最近呪術三期見始めましたが、演出がほんととんでもねえ……次51話なので声付きの「人の心ないんか?」が楽しみです。
【ナグサちゃん】青く透き通るGTA世界に祝福を・49【美味いもん食え】
749:オール・フォー・オール
皆さんに最新のアビドス事情をお伝えします!
[配信中]
怯えた顔で正座しているロングヘアとツインテールの緑髪にハイランダーCCCの制服を着た少女2人。その目前には仁王立ちするレイ。背面からの画像なので顔は見えない
にゃんこ『ノゾミちゃん、ヒカリちゃん、私怒ってるんだけど理由分かるよね?』
ツイン『ち、ちょっと分かんないなぁ……』
ロング『分かんなーい……』
にゃんこ『わ か る よ ね ?』
2人『すいませんでしたーっ!』
750:名無しの転生者
なぁにこれぇ……
この緑髪の子らはあれだろ、例のシュポガキ共。こいつらがこんな顔で正座してるなんて何があったんだ……
751:墓守の狩人
ほら、以前ネフティスがハイランダーと組んで云々って話あったじゃない?
あれで、事前に『アビドスではいつもの調子でやらない方がいいよ』ってにゃんこちゃんが言ってたらしいのよね、双子というかハイランダーCCCに*1
で、それを半ば無視してアビドス三章みたいなことかましたもんだから……ぶちぎれにゃんこちゃん顕現? 的な?
752:名無しの転生者
にゃんこちゃんが怒ってもあんまり怖くない印象があるけど……こいつらが怯えるなんてまじで怖いのかね?
753:墓守の狩人
ほら、以前山海經でサヤさんが先生に一服盛ったじゃない? あの時より怖かったわよね
あの時は先生とシュンさんが出かけた直後にニコニコ顔からストーンと表情消えてサヤさんを即座に捕縛からの監禁してガン詰めして解毒薬作らせてたし
口答えするたびに返答の代わりに銃弾打ち込んでて正直キレたライダーさんより怖かったわ。他人事だから笑って見てたけど
754:名無しの転生者
何してんの!?
755:名無しの転生者
そうか……にゃんこちゃん怒るとマジで怖いのか……でも正直にゃんこちゃんとか写輪眼ネキは普通にマジギレしてもいいぐらいだからなあ*2
756:墓守の狩人
その日 橘姉妹は思い出した
にゃんこちゃんを怒らせてはいけないことを……自分達が虎の尾を十六連スタンピングしたという事を……
って進撃パロの文字列が脳裏をよぎるぐらいのアレだったわよね
757:実力派センセイ
にゃんこちゃんは出来るだけ怒らせないようにしたいです……
ツインテの子がノゾミちゃん、ロングヘアの子がヒカリちゃんなんだっけ? だいぶやんちゃな子達って聞いたけど
にゃんこちゃんをここまで怒らせるってこの子達前に何やったんだろ
[配信中]
ノゾミ『で、でもさ!? 今回の件はネフティスからの正式な依頼dあだぁっ!? 相変わらず躊躇なく引き金引くよねレイ!』
(無言でノゾミに発砲、その後噛みついてくるノゾミにさらに無言で2発打ち込む)
にゃんこ『私言ったよね、アビドスに手出すなって。あれさ、面倒を増やすなって事でもあったけど……いちおう2人の事を考えてたんだよ? ホムラ会長怒らせるととんでもないことになるから』
758:名無しの転生者
まあとんでもないことになるよね、風紀の時とか
あれは大半狩人ネキの方が重軽傷者量産してたけど
759:墓守の狩人
あの時はあの時よ、そうしないと止まらなかったもの
今回一番被害出したの会長さんだし……
[動画]
(装甲列車を横から写した動画。進路上にはホムラが立っており、一瞬のチャージの後装甲列車がの先頭から最後尾までを貫通する神秘ビームで一瞬で残骸へとクラスチェンジする)
760:名無しの転生者
待って?
