ブルアカ転生掲示板   作:タマヤ与太郎

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そんなわけで14話です。まだまだアビドス編。
なお、当作品においてはストーリーやイベントを意図的にシャッフルしているので原作通りに話が進むとは限りません。

総力戦、なんとなく神秘強化してたら大分サクサク行けて楽しい……
今回も銀トロフィーいけるかなぁ。


14:爆破阻止するやつら

【まだまだ】青く透き通るGTA世界に祝福を・12【アビドス】

 

 

 

 

225:名無しの転生者

 

元アリウスの子達って今どうしてんのかな? 確かアビドスに転校したんだよね?

 

 

226:G級ライダー

 

基本的にはアビドス分校で暮らしておりますが、現アビドス本館の方で留守居をしたり、アビドス市街地の見回りをしたりなどしております

あとは学習というか、一般常識の習得なども進めております。基本的に少年兵のような子達だったので

社会勉強の一環としてソニドリの所でアルバイトなどをさせていたりもしますよ

ハチドリグループの施設の警備や、あとはグループ系列の一般店舗の輸送や、覚えが良い子によっては店員として働いている子もおりますね

 

 

227:名無しの転生者

 

おお、そいつは良かった。そう言えば身体とかは大丈夫なん? 敗残兵みたいなもんだろうし

保護してから一年も経ってるからその辺は問題ないと思うが

 

 

228:オール・フォー・オール

 

いやーあの時は大変でしたよね。治療が満足にできてなくてちょっとヤバかった子とかいましたし

一応これでも医者でもあるのでどうにかしましたよ、というか本業は医者なんですけどね私

バイオテクノロジー方面延ばしてたらなんのかんのと医療スキルも習得してて、その流れで

 

 

229:名無しの転生者

 

全方位にそこそこ天才気味だから忘れがちになるけどこいつ基本的にバイオテクノロジー畑の人間だもんな

 

 

230:写輪眼

 

まあ助かるっちゃ助かるんだがな……ジュリの神秘抜いた時とかよ

たしかエデン条約関連でも白洲の百合園襲撃に合わせて百合園を保護して、系列病院でかくまう方向なんだったか?

 

 

231:墓守の狩人

 

一応その予定ね。AFAさんからサビートルをいくらかもらって、セイア様とアズサを監視してるわ

ミネさんはどうしようかしらね、話を聞いてくれればいいけど

 

 

232:名無しの転生者

 

け、けおってなければ話は聞いてくれるから……*1

 

 

233:名無しの転生者

 

でもあの子自動的にヒートアップして暴走するし一度暴走すると殴り倒しても止まるかどうか*2

 

 

234:墓守の狩人

 

その時は止まるまでマウントで殴り続ければなんとかなるわよ、体験談としてね

 

 

 

235:名無しの転生者

 

やったんかお前w

 

 

236:名無しの転生者

 

まあ狩人ネキも結構荒っぽいとこあるし……というか、だいたいとりあえず暴、みたいな選択肢あるよね

 

 

237:写輪眼

 

キヴォトスで話せば分かるなんてのは甘えだぞ? 美少女テクスチャ張ったGTAって看板に偽りなしだからな、基本。特にゲヘナ

無論例外もいるが、路上でケンカする感覚でドンパチやるからな*3

 

 

238:オール・フォー・オール

 

そもそも倫理観がおかしい子*4とかいますからねえ、私が言う事でもないですが

まあ私は大分マシな方だと思いますよ、少なくとも制作物に自爆装置つけたりしませんし*5

ロマンが良いものなのは分かるにせよ、それは使い物にならないガラクタを作る免罪符にはなりませんからね

 

 

239:名無しの転生者

 

お前が言うのか、それをw*6

 

 

240:にゃんこ大線路

 

でも、AFAさん少なくとも作るものはまともですよ、当人の人格はともかくとして

原作再現系のものじゃなくても動かしやすくて使いやすいし、変に暴走したりしませんし

 

 

241:オール・フォー・オール

 

エンジニア部と一緒にしないでくださいよ、あんな技術者意識の欠片もない連中と一緒にされても心外です

確かに技術においてはミレニアムでもトップクラスの天才であることは事実ですが、

少なくともその場のノリで預かった武器に手を付けて無断で魔改造する良識のなさ、*7

実現性の低いものにかまけて予算を使い潰す計画性のなさ等、人として如何なものかと思いますよ?*8

やるならやるで自分の武器を改造する、全体的に可能であると判断してから制作を始めるなどするべきです

そもそもテストだからってネットで拾ってきた適当なプログラム使うとか私でもやりませんよ*9

 

 

242:写輪眼

 

俺はおめーに散々煮え湯飲まされてる気がすんだけど、その辺どうだ?

