梶尾「どうしてXIGのメカはコンテナ型なんだ?」 作:Mak
「改めまして、ファイターを始めとしてXIGのメカニックが六角柱型のコンテナ形態になる理由を説明します。 そのためにはまず…リパルサーリフトの説明をしなければなりません」
赤道の上空に浮かぶ巨大空中母艦 「エリアル・ベース」内で機体の整備を行うことが出来るハンガースペース、それを見下ろすことが出来るアッパーデッキ*1にファイターチームがブリーフィングなどに行う待機室があった。
我夢は、梶尾に請われXIGが誇るメカニック…通称コンテナビークルと呼ばれるメカがなぜ六角柱の形態に変形するのかを説明するためにこの部屋を選んだのだ。
その理由は説明に使用できる資料が豊富であり、なにより実機がすぐそこに見える位置にあるためであり、今回の説明には最も理想的な場所と判断したからだった。
「早速ですが梶尾さん。 梶尾さんはなぜファイターにリパルサーリフトが搭載されているのか分かりますか?」
「
「確かに、従来の航空力学や戦闘機の設計理論から見ればファイターは、特にSGが飛ぶことは不可能です。 それは梶尾さんの言う通りファイターでは機体を浮かび上がらせることが出来るだけの揚力を発生させるような形状にはなっていないからです」
揚力とは物体が進行方向へと向かう際に生じる流体から受ける力の一つであり、簡単に説明するとエンジンによる強力な推進力で翼が高速で空気の層にぶつかることによって流れが生じ、その流れが物体を動く方向に対して垂直に働く力へと変化する…これが揚力であり
ただしどのような物体でも良いわけではない。
充分に浮かび上がらせるだけの揚力を引き出すには緻密で繊細な計算式により導き出された翼が必要であり、それに対してXIGファイターのように分厚すぎる翼はあまりにも無骨すぎるのだ。
「それと…多分梶尾さんは飛行機乗りだからこその勘違いだとは思うのですが、リパルサーリフトで発生するのは
「あれほど突飛な形状をしているにも関わらず垂直尾翼が備わっているのはそのためか。 改めて思うが、あまりにも革新的過ぎる機体だな」
梶尾が苦々しくそう呟く。
というのも、電子機器の技術の進歩は日進月歩だが航空機の技術進歩はそれらに比べ恐ろしくゆったりなのが常であった。
最新鋭の戦闘機ですら設計から15年でようやく運用にこぎ着けるものであり、開発当時は革新的な発明であろうとも、パイロットの手元に届く頃には十分順応できる程度の技術になるのだ。
リパルサーリフトは我夢が17,18歳ごろに発明したもので、それは僅か2、3年前のことであり、ファイターの登場は更に最近の出来事である。
かつて米田リーダーがファイターを未知なる機体と称した通り、XIGファイターはパイロットから見てもあまりにも革新的すぎる機体であり、生半可なパイロットではまともに飛ばすことは叶わないのが現実であり、梶尾を筆頭に防衛隊のトップガン達だからこそなんとか扱えるのが現状なのだ。
いずれリパルサーリフトを搭載した戦闘機が常識となる未来が来るであろうが、それらを常識として扱えるパイロットは恐らく次世代の登場まで待つ必要があると予想されているが、残念ながらそんな猶予は無かった。
「そんなリスクを負ってまでなぜリパルサーリフトを搭載したのか。 それは、とある脅威がきっかけになります」
「…根源的破滅招来体か」
「僕たちアルケミースターズは破滅招来体の出現を予測することまでは出来ました。けど、あの日コッヴが現れるまでは具体的にどのような敵が現れるのかまでは特定はできなかったんです」
アルケミースターズによって根源的破滅招来体の出現こそ高い確率で予測されたがその正体はいづれも突き止めることは出来ず、破滅招来体が現れて以降も謎に包まれているままである。
そのためG.U.A.R.D.*5*6はもはや空想に近いあらゆる仮想敵を想定した防衛案を考えざるを得なかったのだ。
エイリアンの襲来、大量の円盤群による飛来など、可能性が高いとされた予想は真っ先に検討され、その中で最も現実的ではないと思われた対策、巨大怪獣による破滅の可能性すら視野に入れていたことにより早急に対応が取れたことは奇跡的なことであると言える。*7
「あらゆる想定が検討された結果、G.U.A.R.D.上層部はそれぞれに有効であろう特化型の対策を取ることはせず普遍的な対応策を取ることになりました。 それが…火力の向上だったんです」
会話劇は執筆するのが大変です…
初めて注釈機能を使いましたが使いやすくていいですね
下書きで書くときは大変ですがW
可能な限り航空力学について分かりやすく落とし込んでいるつもりですが如何だったでしょうか?