副題:カルバノグの兎(未遂)編。
【世が世なら】青く透き通るGTA世界に祝福を・3【全員ブタ箱】
1209:写輪眼
おう先生ににゃんこ、なんか申し開き*1はあるか?
1210:にゃんこ大線路
返す言葉もございません……
1211:実力派センセイ
とんでもない事をした自覚はあるけど、若い身空で効果があるかも怪しいデモ活動させたり、
あまつさえ年頃の女の子が食うや食わずのホームレス生活だなんて大人として認められない!
だいたい連邦生徒会長が失踪したのが悪いのであって、それなら代行であるリンちゃんが責任取るべきでしょ!
それなのに責任取れる人がいないから閉鎖、だなんて……
1212:墓守の狩人
まあ賛同はしないけど理解は示せるけどね。連邦生徒会も無能ではないけど、基本的に連邦生徒会長ありきの体制だもの
日々の仕事をこなすのでいっぱいいっぱいのリン代行じゃあそこまではねえ……*2
1213:囚人キング
まあまあ、その辺で。実際起こりうる事態として想定はしてただろう? 最終編への影響はまあ少ない方だろうし……
それに写輪眼ちゃんだってエデン条約編には介入していくつもりだろ? だったらこのぐらいはお目こぼししてあげないと
1214:写輪眼
……まあ、そりゃそうなんだが。っていうかだな変態、おめーも一枚噛んでんのは知ってんだからな!?
なんで先生たちがしおらしくなってんのにお前だけ平常運転なんだよ!?
1215:囚人キング
別に悪い事してるわけでもないし?
1216:名無しの転生者
反省の色がねえ……!
1217:名無しの転生者
そういえば写真から見るにRABBIT小隊シャーレ入りしたの? 良く説得できたねあの子ら
1218:写輪眼
はー、まあ俺も人のこたぁ言えねえ自覚があるしこれ以上はよすが……*3
とりあえず先生ににゃんこに変態、細かい説明はしてもらうからな!?
報連相しっかりしろって事だよ!
1219:実力派センセイ
はーい……
1220:にゃんこ大線路
といってもあんまり語る事もないんですが。お散歩してたらデモの準備してるRABBIT小隊に出くわしまして、
そのままあれこれ説得してシャーレに来てもらって……
1221:囚人キング
そしてボクと先生で懇切丁寧に説得したという訳だね
彼女らが、というかミヤコちゃんが憧れてるFOX小隊とは顔見知りだったから助かったよ
1222:名無しの転生者
そう言えば変態は現役時代ワカモとやり合ってたって言うんだから、ワカモを捕縛したFOX小隊とも知り合っててもおかしくないんだよなぁ
ほんと治安維持組織の元委員長って経歴があちこちで役立つからタチ悪いんだよなこの変態
1223:囚人キング
そうだね、タチ・ネコで言えばタチだという自覚はあるよ、経験がないではないし
所でサキちゃんって気が強いけど受け攻めで言うと受け側になりそうな感じがしてそそるよね
1224:名無しの転生者
そう言う話してんじゃねえんだよ! 説明しろ説明!
1225:囚人キング
とはいえねえ……まあ、普通に筋道立てて説得しただけだよ?
元々シャーレの増員は予定してたわけだし、そこにねじ込んだというか
原作でRABBIT小隊との仲がこじれたのは初手が制圧から入って第一印象最悪だったからだと思うし、
すぐにではないにしろSRT復活だって元々予定してたわけだし?
1226:実力派センセイ
そりゃあ簡単な話じゃないのは分かってるよ? でもやる意味も価値もあるわけだし
シャーレの持ってる特権考えると不可能じゃないわけだし
というかシャーレが元々持ってた特権が無法すぎるんだよね、連邦生徒会長も何考えてたんだか
1227:名無しの転生者
うーん大人の鑑。流石未来を仲間に託して敵を道連れ自爆した奴は覚悟が違うな
1228:実力派センセイ
前世・前前世含めて二回死んでるからほんともう怖いものなんてないよね
1229:名無しの転生者
いやまあ俺らも最低1回は死んでるんだが
1230:写輪眼
分かった分かった、その代わりきっちり面倒見ろよ? あと俺の事情……エデン条約編にも噛んでもらうからな
姉ちゃんを犯罪者にするわけには行かねえし、アリウスと仲直りしてえってその理想は悪いもんじゃねえはずだ
1231:名無しの転生者
あー、やっぱエデン条約編介入するんだ、派手に
1232:名無しの転生者
写輪眼ネキにとってみれば肉親なわけだし、この後の諸々考えるとねえ
1233:墓守の狩人
そう言えばこの間自力でカタコンベ*4突破してたわね。ほんとなんなのあの人
写輪眼さんとはアリウスを救うという観点から私も協力してるのよね
私、一応カタコンベ周りの保守点検を担当してるし、行こうと思えばアリウス自治区行けるわよ
1234:名無しの転生者
あー、だから『墓守』の狩人か
1235:墓守の狩人
ええ。ベアトリーチェはいずれ殺すわ、生前アリウス&シスターフッド箱推しだった身としては月光*5を持ち出すのもやぶさかではないわよ
1236:名無しの転生者
ヒェッ
1237:名無しの転生者
と、とりあえず今は先生! 先生!
