ブルアカ転生掲示板   作:タマヤ与太郎

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そんなわけで七話です。今回あとがきにおまけがあります。
ぼちぼちアビドス1章始めたいところですが……

※2024/06/09 12:13更新
おまけつけ忘れたのでおまけをつけ直しました!


7:勧誘するやつら★

【カヤちゃん】青く透き通るGTA世界に祝福を・6【無事逮捕】

 

 

 

 

882:写輪眼

 

なあ、なんかできちゃったんだが……

 

[画像]

(4人ぐらいに分裂したウリエ、全員唖然としている。背景には驚いてるジュリと『눈_눈』の顔をしたフウカ)

 

 

883:名無しの転生者

 

分身!? いや影分身か!?

 

 

884:名無しの転生者

 

何で分身してんの!? 写輪眼ネキ特典は写輪眼だけだったよな?!

 

 

885:墓守の狩人

 

あー、これはあれね、特典の副次効果かしら?

ほら、私達の転生特典って特典に応じた体質に変わるじゃない?

私で言うなら輸血液*1で傷が治る体質だったりするみたいな

 

 

886:名無しの転生者

 

あー、なるほど?

写輪眼ネキは写輪眼を特典として得ている、そして写輪眼はチャクラ*2を使う血継限界

となると逆説的に写輪眼ネキはチャクラを生み出せる体質になっている

だから印を結べば術が使えるという事、なのか?

 

 

887:オール・フォー・オール

 

そのようですね! 私の体も個性因子*3を保有する肉体ですし、先生も検査の結果トリオン器官を有しています

となると写輪眼さんがチャクラを生み出せる体質でも何ら不思議はありませんね

おそらくは囚人さんも巫力や霊力という概念を認識し行使することができる体質、と言う事なんだと思います

やりませんけど、写輪眼さんの眼球を他人に移植すればあるいは写輪眼を他人が使えるのかもしれません

まあ、その人はチャクラを使える体質じゃない以上生命力持ってかれて死ぬかもしれませんけどね*4

一応個性因子の移植はキヴォトス人でも出来ますよ。神秘抜くのと違って相当の肉体強度と精神力がないと廃人になるはずですけど

 

 

888:名無しの転生者

 

知られざる転生者しんじつ……

 

 

889:名無しの転生者

 

まあでもこれで戦術にも幅が出て来るんじゃねえの?

写輪眼ネキは他に何か術試したりした?

 

 

890:写輪眼

 

千鳥*5は出来るようにはなったな。つってもさすがにこれは対人用としては使えねえが……

俺の体が傷つくレベルの威力はあるから、俺の腕力と術の出力を考えると死人が出るわ

大人しく分身や変化した方がよさそうだな

あるいは貫手じゃなくてパンチや掌打でかます方がまだいいかもしれねえ*6

 

 

891:名無しの転生者

 

実体があって、消せば経験も反映される分身ってだけでもかなり便利だもんな

 

 

892:実力派センセイ

 

あ、写輪眼ちゃん影分身できるようになったんだ? すごいねえ

 

 

893:名無しの転生者

 

先生おっすおっす

カヤちゃん逮捕されたんだって?

 

 

894:にゃんこ大線路

 

とんでもないことになってますよ……連邦生徒会室長クラスが関わる大スキャンダルです

モモカちゃんは笑ってましたけど実際笑い事じゃないですよね、これ

 

 

895:囚人キング

 

まあ身から出た錆ではあるよね。カヤ派を一掃……とまではいかなかったけど、

それでもカヤ派が大分大人しくなったのは良い事さ。まだ後任の防衛室長決まってないらしいけどね

 

 

896:名無しの転生者

 

他人事みたいに言うじゃん?

 

 

897:囚人キング

 

実際他人事だしねえ。これ逮捕しに行った時のカヤちゃん

 

[画像]

(呆然とした表情で恐らくはフミを見上げている病院着のカヤ)

 

 

898:名無しの転生者

 

『え?』みたいな予想だにしてない素の顔なのかわいいね……

 

 

899:囚人キング

 

正直ちょっと下っ腹にキュンときちゃったよね

少し後に事態を理解して逃れようと暴れ出すけど、ボクの腕力に全く抵抗できてないの可愛かったな……

ベッドに抑え込んで、『抵抗してもいいけど、鎮圧するって大義名分出来ちゃうけどいいの?』って囁いたら震えながら大人しくなってね?

