<時は少しさかのぼり俺らが魔剣士学園に入学する前になる>
俺はシドと戦い負けた。相打ちに見えなくもないが、俺が先に倒れた以上俺の負けだ。あいつは見事、時の止まった世界で動けるすべを見つけた。そしてあいつの核に敗北した。
この世界に来てから初めて全力を出して戦って負けた。一周回って清々しくもあるが、やっぱり悔しい!次は絶対に勝ちたい。だが、
絶対零度を作り出し攻撃を防ぐアブソリュート・ゼロも破られた。絶対零度という最強の防御手段を用いたとしても、あいつの矛を防ぐことができなかった。修行が足りないのかもしれないが、俺もこれを機に盾だけではなく矛も手に入れる必要がある。
だが、矛を手に入れるのには問題がある。アトミックは町を破壊できるほどの威力があった。それと打ち合うことができるほどの技を生み出すとなると、場所を選ぶ必要がある。町があるところの近くはもちろん、山や森だとしても地形を変えかねないので、無暗に練習なんて出来ない。
なら、どこでやるか?丁度ぴったりな場所があるじゃないか。いくら破壊したとしても問題にならない場所が。
それは我らシャドウガーデンの拠点、アレクサンドリアだ。善は急げ。早速両親にしばらく修行に出ると言って、家を出る。今回ばかりは、どのくらい時間がかかるか分からないからな。両親の説得には時間がかかると思っていたが、やりたいことがあるならやれと意思を尊重してくれたため、すんなり許可は出た。ただし、絶対に死なないことを条件に。
そして深い深い森を抜けると、そこには今までの森の風景とは異なり、古代の都市がある。
「普通に行ってもいいが、それだとつまらないよな」
♢♢♢♢
<第三者視点>
ここはシャドウガーデンの拠点、アレクサンドリア。ここでは、日々シャドウガーデンのメンバーが、ディアボロス教団との戦いに備えて、力をつけている。
そして今の時間帯はお昼時。食堂には、午前の訓練で疲労しているメンバーが、これでもかと集まる。この食堂にはシャドウガーデンの主、シャドウとクロノスの英知の一つ、学食なるもの再現していて、メニューは豊富にある。そのため食事は彼女たちにとって数少ない癒しの一つなのである。
「午前の訓練疲れたー」
「ほんとラムダ様の訓練しんどいんだから。午後からの訓練も考えただけで気が重くなるわ」
「二人ともシャキッとしなよ。私たちを救ってくださったシャドウ様たちに恩を返さないと」
「それは分かってるけど。それより二人はお昼何にするの?」
「私はサバの味噌煮定食にするわ」
「私は唐揚げ定食。そういうあなたはどうするの?」
「日替わり定食にしようかな」
さっそく食事を取りに行こうとすると突如後ろから肩に手を置かれ声をかけられた。
「随分メニューがあるんだな。おすすめは何かな?」
その時、近くにいた3人だけでなく学食にいた全員が突如として現れた男の存在に気が付く。近くにいた三人はすぐさまスライムソードを出し現れた男に切りかかる。
「ほう。俺に気が付いてから攻撃するまでにためらいがなかった。実に見事だ。だが、狙いがずれていたぞ。焦ったな」
「何者だ。ここまでどうやって来た」
「答えないと言ったら」
「倒して吐かせるまで」
そう言って男に切りかかる。それを合図に、食堂にいた全員が武器を構え戦闘態勢に入る。あるものは剣で切りかかり、またある者は矢を放つ。訓練のおかげか彼女たちの連携力はすごく、人数が多く空間も狭い中、味方にあたるということはなく、男だけにしっかりと攻撃が集中している。
だが、攻撃を繰り返しても男に攻撃が当たることはない。それどころか、男は反撃はしてくるが拳で殴るのみでしかない。おそらく致命傷を負わせることなんて簡単にできるはずなのに、そうしないあたりまだまだ余裕がありそうだ。
それでこのメンバーでは勝てないことを悟った者は、戦闘の隙を見て食堂から抜け出し、応援を呼びに行った。
「何故だ。何故攻撃がかすりもしない」
「筋は中々悪くない。基本に忠実で実にいい。連携もしっかりとれている点も素晴らしい。さすがラムダといったところか」