 

 

243:オール・フォー・オール

 

あんなものスキンシップの一環じゃないですか、写輪眼さんはからかってて楽しいですし

少なくとも私が作ったもので実害があった事、今まで一度もないはずですよ?

 

 

244:写輪眼

 

そりゃそうだがよ、おめーの言動で胃が痛くなったことは数限りなくあるんだが?

 

 

245:実力派センセイ

 

まあまあ、2人共落ち着いて落ち着いて。話変わるけど、そういえば、便利屋ちゃん達って今どうしてるかな?

連絡先交換したのは良いけど向こうからコンタクトがあんまりないから忙しいのかなぁ

 

 

246:G級ライダー

 

彼女たちにはブラックマーケット内のビルに事務所をプレゼントしましたよ、何でも家賃に困る有様だとかで

ソニドリの持ちビルの1つなんですがね。私もソニドリの所でバイトしていることは何度か使ったことがあるのでご案内も出来ます

元気でやっているようですよ、私も最近はモモトークで軽くやり取りする程度ですが

 

 

247:実力派センセイ

 

あ、良かったー。元気でやってるんだね、何度かモモトークでシャーレ入らない? って持ち掛けてるんだけど……

たまにカヨコちゃんとかが当番に来てくれてるけど、基本的には便利屋活動が優先みたいだし

 

 

248:名無しの転生者

 

便利屋は別名アルちゃん大好きクラブだからなぁ

そのアルちゃんがアウトロー稼業に精を出そうとしてるから、まあたまにバイトに来てくれるぐらいが精々じゃないかな

 

 

249:名無しの転生者

 

便利屋で真面目にアウトローやろうとしてる(できているとは言わない)のアルちゃんぐらいだもんな*10

まあ他3人のアウトロー適性が高い上にアルちゃんへの好感度もクソ高いからついていってるようなもんだし

というか、ゲヘナ生なんて大概アウトローだろうになんでアウトローなんてもんに憧れちゃったのかね、アルちゃんは

 

 

250:名無しの転生者

 

分からねえ……でもあの子基本的に良い子だし真面目な子だから、破天荒なアウトローに憧れちゃったりしたのかね

 

 

251:G級ライダー

 

当人のやりたいことを応援しては上げたいのですが、私個人としてはあまりお勧めはできないのですけどね

アウトローなどと言うものは「成り果てる」ものであって「なる」ものではないと思うのですが

 

 

252:実力派センセイ

 

そこだよねえ。私もそう思うんだけど、出来る限りは生徒のやりたいことを応援してあげたいとも思うし……

確かゲヘナだと起業するのは校則違反なんだっけ? その辺りも何とかしてあげたいよね

 

 

253:名無しの転生者

 

ただ、アルちゃんあんまり構うと「施しに甘えるのはアウトローじゃないわ!」とか言いそうだからなぁ

まあ、武士は食わねど高楊枝を地で行く感じの子だし、本当に最低な悪行に手を染めはせんと思うが

 

 

254:名無しの転生者

 

ま、騙されて犯罪の片棒担がされることは結構あるみたいだけどな

そういや写輪眼ネキ、便利屋に知り合いいるって言ってたけど、誰? カヨコとか?

 

 

255:写輪眼

 

まあ鬼方先輩もだが、伊草が一時部下にいた事があってよ

他の奴にいじめられてたりもしたんだが、陸八魔と出会って元気出たみたいでな

まあ、ハジケようがとんでもなかったのは元々だったみたいだが……

 

 

256:名無しの転生者

 

そういえばハルカって元万魔殿説あったよな

カヨコも元情報部とか、ゲヘナの体制側にいた可能性が示唆されてるし

 

 

257:写輪眼

 

ほんとだったら俺が何とかしてやらなきゃいけなかった話でもあるしよ、そう言う感じで陸八魔には借りがあってな

今は鬼方先輩を通じてちょいちょい話聞いてる感じかね

 

 

258:名無しの転生者

 

そっかぁ、まあ元部下なら気になるよな

そういえば時系列的に言うとそろそろハルカちゃんが柴関吹き飛ばす時期だと思うけど、大丈夫?