いやあ普段偉そうにふんぞり返ってるカヤちゃんの小動物みたいな怯えっぷり、ちょっと達しちゃったよね

ボクにSっ気はないはずなんだけどなぁ……でもまあカヤちゃんが悪いから仕方ないよね!

 

 

900:名無しの転生者

 

ここぞとばかりに変態ッ気出してくんじゃねえよこの変態!

 

 

901:名無しの転生者

 

まあ治安維持系組織の委員長を最前線で務めてた奴に組み伏せられて怯えねえ奴はおらんでしょ

特にカヤちゃんあんまり武闘派って印象ないし……

 

 

902:実力派センセイ

 

囚人ちゃん、あんまり怖がらせちゃだめだよ? 今日これから矯正局に会いに行くところなんだから

 

 

903:囚人キング

 

今まで散々悪巧みしてきたんだからこのぐらい怖がらせてもいいじゃないか?

まあ今後は控えるよ。あくまで暴れ出したから取り押さえただけだしね

あとあれ以来なんかユキノの視線がちょっと怖いし……

 

 

904:名無しの転生者

 

この変態にも勝てないやつはおるんやな……

というか順調に先生に対するミヤコちゃんみたいな湿度高めの視線注がれてない?

 

 

905:実力派センセイ

 

ミヤコちゃん? そんな変な視線注がれてたかな……

まあ、年頃の女の子だし大人に憧れる的なものだろうね。一過性のものじゃないかな

第一、私40過ぎのおばさんだよ? そんな年増に恋とかありえないでしょ

 

 

906:名無しの転生者

 

え、そんな年いってんの!? ぱっと見20台後半ぐらいにしか見えねえけど!?

 

 

907:実力派センセイ

 

言ってなかったっけ? 言ってなかったかも……

 

 

908:オール・フォー・オール

 

その若さの秘訣、興味ありますねえ! トリオン器官が活性化していると老化が抑制されるとかなんでしょうか?

 

 

909:実力派センセイ

 

いや、結構ごまかしがきかなくなってきてるんだよ? この年になると

若い子達の前だから張り切ってるだけだから、そんな秘訣とかはないかなぁ

それに筋肉痛とかも遅れてくるからね……

 

 

910:にゃんこ大線路

 

ま、まあまあ……

そういえば話は変わりますけど、先生ってシッテムの箱持ってますよね?

アロナちゃんって見えるんですか? 私には画面が灯ってるなー、ぐらいにしか見えないんですよね、覗き込んでても

 

 

911:実力派センセイ

 

うん、見えてるよ。そっか、転生者でも生徒と言うか私以外にはアロナちゃんは見えないんだ……

ちょこちょこ頼ったりしてるし、娘みたいで可愛いんだこれが

 

 

912:名無しの転生者

 

そういえば先生にしか見えないで思ったけど、ヘイローってどうなん?

あれ各々特徴的な形してるけどさ、ゲーム的にはモブちゃんズはみんな同じ輪っかだけのシンプルなヘイローだけど、

スチルとか、ここに上がる画像とか見てると個々人全員違う形してるじゃん? 先生たちにはどんな風に見えてんの?

 

 

913:実力派センセイ

 

ヘイローかぁ。特に意識したことないけど、変装しててもなんかバレてないみたいだよね

私からするとあ、あのヘルメット団の子また来てる、とか、

あの形のヘイローだとあの子だな、みたいな感じで認識も把握も出来てるけど

皆綺麗で特徴あるよね、写輪眼ちゃんのやつとかブラックホールみたいで見てると吸い込まれそうだし、

にゃんこちゃんは猫と角と尻尾が合わさったような感じで特徴あって可愛いし

 

 

914:写輪眼

 

あ、先生。その辺あんま口に出すなよ? 俺らは転生者で、

キヴォトスの理から半分ぐらいはみ出てるからヘイローの形状の識別はできてるけどよ、

基本的に皆ヘイローの存在を認識できているが、それで個人を識別できてるわけじゃねえようだ

 

 

915:墓守の狩人

 

一応「死ぬ」「殺す」を「ヘイローが壊れる」「ヘイローを壊す」と表現はするけど、

実際ヘイローって立体映像みたいなものだから影も出ないし触れない(すり抜ける)のよ

その辺曖昧なのよね……まあ、私達にははっきり認識できている、で良いんじゃないかしら

 

 

916:名無しの転生者

 

難しいよなあ、その辺

まあ転生者は個人識別ができる、と考えておけばいいのかもな

あ、そうだ。先生、原作関係の話なんだけどさ、アビドスからの救援要請って来た?