「貴様、何故ラムダ様を知っている。」
この男は拠点に入ってくるだけでなく、自分たちの教官の名前さえ把握している。拠点の場所を把握していることだけならまだしも、内部の情報が洩れていることからメンバーの誰かが捕まり情報を吐かせられたか、考えたくないが裏切り者がいるとこの場にいる誰もが思った。
「ただ一つ、魔力の使い方がまだまだだ。お前たちは魔力というものを完全に理解できていない。だが魔力の力に頼り切っていないのは評価できる。魔力の使い方は剣を極めていくうえで自然と身についていくものだ。これからも精進するといい」
分からない。この男はディアボロス教団の刺客だと思っていたのだが、何故我々に戦い方を教えるのか全く理解できなかった。
「お前たち大丈夫か!もうすぐここにいる七陰の皆様が来られる。それまで耐えるんだ」
先ほど応援を呼びに行った者がラムダを連れてきたうえに、もうすぐ七陰が来ると聞いて皆の顔が少し明るくなった。
「あなた様は」
ラムダが部屋に入り男の顔を見るなり、驚愕の表情を浮かべている。男もラムダを知っていたことからやはりなにか因縁があるのかと思われたが、ラムダは次の瞬間跪いた。その行動にはこの場にいたメンバー全員が驚いた。
「お久しぶりです。クロノス様」
クロノス、その名前を聞いた瞬間先ほど以上に彼女らには驚きが訪れた。この場に自分たちの主が現れたことによるものと、その主をあろうことか敵とみなして攻撃していたことだ。
「侵入者って聞いたけど何があったの?」
そして、ついにアレクサンドリアにアルファ、ベータ、デルタ、イータが到着した。
「ああ、その侵入者って俺のことだろうな」
「クロノス、こっちに来るって教えてくれれば迎えに行ったのに」
「ま、サプライズみたいなもんだ」
「あ、あの」
「どうした?」
先ほどまで倒れていた少女がクロノスに話しかける。
「申し訳ありませんでした。知らなかったとはいえ自分たちの主に剣を向けるという失礼を。この処分はいかようのものでも受け入れます」
「別に気にしてないさ。こうなった原因は100%俺だし同じ状況なら俺もそうする。それに君たちの力を少し見ておきたかったから」
「それでシャドウガーデンのメンバーと戦ってみた感想はどう?あなたから見て戦力になるかしら」
「悪くなかった。技術がそこらにいる魔剣士よりも断然高くていい。一番の課題は魔力の使い方だが、魔力を使いこなせるにはある程度の技術を習得してからだ。成長の余地はまだまだある。戦力になるかはこれからの彼女たち次第だ。ラムダ」
「は!」
「物語はもうじき動き始まる。メンバーの誰一人として死なないように稽古をつけろ」
「イエッサー!訓練の内容を今一度見直します」
「助かる。いい機会だ。話しておこう。みんな聞いてくれ。シャドウガーデンは俺にとって第二の家族だ。そんな家族が一人でも欠けるのは寂しい。だからここで俺からの命令だ。今後の戦いで誰一人として死ぬことは許さん。どんなに大けがを負っても必ず帰って来い。言うのは簡単だが実際はそう甘くないだろ。だから日々の訓練を怠らず成長しろ。生き延びるにはそれしか道はない」
言葉に各々返事をして、ひとまずこの場は解散となった。
♢♢♢♢
「さて、俺が何故ここに来たか話すか」
「ええ、教えて頂戴」
「この前の戦いで俺はシャドウのアトミックに敗れた。そこで俺はアトミックに対抗するための技を生み出しに来た」
「なるほど。そう言うことだったのね。私たちに力になれることがあったら遠慮なく言ってちょうだい。こんな時でしかあなたの力になれないもの」
「そんなことない。アルファはいつもよくやってくれてるさ。さて、時間が惜しいから俺は早速特訓に入るか」
そう言って俺は部屋を出てさっそく新技の開発に入った。
それから数日たった。
今日は既に特訓を終えて自室に戻ってきた。
「ふーーーーーー辛い。辛い」
何が辛いか?ははは、新技を生み出すこと?確かにそれもきつい。だがそんな事とは比較にならないくらい辛いことがあるんだ。
それは何か?性欲だよ!
