ブルアカ転生掲示板   作:タマヤ与太郎

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そんなわけで大分お待たせしました。バニーチェイサー編後編。
後編というにはあっさり目ですが。

デジモンタイムストレンジャー買いました。如く7と共に年末はこれをやって過ごしたい……けどFGOの採集決戦の流れ次第ですが。何とか石1000個も貰えたので正月まで持たせねば……


37:ジャックするやつら

【シャーレ】青く透き通るGTA世界に祝福を・43【公認テロ】

 

 

 

491:オール・フォー・オール

 

そんなわけでGF号シージャック計画発動中ですが

 

[画像]

(船長室と思しき豪奢な部屋のテーブル越しに先生と船長らしき生徒が向かい合っている。先生は穏やかに微笑んでいるが船長は顔は笑ってるが頬が引きつっている)

 

[画像]

(あからさまに動揺しているバニーガール・ガード)

 

[画像]

(メンチ切ってるウリエとホロ)

 

 

492:名無しの転生者

 

いきなりブッ込んでくんなw

 

 

493:名無しの転生者

 

これどういう状況??????

 

 

494:実力派センセイ

 

普通にコユキちゃんの引き渡しを要求しているだけだよ?

まあ裏でネルちゃん達にコユキちゃん捜索させてるし、別口でライダーちゃん、狩人ちゃん、にゃんこちゃんも潜入させて配置につかせてるけどね?

 

 

495:G級ライダー

 

現在船底に到着。周囲の警備は制圧完了しています。合図があればいつでも船底をぶち抜けますよ

 

[画像]

(モンハンの『オウビート装備』*1を着て『シェルハンマー』*2を担いだ推定ホムラ)

 

 

496:にゃんこ大線路

 

操舵室制圧完了済みです。現状予定航路を進行中……このまま指定海域まで運航して包囲網に向かいます

(ネコ達により占拠された操舵室内で光る文様の入ったフルフェイスのヘルメットを被って外套を羽織り、舵輪を回すレイらしき人物)

 

 

497:墓守の狩人

 

船内に潜入済み、待機中。合図次第でいつでも暴れられるわ

 

[画像]

(『Bloodborne』の『聖歌隊シリーズ』を纏い、両手に『仕込み杖』を持って天井の配管に潜むアオ)

 

 

498:名無しの転生者

 

沈める気満々……ッ!!!!

 

 

499:名無しの転生者

 

もうほぼ制圧してんじゃねえかよ!?

ねえこれバレてないの????

 

 

500:オール・フォー・オール

 

その辺りは私がハッキングして情報分断してますので

GF号外部との通信は遮断してますし、何よりこれオデュッセイアの生徒会長も了承済みの案件なので大丈夫ですよ!

仮に沈めたとしてもその間の機会損失や修理費なんかは全部私持ちです!

調子こいてるカスが痛い目を見るのはすかっとするから必要経費ですね!*3

 

[画像]

(沈痛な面持ちで胃のあたりを押さえる生徒会長らしき生徒)

 

 

501:名無しの転生者

 

全然大丈夫じゃなさそうな顔してんじゃないのよw*4

 

 

502:写輪眼

 

いやメンチ切ってる身でなんだがこれほんと可哀想だよなGF号船長。黒崎が自分とこに来たせいで船が沈む沈まないの瀬戸際になってんだもんな

 

503:聖剣の保安室長

 

私腹を肥やしてたせいで付け込まれてんのは自業自得だけどコユキが船に来たのはほぼ完全に貰い事故だもんな

生徒会長の方もまあ『大丈夫ではないですがあいつらが痛い目見て反省するならまあ……』とか苦虫噛み潰した顔で言ってたわ

 

 

504:囚人キング

 

ほんと可哀想すぎて笑えて来るよねこれ。今回ボク関わってないけど

見たかったなぁGF号のバニーモブちゃんとかC&C……

 

 

505:名無しの転生者

 

お前は本当にぶれねえな……

 

 

506:実力派センセイ

 

まあ、コユキちゃんを差し出しても独自採算で好き勝手やってることについて追及されるし、どっちみち処罰は免れないんだけどね

というか色々調べた結果きれいなお金じゃないと分かった上でコユキちゃん金づるにしようと受け入れたみたいだし

 