 

 

259:G級ライダー

 

……は?

 

 

260:名無しの転生者

 

あっ

 

 

261:写輪眼

 

落ち着けライダー! 気持ちは痛いほどわかるが即座にハルカを殺しにかかるなよ!

まだ未遂だしあいつやると決めたらノータイムでやるだろうが制止して言い聞かせればきちんと理解するから!

すまねえ今アビドスに行ける奴らライダーの奴と便利屋の様子見て来てくれねえか!?

エデン条約関係で今マコトのクソバカの周囲を離れるわけには行かねえんだ……下手すると便利屋が壊滅する!*11

 

 

262:実力派センセイ

 

任せて! ちょうど今アビドスだから!

 

 

263:墓守の狩人

 

あ、じゃあ私も行くわね

 

 

264:にゃんこ大線路

 

シャーレは任せてください! とりあえずFOX小隊とRABBIT小隊には声をかけておきます!

 

 

265:オール・フォー・オール

 

私も一応後詰で動けるようにはしときますねー。ちなみに便利屋ご一行は今柴関でラーメン食べよう! とか言ってるとこらしいですよ

 

 

266:G級ライダー

 

わかりました

 

 

267:名無しの転生者

 

火に油注いでんじゃねえよ!?

 

 

268:囚人キング

 

いやあ阿鼻叫喚だねぇ。一応ボクも向かっておこうか。なんとかキキョウとレンゲで何とかできるぐらいにはなってきたしね

 

 

269:写輪眼

 

頼むわ……前に聞いた話がマジなら、暴走したライダーは先生と狩人だけだと抑えきれねえ疑惑もあるからな*12……あとAFAは後で覚えてろよマジで

どうも風紀委員会が動いたみたいな話も聞こえてきたから多分便利屋だけ止めてもダメっぽいぜ……

 

 

270:囚人キング

 

ふむ、それじゃあユキノやミヤコちゃん達には風紀委員の迫撃砲をどうにかしてもらう方が良いかな?

 

 

271:実力派センセイ

 

え、何でたった四人抑えるのに迫撃砲を……? というか便利屋ちゃん達アビドス学区内にいるはずなんだけど

他学区で大規模な軍事行動とか大事な条約前にやることじゃなくない……?*13

 

 

272:名無しの転生者

 

いやぁほんと何でだろうね……

 

 

273:名無しの転生者

 

多分動かしてるのアコちゃんだと思うけど、何考えてあんな大軍動員したんだろうなあのヨコハミデヤン……

というかそもそも便利屋は口実で先生を抑えるのが目的だったようだけど、そもそも先生をゲヘナに呼べば即確保できたのでは?

その後どうなっていたのかは考えたくもないが

 

 

274:にゃんこ大線路

 

……胃が、胃が痛い……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい、ホムラちゃん。落ち着いて、落ち着いて。まだ何もしてないからね、冷静になってから柴関行こうか」

 

「ふぅ……だいじょうぶですよせんせい、わたしはれいせいです。なのでかたぐるまはよしてくれませんか」

 

「先生トリガー起動してない生身だから、下手に振りほどくと先生の首が折れるわよ。

 そもそも犠牲を出さないために落ち着こうって言ってるんだしね、ホムラ会長」

 

アビドス市街地。先生に肩車された態勢のまま身をよじらせるホムラを見上げながら、アオは呆れ気味にため息を吐く。

先生はあの後アビドスから柴関にレウスを飛ばそうとするホムラを制止し、強引に肩車の体勢に持ち込むことでホムラの暴走を抑止しようとしていた。そこにアオが合流し、現在に至る。

 

「ハルカちゃんだって何か理由があって爆破するんだろうから、それをどうにか出来れば……アオちゃん?」

 

「あの子基本的にアル様サイコー! な子だものねぇ。ホムラ会長以上に即断即決だし……

 その上でアル社長の言う事を変な方向に拡大解釈するから大体ひどいことになるのよね。

 確か原作だと……柴関の雰囲気でアウトローな雰囲気が骨抜きにされてる! とか口走ったら、

 じゃあこんな店破壊しますね! で爆破する流れなのよね」

 

「……ぶかのとうそつがとれてないだけなのでは?」*14

 

「取れてないわよ。感性一般学生に狂犬を御せるわけないじゃない?

