さて諸君、こんにちは。前世では時崎 刻無だったが、今はトキ・サダメとして生きている。サダメ家は結構裕福な家らしく今のところ生活には不自由していない。ただ、食事の時間やトイレなどはどうしてもつらい。まぁ、母乳を飲まされるのはいいのだが、トイレに行けないというのは屈辱だ。
そんなわけで今は赤ちゃんライフを送っている。赤ちゃんは日中することがないのでひたすら魔力について研究を重ねている。周りの大人が話しているのに聞き耳を立てたり、実際に使ってみたりしている。使うのは周りの大人に気づかれないように細心の注意を払ってだが。
それでいろいろ分かったことがある。まず魔力の使い道だが、漫画みたいに魔法を使うのではなく単純に身体強化をするものらしい。その時点でガッカリだ。と、思っていたのだが、何回か試してみたところ俺の魔力は周囲の気温に影響を与えることができるみたいだ。
これですべてのピースはそろった。
今までの研究成果はすべて頭の中にある。本当は装置を通してやるつもりだったのだが、そんなものはない。だがこれはむしろ好都合だ。時間を止めるのにいちいち巨大な装置を持って行くなんてダサすぎる。これで俺自身を中心として時間停止ができる。だが、今のままではとても熱膨張を起こせるほどの気温まで持って行けないのでひたすら特訓する必要がある。
5年後
「ついに、ついに完成した。ようやくだ。これで時間停止ができる」
研究を始めて早5年ようやく熱膨張を起こせる気温まで持って行くことができるようになった。
「やはり、時間停止をするときのセリフはいくつかあるが最初はやはりあのキャラのセリフだ。ザ・ワールド時よ止まれ」
やはり最初はDIO様のセリフだ。そして時は停止する。
「これが、止まった時の世界か。なんとも静かだ」
だが、時を止めてすぐに体に異変が起こる。
「体が、熱い。駄目だ、耐えられん。時は動き出す」
再び時は動き出した。今俺が止めていた時間は時間にして3秒ほどだ。初めてにしては上出来だろう。
「はぁはぁ、体が焼けるかと思った。あれだけの熱を出しているんだ。それに俺の体が耐えられるようにしなくては。それには俺の体を同時に冷却する必要があるな」
気温を上げることには成功した。次は気温を逆に下げることだが実は絶対零度である、マイナス273度までは下げられる。気温を操る過程で下げるほうも同時に練習しておいた。ただこれを同時にやるのはなかなかに神経を使う。それなりに練習がいるな。
10年後
「ふぅ、今はまだ3分が限界か」
あれから修業を重ね、何とか3分までなら時を止めていられる。つまりカップラーメンにお湯を入れてから時間停止をすれば時が動き出すころにはカップラーメンは完成していて目の前にいる人からしたら一瞬でカップラーメンができるという素晴らしいことができるのだ。まぁ、カップラーメンなんてこの世界にはないんだろうけど。
3分も時を止められるようになったんだし、そろそろ実践と行こうか。最近親父はどうも盗賊に困っているらしい。それで近くのカゲノー男爵家と協力して盗賊の撃退運動をしているとか。
カゲノー男爵家とは家が近いこともあり、親同士の交流がよくある。それでよく、両親たちが話している間子供たちだけで話すことがあるのだが、これがまた厄介なのだ。長女のクレア・カゲノーは一度戦いで負かしてからというものの会うたびに戦いを挑んでくる。そのたびに返り討ちにしているわけだが。もちろん時間停止は使っていない。クレアの弟で俺と同じ年のシド・カゲノーは一見弱そうに見えるが力を隠していると俺の感が言っている。何というか、前世の狂った友達に似ているんだよね。
そんなわけで今俺は初めての親孝行のため盗賊狩りに来ている。
「さてと盗賊の皆さん。俺の実験台になってくださいな」
最初から時間停止は使わない。この世界の大人たちがどれほど強いのか知っておきたい。クレアとの戦いでは、ただただ魔力で身体強化をしてごり押すというなんとも残念な戦い方なので大人たちもそうなのか少し気になったのである。
「なんだ?ガキがこんなところに来てよ」
「おいおい、こいつの服よく見てみると、貴族が着てるような服じゃないか」
「ダメだなーこんなところに一人で来るなんて、お父さんとお母さんに教わらなかったのかな?」