[配信中]

(顔を青くしながらも先生に抗議する船長とそれに穏やかに微笑みながら応じる先生)

 

船長『あの、流石にいくらシャーレとはいえここまでの無法は許されませんよ!?』

先生『そこまで無法な事かな? 他所の横領犯をそうと分かっていながら受け入れて横領した金で豪遊させ逃亡を幇助させようとしていることを出来るだけ穏便に済ませようとしているだけなんだけど』

船長『シージャックが『穏便』ですか!?』*5

先生『気絶させて拘束してるとはいえけが人出してないし、無関係の乗客に関しては何もしてないよね? 何かあったとしてもきちんと保護するし。穏便でしょ?』

ホロ『……姐さん、やっぱこいつら根本的に反省してねえし、まだこっちを舐めてんじゃねえスか? やっぱ1人くらいヤっちまいましょうや。どうぜ全員グルだろこいつら』

ウリエ『こっちが甘く出てればつけあがりやがってよ……こっちは別に派手にやっても構わねえんだぜ? 叩けばいくらでもホコリが立ちそうな顔してるしなぁ?』

先生『まあまあ落ち着いて2人共。そう言うのは最後の手段だよ。……ああ、ちなみにそっちの生徒会長も大分お冠だよ? そっちの態度如何では弁護の一筆を書くぐらいはするけど……ね?』

 

 

507:名無しの転生者

 

これ完全に恫喝してない?

 

 

508:名無しの転生者

 

というか完全に良い警官悪い警官の構図じゃんねこれ

 

 

509:実力派センセイ

 

大丈夫、ただの司法取引だよ。まあ大分派手にやってるし、確認してる限り大分ブラックな乗客もいるし、退学とかにはならない程度に擁護するつもりではいるけど

 

 

510:名無しの転生者

 

でも断ったら?

 

 

511:実力派センセイ

 

沈めるしかないかなぁ。反省しないんなら相応に痛い目見てもらわないとね。ちなみにC&Cやホムラちゃん達が動いてることはまだ知らせてないよ。現状も船長室の内外は物理的かつ情報的に封鎖してるしね

 

 

512:オール・フォー・オール

 

ちなみにGF号の周囲は会長のラギアクルス亜種と私製のウォディック*6で囲んでるので脱出もほぼ不可能です

 

[画像]

(GF号を海面すれすれから撮った写真。白い鱗や黒い装甲が周辺の海面に見えている)

 

 

513:名無しの転生者

 

うわぁ

 

 

514:名無しの転生者

 

完全に包囲されてんじゃん……

 

 

515:名無しの転生者

 

んで、船長ちゃんはどうするつもりなん?

 

 

516:名無しの転生者

 

 

517:写輪眼

 

けっこう反骨心あるみたいだぞ、笑顔引きつってるけど目の奥に『この野郎ナメやがって……!』という感情が見え隠れしてる

 

[配信中]

 

先生『……で、どうするつもりなのかな? 大丈夫、君がどんな選択をしたとしても最低限学籍は保証出来るように心がけるよ』

ホロ『保証すると明言はしてねえのがミソっスね』

ウリエ『俺お前(船長)によく似てるやつ知ってるわ、羽沼マコトってんだけどよ』

船長『……それは謀略家という事ですか?』

ウリエ『権力に胡坐かいて調子こいた挙句後ろから蹴っ飛ばされてそうな奴って事だよ。まあマコトのバカを蹴っ飛ばしてんのは大体俺かヒナだが』

船長『ナメやがって……ッ!』

 

 

518:名無しの転生者

 

おちょくってやんなよw

 

 

519:名無しの転生者

 

船長ちゃん迫真の「ナメやがって……!」で笑う

さあ、どう出る船長ちゃん!