 社長以外の便利屋で一番マトモなのがカヨコさん、他は狂犬(ハルカ)愉快犯(ムツキ)なのよね」

 

「そっかぁ……」「なんともはや……」

 

肩をすくめるアオに、深々とため息を吐く先生とホムラ(原作未プレイ勢)。大概慣れたとは思っていても、まだまだキヴォトスの奥は深いようだ。*15

そこへ遅れてやってきたフミが合流し、一行は柴関ラーメンへの道を急ぐのであった。

 

 

 

「あるさん、はるかさん、わたしになにかいうことはありますか」

 

「申し開きのしようもないわ……ただ、本当に突発的な事だったという事だけは理解してほしいの……」

 

「も、もうしわけありませんっ! わた、私はどうなっても良いのでアル様にはどうかご慈悲を!」

 

少し後、柴関ラーメンの外では、フミに肩を押さえられたホムラと、それと向かい合う形で地面に正座したアルとハルカの姿があった。

一行が柴関に入店したまさにその時、原作の流れ通りアルの言葉を早とちりしたハルカが爆弾を取り出した所であった。

そこからホムラの電光石火の早業により爆弾諸共店から放り出されたハルカ、放り出した直後に自分もまた飛び出し、追撃を行おうとしたホムラ。

それをフミがどうにか押さえ込み、先生とアオがアル達に詳しい事情を聴く。それによりおおよそ原作通りに事態が推移し、柴関が吹き飛ぶところだった所だという事が判明した。

普段のゆるゆるとした顔から一転、口を引き結び殺気すらにじませながら押し殺した言葉を放つホムラに、歴戦のアウトロー(自称)であるアルは縮み上がり、ハルカもまた顔を真っ青にして怯えの色を隠せていなかった。

 

「会長さん、あんまりいじめちゃだめよ。とりあえず未遂で制止は出来たし、話せば分かる子達だし。

 何より実力はあるから、ここで再起不能にするのは得策じゃないわ。利用すべきだと思うわよ?」

 

「……わかっています。それにほんとうによいかたがたであるのはわたしもしっておりますし。

 ですが……てまえかってなりゆうでしばせきをふきとばそうとした、そこだけはついきゅうせねばなりません」

 

入口から顔をのぞかせてラーメンを啜りながら言うアオに、苦々しく顔を歪めながらホムラは言う。

 

「あるさん」

 

「ははは、はいっ!?」

 

「あるさんが、しばせきをふきとばせと。そういったのですか? はるかさんに。できるかぎりせいかくに、そのときのことばをさいげんしてください」

 

「え、えっと……柴関は本当に好きなのよ。でも、ここの空気は温か過ぎて、皆優しいし……

 だから『ここにいると皆仲良しになっちゃう』『一人前の悪党になるためにはこんな店は要らない』、って……」

 

「ほう」

 

びしり。物理的な圧力すら感じる威圧感がさらに増したのと共に、ホムラの足元のアスファルトに蜘蛛の巣状のひびが入る。

後ろでホムラを押さえるフミの顔からも余裕の色が消え始めており、入口の方にいるアオや先生、カヨコとムツキ達に何度も目配せを送っていた。

 

「ねえ先生、会長さん、大分堪忍袋あったまってるようよ? 止めた方が良くないかしら。

 まあ、私は積極的に止める気はないけれど。この後(・・・)の事もあるし」

 

「どうしたもんかなぁ……あ、カヨコちゃんムツキちゃん、逃げないでね? お願いだから。

 だいたいどういう流れなのかは察したし、止める暇もなかったんだろうってのは分かるけど……

 正直、ホムラちゃんの気持ちはわかるんだ。ありていにいうと、怒ってます。とってもね」

 

じりじりと距離をとろうとしていたカヨコとムツキの肩に、先生の手が置かれる。

2人はびくりと肩を震わせ先生を見上げるが、穏やかに笑う先生の、その眼だけが笑っていなかった。

 