 

 

917:実力派センセイ

 

アビドスから? まだ来てないね……いっそこっちから行っちゃおうか?

カイザーの動きを追ってたらアビドス方面で怪しい動きをしてた、とか、

ソニドリちゃんから話を聞いて来た、とか、色々理由付けはできるもんね

 

 

918:オール・フォー・オール

 

じゃあこのカルバノグ(壊)編終わったらこっちから支援物資送ったりしましょうか

アビドスには私からもそれとなく支援したりはしてますし、原作程切羽詰まってないのかもしれませんね

 

 

919:名無しの転生者

 

そう言えばこいつ原作でカイザーが分捕ってる土地の半分ぐらい所有してるとか言ってたな……

アビドス攻めてる暇なんてねえのかもな、カイザーも*7

 

 

920:写輪眼

 

そん時は俺もついてくぜ、一応万魔殿じゃ歩兵隊長兼財務管理担当だ、

アビドスの借金についても口出しできる程度には金勘定にも聡くてな

それにどうせヘルメット団とか攻めてくんだろ? ひと暴れしてえとこだったしよ

 

 

921:名無しの転生者

 

え、写輪眼ネキそんな立場だったの? 議員としか聞いてなかったけど

 

 

922:囚人キング

 

蓮常寺と言えばゲヘナでも有数の商家だしね。義理とは言えそこの娘さんだし、その辺りの教育は受けてるんじゃないかな

あ、ボクは今回は行かないよ。カヤちゃん捕まえる時大分怖がらせちゃったからね、今回ぐらいは留守番してるさ

 

 

923:オール・フォー・オール

 

私もアビドスへの支援物資の選別しますんで見送りですかね

別に私カヤさんがどうなろうと知ったこっちゃないですし?

あの人も一応連邦生徒会長の選んだライトスタッフのはずなんですけどねぇ

眼に見える超人がいなくなっちゃって、その後をリンちゃんさんがおっかなびっくりやってるから、

自分ならもっと上手くできる! とか思っちゃったんでしょうか。

周りを下げた所で自分が上がるわけでもないんですけどね、現実的に考えて

 

 

924:実力派センセイ

 

こらAFAちゃん、そう言うこと言わないの。若いんだから間違えることぐらいはあるよ

……まあ、その間違え具合がひどいと言う事は否定しないけどね

ともあれ、その辺り少しお話したいかな、と思っているよ

原作であったらしいリンちゃん派襲撃はなかった。ユキノちゃん達が泥をかぶる事もなかった

あの子も、きちんと話せば自分の間違いに気づいてくれる、そう思ってるよ

私は生徒の皆が一歩踏み出す手助けをすることが自分の役目だと思ってるからね

カヤちゃんだって、私が手助けをすべき生徒の一人であることは、間違いないんだ

 

 

925:名無しの転生者

 

こ、これが先生……眩しいぜ……!

 

 

926:名無しの転生者

 

……なあ先生、その姿勢は素晴らしいと思うんだが、

温泉開発部とか赤冬工務部とか美食研究会の背中は押さんよな、流石に……

 

 

927:実力派センセイ

 

ああいう子達は叩いて直すしかないかなって……

前にも言ったけど、私は原作先生じゃないからね。私なりのやり方を貫くだけだよ

まあ……叩いて治らない手合いなら、ぶち込むしかないんじゃないかなあ

お医者様でも草津の湯でも治らないものはあるもんだ(遠い目

 

 

928:写輪眼

 

美食の連中は捕まえ次第シャーレの独房で特別フルコースだ

特にハルナの野郎は1回徹底的に叩き折っておかねえとな

ま、原作に比べたら俺がぶっ叩いてる分大人しいもんだがね、フウカ方面に限りだが

 