RABBIT小隊関係は具体的にどういうプランがあるんだ?
1238:実力派センセイ
とりあえずシャーレの実働部隊として働いて実績を積んでもらおうと思ってるよ
ホームレス生活なんかより断然SRTの正義を示せると思うし
1239:にゃんこ大線路
ミヤコちゃん達唖然としてましたよね……先生関係ないとは言え、連邦生徒会を代表して頭下げて、
その後連邦生徒会を相手に喧々囂々の大会議ですよ
いやー見てて大分頬がひきつるのを禁じえませんでしたね
迂闊な事言おうもんなら横からフミさんがツッコミ入れて人材資源室長なんて顔色真っ白でしたもん
1240:囚人キング
カヤちゃんもなんか言おうとしてたけど、自分の方に流れ持ってって都合のいいようにしそうだったからさ、
とりあえずカイザーからのリベートの件で明言はしないでつっついたら青筋建ててひくひくしてたの控えめに言って爆笑もんだったよね
ちなみにAFAちゃんによって裏取りその他終わってて後は最適なタイミングでぶちまけるだけだよ
1241:名無しの転生者
最前線でバチバチにキヴォトス最強クラスのテロリストとやり合ってた治安維持組織元委員長がいるのはルール無用すぎんだろ
あとカヤちゃんは一応口ではSRT擁護してたんじゃねえの……?
1242:囚人キング
裏でリンちゃん派追い落とそうとしてる分不相応な小物*6にくれてやる情けはないよ?
それに連邦生徒会長はもういない。戻って来るかも怪しい。なら、今いる人間で回るようにするしかないんだ
1243:名無しの転生者
こいつ性癖以外はかなり有能でまともなんだよなぁ……
そう言えば自主矯正局入りしたのもやらかしたニヤニヤ教授の顔面へこましたからだったか
1244:にゃんこ大線路
でも正直先生の言うことももっともなんですよね。ヴァルキューレとSRTじゃ校風も方向性も違いますし
あれですよ、正実と自警団みたいなもんです。会長の一存で即投入できるSRTは必要なんですよ
何より『居場所を奪われることがどれだけ辛いか、あなた達ならわかるでしょう!』とか、
『責任の所在なんてものであの子達の誇りを奪うんだったら、私が責任を持てばいいんだね!?』とか
先生が割と本気でSRT復活させる気なの聞いてジンときちゃいましたよね
やらかした私の言う事じゃないですけど……
1245:名無しの転生者
ところで先生はどうした? さっきから黙ったまんまだけど
1246:にゃんこ大線路
ふと我に返った後「うわぁやっちゃった……」みたいな顔でソファで悶えてます
そっとしておいてあげた方がいいでしょうか
1247:実力派センセイ
うぅ……改めて我に返るとクサいわなんだわで死にたくなるね……
リンちゃん達は大変なのは分かってるけど、それはそれとして突然居場所を奪われて似て非なる学校に通えと言われればね
正義の暴走を懸念しているのかもしれないけれど、それは私が連邦生徒会長に代わって見るという事で納得しては貰ったよ
ただ廃校になったのをそうすぐに復活させるのは難しいから、それまで希望者をシャーレで面倒みるという事にはなった
AFAちゃん装備とか物資・資金とかその辺お願いね?
1248:オール・フォー・オール
お任せください! 最近じわじわカイザーのシェアを侵食している系列会社、
ハミングバード・インダストリーの武器弾薬や私のポケットマネーからばっちり支援しますとも!