761:名無しの転生者
とんでもないことになってるー!?
こないだイオリに撃った時よりチャージ短くねえ!? 前はそこそこチャージ時間あったけど今回5秒もチャージしてねえよね?
762:オール・フォー・オール
そりゃあナメた真似されてぶちぎれてますもん。こないだのあれはイオリさんを脅す意味合いもあって長々チャージしてただけですし
ちなみにこれによって重軽傷者多数ですが会長によって治療済みです。そして捕縛の後橘姉妹大説教会開催して現在に至る
763:墓守の狩人
今橘姉妹に聞いてみたけど、同じクラスでCCC候補生だった頃からの仲らしいのよね
で、にゃんこちゃん巻き込んで馬鹿やってにゃんこちゃんマジギレ。道路に縛って転がした上で車で撥ねられたんですって
764:名無しの転生者
よく考えたらこの子所確幸の連中ぶっ飛ばしたりもしてるから荒事が出来ないわけじゃないんだよな
身体能力がキヴォトス人基準でも低めなだけで*3
765:墓守の狩人
まあ人間の性根ってなかなか変わらないもんだし、にゃんこちゃんが連邦生徒会に引き抜かれて調子に乗ってたところはあるらしいわ
ちなみにその後スオウさんが来て回収してったわよ
にゃんこちゃんは先生が全力で甘やかしてご機嫌修復に勤しんでる
766:名無しの転生者
かわいそうなシュポガキ……ひとえにテメェらが怒らせちゃいけない子を怒らせたからだが
まあそこは無事アビドス三章イベントも終わったらしいってことでいいとして、ナグサちゃんどうしてる?
767:囚人キング
現在のナグサだよ
[画像]
(焼き鳥3本いっぺんに持って口いっぱいに頬張っているナグサ)
768:名無しの転生者
満喫してやがる!
いやナグサちゃんこのぐらい満喫してようやくトントンぐらいだと思うけど
769:写輪眼
とりあえずこいつはメンタルズタボロだったからとりあえず修行とうまい飯で余計な事考えさせないようにしてメンタル戻そうぜって話になったんだよな
ちなみにこの焼き鳥焼いたのは俺だ。ちょい前に変態との会議で百鬼夜行行った時についでにコツみたいなもんを教わって来たからな
770:名無しの転生者
そういえばフウカちゃんの手伝いしてるって前に言ってたもんな、流石は名誉給食部
結構お嬢様って聞いてるけど、手伝ってるとはいえ料理とか普通にすんのね
771:写輪眼
昔は色々あったからなあ、何かしてると気が紛れるってのはあったぜ。まあ、昔の話だがな
今は純粋に趣味としてやってる。お菓子とか作るとイブキが喜ぶんだよな
まあ、それはともかく。現状保護当初よりはマシにはなってっかね? 卑屈なとこはまあ根っからなんだろうが
772:名無しの転生者
まあ保護当初はアヤメもいなくなって自分だけ生き残ってメンタルガッタガタだったろうしなあ*4
773:墓守の狩人
有志で模擬戦とかもしてたけど、指揮能力も高いし戦闘力も高いし、なんであれであそこまで卑屈になれるのかしら
普通に私より強いわよあの人。特に近接戦が強いったら……この辺は囚人さんの薫陶かしら?
ギリギリ互角ぐらいには持ち込んでるけど、今のあの人片手動かないんでしょ? 自信なくしちゃうわよね
774:囚人キング
百花繚乱の幹部クラスは大体ボクの弟子みたいな所はあるからねえ
アヤメ・ナグサは直接指導した直弟子だし、ユカリもそうかな? あの子は百花繚乱に入る前から幹部候補生として目を付けてたんだよね
まあ、現状の実力じゃあ幹部で一番弱いけど、伸びしろで言うならゆくゆくは百花繚乱の長にとも思っているぐらいには強いよ?
