今回は15、16話のアレクシア、ベータそれぞれの視点になります
アレクシアside
今、恋人であるトキと一緒に聖地リンドブルムを訪れている。お互いにここに来た目的は違うが恋人同士なので一緒に来ているわけだ。
そして宿に向かおうとしているとトキが本屋の前で立ち止まる。
「サイン会やっているみたいだから少し寄ってみてもいいか?」
「いいわよ。時間もまだあるし」
サイン会誰がやっているのかと思い見てみるとそこにはナツメ・カフカそう書かれていた。
ナツメ・カフカ、聞いたことがある。最近人気である若い作家だ。アレクシアも王女である以上世間のニュースは定期的に見てナツメ・カフカの顔も1回だけ見たことがあったが胡散臭いというのが正直な感想だ。
突如としてアレクシアは不安感に襲われる。
(ナツメ・カフカ、認めたくはないけど確かに世間受けする顔だったわ。もしかしてトキも熱心なファンなのかしら?)
そんな不安が頭をよぎったが否定する。
(ありえないわね。だってトキには私がいるんだし)
トキが並んである本を見てがっかりしているのを見て、何でがっかりしたのかは知らないがひとまずはよかったと思った。
でも、せっかくだからということでサインはもらうことにし、トキからアレクシアもせっかくだから貰わないかということでトキと一緒に並ぶことにした。
並んでようやくトキの番が回ってきた。
「は?」
アレクシアが今見た光景に対して出てきた一言がこれだ。何を見たのか、今まではサインを書いたらそれで終わりだったのにトキの場合だと何故かトキの両手をつかんで立ち上がり何を言っているのだ。
何を言っているかはアレクシアでも聞き取れなかった。
そしてついにアレクシアの番が回ってきた。
「本をこちらに」
アレクシアは本を勢いよく叩きつけた。
「あんた、私の婚約者に何を吹き込んだのかしら?」
「何のことでしょう?」
「しらばっくれてんじゃないわよ。この泥棒ネコ」
「おかしいですね?アレクシア王女に婚約者は今いなかったはずですが」
「私の前の番だった奴よ」
「さっきの彼ですか。そうですね、今の怖い彼女よりも私の方が大切にしてあげます。と言ったくらいでしょうか」
「面白いじゃない。やろうっていうの」
「きゃぁぁー怖いー」
「胡散臭」
「それよりも、後ろがつっかえてるので用がないならもう行ってもらってもいいですか。アレクシア王女」
アレクシアは舌打ちだけし、この場を去った。
「ねぇトキさっきあの女から何を言われたの?」
「あの女?」
「ナツメ・カフカよ。あの女から手をつかまれてるとき何か言われたでしょ」
「あーあの時か。いや、男のファンは多いけど実際それはナツメ・カフカのファンでナツメ・カフカの作品のファンじゃないからこれからも作品のファンでいてくれって」
トキが嘘を言っているようには感じられなかったので、アレクシアの行動を見たナツメ・カフカがからかった。そういうことなのだろうと思うとさらに腹が立ってきた。
♢♢♢♢
聖地リンドブルムに来て、今日で2日目。今朝からトキは観光に出かけたので今はアレクシア一人。
(それにしてもあえて一部屋しか予約しないでトキと同じ部屋に泊まったのに何もしてこないなんて。期待した私が馬鹿みたいじゃない)
午前中は予定がないのでこの近くにある温泉に行くことにした。
温泉は混浴だったが人はいなくアレクシア一人でゆっくりしていると、脱衣所の方から男の声が聞こえてきた。しかも聞き覚えのある声が。
扉が開きやってきたのはシドとトキであった。
まさかトキが来るとは思っておらずどうしていいかがわからなかった。
やっぱり、好きな人の体は気になっていた。だけど、トキの体をまじまじと見るのはできないのでチラチラ見てたがさすがと言っていいほどに鍛え上げられていた。意外なのはポチの体も時に負けないくらい凄かったことだ。
チラチラ見ていたが怪しまれるといけないのでポチに話しかけた。
「なめまわすように見られると思ったけど予想が外れたわね」
トキは紳士だからこういう場であっても見ないと思っていた。むしろトキには見て欲しかったまである。ポチに関しては完全に見てくるののだと思っていたのでこっちは完全に予想が外れた。
「温泉では人を見ないようにしてるんだお互い気持ちよく入るためにね」
「右に同じく」
「だから君も僕らのエクスカリバーをチラチラ見るのはやめてくれないか」
「それがエクスカリバーですって?ミミズの間違いじゃないの?」
これがアレクシアのシドの剣を見た感想だ。トキの剣は位置が悪くこの場からは見えない。
「物事を見かけだけで判断してはいけない。君がミミズだと思っているものはまだ鞘に入っているだけかもしれないのだから」
「どういう、意味よ」
「それともう一つトキのは鞘に入っていてもエクスカリバー級だ」
「フッ、なぜエクスカリバーが宝剣なのかそれは鞘に入っていても存在感があるからだ」
そう言いながらトキが立ち上がったことでついにそれが現れる。
「!?」
それを見たアレクシアにすさまじい衝撃が訪れる。
(お、大きすぎるわ・・・・あ、あれが私の・・・・)
手を下腹部にあてながら今後の展開を想像していたのでそこから彼らの会話は聞こえていなかった。ただ、最後にパァン!という音が響いたのは記憶に残った。
side out
ベータ side
私は今もう一つの顔ナツメ・カフカとしてサイン会を行っている。
あ、あれは!