……まあその代わりっちゃなんですけどアビドスの方はよろしくお願いしますね。
本来のアビドス本館の方はカイザーに取られてるんで、場合によってはホシノ先輩が原作の流れに乗ることになりそうですし
まあその場合はカイザーグループが地上から消える時ですが
1249:名無しの転生者
こいつもアビドス推し勢だったか……
1250:オール・フォー・オール
いえ違いますが? ユメ先輩からアビドスとホシノ先輩をお願いね、と言われてますから。強いて言うならユメ先輩推しですね
ユメ先輩に恩はありますし、セリカちゃんアヤネちゃんもほっとけませんけど……
正直ホシノ先輩とかシロコちゃんノノミちゃんとは関りが薄いというか2年生コンビとは関わりないので……
言っちゃうと正直どうでもいいっていうのが本音ですね
ユメ先輩からの頼みなのとカイザーが気に入らないので土地買ったり嫌がらせしたりしてる感じです
ちなみに私の生前の推しとしては山海経のルミ会長ですね。玄武商会にはよく行きますよ
1251:名無しの転生者
そういえばユメ先輩の勧めでミレニアムに進学したって言ってたな……
それでもホシおじ・シロコ・ノノミをどうでもいいと言い切っちゃうのは極端だと思うが
1252:実力派センセイ
アビドスは確か生徒五人でメインストーリー第1章のメインキャラ達なんだよね?
流石に借金を一気に返せたりはしないだろうし、向こうが望まないだろうけど……*7
AFAちゃん、前にも言ったけどその時はお願いね、私はあの子達を助けてあげたいから
1253:オール・フォー・オール
ええ、構いませんよー。アビドスの人達にもそろそろ現実見てもらわないといけませんしね
あのまま借金返すだけの青春送らせるのはいくらなんでも酷ですし
1254:名無しの転生者
ちょいちょい毒飛ばすじゃんね……
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「――――――先生、 今お時間よろしいですか?」
「あ、ミヤコちゃん。どうしたの?」
シャーレ、執務室。
先生が呼び声に顔を向ければ、そこにはウサ耳を象ったヘッドセットをつけた少女。
先ごろシャーレで面倒を見ることになったSRT特殊学園の生徒、RABBIT小隊小隊長、月雪ミヤコだ。
SRT特殊学園が上役である連邦生徒会長の失踪により閉鎖となり、
防衛室管轄のヴァルキューレ警察学校への編入を拒否し装備や物資を持ち出し脱走。
D.U.にある公園、子ウサギ公園を占拠しデモ活動をしようとしたところ、先生たちに遭遇。
そこで説得の末シャーレ預かりとなり、その後喧々囂々の会議を終え、連邦生徒会の面々に勝利を収めた*8先生により、
正式にSRT特殊学園の復興までシャーレ所属として受け入れられる。
その後シャーレとして活動し知名度と実績を積むことで、SRT再興に説得力を持たせる方針へと転換した。
「シャーレの設備は自由に使ってくれて構わないからね。これから他の元SRTの子達も来るだろうし、
そういう子達にも色々教えてあげてほしいな」
「あ、はい。了解しました……それで、先生にお聞きしたいことがあったんですが……」
「うん、いいよ。私に答えられることであれば」
「では、その……どうして私達RABBIT小隊を迎え入れてくれたんですか?