「私はね、生徒のやりたいことは応援してあげたいと思う。夢を持つのは大事だからね。

 でも、素直にごめんなさいが言えない子達は……まあ、泣くまでぶん殴られても文句は言えないとも思うんだ。

 私は古い人間だからね。人は痛みを持って学習する生き物だと、そう思うんだよ。

 何が言いたいか……分かるかな。分かってくれたら、皆ハッピーになれると思うんだ」

 

肩に置かれた手に、力が籠められる。そこから感じられる先生の内心*16を察せられない程、2人は察しが悪くはない。

カヨコとムツキは、ひきつった顔で笑い、頷く他なかった。

 

 

 

「本っ当にごめんなさい! 私の軽率な発言で大変なことになりかけて……

 ハルカにもよく言って聞かせるから……どうか、罰するのは私だけにして頂戴!」

 

「あっあっアル様! アル様のせいでは……!」

 

そこから、また少し後。正座したまま、深々と頭を下げるアル。

その隣のハルカとアルを挟むように、アルの横にムツキ、ハルカの横にカヨコもまた同様に正座をしていた。

アルが深々と頭を下げた事に続いて他の2人も頭を下げ、遅れてハルカがアスファルトにひびを入れる勢いで頭を打ち下ろした。

ホムラはそれを見て大きくため息を吐くと、幾分か険の抜けた声で語りかける。

 

「わかってくれればよいのです。そのことばが、ほんしんからのことばであるとしんじます。

 あるさん、あなたはあうとろーをこころざしているとききました。しょうじきりかいはできません。

 わたしにはみちをふみはずすことがかっこうよいなどとは、とてもおもえないのです。

 ですが……ほうのもとではすくえぬものもいるのも、またじじつです。どうせみちのそとをあるくのならば、そのようなひとたちをすくえるような、そんなひとになってください」

 

「許して……くれるの?」

 

「あなたがとてもよいかたであるのは、みていればわかります。ほかのかたがたからとてもすかれていることも。

 だから、こんかいはふもんにふします。つぎがあればわかりませんが……せんせいもそうおもっているようですし、

 なにより、しばたいしょうは、あなたたちをゆるしてやってほしいとおもっているようですし」

 

ホムラの視線を追ってアルが振り返れば、そこには柴関の入り口から顔をのぞかせる柴大将の姿。

ホムラがにこりと笑えば、柴大将もまた笑い、手を振って返す。

 

「怒るのはもっともだけどよ……ホムラちゃん、その辺にしといてやってくれねえか?

 その子達が悪い子じゃねえのは見てりゃあ分かる。ハルカちゃんがちょいと難しい子だってのもな。

 まあ、思うところはあるけどよ、誰だって失敗はするもんだ。俺だって若い頃は色々とやらかしたもんさ。

 結果的には店も吹っ飛ばずに済んだし……まあ、誰も怪我せず済んだなら、俺の顔に免じて、な?」

 

「しばたいしょうがそうおっしゃるなら。せんせい、よろしいですね?」

 

「大将とホムラちゃんがそう言うなら、私としては言う事はないよ。きちんとごめんなさいできたようだしね?

 ……だからハルカちゃん、銃口を自分に向けるのはやめようね。怪我はしないんだろうけど……危ないから」

 

先生はそう言って、愛銃(ショットガン)の銃口を自分に向けていたハルカに近づき、その銃口を手で塞ぐ。

無論、その状態でもトリガーを引けば先生の手はたやすく吹き飛ぶだろう。

先程ホムラを肩車した時同様に、それをやれば自分が怪我をするからやめろ、という事である。

 

「ででででもっ! 私はとんでもないことをしようと……死なないと死なないと死なないと死なないと死なないと……」

 

「はるかさん」「は、はははいっ!?」

 

先生と押し合いをしていたハルカであったが、不意に横から割り込んできた手が銃を掴むと無理やりに銃口を逸らす。ホムラによるものだ。

 

「そのていどではしねませんよ。しぬならもっとかくじつなやりかたがあります。ですが……やめたほうがよろしいかと。

 だいいち……かるがるしくすてられるていどのいのちに、どれほどのかちがあるというのです?」

 

一瞬で空気が冷え込む。それほどに、実感の籠った言葉だった。

 

「あなたがじがいをえらびたくなるほどのやらかしであるのはじじつです。ですが、あるさんはそれをのぞんでいますか?

