リオもヒマリも未だでない、が石は我慢……ケイちゃんが来るまで……!
そして大決戦プラチナトロフィー行けました。初めてだから嬉しい……
あと、PC版はじめて見ましたが結構良いですね。何より新パソだから軽いのもいい……
【解決は】青く透き通るGTA世界に祝福を・46【力づく】
989:墓守の狩人
あ、そうそう。セイア様襲撃来たわよ
990:名無しの転生者
そんな軽いノリで言う事ある!?
991:写輪眼
狩人よぉ、お前相変わらずテンションそのままでブッ込んでくんなや!?
992:実力派センセイ
ほ、報告してくれるだけまだ……ッ!*1
993:名無しの転生者
先生、ここは普通に怒って良いとこだからね?*2
994:聖剣の保安室長
いやほんとこういう奴だってのは分かってんだがねぇ……
995:墓守の狩人
一応解説するわよ
ゆうべアズサがセイア様襲撃に動くと分かったから、事前にセイア様の所に行って拉致ったのよ、アズサに変装してね
アズサが入って来る直前に事を済ませて、アズサが唯一の目撃者になるように仕向けたわ
あ、現場には大量の血液を撒いて重傷を負ってるように見せかけてる。もちろん、アズサ以外には見られてないけどね?
ちなみにセイア様本人も了承済みよ、あの人予知で私が襲撃の前に拉致りに来るの知ってたから抱き込んじゃった
996:にゃんこ大線路
あの、大丈夫なんですそれ……?*3
997:名無しの転生者
というか、血を撒いたところで調べればセイアちゃん様の血じゃないって分かるんじゃね?
998:囚人キング
……狩人ちゃん、もしかして、撒いたのセイアちゃん本人の血かい?
抱きこんでるって言ってたし、本人の血を偽装するならそのぐらいはするよね、狩人ちゃんなら
999:墓守の狩人
正解。以前接触した時に秘密裏に血を抜かせてもらって、それを拉致する時に撒いたのよ
一応多めの献血ぐらいかしらね、抜いた後は貧血気味になったそうだけど、元々最近予知の影響で具合悪いように見せかけて誤魔化してもらったわ
1000:オール・フォー・オール
ちなみに現在はかつてユメ先輩を保護してたアビドス砂漠地下の私の研究所で過ごしてもらってますよ!
拉致する時は私が個性で迎えに行ったのでアシもつきません! それでもミネ団長が殴り込んできそうなんでアレなんですけどね
あの人、あれで結構頭も回るので油断ならないんですよねー、まあ大丈夫だとは思いますが
1001:写輪眼
狩人、この件はナギ姉には一応共有してくれよ、あと姉ちゃん*4にはぜってえバレんなよ。マジで戦争になっから
1002:墓守の狩人
ええもちろん。ナギサ様に変に暴走されても困るし、ミカ様とガチンコなんてしたくないもの
目下の脅威はミネ団長ね。あの救護モンスターには億が1にもバレないようにしないと
1003:実力派センセイ
うーん……なら、いいか!*5 一応軟禁することになっちゃうけどセイアちゃんの事はほんとお願いね、AFAちゃん
1004:オール・フォー・オール
勿論ですよ。外には出せませんが娯楽設備は死ぬほどありますしネット環境も完備です。まあナギサ様と連絡は取れるようにしてありますが
……というか多分ミカ様のメンタルが大分アレ*6だと思うのでその辺リカバリーお願いしますね写輪眼さん
1005:写輪眼
わーってらい。すっげー心苦しいけどアリウスを引き摺り出すためにはギリギリまで気取られねえようにしないといけねえからな
1006:名無しの転生者
エデン条約編は特にバタフライエフェクトがどう波及するかが読めないからな……*7
1007:実力派センセイ
本ッ当に心苦しいんだけど、アリウスの子達も助けたいからね……確かアツコちゃん? って子を確保する必要があるんだよね?