それだけではありません。入部させるだけなら私達が頷けば良い話ですが……
どうして連邦生徒会にあそこまで食い下がっていただけたんでしょうか」
それは、実にもっともな問い。百花繚乱紛争調停委員会先代委員長である虎尾フミもまた、
『先生の人格は信用できるし、デモ等より連邦生徒会長直々に設立したシャーレで活動することこそ、
先人たちから受け継がれてきたSRTの正義を示せるだろう』という言葉を始め、先達としての助言をしてくれた。
しかし先生はそれだけではない。自分もまたキヴォトスには来たばかり、見出だしたはずの連邦生徒会長との面識もない。
連邦生徒会長が設立したとはいえ、得体のしれない大人が特権を持っているというのは実に胡乱な出自だろう。
そんな現状で派手に動けば、下手をすれば連邦生徒会からの信用すら無くしかねない。
なのに先生はミヤコ達から事情を聴き、シャーレの部員たちからも話を聞いたうえで、連邦生徒会トップの面々を招集。
喧々囂々、突き刺さる不審や敵意の視線すら跳ね除けてSRTの復興を勝ち取り、
そしてかつてSRTに在学していた者達の中から希望者はシャーレで面倒を見る、とまで言ってくれた。
そして何より、自分達が守りたかった『SRT学園生としての誇り』を尊重したうえで選択肢を与えてくれた。
だが、ミヤコには分からない。どうしてそこまでしてくれるのか。彼女の言動に裏はないように見える。だが、その言葉を信じきれない自分達もいる。
SRTの鋼の規律を尊ぶサキなどは、誘われた当初はあからさまに不信の目を向けた上で『そんな都合の良すぎる話信用できるか!』と言い放った。
ミヤコもまた、サキほどではないが、どうしても先生の言動に不信を拭えない。
そう、意を決して口にすると、先生は困ったように苦笑し、それからにっこりと穏やかに笑った。
「そうだよね。私を信じきれないというのは正常な反応だよ。後ろめたく思う事はない。
理由は……そうだね、あえて言葉にするなら、私がそれをしたいと思ったから、かな。
私はよく知らないけれど、ミヤコちゃん達はきっと、凄い頑張ってSRTに入ったんだよね。
並大抵の努力ではなかったと思う。きっと、一度や二度くじけそうになったことぐらいはあるかもしれない。
でも、君達はSRTの旗を掲げ続けることを望んだ。己の心の中の『
……モエちゃんはちょっと怪しい所あるけど。ミユちゃんもだけど、あの子の気持ちも分かるから。
だから、その背中を押してあげたいと思った。私は正直、なんでキヴォトスに呼ばれたのかをよく分かってない。
けれど……きっと、ミヤコちゃん達のような子の背中を押して、前に進ませてあげる事。降りかかる火の粉から守ってあげる事。
それが、私の役目――――――『大人』としてここにいる、責任の取り方なんだと思っているよ」
「……そう、ですか。正直に言って、今回保護して頂いたこと、有難く思っています。
でも、先程の通り、私は、あるいは私達は。先生を全面的に信用することはできません。
――――――少なくとも、今は」
ミヤコが最後に付け加えた言葉を聞くと先生は微笑む。
そしてミヤコに座るように促すと、今度は自分が席を立ち、給湯器の方へと向かう。
「じゃあ、より一層頑張って信用してもらえるようにしないとね。
お茶でも入れようか、
「えっ」
その瞬間執務室と廊下を隔てるドアが開け放たれ、どやどやと転がってきたのはここにいるミヤコを除く
その後苦笑しながらもその横を通り過ぎて来るレイに微笑みかけ、先生は人数分の湯飲みを用意する。
「さ、サキちゃん達も起きて起きて。そこに座ってぼんち揚げでも食べてて。お茶入れるからね」
「――――――やあ、ユキノ。随分
「……虎尾委員長。いや、虎尾
「ついでに言うならシャーレ部員・虎尾フミでもあるね。子ウサギちゃん達*9が心配で来たのかい?」
シャーレ内部、廊下。そこではフミと黒髪に狐耳のセーラー服の少女、ユキノが対峙していた。
「後輩が何かしでかす前に止めてくれたと聞きまして。
「君達FOX小隊もシャーレに入ったらいいのに。先生は本気でSRTを復活させる気だし、
その間元SRTをシャーレで面倒見るという通達も言っているだろう?
ああ、それとも引き取り先がすでに見つかっているのかな? 今はヴァルキューレ所属だし。
かの『狂犬』か……それともその上かな? その場合、やっぱり
「…………」
沈黙するユキノ。そう、彼女はかつてフミが現役だった頃からの知り合いである。
かつてやり合った『災厄の狐』狐坂ワカモを捕縛したSRT特殊学園所属の小隊、FOX小隊。
その小隊長こそ彼女、七度ユキノなのだった。
かつての生気に溢れた目とは打って変わったどこか淀んだような眼を見て、フミは悪戯っぽく微笑む。
「言っておくけど、そっちは泥舟だよ。今ならまだ戻れる。
君が本当にSRTを復興させたいならば、後輩たちと共にこっちで働くのが一番の近道だ。
少なくとも、キヴォトスの治安レベルすら理解していない
「貴方に、何が分かると……っ!」
フミの胸ぐらをつかみ、見上げるように睨みつけるユキノ。
淀んだ目の奥に見える憤怒の色を眺めながら、そのままの体勢でフミは口を開く。
「君が何を考え、今その選択肢を選ぼうとしているのかはおおよそ分かっているよ。
これでも元百花繚乱の長だ、色々と知っているし、友達も多くてね?