 

 

520:オール・フォー・オール

 

おっとここでGF号内部の通信妨害解除して、会長と狩人さんの位置をリークして、情報操作してGF号側が優勢という誤情報流して……

 

 

521:実力派センセイ

 

操舵室は無事って情報流すのも忘れないでね? 大丈夫だとは思うしいずれバレるだろうけど露見まで時間は稼ぎたいし、にゃんこちゃんに何かあると大変だし

 

 

522:名無しの転生者

 

そこで狩人ネキとライダーネキの心配はしないのが信頼感溢れてるよね*7

 

 

523:名無しの転生者

 

まあバニガガード程度にどうにかなるようならアビドスん時のVS風紀委員ですりつぶされてるでしょ

 

 

524:オール・フォー・オール

 

それはそうですね!

まあ会長が勢い余って船底ぶち抜く可能性は割とあるのでフォローは万全にしておきますね

 

 

525:G級ライダー

 

まさか私がそこまで勢い余るわけがないでしょう、ソニドリ

 

 

526:名無しの転生者

 

でもライダーネキこないだレイサにパロスペシャル仕掛けた時勢い余って肩脱臼させてたよね?

 

 

527:G級ライダー

 

そういえば勢い余っていました……でも大丈夫です、振り降ろしではなく振り上げや横薙ぎなら船底に穴は開きませんからね

 

 

528:名無しの転生者

 

そう言う問題でもなくない?

 

 

529:名無しの転生者

 

船底「に」穴が開かないだけでどっちみち上方向か横方向に穴が開くんじゃねえかなぁ

 

 

530:写輪眼

 

つうかなんでよりによってハンマー使ってんだよ……双剣とか片手剣のほうが小回り効くんじゃねえか?

 

 

531:G級ライダー

 

下手に刃が付いてる武器使うと両断してしまいそうで……

 

 

532:名無しの転生者

 

……そうだよな、この人転生者の中でも最高峰のフィジカルと神秘を併せ持ってるから特典無しでも最強クラスなんだよな……*8

パンチで廃ビルを爆破解体できるし……確かに迂闊に刃物ぶん回すと死人が出るかもしれん

 

 

533:オール・フォー・オール

 

まあ会長の身の丈の2.3倍はあるトゲ(というかもうあれは杭)付き鈍器でぶん殴られても死の淵が見えそうですけどね。今回の武器グラビモス武器ですし

ネルギガンテのとかでないだけまだましですかねえ

 

 

534:名無しの転生者

 

一応手加減する意志はあるもんな……一応……*9

 

 

535:名無しの転生者

 

でもこの子イオリの胸骨踏み折ったりすることもあるし命以外は諦めてもらうことになりそうなこともありそうよね?

 

 

536:オール・フォー・オール

 

まあ千切れてなければなんとか……寿命はちょっと縮むかもしれませんが

 

 

537:聖剣の保安室長

 

……なあ、本当にゲヘナの風紀とやり合った時死人出なかったんだよな?

 

 

538:名無しの転生者

 

死人『は』出なかったよ、イオリはライダーネキに胸骨踏み折られたし風紀モブちゃんズは狩人ネキのせいで打撲・骨折・内臓破裂と重軽傷者多数だったけどね

むしろイオリが骨折したぐらいで済んだのが奇跡よ? 変態が割って入らなかったら神秘ビームで追撃入れるつもりだったみたいだけど

 

 

539:G級ライダー

 

彼女たちは一度絶対に許されないという経験をしておくべきでしょう。 第一アビドスであれだけの無法をしたのです、相応の報いは受けてもらわねば

ヒナさんは楽観的に過ぎる。あの件について手打ちにはしましたが許した覚えはありませんし。それに、きちんと治療しましたよ? イオリさん以外は

 

 

540:名無しの転生者

 

治しゃいいってもんでもないのよ?*10

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう、コユキ。随分景気よくブッコんでんじゃねえか」

 

「に、にはは……が、ガードさん助け――――――」

 

「警備の連中は動かねえよ。今はそれどころじゃねえようだからな?」

 

あ、これ終った。GF号のプレイラウンジ(船内カジノ)で一心不乱にスロットを回していた元セミナー所属、現巨額横領逃亡犯、黒崎コユキはそう確信した。目の前にいるのは自分と同程度の身長をした赤毛の少女。