 

929:名無しの転生者

 

写輪眼ネキの言葉の端々から殺気が見えるんですけど……

まあ恋人を誘拐しようとするやつに対する態度としちゃ妥当か

 

 

930:墓守の狩人

 

反省の余地がない犯罪者にくれてやる慈悲とかないものねえ

ま、見つけたら捕まえておくわ。美食研究会のSNSアカウント、結構参考にはなるんだけどね

 

 

931:にゃんこ大線路

 

ほ、ほどほどにお願いしますねー……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、カヤちゃん。少し瘦せたかな」

 

「心労で5kg落ちましたよ」

 

矯正局・面会室。強化ガラス越しに向かい合う先生とカヤ。先生は穏やかに微笑み、カヤは憮然とした顔で。

一応ヴァルキューレの生徒が監視役としているものの、お互いにそれを意識はしつつも、対照的な様子だった。

 

「ごめんね、苦労かけたみたいで。でもまあ……これでも穏便に済ませた方だよ?」

 

「あれでですか!?」

 

「身も蓋もなくやるなら先手必勝で一切合切叩きのめした方が早いよ。そう言う乱暴なやり方はあんまり好きじゃないからああしたけど。

 ウリエちゃんとかフミちゃんはやる気満々だったけどね、特にフミちゃん、あれでかなり頭に来てたみたいだよ?

 あの子あんまり内心の感情が表に出ない子みたいだから分かりにくいけど……

 それに、カヤちゃんに恨みのある相手からの手出しをさせないためにも収監を急いだ所はあるかな。

 私も君にはきちんとした罰を受けてほしいとは思うけど、リンチを受けてほしいとまでは思ってないからね」

 

「……それは、お礼を言うべきなんでしょうかね?」

 

頬をひくつかせるカヤ。事実、穏便に済んだ方だろう。納得は行かないが。

百花繚乱の剣鬼・虎尾フミ、そして万魔殿の歩兵隊長・蓮常寺ウリエ。前者は一世代前の人物、後者は普段風紀委員会が出張るためあまり目立たないが、

双方ひとかどの……否、各学園の特記戦力として数えられるほどの人物たちだ。

そしてその2人に『先手必勝で一切合切叩きのめされ』そうになっていたと聞いて、改めて肝が縮みあがる。

何処で歯車が狂ったのか? 遡れば、それは先生がキヴォトスに来た事だろう。

先生がSRTの事を聞きつけたのは、話に聞いた限りでは散歩の途中偶然RABBIT小隊がデモの準備を進めていた所に出くわしたからだと聞いている。

そこからあれよあれよという間にシャーレ主導でSRTが復興されることとなり、様子見にとリン派襲撃を控えていたFOX小隊を行かせてみれば、そのまま懐柔され、次の手を打つ前に自分達が何者かの襲撃に合い入院。

そしてどう説得したのか公安局長をも懐柔され、その上であらゆる不正の証拠を叩きつけられ、入院中に逮捕・罷免・収監というジェットコースターのような流れであった。

この剛腕ぶりには、どこか懐かしいものを感じる。そう、まるでかつての連邦生徒会長のような――――――

 

「―――カヤちゃん、ぼうっとしてるようだけど、大丈夫? 疲れてるようならまたにしようか。今日はちょっと聞きたいことがあって来ただけだし、元気になったらその時また聞きにくるよ?」

 

「失礼しました。続けてください。先生を見ていると、連邦生徒会長を思い出しまして。

 問答無用でハチャメチャにとんでもない事やらかす当たりとか、特に」

 

「連邦生徒会長かぁ……そんな似てるかな? 私、会った事ないから、真似してるとか言動がうつったわけでもないし」

 

「……先生は連邦生徒会長直々にスカウトされたと聞きましたが?」

 

「スカウトされて来たら失踪してから数か月って言うんだもん、驚いたよ。まあ、いい機会だったかな。

 色んな子が手伝ってくれるし、私は私なりにキヴォトスを良くしていきたいんだよね。

 ――――――で、聞きたい事なんだけど」

 