色んな事を知っているし、いろんなものを見てきているんだ、これでもね。
そしてその上でもう一度言おう。そっちは泥舟だよ、とね」
手を伸ばし、ユキノの黒い長髪を梳きながら撫でるフミ。
ユキノは俯き、その顔は見えない。しかし胸ぐらを掴んでいる手に込められた力、
そして頭を撫でる手から伝わってくる震えが、ユキノの心の中を現わしているようだった。
「怒らせたのはボクだけど、そんな顔で後輩たちには会えないだろう? 今日は帰りなさい。
頭を冷やして、他のFOX小隊の皆とよく話し合うといい。その上で答えを出すんだ。
君達は命令に従い、作戦を遂行する武器である。だがしかし、君達は同時に人間でもある。
古来名刀・名剣と呼ばれるものは使い手を選ぶ。だからこそ相応しいものの手に相応しい武器が渡るんだ。
刃の先を向ける相手を選ぶのは、なるほど武器ではなく柄を持つ者の役目だろう。
だが、優れた武器が選ぶのはその柄を握る者だ。君の掲げるSRTの誇りの行く先は――――――
――――――
フミの言葉に、答えはなかった。身を翻し去ってゆくユキノの背を、フミはただ見送っていた。
そして立ち尽くすことしばし。ユキノが去っていった廊下の曲がり角から顔を出したのは、漆黒の羽を持った桃色の髪の少女。
フミと同じ転生者、ウリエだった。ウリエの胡乱なものを見るような目に、フミは手を振って応ずる。
「……おう変態、さっきすれ違った黒髪の、ありゃあFOX小隊の七度だろ?
半泣きだったけど何しでかした、正直に言わんと折るぞ」
「折るぞ?(質問)じゃなくて折るぞ(断定)なのほんとウリエちゃんって感じだよね」
出会いしなにがっしと掴まれた前腕がみしりと嫌な音を立てる。
締め付けるような激痛にも顔色を変えることはなく、フミは先程の話を説明。
それを聞いたウリエが大げさにため息を吐き、フミの腕は辛うじて粉砕骨折を免れる。
「っかー……こりゃカルバノグも盛大にぶっ壊れたな。
まあ最終編に影響は少ない方だからこの際毒を食らわば皿までだがよ……」
「元々最終編に多大な影響のあるエデン条約編もウリエちゃん主導で盛大にぶっ壊すんだろう?
誤差だよ誤差。しかし彼女、どうなるかな。多分こっちに来てくれるものとすると……」
「あー、そういや連邦生徒会の代行派の連中はまだ無事だったから、襲撃はまだって事だよな。
って事は最後の一線はまだギリギリ踏み越えてねえって事か。
「ま、ユキノには小鬼*10をつけておいたから何とでもなるさ。
カヤちゃんやカヤ派の方々には……少々怖い目に合ってもらおうかな」
「殺すなよ?」
「加減はするさ。さ、執務室に行こう。先生がお茶を入れてくれているはずだよ」
事もなげに言いつつ、ウリエを伴い執務室へと向かうフミ。
しかし、ふと立ち止まるとぶるりと身震いをする。
「……っふぅ……」
「どうした変態、便所か?」
「いやね、さっきの話の時、ユキノを怒らせて睨みつけられたんだけどね。
あの生気を失ったような淀んだ目、その奥で揺らめくボクに対する憤怒、
そしてそれに言い返すこともできない自分への怒り、それがないまぜになったナマの感情をぶつけられてね……
……正直興奮したよね。濡れt「死ねっ!」むこうずねっ!」
頬を赤らめとんでもないことをのたまいかけたフミだったが、ウリエの右足の向う脛への全力ローキックで中断。
肩を怒らせ速足で先に行ったウリエを見送りながら、フミもまたゆっくりと執務室へと歩を進めるのであった。
なお、余談であるが。
その後しばらくしてシャーレ預かりとなった元SRT学園の面々*11だったが、
その面々の先頭に、晴れやかな笑顔をしたユキノを始めとするFOX小隊の一同が居たというのは、
記しておくに値する事柄だろう。
さらに、余談であるが。
ユキノがフミと会話をし、帰った日の夜。連邦生徒会防衛室室長、不知火カヤとカヤのやり方を支持する、
いわゆる「カヤ派」の面々が在宅中に不明勢力の襲撃を受け、カヤを筆頭にした一部が入院を余儀なくされたのだという。
一同は口々に『鬼に襲われた』と語っているが、詳細は不明。
逃げ惑っている姿を映した監視カメラの映像でも逃げている面々の姿しか映っておらず、
襲撃を受けている場面ですら、被害者が
ヴァルキューレ公安局は光学迷彩に類する何がしかが使用されたとみているが、現在犯人の行方は分かっていない。
そんなわけで4話でした。カルバノグの兎編無事大崩壊! 影や形ぐらいしか残りませんでした!