ミレニアム最強の矛、C&Cのコールサインダブルオー、美甘ネルが肩越しにこちらを睨んでいたのだ。追手がかかることそのものは想定していた。それがC&Cであることも。

コユキはミレニアムから逃亡する手段としてこのGF号最上位のVIPランクであるSランクを手に入れ、この船のVIPとして保護してもらうのが目的であった。

しかし、いくつかの誤算もあった。債権を無断発行し資金を手に入れ、GF号に乗り込んだはいいものの、VIPランクは船内で稼いだ金額によって決定されるため、金で買う事は出来なかった事。

その為の軍資金(横領金)は山ほどあったが、そもそもコユキはギャンブルが好きではあるが別に豪運の持ち主という訳でもない。手に入れた大金を無為に溶かしていた所に後ろから肩を叩かれ―――

振り返ればそこに鬼がいた。獰猛な笑みと据わった目、こめかみに浮かんだはっきりとした青筋も鮮やかな美甘ネルという、何故かバニー衣装を着た鬼が。

 

「言い訳は後で会計(ユウカ)のやつに好きなだけ言え。抵抗はすんなよ? 言っておくが……逃げるなら足を叩き折るぐらいはシャーレの先生公認なんでな。

 何、安心しろよ。千切れてなけりゃあ元通りにはしてくれるそうだぜ? だからよ……抵抗は、してくれんなよ?」

 

黒崎コユキという少女は、根本的に順法意識や倫理観、そう言ったものが元セミナーとは思えない程に低い、いやゼロのカスと呼ばれる部類の人間である。*11

また、捕まっても捕まっても懲りる事のないある種不屈の精神性を持つが、戦闘能力が低いのでやらかしては捕まる、という事を繰り返している。

何故バレたのか、何故ガードが動かないのか、そんな彼女も、今この場で一つだけ理解できたことがある。

 

今ここで、ネルに楯突いて逃げてしまえば……恐らくネルは本気で足を折りに来るだろう。理由はよく分からないが、ネルは今ものすごく怒っている。

そのぐらいは、流石のコユキでも理解できる事象であったのだ。

 

 

 

「―――ふむ、対象は見つかったようだね。これはゲームは私達の勝ちかな」

 

「し、C&Cまで動いてるなんて聞いてないぞ!?」

 

ゴールデン・フリース号、船長室。テーブルの上に置かれた立体映像の投影装置に映し出された、ネルに捕まり縛り上げられるコユキを見て絶叫する船長。

そんな船長を見ながら、先生は眼前の立体映像を切り替える。映し出されたのは三か所。

1つ、船底に陣取り悠々と警備の襲撃を迎撃し、いつでも船底を破壊できるように構えるホムラ。

1つ、船内に潜伏し警備をかく乱し次々と奇襲を仕掛け端から縛り上げそこらの空き部屋に放り込んでいくアオ。

1つ、操舵室に立てこもり、無尽蔵にネコ達を放出し数の暴力で奪還すべく押し寄せる警備を押し返すレイ。

その中のどれ一つとして切羽詰まっているような空気はなく、いっそ弛緩しているとさえいえる緩さがシャーレ側にはあった。

 

「言ってないからね。第一今回の作戦ミレニアム側からの依頼だったし……そもそも、君達が大人しくコユキちゃんを引き渡し、実態調査に協力的な姿勢を見せていればよかった話だよね?

 これでもかなり譲歩はしてるんだよ? 君達流に『ゲーム』で勝てばこちらの都合を、負ければそちらの都合を通す。そういう約束だったもんね。

 別に君達の流儀に合わせる必要なんてなかったのに、こっちはかなり譲歩してあげてる。まあ、負けてあげるつもりは欠片も無かったけどね」*12

 

「それは、そうだけど……!」

 

ゲーム。それは、船長と先生の間で取り決められた約束であった。

今回、シャーレ側の目的は2つ。ミレニアムの依頼によるコユキの捕縛と、オデュッセイアの依頼によるGF号の実態調査だ。

力づくで平らげるのは簡単に出来るが、一応は出来る限り穏便に事を済ます気のあった先生、まずはGF号船長に直接交渉を敢行。

だがそこは調子に乗っている時のキヴォトス生徒である船長。すげなくその要求を突っぱね、そして先生のこめかみに青筋が浮いた。*13

 