先生はにこりと笑うと、不意に真剣な顔になり、居住まいを正す。

普段穏やかに笑っている雰囲気からは打って変わり、その視線は鋭く、カヤは己が刃物で刺されたような錯覚を覚えた。

――――――ああ、これだ。この、オンとオフの温度差。本当に、よく似ている。今はもういない、あの人(連邦生徒会長)に。

 

「……カヤちゃん、結局、カヤちゃんは何がしたかったの? 私にはそこが分からない。

 何をしようとしてたのかとか、何をしたのかとか、そう言うのは分かっているつもりだけど……

 どうしてカイザーなんかと手を組んだの? 知らないはずないでしょ、連邦生徒会長がいた頃に、FOXの子達が防衛室とカイザーの癒着を暴いた一件。

 その子達に今度は癒着の片棒担がせて、リンちゃん派の子達を襲撃させようとしてた。 正直私は許せないと思ってるよ。

 ユキノちゃん達はとてもいい子だった。ミヤコちゃん達も憧れる位すごい子達で、誰よりもSRTの正義を信じ貫こうとしてた。

 そんな子達に、カヤちゃんは身内を撃てと言ったんだよね? それも、今必死にキヴォトスを支えているリンちゃんの派閥の子達を。

 連邦生徒会長って、そこまでしてなりたいものなの? それとも、自分ならもっと上手くできるって、そう思ったの?」

 

詰るでもなく、怒鳴るでもなく、ただただ静かに、子供に言い聞かせるように言う先生。

その言葉を受けてカヤは沈黙し―――絞り出すように、呟く。

 

「貴方に、何がわかるって言うんですか」

 

「分からないよ。私にはカヤちゃんがそうまでしてリンちゃんの足を引っ張る理由が分からない。

 今、連邦生徒会長に限りなく近い立場にいる私だから言うけれど……罪もない子達を踏みにじってまで立つ価値はないよ、あの肩書(連邦生徒会長と言う名)には。

 少なくとも、連邦生徒会長と同等の能力が無ければ、誰であれいつか過労で倒れるよ。あるいは、倒れる前にキヴォトスが滅茶苦茶になるかもしれない。

 カヤちゃんだって知ってるでしょ、防衛室の下から上がって来る情報、カヤちゃんをスルーしてリンちゃんに上がるようになってるって。

 原因は……恐らくカヤちゃんのパワハラかな。カンナちゃんからも大分ひどいって話を何回も聞いたよ」

 

「じゃあ、あいつには―――七神リンには、それができるって言うんですか!?」

 

卓を殴りつけて怒声を上げるカヤ。その行動に傍で控えていた監視役の生徒が動こうとするが、先生はそれを制止する。

 

「出来てないじゃないですか! 連邦生徒会長なら、誰もが二つ返事で了承していた! あの人は本当の超人だった!

 だっていうのに、あの人からあんなに目をかけられてたあいつは、あんな様で……っ!」

 

「……そうだね。リンちゃんには出来てない。多分、私にもできない。だって、それはリンちゃんに求められた能力じゃないからね」

 

先生は、キヴォトスに来てから知った様々な事柄、そして、背景を知る転生者仲間から聞いた話を思い出しながら、自分なりに考え、口を開く。

 

「問題の根本は、連邦生徒会長の失踪だよね。でも、それ以前の問題だったんだよ。

 連邦生徒会は、連邦生徒会長が(・・・・・・・)ワンマン運営(・・・・・・)をすることが前提になっている組織構造なんだと思う。

 連邦生徒会長という精密で、強靭な歯車が中心になって初めて十全に動く仕組みなんじゃないかな。少なくとも私はそう思った。

 そう言う組織は、何かあったときとても脆いんだよ。今回みたいにね。一番大事な部品がなくなっちゃってるんだもの。

 でも、恐らくカヤちゃんにもできないよ。だってそれは、連邦生徒会長がカヤちゃんに求めた能力じゃない。カヤちゃんは『防衛室長』だしね」

 

「……どうすれば、良かったんでしょうね。矯正局を出たとしても防衛室に居場所なんて残ってないでしょうし」

 