1008:名無しの転生者
せやね。アツコはアリウス生徒会長の血筋で『ロイヤルブラッド』と呼ばれるマジモンのお姫様で、その血に秘められた神秘をアリウス現会長兼ゲマトリアのベアトリーチェは利用しようとしてるんよ
アツコは同時に精鋭部隊アリウスウクワッドのメンバーでもあるから、計画が実行段階になれば表に出てくると思うんだけど……
下手に刺激して穴熊決め込まれるとアツコが真っ先に犠牲になりそうだからなぁ
1009:G級ライダー
ええ、それだけは絶対に避けねばなりません。なのである程度『原作通り』のルートを進ませる必要があるという事ですね
先生、この件はナダレやプルガトリオのメンバーに共有しても?
1010:実力派センセイ
そうだね、それが良いと思う。彼女たちは当事者だし、こっち側の中で一番アリウスをベアトリーチェの魔の手から解放したがっているだろうしね
AFAちゃん、アリウスの先代会長についての足取りはどう?*8
1011:オール・フォー・オール
それがさっぱりで。*9少なくともブラックマーケットや一般学区内にはいないと思うんですけどねー
逆説的に私達があんまり関わってない方面、山海經やワイルドハントみたいな所に潜り込んでるんだとは思いますが
あとは百鬼夜行や赤冬の山の中とか? あの辺ほとんど人が立ち入りませんし
1012:G級ライダー
あの辺りには私もちょくちょく素材採取に向かいますので、折を見て私も探しておきましょう*10
あ、そうそう。山で思い出したのですが。私は今シャーレビルの宿舎にいるのですが、先程まで百鬼夜行の雪山にいたのです
遭難しかけている生徒の方を見かけたので保護したのですが、囚人さん、今お手すきですか?
1013:囚人キング
え? いやまあボクも丁度シャーレに行こうと思ってDUに来てたんだけど、今行くよ
1014:名無しの転生者
なあ、なんか俺猛烈に嫌な予感してきたんだけど
1015:名無しの転生者
奇遇だな、俺もだ
1016:実力派センセイ
……ライダーちゃん、まさか出くわした子を殴り倒しちゃったとかじゃないよね?
1017:G級ライダー
失敬ですね、私を何だと思ってるんですか
1018:名無しの転生者
伏黒in宿儺?
1019:名無しの転生者
可愛い外見のダブラ?
1020:名無しの転生者
夏油と五条を足して二で割った上で伏黒パパ足した様な合法ロリ?
1021:オール・フォー・オール
草
そんな可愛い生き物じゃないですよ会長。オールマイトとAFOのフュージョン体に荼毘ぶちこんだぐらいの生き物ですって
1022:G級ライダー
後で覚えておきなさい、ソニドリ
まあ手強かったのもあり少々取り押さえるのに手荒になったのは否定しませんが
1023:名無しの転生者
大丈夫? その子生きてる?
1024:名無しの転生者
骨ぐらいは折れてんじゃねえかな
ってかライダーネキが「手強い」と評するぐらい強いん? ネームドキャラか……?
1025:G級ライダー
きちんと手加減はしましたよ。コスプレがどうのとか私は○○ではない(よく聞き取れませんでした)からとか言っておりまして話を聞いていただけませんでしたので……
リバーブローからのチョークスリーパーで気絶して頂きました*11
1026:名無しの転生者
ライダーネキ、その子が起きたらちゃんとごめんなさいしようね?
1027:G級ライダー
しますとも。で、その彼女ですが、百花繚乱の青い羽織を着ておりまして。フミさんの知己ではないかと思いお呼びした次第です
1028:名無しの転生者
雪山、百花繚乱、コスプレ発言……あー……ライダーネキ、その子の名前とか分かるものある?
1029:名無しの転生者
メイン案件じゃね……?
1030:囚人キング
ライダーちゃん、その子雪みたいに真っ白な髪と肌の女の子で、雪の結晶みたいなヘイローだったでしょ?
1031:G級ライダー
ええ、その通りです。よくご存じで。やはりお知合いですか?