阿弥陀流の技、ボクが作った物も含めてほとんど習得しちゃってるし。剣術だけに限ればボク以外じゃ百花繚乱最強じゃない?
そこに指揮能力とか組打ちとか銃撃の腕とか、そう言うのをひっくるめた総合力で言うとまだまだだけどね
775:名無しの転生者
あの「えりーと!」娘、マジモンのエリートになってやがる……!
776:G級ライダー
ナグサさん、本当にお強いですよ。ホシノクラスとはいかないまでも、高いレベルでバランスの取れた良いお方です
当初は私を見ると怯えておりましたが*5、ドーナツで交流を図ったりしてなんとかお話しできるようになりました
模擬戦でも幾度か手合わせしましたが、あれほどの強さの彼女ですら負けたらしいその花鳥風月部という方々、中々油断がならなそうですね
777:名無しの転生者
あいつらは単純に強いだけじゃ攻撃通らんからなあ
確か怪書とかいうアイテムのおかげで普通に射撃するだけだとすり抜けちゃうんだっけ?
778:囚人キング
そうだね。一応ボクもやろうと思えば斬れはするけど、流石に殺しちゃうわけにはいかないからねえ
痛い目を見て反省すべきだとは思うけど、流石に死んで良いとまでは思ってないし
779:オール・フォー・オール
流石に物理攻撃が効かないと私でも対抗しようがないですからねえ
前に聞いた話だと、囚人さんが斬れるのはシャーマン能力と神秘の合わせ技だとか?
百蓮を解析できれば何かわかるとは思うんですが……
780:囚人キング
流石にそれは難しいかな……写輪眼ちゃんとか狩人ちゃん、聖剣さんあたりは原作的にも攻撃通りそうな気がするんだけどね
781:墓守の狩人
一応私ミメシス叩き切れたりはするけど、あいつら銃で倒そうと思えば倒せるからあんまり参考にはならないのよね
目の前に出てきてくれたら試せるんだけど
782:名無しの転生者
やめとこうよ、ただでさえお前ともすればぶっ殺すのにも躊躇なさそうだし
コクリコ様もシュロちゃんもなんか重めのバックボーン在りそうだし、一応改心の余地はあると思うよ?
783:名無しの転生者
アザミは分かんないけど、百花繚乱2章でもあんまり彼女らのバックボーンについては明かされてないしね
多分美食とか温泉よりはまだ鑑みるべき何かはあると思う
784:囚人キング
そうなんだよねえ。コクリコ先輩は一応ボクの先輩に当たる人みたいだし、ユカリの親戚みたいだし
この後ユカリの家に殴り込む予定あるし、そこでちょっと調べてみるかなあ
785:名無しの転生者
待って????
786:名無しの転生者
殴り込むって何するつもりだお前w
787:囚人キング
ああ、本当にカチ込むわけじゃないよ? ユカリを辞めさせて巫女に専念させようとか言う動きがあるらしくてね
この動き自体は前々からあったんだけど、いい加減鬱陶しくなってきたから釘刺しとこうかなって
788:名無しの転生者
勘解由小路家関係のあれこれかぁ……まあ、ユカリはやめる気ないのに百花繚乱辞めて巫女に専念しろ! とか言ってたのが百花繚乱1章のあの大火事に繋がってるわけだし
ユカリの家としては当然の考えなんだけど、もうちょっとユカリの事を考えてあげてほしかったよな
789:囚人キング
なのでボク直々に殴り込んで釘を刺す必要があったわけだね
勘解由小路家の事情には確かに鑑みるべき背景がある。だけど、それはユカリの夢を潰してまで叶えるべきものか? ボクはそう思うんだ
790:名無しの転生者
こいつ性癖はゴミだし4股してるくせにこういう所真っ当なんだよなあ……
791:オール・フォー・オール
ちなみにGF号の件で『バニーちゃん見たかったなぁ』と言ってたのをユキノさん達に私が漏らした結果、FOXバニー小隊VS囚人さんの非対称戦が発生したようですよ
792:囚人キング
あれAFAちゃんの仕業だったの!? いやまあ、ごちそうさまでした
793:名無しの転生者
こいつ4対1で平然と食い破ってる……
FOX自体トップ層とは言わんまでも上澄みぐらいだよね……?