 あるさんにとって、あなたはかわいいしゃいんです。そんなあるさんに、あなたのむくろをみせつけたいのですか?

 それに……ほんとうにはんせいしつぐないたいのならば、いきてつぐなってください。いきてくるしんでください。

 しぬなどと、にどといわないでください。にげはゆるしません。あなたはいきて、あるさんをまもりつづけるのです」

 

「は、はいぃ……」

 

「よろしい。では、このけんはこれでおわりです。もどってよろしいですよ。……ところでふみさん、あなたはなにを?」

 

「いや何、そろそろお客さんが来るから、出迎えをと思ってね」

 

強引に事態を落着させ、便利屋一同を立ち上がらせたところで、ホムラは自分の後ろに立ち、あらぬ方を見ているフミに問う。

『出迎え』とは言うものの、その目は鋭く細められ、抜き放たれた2刀を高々と掲げ、今にも振り下ろさんとしていたが。

そこで、ホムラの耳に音が届く。何かが飛んでくるような風切り音……そう、迫撃砲の砲弾でも飛んでくるような。

 

「そら、お客さんだ。阿弥陀流―――双刃仏陀斬り」

 

瞬間、フミの両手が霞む。×の字を描くように振り下ろされた剣閃の先、上空高くで爆炎が撒き散らされ、衝撃が大地を叩いた。

 

「……しゅうげきですか。かいざーでしょうか?」

 

「あ、そうか、ホムラちゃんはあの後のスレ見てないのかな。もっと面白い子達だよ」

 

言いつつもフミは左右の刀を閃かせ、その度に空中に爆炎の華が咲く。

フミの転生特典の原典、シャーマンキングに登場する剣術、阿弥陀流。その技の1つ、かまいたちを飛ばす『真空仏陀斬り』。それをフミなりにアレンジしたものだ。

そんな中、カヨコが空に咲く爆炎を見ながら、険しい表情で便利屋一同に声をかけた。

 

「社長! ムツキ! ハルカ! 早く隠れよう! やつら(・・・)が来た!」

 

「やつらって?」

 

「うちの風紀の連中だよ! ここまで追って来るなんて! それもこのタイミングで……

 いや、このタイミングだからこそ……? フミさん、その技、後どのぐらい持つ!?」

 

怪訝そうな顔をするムツキに鋭い声で返し、カヨコは何かに気付いたように考え込んでから、フミに声をかける。

フミは休みなく左右の刀を閃かせながら軽く思案顔になり、何のこともないように口を開いた。

 

「んー……こんな大道芸でよければ弾切れまでは持つんじゃないかな? ま、それよりしびれを切らして突っ込んでくる方が先だろうけど……

 ま、なんとでもなるさ。それより、逃げないでね。一応君達戦力に数えてるから」

 

言外に『逃げれば背中を撃つ』と言いたげなフミのその言葉に、便利屋一同は揃ってひきつった笑みを浮かべたのだという。

 

 

 

「ターゲット、未だ健在! 砲撃、迎撃され続けています!」

 

「はぁ!? 持ってて手持ち火器程度で何で迫撃砲を迎撃できるんだ!?」

 

「分かりません! 迎撃しているのは居合わせた生徒……制服からするに百鬼夜行、それも百花繚乱の生徒です!」

 

柴関ラーメンから3km程離れた場所では、50mm迫撃砲数基を囲むように揃いの制服を着た少女たちが布陣していた。

彼女らはゲヘナ風紀委員会。ゲヘナ学園の治安を守る彼女たちがアビドス学区内にいるのは、上司である行政官、天雨アコによる指令だった。

その中の1人、白いシャツに褐色の肌、銀髪をツインテールにした少女、ゲヘナ学園1年生、銀鏡イオリは苛立たし気に髪を掻きむしり、待機していた部下たちに命令を出す。

 

「歩兵隊、第2小隊まで突入! 私に続け!」

 

肩を怒らせて駆け出そうとするイオリだったが、それを制止する声あり。赤い手袋をした、眼鏡をかけた少女だ。

ゲヘナ学園1年生、火宮チナツ。かつて先生やレイ、そして他3人と共にシャーレビル奪還戦を戦った生徒の1人である。

 

「イオリ、あの方たちはどうするつもりですか? アビドスの方もいるようですけど」

 

「ん? ああ、向こう側の生徒? 当然、公務の執行を妨害するのは全員敵だ。

 百花繚乱のやつだってたまたま居合わせただけだろ」

 

「あの人、どこかで見た事あるような……こちらの事情を説明すれば協力してもらえるのでは?」

 

「そんなヒマはない! うちの厄介者をとっ捕まえるための労力を割く必要はない。

 邪魔をするなら……いや、こっちの砲撃を邪魔してるんだから、私達の敵だ!