1032:囚人キング
うん、後輩のナグサだね……まず間違いなくボクの後輩の百花繚乱現副委員長……*12
雪山で百花繚乱って時点でほぼほぼ見当ついてたけど……
1033:実力派センセイ
……とりあえず集まれる子はみんなシャーレに集合で。
ライダーちゃんは囚人ちゃんが来たら交代して執務室で待っててね。お説教するから
1034:G級ライダー
え?
1035:名無しの転生者
え? じゃないのよライダーちゃん
1036:名無しの転生者
残念でもないし当然なんだよね、大人しく怒られてなさい
1037:G級ライダー
むぅ……まあ、確かに乱暴な手段に出たのは申し訳ないですね。大人しく怒られてきましょう
でもやっぱりぐだぐだ揉めるより手っ取り早いと思うのですが……
1038:名無しの転生者
ライダーちゃん短気じゃないんだけどやるって決めるとノータイムで暴力解禁するのちょっと改めた方いいんじゃねえかな……*13
いやキヴォトスだと揉めて時間浪費するよりぶん殴ってふん縛った方が早いってのはある意味で最適解なんだけどネ
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「あ――――――」
知らない天井だった。百花繚乱の副委員長、御陵ナグサが目を覚ますと、そこは真新しく、近代的な部屋だった。
寝起きのぼやけた頭でなぜここにいるのか、と記憶を探る。自分は直前まで百鬼夜行の雪山にいたはずだ。
と、そこまで考えて、その色白の肌からさらに血の気が引く。思い出した。思い出してしまった。雪山で出会った謎の少女。
こちらが遭難しているのかと思い心配して保護を申し出てきた事に、理由があったとはいえ断った事はすまないと思ったが、まさか即座にボディブローで身を折った所に締め落としてくるとは全く予想外だった。*14
本当になんだったんだろうか……と思っていると、自分が寝ていたベッドの脇に誰かがいるのを感じ、そちらを向けば―――
「やあ、久しぶりだねナグサ。雪山登山、楽しかったかい?」
「あ……フミ、先輩」
視線の先にいたのは、金髪に一筋黒いメッシュの入った、青い羽織を羽織った女性。『剣鬼』と恐れられた先輩、先代百花繚乱の委員長、虎尾フミだ。
「まったく、委員長副委員長が突然失踪したと思えば雪山登山だなんて良いご身分だね? 君達が居なくなった後の百花繚乱の大混乱、教えてあげたいくらいさ!
ボクが矯正局を出た後だったからまだいいものの……まあ、その話はよそうか。その右腕に免じてね」
ナグサの心臓が跳ねる。見抜かれていた。ある事情によりまともに動かなくなった右腕だが、フミにはお見通しのようだった。
しかしその後の追及はなく、暫しの沈黙の後、ナグサの口からは謝罪の言葉が零れる。
「……すいません」
「いいさ。ケジメを付けるためとはいえ、自主的に君達を放って矯正局に入っていたボクが言う事でもない。……話してくれるね? 何があったのか。
フミの視線が、ベッドの脇に立てかけられたライフルへと向けられる。百花繚乱の制式ライフルにも似たデザインのこの銃は、しかしただの銃ではない。
百花繚乱の祖であるとされる大賢者クズノハ、その頃より代々伝わる銃『百蓮』。この世にあらざる怪異を祓う力を持つ、百花繚乱委員長の証であった。
「それは……」
口に出そうとし、口ごもる。言えば、きっと楽になる。先輩は自分を慰めるだろう。それでいいんだよと。
しかし、同時に落胆もするだろう。なんだこの程度なのか、と。やはり
自分は、百花繚乱の副委員長として委員長であるアヤメと共に皆の羨望を集めて来た。だが、違うのだ。
自分はただただ、必死に『超然とした副委員長、御陵ナグサ』を演じていただけだ。アヤメとは違う。
自分など一皮むけば、臆病で脆い心の、上っ面だけの人間でしかない。フミにはアヤメと共に見出してもらった恩もあるが、そんな彼女とて、本当の自分を知れば指をさして嘲笑するだろう。