794:名無しの転生者
そりゃFOX小隊個々人は推定1イオリ以上ぐらいだとは思うが、それ達相手にしてごちそうさまと言える余裕で食い散らかしてんのほんととんでもねえよなこいつ
いやまあ戦闘力とベッドの上での戦闘力は完全に同じって訳でもねえんだろうが
本当にこいつその性欲を辛うじて外部に今まで出力してなかったあたり精神力も凄まじいんだよな……そこに痺れもしないし憧れもせんが
795:囚人キング
褒めてるのかけなしてるのかどっちなのかなあそれ
796:名無しの転生者
けなしてる
797:名無しの転生者
見下げ果ててる
798:墓守の狩人
まあいいんじゃない、実際に性犯罪起こしてなければ
……起こしてないわよね?*6
|
|
|
|
|
|
ナグサが保護されてから数日。ナグサは『シャーレ部員』という立場の上、修行に明け暮れていた。
何もできずにアヤメを失い、失意と絶望のどん底にあったナグサ。その心は今だ沈んでいたが、確実に上を向いてはいる。
もっとも、修行という名のほぼ実戦の殴り合いと食事で余計なことを考える暇が無かったとも言うが。
辛くはあるが、ただ鬱々と過ごしているよりはよほど良い。そんなことを考えながら、ナグサは食堂の隅で一人焼き鳥を頬張っていた。
「隣、良いかしら」
言葉とは裏腹に問答無用で隣に腰かけてくるのは、修道服を纏った猫系の少女。先輩であるフミと同様のシャーレ幹部、龍宮アオだ。
シャーレ幹部の中でも実力そのものは一段劣るが、攻撃に籠る殺気はトップクラスなので非常に心臓に悪い。
「……ど、どうぞ」
テンションは一定、穏やかですらあるが、いざ戦闘となった際にそれが訓練だとしても本気の殺意を込められる、しかも表面上は一切表情が変わっていない。
正直苦手な相手だったが、現在の立場上上司に当たるため無碍にも出来ない。
それを知ってか知らずか(恐らく知っていたとしても気にも留めないのだろうが)、アオは真横でうどんを啜っている。
「シャーレには慣れた? ああ、一応あなたの方が先輩だけど……私、敬語を使うの1人だけって決めてるの。タメ口でいいわよね」
「……ええ、一応」
これである。傲岸不遜とまでは言わないが、もう少し何とかならないだろうか?
まあ、腫物のように扱われるよりはよほどいいが。
「正直、少しは気が楽かも。余計なこと考えてるヒマもないし……」
「ならいいのだけれど。私も強い相手と殴り合えるのは願ったりかなったりよ。キヴォトストップクラスの相手ってシャーレ幹部以外は大体忙しいし。
片手とは言え、フミさんが見込んだあなたとやり合えるのは結構楽しいわ。越えるべき壁は高い方がモチベーション保てるし」
「そんなに言われても……あなたが言う程、私は大した事ないよ? 片腕も、
そう言って、動かない腕を示す。実際、ナグサは自分が凄いと思ったことはない。
自分に比べればアヤメの方がよっぽど強いし、後輩のキキョウやレンゲ、ユカリだって伸びしろは十分だ。
花鳥風月部になすすべなくアヤメを攫われた自分など、どれほどのものだろうか。
「……それ、本気で言ってる?」
空気が変わった気がした。アオの表情は相変わらずの仏頂面だったが、その雰囲気ががらりと変わった。
ひやりと首筋を撫でる気配。敵意はない。悪意もないが、ただ殺気だけがあった。
まるで手合わせをする時のような、猫が、いや、肉食獣が襲い掛かる寸前に身をたわめているような、独特の緊張感。
そんな気配を漂わせながら、アオは視線だけをナグサへと向ける。
「まあ、本気なんでしょうけど。フミさんも『あの子は変なとこ鈍感なくせにふてぶてしいから』とか言ってたけど……ほんとなのね。