俺はシドと違って性欲なんて普通にある。それに10代半ばなんて性欲の権化みたいなもんだ。それに加えシャドウガーデンは俺とシドを抜かしたら全員女性。この場にシドはいないから、ここには男が俺一人しかいない。実質ハーレムだ。百歩譲ってそこまではいい。一番問題なのは、俺が風呂に入ってるとき背中を流すなんて言って平気で入ってくるとこだ。さすがの俺もエクスカリバーを制御することは難しい。
ここ、数日は何とか耐えてきたがもう限界だ。
時間は深夜。みんな寝静まってるころだ。万が一ということもあるからな。組織のナンバー2が一人でしてるなんてバレたらもう終わりだ。時は満ちた!今こそ、毒素を抜くとき俺はついにズボンに手をかけた。
だが、それと同時に部屋がノックされる。
「クロノス、入るわよ」
そしてアルファが部屋に入ってくる。
「あ・・・・」
あ、終わった。もう俺のエクスカリバーが出てる時点で言い訳の仕様がない。すまないシャドウ。シャドウガーデンは一夜にして解散だ。ナンバー2のこんな姿見られたんだ。噂というのはすぐに広まりトップの威厳は消え去る。
俺はどうしよ。家に引きこもろうかな。同年代の女の子に見られたんだ。もうやってけないよ。
「クロノス・・・・」
これから罵倒祭りか。キモイ、変態。何言われても泣けるぞ。
「ごめんなさい、気が付けなくて」
いやむしろ気づかないでいてくれた方がうれしかったです。
「えっと、アルファさんなんでこっちに近づいてくるんですか」
近づいてきたので俺は反射的に後ろに下がってしまう。
「言ったでしょ、あなたの力になりたいって」
「いや、それは新技を生み出す訓練にでしょ・・・・」
徐々に追い詰められていき、ついには逃げ場がなくなりアルファに押し倒される感じとなった。そしてアルファは自分の服を緩め始めた。その時点で、次の展開が見えるがあまりに予想外だったもので、流石の俺も困惑を隠せない。
「待て待て、あーあれだ。こういうのはやっぱ好き同士でないと」
「意外とロマンチストなのね。私は悪魔付きだった頃あなたに助けられて、助けられたその後も支えてくれた。ねぇトキ、私はあなたが好きよ」
「アルファ」
「あなたはどうなの?」
俺だって男だ。ここまで言われて引き下がるわけにはいかない。
「俺も好きだ。アルファ」
まぁそこからはあれだ。うん。あれだ。所謂大人の階段を上ったってやつだ。
朝は鳥の声で目覚める。
「朝チュンで目が覚めるとは」
「おはよ」
どうやらアルファは先に起きていたみたいだ。
「ああ、おはよ」
「昨日はすごかったわね。でも正直意外だったわ」
「何が?」
「あなたにそういうものがちゃんとあるなんて。今までないと思っていたから」
そりゃそうだろ。昨日みたいなことが起こらないように気を使ってたからな。昨日はもう制欲で頭がおかしくなっていた。普段はあいつらがいつ来てもいいように常に時を止めてしてたからな。正直時間停止をこんなことのために使うなんて悲しいが、これも男として生を受けた嵯峨だ。仕方ないと割り切ろう。
「そうだ、昨日あなたのことが好きって言ったけど」
「嘘だったなんて言ったらさすがに泣くぞ」
「違うわよ。私だけじゃなくてほかの七陰メンバーもあなたのことが好きだから」
んーーーーー。いつの間にハーレム主人公の道を歩んでいたのか。
「分からないって顔してるけど、全員でないにしろ悪魔憑きを治してくれて、その後の生活まで面倒を見てくれた。それだけで好きになる理由は十分でしょ。私からあの子たちにあなたとこういう関係になったことは言わないから。次は誰になるか楽しみね」
それからというもの俺は新技の開発に取り組んでいたが。やはり一朝一夕にはいかずかなりの時間を要した。その間、アルファと夜またしていると、たまたま部屋の前を通りかかったベータに見つかった。その後はなんか流れみたいな感じで気がついたら七陰全員と関係を持ってしまっていた。
正直やってしまった感はすごくあるが、やってしまったものは仕方ない。責任はしっかりとるし、今後本格的に始まるだろうディアボロス教団との決戦。新技も無事にできたことだし、何があっても絶対に彼女たちは守ると改めて心に誓う。
七陰列伝や番外編みたいな話を入れるか?
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もちろん、入れる
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いらん