でも、それでもいいのかもしれない。今はフミ先輩がいる。アヤメが戻るまでなら、レンゲやキキョウ、ユカリが育つまでぐらいなら、きっと彼女に任せた方が安泰だろう。
なら、口にしてもいいのかもしれない。口にして、楽になろう。自分自身、アヤメの失踪理由について大したことは知らないのだけれど。
「……すいません。分からないんです。クズノハ様を探しに行った、そのぐらいしか」
「そっか。でも、アヤメに会う事は出来たんだろう? 『百蓮』を君が持っているという事は」
「……はい。大雪原で、アヤメには会えました。でも、そこでアヤメは
「花鳥風月部、だね?」
こくりと頷くナグサ。
花鳥風月部。百鬼夜行連合学院が連合を為す前に存在した部活で、『連合の今の形態を認めない極悪非道の部活』『怪書を操り、人々を惑わす魑魅魍魎』などの胡乱な情報しか残らない程に、詳細が不明な者達。
百鬼夜行の外れ、大雪原で、花鳥風月部の部長によって『黄昏』と呼ばれる現象に呑まれ、消されてしまった。そして、それをナグサは成すすべなく見ている事しかできなかったのだ。
ナグサの動かなくなった右腕も、その時に『黄昏』に呑まれたことに起因する。
そこまで言うと、ナグサは傍らに立てかけてあった『百蓮』を手に取り、フミへと突き出す。
「これを、お返しします。きっと私よりは、先輩の方が上手く扱えるはずですから。*15
それと……私は、百花繚乱を抜けます。今回の件で分かりました。もとから器じゃなかった。アヤメに並ぼうと背伸びばかりしていたから、躓いて転んでしまった、そんな話なんです。
私は結局、皆の期待に答えられるような、立派な人間なんかじゃなかった。臆病で、矮小で、みんなの羨望を浴びる資格なんてない、足手まといだったんです。
そんなだから、アヤメを救えなかった。きっと、私じゃなかったら……アヤメを救えていた。
上っ面だけは良いから、みんな気付いていなかったけれど」
ああ、少しは楽になった。まだ心にわだかまるものはあるが、それでも、口に出せただけいいのだろう。
フミを見れば、何事か考えている。それもそうだろう。信頼して百花繚乱を託した後輩が、こんなどうしようもない奴だったなんて知ったら、それは悩んで当然だろう。
そして暫くの沈黙の後、フミはナグサに視線を向け、神妙な顔で口を開く。
「……いや、知ってたけどね?」
「え?」
「いや、ナグサが臆病でクソザコメンタルで依存体質で変な所ふてぶてしいのは最初に会った時から分かってたよ? 指摘すると絶対ぐだぐだになるから言わなかっただけ。*16
そのくせ実力はある癖に自己評価低いから、アヤメに懐いてるのもあって副委員長にしたら実力に見合う自己評価になるかなと思ったんだけど」
「え。いや、その」
「それに君シンプルに強いし、君らの世代で委員長副委員長選ぶなら君らしかいなかったんだよ。*17
第一ボクも先々代から半ば無理矢理押し付けられたようなもんだし……まあ、なるようになるさ。この緊急事態に君だけ遊んでられると思わないように」
そう言い、突き出された『百蓮』を押し返すフミ。
困惑するのはナグサだ。押し隠していた自分を一世一代の覚悟でカミングアウトすれば、既に『知っていた』と言われ、自分達以外に選択肢などなかったとまで言われる。
そんなはずはない。自分はアヤメに遠く及ばない実力でしかないし、周囲の方がずっと意思もあり覚悟もある。そのはずなのだ。
「でも、その、私は……アヤメじゃない、から。アヤメみたいな、立派な人間じゃないです……
私なんかより、キキョウやレンゲのほうがよほど……」
「そりゃ、ナグサがアヤメの真似なんてできるわけないでしょ。逆に言うとアヤメにもナグサの真似なんてできないし。
ナグサはアヤメに変な幻想持ってるけどさ、アヤメだってあれでいっぱいいっぱいだったんだよ。その辺、2人を裏からボクがカバーして上げたかったんだけど……その前にニヤをぶん殴っちゃったからね。
誰が悪いっていう根本的な問題を言うとボクが悪いって事になるね。というか、キヴォトスの社会の問題でもあるかな?