その論で言うと、私も大したことないことになるし……あなたより弱い大半のキヴォトス人も大したことないって事になるんだけど?」
「え」
「そもそも、あなた自分がキヴォトスでも上澄みだって分かってる? アヤメさんがどれだけ強いのか知らないけど、上ばっかり見て足元見てないから足を掬われるんじゃないかしら?」
「あの、その」
予想外の一言だった。御陵ナグサという少女は、基本的に自己評価の低い人間である。
ブルーアーカイブ本編において片手で魑魅一座やユカリを一捻りにする実力を持っておいて冗談だろうと思うが、実際にその自己評価は低い。
これは委員長であった七陵アヤメ、そしてこの世界においては先輩であるフミが強すぎたというのもあるのだろうが、それでも本来ナグサはとても弱いとは言えないのである。
「でも、アヤメはもっとすごいし、フミさんだって……」
「あの辺の外れ値を世界標準にされたらキヴォトス全体ゴミカスしかいないじゃない。上じゃなくて下を見ろって話。
強くても弱くても、己の強さには自覚を持つべきよ。弱い奴が自分を強いと勘違いするのはただのギャグだけど、強い奴が自分を弱いと勘違いするのは……
まあ、侮辱よね。あなたの自覚はどうあれ、あなたのその態度はあなたより下の相手に対して『お前ら全員カスの自分以下のカスだ』って言ってるようなものなのよ」
「――――――ッ」
歯に衣着せぬ言葉。それ以上にナグサに突き刺さったのは、ナグサが考えもしなかった……いや、目を逸らしていた事だったからだ。
『ゴミカス』は流石に言い方が悪いが、つまりアオが言うのは『卑下した所で自分が強いのは変わらない』という事。
事実、アオと自分は互角程度。片手が動かない自分と互角という事は、本調子なら自分の方が強いのだろう。
自分が強いとはとても思えないが、彼女がトリニティでも有数の武闘派であることは事実だし、そんな彼女より自分が強いというのもまた事実だ。
「その様子だと、気付いてなかったというよりはあえて見ないようにしていた感じかしら? まあいいけど。
話が長くなったけど……少しは客観的に自分を見なさいって話。アヤメさん、助け出したいんでしょ? というか、その程度はあなたにやってもらわないと困るのよ。
出来るかどうかじゃないの。やるかどうか……いえ、やるしかないのよ。そのぐらいは出来なきゃ、あなた、自分を許せる?
お友達を目の前でなすすべなく攫われて、這う這うの体で逃げ帰って。そんな自分を許した上で、暢気に焼き鳥食べてられるの? 私だったら自殺するわね。
まず私がサクラコ様を攫われてなすすべなく逃げ帰るという前提が100%ありえないけど」
言葉の刃、という物があるのなら、それはきっと今向けられている舌鋒そのものなのだろう。
それ程までに容赦なく、遠慮なく、バッサリと切り捨てるような鋭さの言葉であった。雪山でさまよっていた時期の自分なら、その言葉に本当に潰れてしまっていただろう。
しかし、前に比べれば幾分か落ち着いた今ならそれではいけない、という事は分かる。このままで良いはずはないのだ。
「……どうしたら、いいのかな」
このままで良い訳がない。分かってはいるが、口から出るのは自信なさげな言葉。それはそうだ。理解はできても、行動に移せるかは別問題。
実際の所、花鳥風月部がどこにいるのかも分からないのだ。しかしアオは、少し考えた後、どうでも良さそうに肩をすくめた。
「……さあ?」
「え、いや、さあ、って言われても……」
「それはこっちの台詞よ。私としてはまあ花鳥風月部を打倒してアヤメさんを取り戻すべきなんじゃない? と思うけど、結局あなたの事だもの。