自嘲気味に、ぽつりと漏らすカヤ。

先生は不知火カヤという少女を、能力はあるが自惚れやすく、プライドの高い人物だと認識していた。

連邦生徒会長がいた頃は、それでも回っていたのだろう。連邦生徒会長(自分)と言う歯車を中心に回る、連邦生徒会と言う精密な機巧を動かす部品の一つ。

だが、今連邦生徒会長はいない。失踪した理由は分からない。生きているのかもわからない。

現状リンが連邦生徒会長代行として動かしているが、現状維持ギリギリの状態でようやく回っている。

それですら、シャーレでその業務の一部を引き受けなければ過労で倒れかねない程の激務。

当然だ、七神リンは主席行政官。能力こそ人外の域でも、その能力はあくまで連邦生徒会長を補佐する立ち位置でこそ輝くものである。

主要な根幹の部品(連邦生徒会長)を欠いてなお一応は回せているというだけでも、リンの能力の非凡さを現わす一幕になるだろう。

それでも連邦生徒会長と比べれば非才である、とはかつての連邦生徒会長を知る者達の言ではあるが……

自分によく似ていると評された彼女は、いったいどんな傑物……いや、怪物であったのだろう。

そんな彼女と比較してリンが上手く動けていない、それは、カヤからすればもどかしかったのだろう。

だからこそ、ならば自分が取って代わりキヴォトスを変える、という欲目が出たのかもしれないが。

 

「そうだね……カヤちゃんは能力はあると思うよ。連邦生徒会長自ら室長に据えるんだ、確かな力()あった。

 でも自惚れやすくて、プライドも高くて、周りが皆馬鹿に見えてたんじゃないかな?

 だから周りに小言を言う事も多くて、それでリンちゃんにダイレクトに話が行く今の流れが出来て……

 そうなっていく内に、言ってしまえば腐って行ってしまったんだろうね」

 

「本当に言ってくれますね……否定はしませんけど」

 

ああ、この歯に衣着せぬ物言い、本当によく似ている。憎らしいほどに。

だが次の瞬間に出た言葉に、カヤは思わず素の叫びをあげる事となる。

 

「だから、カヤちゃんはいずれシャーレに引き抜きたいんだよね。行くとこないならちょうどいいでしょ」

 

「はぁ!? 正気ですか!?」

 

思わず横にいた監視役の生徒に目を向ける。ドン引きしていた。

視線を戻せば、『ダメかな?』とでも言いたげな、眉根を寄せた困り顔の先生。

 

「自分で言うのも何ですが、私は犯罪者ですよ!?

 しかも連邦生徒会室長という立場で、汚職・クーデター計画をして、連邦生徒会長からの信頼をドブに捨てた!

 そんな私をシャーレに引き抜く!? 冗談も大概にしてください!」

 

「え? 本気だけど?」

 

「「えっ」」

 

カヤと監視役の生徒の声が綺麗にハモり、一瞬の沈黙。

その間先生は『なんかおかしなこと言ったかな?』と首をひねっていたが、少しして咳払いし、言葉を続ける。

 

「さっきも言ったけど、カヤちゃん能力はあるし。多少は反省してるようだし、矯正局で腐らせておくのももったいないかなって。

 根回し能力とかは本当に有能だと思うし、防衛室長って事はある程度外交も出来るよね?

 だったら恩赦と言うか、刑務の一環として奉仕活動してもらうのも手かなって」

 

「ちょっと監視役!? これどうなんですか!? 仮にも連邦捜査部の長が犯罪者雇用しようとしてますよ!?」

 

「わ、私に言われても……」

 

「書類はできてるからあとはカヤちゃんがハンコ押すだけなんだよね、前例あるからいけるいける」

 

「「前例!!?!?!?!?!??!」」

 

再び監視役と揃って絶叫するカヤ。そもそも前例とは?

そう問えば、先生は一枚の写真を取り出す。そこには困ったように笑う先生と、満面の笑み浮かべる黒髪に狐耳の少女が映っていた。

カヤはその輪郭のラインにどこか既視感を覚える。それを見て、横の監視役の生徒がおずおずと口を開く。

 

「あの、先生、よろしいですか……?」

 

「うん、良いよ。ヴァルキューレの……古畑ミツコちゃんだったっけ?」

 

「その、彼女……『災厄の狐』では? この間矯正局を脱獄したという……」

 

「うん、『災厄の狐』狐坂ワカモご本人だね」

 

「「ご本人!?!?!?!?!?!!?」」

 

三度の絶叫。

 

