれる、いや、して見せる……すまないが、よく目を見せてもらっていいか?」
「あっ……バレたでありますか」
「やはり天然の
「あの、それは……後でちゃんと説明するでございますよ」
カバーストーリーを打つにも無理がある、諦めたオウカは自らの過去の一部を明かす覚悟を決めた、そう、あまりにも軽率に。
初投稿です
ぶっちゃけ内容どうしよう
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ストーリー重視(このまま)
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はやく原作入れ(会長失踪)
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戦え……戦え…(戦闘重視)
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旅しろはよはよ(関係重視)
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消えてクレメンス(削除)