優れた1人を使い潰してようやっと回る社会なんてクソだよね! ちなみにボクはアヤメとナグサ2人分を1人でこなす羽目になったんだけどさ……*18
これ君達に責任取って働いてもらうぐらいしても罰当たらないよね? 逃げられると思わないでね……マジで……*19」
そう言ってフミはにこりと笑う。が、その目が笑っていない。何だったらこめかみにはうっすら青筋が浮いている。
あ、これ先輩が本気で怒ってる時の顔だ。かつてその顔が自分に向けられることはなかったが、そう言う時の先輩は全力で相手の逃げ道を潰して首を縦に振らせにかかる。
今、ナグサは当時ガン詰めされていたやつらの気持ちを理解した。有無を言わせずにとうとうと
「……とにかく。今はナグサに抜けられるとホントに困るんだよね。だから、辞めるにせよ続けるにせよ、とりあえず全部終わってからにしてほしいんだ。
もちろん今すぐ百鬼夜行に帰れなんて言わないよ。暫くはここにいるといい。落ち込んでる時は、美味しいご飯を食べて目一杯身体を動かせば多少なり気が晴れるものさ」
先程の据わった目とは打って変わり、慈愛に満ちた微笑みでナグサの頭を撫でるフミ。
その言葉に対する返答は、ただ小さい頷きを持って返された。
「……さて、メイン案件かぁ。とりあえず掲示板で報告して、と」
脳内掲示板で『メイン案件発生、推定五章。各員警戒されたし』と報告し、フミは百鬼夜行への帰途へ着く。
ナグサの百花繚乱離脱を阻止できただけでも良しとしよう。実際、ナグサはメンタルが弱いが最後の一線で踏みとどまれる少女だ。
心配であることは確かだが、一時百鬼夜行を離れ、喧噪の中でもまれる事で少しは気が晴れるだろう。別方向のトラウマが刻まれる可能性は否定できないが。
ナグサにはお守りを持たせた。花鳥風月部の干渉を避けられるかは賭けだが、ある程度向こうの探知能力を妨害することぐらいは出来よう。
そんなことを想いながら歩いていると、ふと霧が出てくるのを感じる。重く、じっとりとした、陰湿な印象を受ける嫌な霧だ。
そして、そんな霧に紛れてちらつく、悪意といたずら心の混じった嫌な気配。
「……ふむ、逃げ隠れするのだけは得意なんだね。まあ、ボクの目に留まらない所でコソコソするしか能がないんだろうけど」
「
ゆらり、と現れる小さな影。ナグサの白い肌とはまた違う、病的なまでに白い肌、百鬼夜行生のようだが、あちこちに包帯が巻かれた身体はどこか餓鬼のような印象を受ける。
そして何より、その小さな体から立ち上る気配は尋常の世界の住人ではない、異質な気配を感じた。
「おやおや、ご自慢の怪書も形無しのようだね。君達花鳥風月部が動いてるのが分かってるのに対策しないわけないじゃないか。
所で
「!? どうして手前の名前を――――――」
名乗っていないはずなのに名を呼ばれ、シュロと呼ばれた少女が驚いた直後、しゃりん、と金属が滑るような音が鳴る。
突然聞こえた音にシュロは怪訝な顔をしたが、不意に頬に痛みが走る。反射的に手でその部分に触れれば、ぬるりとした嫌な手触り。
頬に触れた掌を見れば、そこには真っ赤な液体が付着し、鉄錆のような匂いがする。―――血の匂いだ。
「――――――そこ、もうボクの間合いだよ? 敵の間合いに不用意に踏み込んじゃいけないって、
「コクリコ様の名前まで……! 第一、なんで『百蓮』も持ってない
困惑するシュロ。そう、シュロが不用意に顔を出したのは、本来その為の対策がされていたからなのだ。*20
本来であれば、『百蓮』以外の攻撃はシュロにかする事すらない。だが、事実フミはシュロを斬ってみせた。尋常の武器では触れる事すらできない自分を。
「はは、良い顔だ。少しは留飲も下がるね。何、色々理由はあるけど、覚えておくことはシンプルさ。
ボクは君に、触れる事が出来る。『百蓮』がなくともね。今のは警告だよ。大人しく引き下がりアヤメを返すなら良し。返さないのならば斬る。
ほら、この場は見逃してあげるよ。早く帰ってコクリコ先輩に泣き付くといい。ああ、そうそう。伝言をお願いできるかな?