サイン会を行いながら周りを見ていると、私が尊敬し憧れ愛してやまないクロノス様がいた。
やっぱり、クロノス様はいつでもかっこいいわぁ。
だが、一つだけ許せないことがある。それはクロノス様と当然のように一緒にいるアレクシア・ミドガルあの女。クロノス様の前はシャドウ様と付き合っていた。それだけでも許しがたいというのにシャドウ様の次はクロノス様と付き合った。これには私だけでなく七陰の中でもかなり問題になった。立て続けに我らが主と付き合う。この事件にはアルファ様もめまいを起こしていた。
幸い、クロノス様に話を聞けば恋人(仮)とのことで一応は収まった。
私にはわかる。あの女はクロノス様に惚れている。それを恋人(仮)ということにしながらも放課後デートとかはしっかりと楽しんでいる。そこのポジションは銀髪で泣きぼくろのある可愛いエルフが適任だというのに。
まぁいいわ。恋人(仮)では間違っても大人の階段を上ることはないはず。それに比べて私は既にクロノス様と大人の階段を上っている。あの女に負けることはない。
そんなことを考えているうちにクロノス様の番が回ってきた。
「本をこちらに」
クロノス様が来られてはしゃぎたい気持ちもあるけど今はナツメ・カフカとしてしっかりとやらないと。
あの女に少し見せつけてあげよう。あえてクロノス様の手を握りながら立ち上がる。そして顔を最大限近づける。
「お名前はなんていうんですか?」
「トキです」
でも、忘れてはいけない。クロノス様がここに来られたのは作戦を聞きに来るため。なんでも知っておられる方、わざわざ説明しなくても既に理解されてるだろうが一応確認として。サインと一緒に書いておく。
「作戦の詳細はこちらに」
「そうか」
そしてクロノス様が立ち去る前に
「あとで作品見させてもらう。これからも頑張れよ」
と言われてとてもうれしかった。一番言って欲しい人に言われたのだ。うれしくないはずがない。ただ今はそれを顔に出すことはできないので何事もなかったかのようにする。そして次には忌々しい女がやってきた。
side out
現在、ナツメ・カフカがトキと付き合っていることが公表されアレクシアとベータはバチバチ状態。そしてその原因とも呼べるトキは会場を見てくると言ってここにはいない。
「ナツメ・カフカ、あんたどういうつもり?」
「どういうつもりとは何のことでしょうか?」
「また惚けるき?なんで寄りにもよって私の婚約者と付き合ってるってことにしたのかよ。あんたならその無駄に大きい脂肪を使えば男なんていくらでも捕まえられるでしょ」
「あーそのことですか。そんなの私がトキ君を好きだからですよ。ちなみにトキ君はその無駄に大きい脂肪が好きみたいですよ」
ベータはあえて自分の胸を強調しながら答える。
「は?」
「だから、私がトキ君のことが好きだからです」
「聞こえてるわよ。だからなんでって聞いてるのよ!」
しびれを切らしたアレクシアはベータの足を踏みながら聞いている。
「い、痛いです。人が人を好きになるのに理由なんていりますか?しいて言うなら一目惚れでしょうか。そもそもアレクシア様とトキ君は婚約関係じゃないですよね。恋人関係でしかも仮ですよね。ならアレクシア様にとやかく言われる筋合いはないはずですが」
「ッ・・・・」
「今はまだ“仮”ですが次第にトキ君とは本当の恋人関係になれたらいいなって思ってますよ。そうなるとアレクシア様はトキ君と別れたという情報を世間に流していただきたいので、今のうちに新しい人でも見つけたらどうです?」
「上等よ。あなたこそ新しい男見つけといたほうがいいんじゃない?」
「心配には及びませんよ。だって私がトキ君に選ばれるんですから」
「寝言は寝て言いなさいよ。あんたみたいな胡散臭い女をトキが選ぶはずがないわ」
「その言葉そのままお返しします」
顔は笑っているが目が笑っていなく両者の間には電撃が飛んでいるかのようにも見える。そしてこの戦いはある人物が帰ってきたことで終わりを迎える。
「売店とか見てきたけど、あんまいいの無かったわ」
その人物とは言うまでもなくこの戦いの原因ともいえるトキだ。さすがの二人もトキの前で争おうとはしない。だが今までが戦争だとしたらこれからは冷戦に突入する。
「トキ君♪」
「あのーナツメさん。なんで抱き着くんですかー」
「これが偽の関係だと疑われないようにしっかりとアピールしておかにといけないので」
「トキ、こっちに来なさい」
トキは反対の腕をそう言ったアレクシアに抱き着かれる。
「ちょうどここには各国の人が来てるから私たちの仲を見せつけるわよ」
「さいですか」
二人に挟まれているトキはというと
(二人ともないがとは言わないがけっこうあるから思春期男子にはキツイ・・・・しかも旅行先の部屋もアレクシアと同じ部屋でソロ活動もできないというのに。はぁ辛い・・・・)
アレクシア視点は第三者、ベータ視点はベータなのはアレクシアはなんか書くのが難しく感じたからです。
七陰列伝や番外編みたいな話を入れるか?
-
もちろん、入れる
-
いらん