「私達がコユキちゃんを捕まえられるか、君達が潜入している生徒7人を全員捕縛できるか、そう言う賭けをそっちから持ちかけて、こっちはそれを承認した。そして私たちがその賭けに勝った。そうだよね?」

 

何も言い返せず押し黙る船長、にっこりと笑う先生。勿論、船長もただ手をこまねいていたわけでもない。

コユキ捕縛を妨害するためにコユキに警護を付けるべく人員を回そうとはしたし、船内の警備員全員を厳戒態勢に移行させようともした。ただ、事前準備と覚悟の差が違った。

賭けが始まった直後、先生はホムラに船底への侵攻と籠城、アオに船内でのかく乱を指示。それが船長にとっての地獄の始まりだった。

指示された直後、ホムラは事前にソニドリが描いていた侵攻ルートに従いホムラが侵攻開始。壊しても航行に問題のない壁や床をぶち抜いてまっしぐらに船底を目指し始めた。

その騒動で浮足立ち、船底へ向かおうとする警備員であったが、アオによる奇襲と捕縛の繰り返しで着実に数を減らし、混乱の渦へと叩き込まれる。

運よく船底に到達できた者達もホムラに一蹴され、ホムラにより排水設備で対応できる程度に船底を破壊され、『本気で船を沈める気でいる』と危機感をあおり、コユキの警護に回す人員すら回されるほどに冷静さを欠いてしまった。

そこで公開されたのが『操舵室は既に制圧済み、こちらに都合のいい海域まで誘導している』という事実と、コユキ捕縛にC&Cの『コールサイン持ち(ネームド)』全員*14が投入されたという2つの事実。

そうして冒頭の通りコユキが捕縛され、『賭け』は先生の勝ちとなる。穏やかに微笑みながらも躊躇なく船長を追い詰める先生の後ろで、ホロが冷や汗を一筋垂らし、小声でウリエに話かけた。

 

(姐さん、マジで怒ると容赦ねえのな……)

 

(基本的に『素直に頭下げねえなら泣くまでぶん殴る』って人だしな。ま、今回は船長が調子こいてたのが悪いだろ。ああいうタイプ、先生が一番嫌う馬鹿だぜ?)

 

(ま、そこに関しては同意しかねえが……ま、調子こいたバカ共にはいい薬かね)

 

(余談だが、この2歩ぐらい手前まで行ったのがウチ(ゲヘナ)の馬鹿共だ。あの時は会長さんがマジギレしてたから肝が冷えたぜ)

 

(……良く生きてたな?)*15

 

そんな会話がなされている間にも先生のお説教という名のガン詰めは進み、最終的に船長は『船内にいる犯罪者の捕縛に協力した』という先生の一筆で矯正局行きは免れ、GF号船長に留任。

概ね今まで通りの生活に戻る事は出来たが、修繕の際にソニドリによって仕込まれた無数のバックドアや脳無を含む各種対策グッズにより完全に首根っこを掴まれ、別人のように大人しくなったのだという。

なお、その経緯と被害報告を包み隠さず報告されたオデュッセイアの生徒会長の胃には穴が開いたという。

 

 

 

そして、少し後。

シャーレの執務室においては、柳眉を吊り上げ目前に正座する先生を見下ろす連邦生徒会長代行、七神リンの姿があった。

先日のGF号の一件の報告書を上げた際、すべて包み隠さず書いたためにお叱りを受けているのだ。

 

「……先生、せめて事前に一言言っていただけるとありがたいのですが」

 

「だって言うと絶対やるなって言うじゃんリンちゃん……」

 

「当たり前です! シャーレは実質的に連邦生徒会の指揮系統からは独立していますが……それでも、代行とはいえ連邦生徒会を預かる私には報告はすべきですよね?」

 

「だからしたよね? ちゃんと何をしたのか、どのぐらいかかったのか、そう言うの全部書いて出したよ? これでもかなり穏便に済ませた方なんだけど」

 

「あれでですか!? ……まあ、確かにアビドスでゲヘナの風紀委員会とやり合った時よりはまだ穏便に済みましたし、手配犯の逮捕も出来ましたが……」

 