『
ユカリは可愛い僕の直弟子だ。くだらないお家事情なんかであの子を曇らせるわけにはいかないんだよね」
「
捨て台詞と共に霧がさらに濃くなり、一瞬の後にぱっと消え去る。その後には元の百鬼夜行の街並みが現れ、そして直後、フミのスマホに着信が入る。ニコからだ。
「―――はいはい、ボクだよ。ニコ、どうかした?」
『フミさん? 良かった、さっきから何度もかけてるのに繋がらないし……心配してたんですよ?』
「ああ、ごめんね。ちょっとイザコザに巻き込まれててね。もう片付いたよ」
着信はニコからだった。今日はそっちに伺う、という連絡をしようとしたが一向に繋がらず、スマホのGPSの反応すらそう長い時間ではないが完全に途切れていたのだそうだ。
恐らくは先程の霧のせいだろうな、とは思いつつも、雑談交じりに今夜の予定を組み上げていく。
「今日は全員で来るのかい? 折角だから美味しい所で食べようかなって思ったんだけど」
『残念でしょうけど私だけですよ。お稲荷さん作っていきますから、フミさんのお部屋で食べましょう?
ああ、
「善処するよ。
などと軽口を交わしつつも、フミの冷徹な部分は、花鳥風月部の暗躍にいかに対処していくかを考え始める。
百鬼夜行を、そして何より、可愛い後輩たちを守るために。『剣鬼』は、静かにその牙を研ぐのであった。
そんなわけで38話でした。色々悩んだ結果5章を中心に進めようかと思う次第。
5章をメインにイベント編挟んだり他章のあれこれにおわせたりしていこうかなと。
□解説
・アオ
アズサの動きは把握してるので先手を打ったやつ。アズサコスはガスマスクで顔を隠せるのがありがたいわよねとは本人の弁。
転生者からするとヘイロー見ればバレるけど、キヴォトス人相手の変装だからその辺は楽かもしれない。
・セイアちゃん様
アビドス砂漠で軟禁中。一応ナギちゃん様は知ってる。当人了解済み。
ミカにバラしてないのは表向き『知る人間は少ない方がいい』『下手に知らせてパテル派の暴走を防ぎたい』という意図。裏向きはそりゃトリニティ側の黒幕に知らせるわけないよね、という。
・アズサ
襲撃しようとしたらなんか既に襲撃されてた……えぇ……みたいな感じ。
なお、報告としては襲撃は成功と伝えた。この時点で思うところはあったようなので。
・ホムラ
遭難者を見かけて保護しようとしたらぐだぐだ言い出したので締め落とした。
当人としては『明らかに山登り用装備じゃないのに山にいtあらそりゃ保護しますよ、無理やりにでも』とのこと。
なお当人はアイテムで対策できるので普段着である。
・フミ
性欲は強いし性癖は終わってるが基本的にまともで苦労人気質。
今回のホムラのアレは割と胃痛案件だったが、事前に保護できただけいいか……? と思っている。
神秘+シャーマン能力で、怪異に対しても自力で調伏できるので百蓮が要らない。
というか撃っても当たらないので至近距離で撃つしかない、ので斬った方が早い。
・ナグサ
割と今回一番の被害者。
メンタルそのものは割とどん底だけど、フミの激励やシャーレでの日々でちょっとだけメンタル上向きになってる。
なお、折に触れホロとかホムラとやり合ってリハビリしたりもしている。
ホムラに会った時はヒュッってなった。
・シュロ
煽りに煽ってたナグサちゃんが突如補足不能になったので出て来たクソガキ。
フミに煽り倒された結果コクリコに泣き付いた。今後の活躍に期待。