 迫撃砲は射撃を続けろ! 迎撃させ続けている間に片をつける! 第1小隊、第2小隊、続けーっ!」

 

チナツの制止を振り切り、2小隊を引き連れて突撃していくイオリ。

その背中を見送りながら、チナツは大きく、深々とため息を吐くのであった。

 

 

*1
救護騎士団団長、青森ミネは真面目で正義感の強い人物だが、頑固で思い込みの激しい所もあり、プレイヤー先生たちからは薩摩武士に例えられることもある

*2
イベント「聖堂のメリークリスマス〜救護騎士団の贈り物〜」の時とか

*3
キヴォトスは日常的に銃弾が飛び交うロアナプラみたいな場所である

*4
ノドカとかコタマとかメルとか

*5
エンジニア部とか

*6
それはそう

*7
グループストーリー・エンジニア部1章

*8
パヴァーヌ編

*9
イベント「Say-Bing!」

*10
一応ハルカはアウトローとしてアルについていっているようではある

*11
キレたライダーネキにより便利屋が血祭りにあげられるという意味で

*12
推定1ヒナ前後

*13
原作においては法的には柴関近辺はアビドスの土地ではない

*14
それはそう

*15
なお便利屋はまだマシな部類である

*16
半ギレ




そんなわけで14話でした。柴関爆破阻止!
次回ようやくまともなバトル描写が描けそうです。おもしろいかはさておく。

■解説

・ホムラ
割と本気で便利屋達を叩きのめすつもりだった。制止されたけど。
アルちゃんの事は大分好感持ってるけど、アウトローにこだわってる事は全く理解できないと思っている。
なお戦力的にはホムラ個人で全力出すと1.0ヒナ~1.2ヒナぐらい。

・先生
便利屋が逃げようとしてたら躊躇なく旋空弧月かましてたぐらいには頭に来てた。
ちゃんとごめんなさいして隊長とホムラが許したのでよしとしたけど。
トリガー起動してないと鍛えてる人間程度なので、銃で撃たれれば普通にケガするし場合によっては死ぬ。
死ぬ気はないけどそこを逆手にとって、自分の命を人質にして生徒を制止することはままある。
戦力的には0.9ヒナ~1ヒナぐらい。

・アオ
割とのんきにラーメン啜ってた暴力シスター。
乱暴者ではないけれど、話を聞かない相手と話をするのが嫌いなのでそういう相手には躊躇なく暴力を振るう。
戦力的には0.7ヒナ~0.9ヒナぐらい。

・フミ
珍しく特典由来の攻撃をしていた変態。
風紀委員が迫撃砲をぶち込んで来ることは知ってたけど、それを言うとホムラが絶対に手が付けられなくなるレベルでブチキレるので黙ってた。
片手で真空仏陀斬り撃てる上に二刀流で連射も出来る。実は普段使う阿弥陀流、特典のシャーマン能力は一切使っていない。
自力で再現した原作技ってだけなので特典そのものは一切使っていなかったりする。
戦力的には1.0~1.2ヒナぐらい。

・ソニドリ
マッド寄りのキ〇ガイだけど制作物に対しては割と真摯。
自爆装置をつける場合つけるに値する理由がないとつけないし、自分の制作物はちゃんと管理する。
変な所で常識的なマッドサイエンティスト。
戦力的には多分転生者でも最強クラスだけどそれが振るわれる時はたぶんほとんどない。
理由? めんどくさいです。なやつ。

・ヒナ(単位)
通常時のヒナちゃん単体の戦闘力を1とした場合の戦力換算。
なお通常時のヒナちゃんが基準なので、アビドス3章の絶好調ヒナちゃん基準ではないことに注意。
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