眉間を揉み解しながらも怒りを排出するようにため息を吐くリン。実際、シャーレが活動し始めてからキヴォトスにおける犯罪率は目に見えて低下した。

これは先生や幹部たちの剛腕もあるが、普段犯罪を起こす側である元スケバンやヘルメット団を鎮圧後に実働部隊として雇い、教育を受けさせたりなどしているのも大きい。

ただ、その分『やる』と決めたならば一切躊躇なく叩き潰すため、ちょくちょく先生はお説教されているし、他の部署や学校からの文句がリンに飛んでくることも多い。

その分効果は覿面であるし、何より先生自身も連邦生徒会に気を使ってくれてはいるので、お説教程度で済んでいるのだが。

 

「それに、リンちゃん達も大分仕事しやすくなってるでしょ? シャーレで一部引き受けてるのもあるけど」

 

「それは……まあ、確かに。正直、今でもあれでよかったのかと思う事はありますが……」

 

先生が来て以来、連邦生徒会は先生に助けられてもいるが、同時に振り回されてもいる。

SRTの件などその最たるものであるし、現状、先生を校長とし、シャーレ実働部隊を中心とした連邦生徒会職員を養成する学園を開校する、という話も持ち上がっている。しかし、リンが今でも悩んでいるのはそのどれでもなく、先生が長時間に及ぶ激論の末にもぎ取った連邦生徒会の大幅な組織改革である。

連邦生徒会は、基本的に連邦生徒会長が頂点に立ち全てを差配する、いわばワンマン経営に近い組織であった。これまでは誰もそのことを問題にしなかった。キヴォトスはそれで回っていたからだ。

しかし、連邦生徒会長当人の突然の失踪によりすべての歯車が狂った。連邦生徒会を、キヴォトスを回す巨大かつ精密な、替えの利かない歯車が突然なくなってしまったのだ。

近い例を上げれば委員長・副委員長である『七稜アヤメ』『御稜ナグサ』の失踪により機能不全に陥りかけた百花繚乱紛争調停委員会のようなもの。

百花繚乱の場合、失踪に前後して復学した前委員長である虎尾フミが代理を務め回っているが、連邦生徒会長程の傑物となると卓越した事務能力を持つリンですら荷が重い代物であり、そのせいもあって連邦生徒会も機能不全になりかけていた。

そこを先生を含め、各学園のトップ層を多く含むシャーレ幹部たちと協調し、なんとかリンでも処理しきれる程度に仕事は減ってきている。その事に関しては本当に連邦生徒会一同、感謝しても仕切れないというのが本音ではあるのだ。

そんななんとも言えない気持ちをため息とともに吐き出し、リンははたと気づく。どこか、かつてのような気持ちを思い出せていることに。彼女(・・)と共にいた、あの慌ただしくも眩い時間を。

先生の持つ雰囲気は、どこか、もう居ない彼女を思い出させるものに感じられる。

 

「……先生、そう言えば、先生と連邦生徒会長は、どういったご関係なんですか?」

 

それは、何の気ない問いだった。リンは、先生が、この天保印羊子という女性が連邦生徒会長自ら外の世界から招いた人材だ。

引き抜くというからにはその人となりは知っているはずだし、事前に連絡も取り合っている。本来であればそのはずなのだ。

 

「え? ……ごめん、正直私もその子についてはよく知らないんだよね……」

 

事実である。先生はそもそも、前世で自決し、死亡した直後、連邦生徒会のビルの中でうたた寝していた所をリンに起こされて第三の人生がスタートしている。

それ以前の事についてはゲーム本編でも語られていないのでスレの皆も知らぬことであり、先生としては何とも言えない顔で言葉を濁すしかない。

 

「顔を合わせた事もなくて、こっちに来たら会えるかなと思えば数か月前に失踪してたって聞いたから驚いたよ。カヤちゃんにも似たようなこと言われたけど、そんなに似てる?」

 

「顔は全然似てないですね。ただ、言動と言いますか、立ち居振る舞いがどこか似てらっしゃるかと……笑顔で無茶苦茶やる所とか」

 

「うん、そこは申し訳ないとは思ってるけど、諦めてほしいな。そうするしかないと思ってやってる事だから。しかし、雰囲気が似てる、かぁ……」

 