「なんかね……理由に覚えがないんだけどすっごい懐かれてて……大人しいし、強いし、もういっそ入部させちゃおうかなって……

 私の方で手綱握ってれば大丈夫かなって……あの子趣味が破壊と略奪らしいんだけど」

 

「……はあ。先生も苦労なされているようで」

 

本当に理由に思い当たる節がないのか遠い目をする先生。カヤはそれを見て、ため息を一つついて苦笑する。

 

「まあ、そんな感じかな。聞きたいことも聞けたし今日は帰るね」

 

「二度と会わない事をお勧めしますよ、先生の体面的にも」

 

「またまたぁ」

 

席を立ち、出口へと向かう先生。ドアをくぐる前にカヤへと視線をやり――――――

 

「あ、書類は後で送っておくからハンコ押してね! すぐ迎えに行くから!」

 

「絶っっっっっっ対に押しませんからね!? 何が悲しくて好き好んで針の筵に座りに行くものですか!」

 

無情にも閉じるドア、そして残されるカヤと監視役の古畑。気まずい沈黙の中、カヤはさっきよりも大きく、深々とため息を吐く。

 

「まったく……嵐のような人でしたね。いらん所まで連邦生徒会長にそっくりです」

 

「まあでも、悪い人ではないですし……」

 

「だからタチが悪いんですよ……では、面会も終わりましたし行きましょうか」

 

「ええ。……所で、カヤさん。少し、明るくなりました?」

 

「……不本意ながら、少し気は軽くなりました」

 

などと、今までは絶対にしなかった雑談をしながら面会室を出る2人。

その足取りは、それまでに比較して幾分か軽いものであったのだという。

 

 

 

なお、独房に戻ったカヤを出迎えたのは、机の上に置かれた『連邦捜査部シャーレ・入部届』と書かれた書類。

それを見て、カヤが「絶 対 に 押 す も ん で す か ! ! ! ! ! !」と絶叫したのは、言うまでもない。

 

どっとはらい。

 

 

 

 

*1
ブラッドボーンにおける回復アイテム。エネミーからもドロップする辺り狩人本人の血ではないと思われる

*2
『NARUTO』における精神エネルギー・肉体エネルギーを練り合わせた術などの元になるエネルギー

*3
『ヒロアカ』においての個性とはこの個性因子を有するが故に産まれる能力

*4
なお写輪眼は使用すると結構なチャクラを消費し、開眼した状態で移植すれば他人でも使用可能。ただしオフに出来ないので常にチャクラをそっちに取られるので下手をするとそのまま死ぬ

*5
『NARUTO』の技。掌に雷系のチャクラ(エネルギー)を集めチャクラによる身体強化を加えて相手を貫く技。正式名称が『千鳥』、開発者はたけカカシがこの術で雷を切ったという逸話からカカシが使う際は『雷切』と呼ばれる

*6
派生作品『BORUTO』では千鳥をパンチで放つキャラが登場する

*7
偽ビナーにより定期的に襲撃されてもいる




そんなわけで七話でした。カヤちゃんや連邦生徒会長関連には多分に想像を含みます。
なお先生と連邦生徒会長への印象がダブる、というのは偶然。


■解説

・先生
カヤちゃんを引き入れる気まんまんな転生者。週1ぐらいで書類を再送している。
基本反省するなら許すけど、しないなら泣くまでぶん殴られても仕方ないよね、と思うぐらいには悪い子に対する容赦がない。

・写輪眼
影分身出来るようになった奴。なお印は多重影分身。
転生者は特典を使える身体になるので、写輪眼の場合逆説的にチャクラを使える。(NARUTO作中の忍と同じ体質になるので)

・変態
抵抗されればちょっと乱暴に取り押さえるつもりがあった変態。
最近ユキノちゃん方面からのアプローチが増えてきているので割とムラムラしている。

・カヤちゃん
無事収監。場合によっては変態と写輪眼にボコられる可能性があった。
本編寄りは性根が真っ当になっている。
意地でもシャーレ入部届にハンコを押すつもりはない。

■おまけ

にゃんこ大線路こと千路レイの絵ができたのでおいておきます。

【挿絵表示】


雨の日さんより先生のFAいただきました。大感謝!

【挿絵表示】

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