一応顔は仮面で隠しているが、着ている服から貴族と判断したのだろう。金ずるが来たと思ってか盗賊たちはゲラゲラ笑っている。これは少し現実を見せる必要があると思い時を止めて1人の首をはねる。
「な、なにが起きた。一瞬でそこまで移動したっていうのか」
「これでわかったろ。お前ら狩る側ではなく狩られる側ということを」
ようやく相手も現実が分かったようで剣を持って向かってくる。
「なんでだ!なんで当たんない!」
複数人いる盗賊が剣で切りかかってくるが正直こんな力任せの剣なんて当たるはずがない。この世界の剣術は大体こんなものか。
「もうわかった。十分だ。終わりにしようザ・ワールド時よ止まれい」
ゆっくりと歩きながら一人一人の首をしっかりとはねていく。
「そして時は動き出す」
この光景を第三者が見たらいきなり大勢の首がはねたこの光景に困惑するだろう。まぁ、これを見てる人なんているわけないんだろうけど。そんなことを考えていたら後ろから殺気が感じられてとっさに剣でガードする。
新たな襲撃者の見た目は紙袋を被って俺と同じような貴族が着るような服を着ている。
せっかくなのでこいつとも遊んでみることにする。魔力で身体を強化して打ち合っていく。何回か打ち合って分かったのだが、こいつ、今までのやつらとは違う!こいつは力任せに剣をふるっているのではなく、相手の間合いとかもしっかり考えながら戦っている。こいつ、強い!さすがにこのままでは負ける可能性もある。なので時間を止める。
「切リ離シタ宇宙」
ずっとザ・ワールドと叫んでいるのもいいが、たまにはほかの技名で時を止めたくなる。今のは炎炎ノ消防隊の象の技だ。
さっそく相手を地面に倒して逃げられないように拘束し首に剣を当てる。
「そして時は動き出す」
袋を被った男は今何が起きたかが理解できなく困惑していたが、現実が分かり降参してくる。
「参った。僕の負けだ。君強いね、僕の右腕にならない?」
「なんで勝った俺がお前の下に着くんだよ。普通逆だろ」
「それもそうか。なら相棒で。いやーずっとほしかったんだよね。陰の実力者としての相棒」
あの剣の太刀筋から何となくは感じていたが、今の発言で確信した。
「お前、影野だろ」
「あ、やっぱり。僕も何んとなーく見たことのある太刀筋だと思ってたんだけど、やっぱりトキだったんだ。久しぶり」
「なーにが久しぶりだよ。こちとらお前のせいで死んだみたいなものだぞ」
「それについてはごめんごめん。でもさ、そのおかげで魔力手に入ったならよくない?」
最初は一発くらい殴ってやろうかと思っていたが、魔力が手に入り時間停止ができるようになった以上むしろ感謝しなくてはいけない。
「それで、さっき僕を一撃で仕留めたのってやっぱり時間停止だったりするの?」
「ご名答。魔力のおかげで時間停止がついにできるようになった」
「トキの夢がかなったんだね。おめでとう。それじゃ今度は僕の夢に付き合ってよ」
ま、時間停止なんて能力表立って使えば騒ぎになるから使うにしても場所を選ぶ必要があったが、その場所を向こうから提供してくれるのならありがたい。
「いいぞ。付き合ってやる」
「よし!相棒ポジションゲット。それにしても時間停止っていいよね。陰の実力者が使ってもかっこいいと思うんだ」
「これは俺の10年前世も合わせたら20年の集大成だぞそう簡単に教えるわけにはいかない」
「そっかぁ。なら、僕の研究の成果と交換はどう?今トキの使ってる剣は魔力伝導率10パーセントくらいだけどそれが99%になるやつを教えるって言ったら?」
確かにこれは改善するべき問題だと思っていた。魔力を流しても10%しか影響しないなんていくらなんでも無駄が多すぎる。だが、今まで時間停止に関することばかりでそっちまで手が回らなかった。背に腹は代えられないか。
「わかった。いいだろう。その代わり理論だけな。できるまで手取り足取りは教えないからな」
「いいよー、理論さえ教えてくれれば僕なりに頑張っていくから。それにしてもずっと袋を被ってたから熱いよ」
「袋なんて被ってれば熱いだろ」
「そうだ。せっかくだし、トキも仮面外してよ。今世ではどんな顔か気になるし」
「よし、1,2,3で同時にとるぞ」
「オッケー」
『1,2,3』
影野は袋を脱ぎ、俺は仮面をとった。
『え?』
七陰列伝や番外編みたいな話を入れるか?
-
もちろん、入れる
-
いらん