腕を組んでううむと唸る先生。本当に記憶がない。頭に輪っかの浮かんでいる女の子など一度見れば忘れない。しかし、先生が『ワールドトリガー』の地球、『玄界(ミデン)』でそんな人物に出会ったことも、スカウトされた記憶もない。

なおも唸っていた先生であったが、その時、先生の脳裏にいくつかの光景がフラッシュバックする。夕暮れ時の電車の中、向かいの席に座る、白い制服を着た、水色の髪の少女の姿を。

 

「――――――あ、なんか、思い出したかも」

 

そう呟き、先生はリンにその思い出した風景の中にいた少女の姿を伝える。瞠目するリン。その姿は、まさしく連邦生徒会長その人だったのだ。

 

「正直、この風景が夢だったのか、現実だったのかは分からない。思い出せたのはそこだけで、彼女が今どこにいるかもわからないんだ」

 

「そう、ですよね……」

 

「だから、生徒会長がいつ戻ってきてもいいように、今よりもっとキヴォトスを良くしていこう? きっとそれは、リンちゃん達を見出してくれた彼女への、恩返しになると思うから」

 

そう言って先生は立ち上がり、リンの頭を撫でた。どこか連邦生徒会長(あのひと)を思い出させる、無邪気な笑みで。

 

なお。

 

その直後に財務室長、扇喜アオイからの書類不備の通信が入り、アオイの立体映像に向け先生が七重の膝を八重に折る躍動感あふれるジャンピング土下座を披露。

リンの喉元まで出かかった感謝の言葉は秒で引っ込み、代わりに呆れ混じりの溜息が出たのだという。

 

どっとはらい。

*1
MHST仕様。ソニドリによりパワードスーツに改造されている

*2
モンスター『グラビモス』素材で作られるハンマー。外見は鋭い棘のついたメイス

*3
ムダ金極まりないが本当にその為だけに金ドブしてる

*4
×了承 〇黙認

*5
ホムラが委細構わず叩き伏せてないだけまだマシ

*6
魚型ゾイド

*7
むしろこの2人がやり過ぎないように心配はしてる

*8
VSイオリでも舐めプ装備で歯牙にもかけなかった実力差である

*9
する意志はあるが出来るかどうかは別問題

*10
それはそう

*11
元々能力ありきで採用されたようなので人格面は考慮されなかったと思われる

*12
負けたとしても力づくで盤面をひっくり返すつもりだった

*13
この時点でなんかあったら力づくにしてくれようと思った

*14
厳密にはコールサイン04、飛鳥馬トキはいないが彼女はほぼ独立して動いているため除外

*15
本当にそう




そんなわけで37話でした。割とあっさり目。本作先生は基本的にやる時は徹底的に叩き潰す派です。



□解説

・先生
GF号船長に関しては、大人しくコユキを引き渡して実態調査に協力するならシージャックまではしなかった。従わなかったのでああしたけど。
ちょいちょい語っているけど、転生者の中で唯一前世での死亡直後にそのままダイレクトに転生してきた奴。なので原作先生同様リンちゃんに起こされる以前の事を覚えてない。

・船長
今回一番ひどい目にあったけれど、ギリギリ首の皮は繋がった奴。
まあ繋がった代わり首輪も付いたけど、退学よりは多分ずっとマシ。

・コユキ
実は小説パートで先生と絡む予定だったけど、代りにリンちゃんに怒られるパートが割り込んできたのでカットされた悲しきカス。
割と好きな奴なのでいずれちゃんとした出番をやりたいところ。
なお、ネルがキレてたのは作戦の一環と称してバニー服着せられたから。

・連邦生徒会
実は先生により色々改革され原作程酷い状況ではなくなっている。
連邦生徒会長捜索のための人員が大幅削減されたり、今いる面々でどうにか出来るようにされた。
勿論難色を示す奴も多かったけど、『今君達が変わらないと連邦生徒会長戻ってくるまで連邦生徒会残ってないよ? 肝心な時に働けないなら君たち居る?』とか正論でぶん殴られて泣く泣く改革を受け入れた。
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