行動の規範を他者に依存しているのはあなたの悪い所よね。まあ立場もあったんだろうとは思うけど……
今はシャーレの一般部員、自分のやりたいことに全力だっていいでしょ。なんか言う奴がいたら私が潰すわ。嫌いなの、他人に責任丸投げしてやいやい騒ぐだけのやつら」
「……本当にシスターなんだよね?」
ナグサ自身のトリニティとの関りはほとんど正義実現委員会であったし、そもそもシスターフッドの人間とはアオが初対面だったが、流石にこれが一般的シスターフッドではないだろう。
黙っていれば楚々とした少女だが、口を開けば歯に衣着せない毒舌、戦いにおいては躊躇なく殺意満々で仕掛けてくる。どちらかと言えば暗殺者に近い気がする。
そんな彼女が心底から敬愛し忠誠を誓う『歌住サクラコ』とは、どれほどの傑物なのだろうか。
「紛れもなくシスターよ。トリニティ所属、シスターフッド、カタコンベ保守点検部隊『墓守』隊長、龍宮アオ。ま、ちょっと
「躊躇なく人の頸動脈狙ってくる人間が普通の女子高生というのは凄い語弊があると思う」
「否定はしないけどね。キヴォトス人って頑丈だしこの程度じゃ死なないでしょ。怪我しても治せるし、*7第一手加減してちゃ強くなれないもの。
ともあれ、さっきよりはマシな顔になったみたいだけど……まあ、やれるでしょ?」
「……わからない。でも、やってみる。多分それは、何もしないよりはよっぽどましだろうから」
そこで、ナグサは自分が幾分か心が軽くなっていることに気付く。雪山で彷徨っていた時に比べれば、今の心境は晴れやかとすら言えるだろう。
あるいは、アオの毒舌は自分に対しての発破だったのだろうか? あえて歯に衣着せぬ物言いをすることで、自分が泥を被ろうとする――――――
(――――――いや、多分それはない。あれは心底の本音だった。でも、それでも、こちらを気遣って声をかけていたのだろう。多分、きっと、恐らく)
御陵ナグサ、17歳。一時百鬼夜行を離れ、シャーレ部員として日々修行に励む中、色々と度し難いモノ*8を見たし、知りたくもない事*9を何故か知る事となった。
これからもきっとまた別の諸々を見る事に、知ることになるのだろうけど、きっとそれも、己の明日への糧になるのだろう。ナグサはそう自分に言い聞かせた。
なお。
実際それらの経験はナグサの力になったし、アヤメ救出の一助にもなった*10のは確かだったが、その事について言及するとナグサは決まって釈然としないような顔をするのであった。
どっとはらい。
そんなわけで39話でした。百鬼夜行編もどう決着させたものかな……アヤメ救出までは行きたいところですが。
□解説
・アオ
強さの序列で言うとレイを除くシャーレ幹部最弱だけど、この序列はヨーイドンで正面切って殴り合った際の強さなので環境や奇襲などを絡めれば上位に食い込める。
あと『殺す気はないけど殺す気でやるわね』みたいな思考回路なので急所狙いに躊躇がない。
また、アオは基本的にサクラコ様以外の相手には敬語を使いません。基本ナギちゃん様ですらナメ腐ってる化け猫がナグサに対して歯に衣着せるわけがねーのである。
・ナグサ
シャーレでもまれる中でなんぼか精神面がマシになってきてるやつ。
片手でアオと同格ぐらいなので、両腕解禁すると多分フミとタメを張れるぐらい。推定1ヒナ。
・シュポガキ
仕事には真摯だけどそれはそれとしてクソガキでもあると思うので、多分ホムラは一切容赦しない。あとレイも容赦しない。
バカやってるとレイにしばかれるけど、バカやってないなら仲いい時のホムラとソニドリぐらいの関係。