次回はTSようじょ書いてからになるので少し遅れるかもです。
■解説
・先生
RABBIT小隊より窮状を聞いて「ケツモチいねえから閉鎖すんだったら俺がケツモチやったるわい!」と立ち上がった大人。
シャーレの特権フル活用して会議招集したり最終的にSRT復興を勝ち取った。
(ただし即座に復興とはさすがに行かなかった)
基本的に「自分は導くもの、背中を押す者」と考えているので、正しく努力し足搔く者の手を取ることに躊躇はない。
なお犯罪者やテロリストに対してはその限りではない。
なお、ミヤコと話している時扉の向こうで聞き耳を立てていたRABBIT小隊に関してはサイドエフェクトで見えていた。
・にゃんこ大線路
若干先生に脳を焼かれている転生者。先生の秘書のような立ち位置に落ち着きつつある。
弊シャーレにおいては原作同様当番制を導入しているが、レイがいる関係上、
基本的にレイ+転生者の誰かに加えて当番の3名がシャーレにいる事となる。
・囚人キング
実はRABBIT小隊受け入れに対して説得に当たっていた変態。
間違いなく変態だが基本的には善性の人間なので、先生がRABBIT小隊を連れてきた時点でカルバノグ編崩壊を予見し色々やっていた。
その後の会議でも原作知識+元治安維持部隊の長としての経験や伝手を活用して横から状況が上手く転がる様に手助けをした。
普段は飄々としているが今回FOX小隊を利用しようとしたカヤに対して激怒しており、
最後のカヤ派襲撃は囚人キングのシャーマン能力で作り出された「鬼」によるもの。
(キヴォトス人は神秘を有するため霊を視認できるが、カメラには映らないものとした)
写輪眼に蹴られた右足はヒビが入っていたが、三日で治った。
(なおそのヒビの入った足で先生とチャンバラが出来る)
現役時代は性癖をひた隠しにしていたが、転生者達と関わる様になって彼女らには割と素を出せるので結構解放感を感じている。
・RABBIT小隊
SRT閉鎖からのデモ開始をキャンセルされ、そのままシャーレ入りした。
本作においては先生のシャーレ到着少し前にSRT閉鎖が決定、
そこからデモを画策し装備や物資をパチって子ウサギ公園へ行った辺りで先生と出会った。
そのためまだデモを開始しておらず、パチった物資も無事返還され情状酌量の余地あ地と言う事で放免された。
全員それなりに先生に恩義を感じているが、直で先生と対峙したミヤコが特に脳を焼かれている。
・FOX小隊
今回カヤの命で先生の様子伺いや、受け入れを開始した元SRT生徒としてシャーレへのスパイとして訪れたが、囚人キングの説得により翻意。
カヤと手を切り、正式にシャーレ側の生徒としてシャーレ入りした。
RABBIT小隊のデモキャンセル同様、連邦生徒会のリン派襲撃前、
カヤからのお誘いがかかったあたりでの今回の件だったので、まだギリギリ最後の一線は踏み越えてなかった。
シャーレにおいては最上級生と言う事もありSRT出向組のリーダー的立ち位置にいる。
・SRT特殊学園
先生の尽力により復興は確定したもののまだ学園は閉鎖されたままなので、
そのままシャーレの人員として活動している。ウサギ・キツネ小隊の他にも小隊がいくつか、
それに加え事務員も出来る内勤の面々もいるのでシャーレは大助かり。先生も毎日ちゃんと寝れている。
装備や物資諸々はAFAのハチドリグループからの支援を受けている。
ウサギ達ほどではないが先生には恩義を感じており、信頼は厚い。
なお、いきなりそれだけの面々を引き抜かれたヴァルキューレ、特に公安局は悲鳴を上げたのだという。
・カヤちゃん
手駒をあらかた引き抜かれた上、鬼に追い回されてしばらく入院することとなった。
なお、小うるさい上司が居なくなったので防衛室の空気は良くなったそうです。